Fate/reverse alternative   作:アンドリュースプーン

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第35話  奴隷として

 遡ること数時間前。舞弥は切嗣の指示でセイバーを双子館から200m離れたポイントF6へと呼び出していた。

 遠坂時臣との戦いで破損した装備の破棄と入れ替えを済ませた切嗣が少し遅れて合流する。

 舞弥は簡潔に切嗣のたてた『計画』をセイバーに伝えた。

 

「ロード・エルメロイとランサーは先程拠点である双子館を出ました。館には今、婚約者のソラウだけがいます」

 

 切嗣は聖杯戦争のためにマスターのプライベート情報や経歴を洗い出している。

 だからこそ間桐雁夜が遠坂葵に対して浅はかならぬ感情を抱いていた事も承知していたし、ケイネス・エルメロイがソラウに惚れこんでいることも熟知していた。

 ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリはケイネスと二人で一つのマスターであるとはいえ令呪はない。戦闘力もない。

 襲撃者に対して令呪でランサーを呼び出すなんて出来はしないし、魔術で応戦することもできない。

 ケイネスにとって最大のウィークポイントといって良かった。

 そして敵の弱点は徹底的につくのが衛宮切嗣のやり方である。

 遠坂時臣のウィークポイントであった遠坂葵と遠坂凛は頭の切れるブレーンでもいたのか倫敦へ逃がされていて手出しできなかったが、ソラウはこの冬木市にいる。狙わない理由はどこにもなかった。

 

「しかしロード・エルメロイとランサーが留守でも館にはルーン魔術師であるランサーとロード・エルメロイが構築した幾重にも渡るトラップがあるでしょう。ロード・エルメロイのものだけならまだしも、ランサーのルーンは我々現代の魔術師にとっては抗いがたい代物です。切嗣でも突破するのにかなりの時間を要する」

 

 魔術を学問ではなく武器として。極めるためでなく手段として扱う切嗣は並みの結界崩しを遥かに凌ぐスピードで『結界』を突破することが可能だ。

 しかし所詮は切嗣も現代の魔術師。相手がサーヴァントの敷いた結界ともなると一筋縄ではいかない。

 

「ですがセイバー、貴女の対魔力スキルであればランサーのルーンは怖れるに足らないでしょう。貴女は双子館に突入し素早くソラウ・ヌァザレ・ソフィアリを確保して下さい。その後、ポイントC3で切嗣と合流。切嗣の護衛をして下さい」

 

 お願いするように舞弥は言うが実質命令に近かった。

 セイバーは一度だけ目を瞑ると、真摯に舞弥の目を見て返答する。

 

「……作戦は、分かりました。マスターらしい合理的な判断です」

 

 セイバーが切嗣の方を見る。婚約者を人質にとるという卑劣な作戦を指示した切嗣は、それによる後ろめたさも罪悪感も感じさせぬ無機質な表情をしていた。

 舞弥はセイバーの瞳を切嗣と同じような目をして見つめながら口を開く。

 

「そうですか」

 

「だが私にも王としての矜持がある。譲れぬ一線がある。その指示を実行しろと仰るのであれば私に踏み込む代償に令呪の一画を頂きたい」

 

 セイバーは、否、アルトリア・ペンドラゴンは決して理想主義者の夢想家ではない。

 彼女は確かに理想主義者であるし理想を胸に抱いているかもしれないが――――その理想が遠いものであることを承知していたし、理想のためならば彼女は誰よりも合理的になる人物だった。

 聖杯をこの手で掴みとり王の選定をやり直し――――ブリテンを救う。その為ならばこの身がどうなろうと構わない。例えその後、己が身が世界の奴隷として使役されようと、己が存在が歴史より消滅しようと構わない。

