艦隊これくしょん -艦これ- ~空を貫く月の光~   作:kasyopa

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――― 一人の駆逐艦が見るのは、希望の海か、絶望の海か ―――

秋月型駆逐艦、涼月。抜錨。


第二十六話『絶望の空、倦怠の海』

「なんだ! 敵襲か!」

 

磯風さんが勢いよく立ち上がり、野分さんは反射的に舞風さんの元に駆ける。

 

「落ち着いて! 対空電探……敵機の数は9……いや、まだ!」

 

大和さんが対空電探に意識を向け、数を伝える。

彼女の形相がみるみる険しくなっていき、それはここに居た皆が事態の悪化を予測した。

目を見開いた彼女は、私達が居る事を見渡して確認する。

 

「皆さん、私に付いてきて下さい」

「付いて来いって、どこに行くんだ!」

「明石さんの所です」

 

磯風さんの反論を言いくるめ彼女は食堂を飛び出し、

私達を引き連れて明石さんの工廠へと向かった。

 

・

 

・

 

工廠では明石さんが妖精さんに指揮を出し、慌ただしくなっている。

 

「大和さん! 皆さん! 無事でしたか!」

 

明石さんはこちらに気付いて駆け寄ってくる。

彼女の工廠も無事であったが、ここもいずれ爆撃されてしまうだろう。

今でも絶え間なく爆音が聞こえてくる。

独特の噴出音のようなものも聞こえるので恐らく敵空母による爆撃。

 

「明石の工廠に何があるというんだ、大和」

「爆撃に備えた地下シェルターです」

 

明石さんがそう言って指した先。そこには地下へと続く大きな鉄扉が開いていた。

 

「どうしてこんなものが……」

「今はそんなことより早く!」

 

私達は妖精さん達に先導されてシェルターの中に入っていく。

その時舞風さんと野分さんは何かに恐れる様に震えていた。

全員が入った後に明石さんと妖精さん達が入って来て、内部