 それだけの覚悟をもって聖杯戦争に挑んでいる。

 奇襲奇策も良いだろう。これは戦争であって決闘ではないのだ。

 マスターが無辜の命を犠牲にするのも批判はするまい。彼女自身もまた王として同じように罪なき人々を死なす決断をしていたのだから。

 しかし今更になって騎士の誇りなどを持ちだす気はないが、英霊として譲れぬ矜持というものは彼女にもある。

 彼女のマスター、衛宮切嗣は誇りなど欠片もない人間に見えるが違う。切嗣は己の行動がただのエゴであることは理解しているし、そのエゴのために卑怯悪辣な手段を使っても結果をとっている。その罪過に耐えきれているのは彼がそのエゴにある種の誇りをもっているからに他ならない。

 セイバーも同じだ。王の選定をやり直したいという願いを抱いているとはいえ、その生涯を誇っていないといえば嘘になる。自分が最善を尽くしたことも理解しているし、出来る限りのことをやったという自負もあった。……もっとも、最善を尽くしたという自負が故に、自分ではどうあってもブリテンを救えないと知ってしまっていたのだが。

 騎士王アルトリア・ペンドラゴンとしての踏み越えられぬ一線。誇りを失った時、人とは生きているだけの奴隷となる。それならばその誇りを捨てさせる命令には然るべき代価が必要だ。

 

「……いいだろう」

 

 切嗣もセイバーの瞳に宿る意志を察したのだろう。

 無理を言って従わせようとはせず、手の甲に刻まれた令呪に魔力を通す。

 

「我がサーヴァント、セイバーに令呪をもって命じる」

 

 セイバーを真正面から見て切嗣はセイバーに言った。

 切嗣がこれまでに使用した令呪は一回。キャスターがセイバーを奪った際に一度使用しているが、契約がキャスターに移った時に令呪が三画に戻っているので切嗣の手の甲にある令呪も二画だ。

 その二画目の令呪を切嗣は迷わずに使用した。

 

「この作戦内容に賛同し、自らに与えられた役割を果たせ」

 

 令呪がセイバーの魂を拘束する。この命令に従わなければならない、という強い強迫観念がセイバーの背中を突き動かそうとする。

 この令呪をもってセイバーは自らの信念を曲げることを良しとした。常勝無敗の誇り高き騎士王はこの一時、ただの誇りなき一介のサーヴァントとなる。

 

「舞弥。それでは手筈通りに」

 

 令呪まで使用させたのだ。セイバーも文句を言うことはなかった。

 主人(マスター)の命令に従い、ただの奴隷(サーヴァント)として命令を実行する。

 

 

 

 

 

 ウェイバーとライダーを撃退したケイネスはほっと一息ついた。

 相手が教え子だったとはいえ十日目にして漸く一人敵を倒すことができたのである。贅沢を言えばこの目でサーヴァントの消滅を確認したかったが大した問題はない。

 癪だが戦士としてのランサーの眼力は確かなものだ。ランサーがもう長くないといった以上、ライダーが脱落したのはほぼ100%。

 マスターであるウェイバーは生存しているが……そこはどうでもいい。サーヴァントを失えばウェイバーは教会へ逃げ込むだろうし、自分に刃向ったとはいえ教え子だ。教え子を相手に本気で殺しにかかるほどケイネスは大人気なくはない。

 

(しかしあの矮小で凡俗で目のないウェイバー・ベルベットが私に真っ向から挑んでくるとはねぇ)

 

 ウェイバーの魔術師としての才覚はやはり矮小なままだ。しかし戦いで見せたライダーへの指示や令呪の使用法。どれも魔術師らしい合理性に満ちたものだった。

 魔術師として認めたりはしないが、その精神だけは評価に値する。

 

「……はぁ。なんだかねぇ」

 

 初めて敵の首級をあげたというのにランサーはどこか浮かない顔をしていた。

 

「どうして溜息をつく? 私が令呪でサポートしてやったとはいえ初めて敵を討ったのだぞ」

 

「大したことじゃねえよ。だがな、女を殺すのはあんまり趣味じゃねえんだよ。ゲッシュにするほどのもんじゃねえが……やっぱなぁ」

 

 ランサーはらしくなく難しい表情をしていた。

 だがそれも一瞬のこと。直ぐにランサーは気を切り替え元の飄々とした風体になると、からかう様にケイネスに話しかけてきた。

 

「んなことよりケイネス。あの小僧のこと散々に扱き下ろしてたにしちゃ土壇場で令呪使ったのはなんでだ?」

 

「貴様がそれを言うのか。お前がウェイバーに注意を払えと私に進言したのだろうが」

 

「へぇ~。サーヴァントの忠告を頭に入れといたのか。サーヴァントはただ私の命令に唯々諾々と従っていれば良いのだ、って偉ぶってた魔術師とは思えねえな。なんか変なもん食ったか?」

 

「阿呆が! 減らず口を叩くな愚か者。貴様が不甲斐ないせいでウェイバー如きに令呪を一画消費することとなったではないか! これで私の令呪は残り一画……どうしてくれる?」

 

「俺としちゃ面倒な縛りが残り一つになって万々歳なんだが」

 

 口ではそう文句を言うケイネスだが令呪を使った事が間違いだったとは思っていない。

 ライダーの宝具『騎英の手綱』はランクA+にも届く強力な対軍宝具。恐らく火力においてならこの聖杯戦争でも随一だろう。しかも令呪によるブーストつき。ケイネスが令呪を使用していなければランサーが敗北していたのは想像に難しくない。

 

(問題はここからだな)

 

 令呪は残り一画。サーヴァントを縛るためには死守しなければならない防衛線。

 サーヴァントは令呪があるからこそマスターに従っている。もしもこの令呪がなくなればサーヴァントがマスターにおめおめと従う必要もなくなるのだ。

 

(ランサーなら仮に令呪を消費しつくしても裏切りはしないだろうが。やはり令呪は温存しておきたい)

 

 ごく自然にランサーならば自分を裏切らないと思考するケイネス。それは紛れもないランサーに対しての信頼の現れなのだがケイネスはそれに気付いていなかった。

 

(遠坂時臣との戦闘が響いたか。次からの戦いではランサーには足止めのみに徹しさせ、私自らが敵マスターを討ち滅ぼすのも上策、か。最後の令呪は遠坂時臣との戦いにでも使えば良い)

 

 敵がペガサスにのっていたとはいえ結局ライダーとの戦いはランサー任せとなってしまった。

 武勲を得たいケイネスとしては自らの力だけでマスターの一人でも倒したいという欲がある。

 

(まぁ取り敢えずは敵は滅ぼした。それは事実だ。ソラウもこれで溜飲を下げてくれるだろう)

 

 今日中にサーヴァントを一人倒すというノルマはクリアしたわけなので結果は上々。

 ソラウも少しは自分のことを見直してくれるだろう。それでほんの少しでも微笑みかけてくれたら嬉しいのだが。

 

(それは望み過ぎか)

 

 ライダーの対軍宝具の影響でこの人気のない川岸は破壊され尽している。

 帰ったら教会へ報告し神秘の隠蔽をさせなければならない。

 

「帰還するぞランサー。今宵はこれまでだ」

 

「おう」

 

 サーヴァントとはいえ無敵ではない。戦えば疲れもする。宝具を使ったともあれば猶更だ。今宵はこれ以上の戦闘は避け館で休養するのが最善だ。

 ランサーも否はなく槍を消し去ると姿を霊体化させようとして、

 

「――――――止まれ」

 

 降りかかった無機質で無感情な声に足を止めた。

 聞いた事のない声色。まさか敵サーヴァントかマスターかとケイネスが声のした方向を見て絶句する。

 

「なっ……! そ、ソラウ!?」

 

 そう。ケイネスの目に最初に圧倒的なインパクトで飛び込んできたのは婚約者のソラウだった。口は塞がれ声が出せず怯えながら、ソラウはケイネスとランサーを見ている。

 ケイネスが初めて見る婚約者の『脅え』だった。

 そしてソラウの米神に黒い鉄の塊――――拳銃を突きつけているのは無精髭を生やした東洋人。手の甲には令呪が刻まれている。マスターだ。

 聖杯戦争の参加者、卑怯な手段、拳銃。それらのヒントが雷光のようにケイネスの脳裏に一つの名前を提示した。

 

「貴様が衛宮切嗣かっ!」

 

 衛宮切嗣は答えない。だがその沈黙は肯定なのだとケイネスは確信した。

 

「テメエがケイネスの工房を爆破した張本人ってわけか。なるほどな、想像以上に腐った目ェしてやがる。胸糞悪い野郎だ」

 

 ランサーがアーチャーに向けた以上の怒気を切嗣へと叩きつけた。

 クランの猛犬の眼光である。常人ならば睨まれただけで腰を抜かし、意識さえ手放してしまったかもしれない。しかし切嗣は鋼鉄のように動じずランサーの威圧を受け止めてみせた。

 

「僕はサーヴァントに話してはいない。僕が取引するのはお前だ……ケイネス」

 

 切嗣は懐にしまっていた一枚の羊皮紙をみせる。

 

「『自己強制証文(セルフギアス・スクロール)』!?」

 

 切嗣が時臣への提示したものと同じ魔術師にとって最大限の譲歩とされる絶対遵守の契約書。

 しかし記されている内容は時臣のものとは比べ物にならないほどに酷い要求だった。

 

 

『衛宮矩賢が子息、衛宮切嗣がアーチボルト家当主・ケイネス・エルメロイ・アーチボルトと契約する――――』

 

 

 やはり衛宮切嗣で正しかった。

 自分の推測が正しかったことが立証されたが嬉しくもなんともない。なにせ契約内容はとてもではないが安々と頷けないものだったからだ。

 

 

―ケイネス・エルメロイ・アーチボルトは下記の条項を締結する―

 

1、最後の令呪をもって自らのサーヴァント、ランサーを自害させる。

2、衛宮切嗣に害となる行動をとらない。

3、この冬木市から出るまで魔術を使わない。

 

 

―衛宮切嗣は下記の条項を締結する―

 

1、衛宮切嗣及びセイバーはケイネス及びソラウに危害を加えない。

2、1の条項はランサーが消滅した後に有効である。

 

 

 

 事実上の降伏勧告。この場で敗北を認めろ、さもないとソラウを殺す。

 衛宮切嗣はそうケイネスに要求しているのだ。

 

「ひ、卑怯者め! 貴様も仮にも魔術を刻んだものであるのならば魔術師としての誇りはないのか! いいやそれ以上に……ソラウを人質にするなど……そんな……」

 

「僕はそんな言葉を聞くために来たんじゃない。要求を呑むか呑まないか……直ぐに決断しろ。無論、お前が呑まないのであれば婚約者にはここで死んで貰う」

 

「ああそれでも僕はいい。お前が婚約者を見捨てるのであれば、僕自身の力でお前達を始末するだけだ。過程が変わるだけで結果は同じだ」

 

 愕然とする。もしも要求をのめばソラウは助かるだろう。ギアスの条項は完璧だ。冬木市に出るまでは魔術が使えないという制約はつくが、契約が結ばれれば最後セイバーも衛宮切嗣も自分とソラウに手出しができなくなる。

 しかしそんなことをすれば武勲を得るためにケイネスの立場はなくなってしまう。時計塔での威信は地に堕ち、ケイネスは極東での儀式に挑みながら惨めに逃げ帰った弱虫という烙印を押されるだろう。

 時計塔での名声とソラウの命。どちらを選ぶか。

 

(そんなもの考えるまでもない……ソラウだけは、失なえん。だが)

 

 ランサーを伺う。これは名声かソラウかの選択だけではない。ソラウを選ぶということはその場でランサーを自らの命令で殺すということでもあるのだ。

 だがランサーはまるでケイネスの心の葛藤を訊いていたように言った。

 

「俺を気遣う必要はねえぜ。ソラウがああしてあの糞野郎の人質になっちまったのには半分俺にも責任がある。落とし前はつけるさ。俺の命で済むんなら安いもんだ」

 

「……そうか」

 

 合点がいったと頷きケイネスは切嗣を見た。

 切嗣は口を開く。

 

「選択はできたか。なら選べ。要求を呑むか?」

 

「教えてくれ。ラ…ランサーを自害させれば…ランサーを殺せば……。ほ……本当に……私とソラウ……は見逃してくれるのか? 本当に私とソラウを見逃すんだなッ!」

 

 ケイネスの顔は鬼気迫るものがあった。

 魔術師として死は観念すべきもの。ケイネスが芯より魔術師であれば、ソラウの命を切り捨てていただろうが、ケイネスは魔術の誇りよりもソラウを選ぶ『人間』だった。

 例えその過程でランサーを自らの命令で殺す事に成ろうと。ソラウだけは失えない。

 

「ああ。それが契約だからな。お前達の『命』と引き換えのギブ&テイクだ。約束は守るよ」

 

 切嗣の言葉に少しだけ安心したように肩を降ろす。そしてケイネスは、

 

 

 

「だが断る」

 

 

 

「……」

 

「このケイネス・エルメロイが最も好きな事のひとつは自分で強いと思ってるやつに『NO』と断ってやる事だ……」

 

「なるほど。婚約者を見捨てる方を選んだのか」

 

「それもNOだ! そして落とし前をつけるのはランサーの命をもってではない。無論私でもない! 貴様の命だ!すっかり忘れていたが仕込みは既にしていたのだ! ランサー!!」

 

「おう!」

 

 ランサーがルーンに魔力を込める。しかしランサーはルーンを描いていない。ならばどこに刻まれたルーンに魔力を込めたのか。

 

「ッ!」

 

 ソラウの体から閃光弾のように眩い光が放たれる。あくまでも光の中心点たるソラウには傷のつかない閃光はしかし、衛宮切嗣には身を焦がす炎となる。切嗣は素早い判断力でソラウから手を放した。

 もしも切嗣が尚もソラウを掴んでいれば、切嗣の手は閃光により焼けただれていただろう。

 切嗣に生まれたほんの一瞬の空白。その隙を逃さずにランサーは走り槍を切嗣に突き出した。

 

「――――!」

 

 けれど槍は割って入った白銀の騎士によって払われる。

 手に握るは風に覆われた不可視の剣。風になびく金の髪。切嗣のサーヴァント、セイバーだった。迎撃された槍。しかしランサーは首尾よく人質となっていたソラウを取り戻すことに成功していた。

 ランサーが魔力を込めたルーン。それは空中でもなければ地面でもなく、ソラウの服に刻まれていたのだ。時臣から切嗣の情報を聞いて、もしかしたらの可能性を考慮しランサーがこっそりソラウにばれないよう服に刻んでおいたルーン。それが役立ったのである。

 

「残念だったな下衆野郎。テメエの下らん策略は終わりだ」

 

 ランサーがそう突きつける。そう人質を失い切嗣の策略は瓦解した。

 しかし戦いは終わらない。セイバーとランサー。そして切嗣とケイネスはここに正面から対峙した。

 

「ソラウ、無事か。怪我は呪いは……ないかね?」

 

「ええ……大丈夫よ……」

 

「そうか、それは本当に良かった」

 

 いつもの気丈さはどこへやら。ソラウは憔悴しきっている。

 ソラウが味わったであろう恐怖を想像しケイネスは憤怒の視線を切嗣へと向けた。

 

「ソラウは下がっていてくれ。あの不埒者はこのロード・エルメロイが誅罰を与えてくれよう」


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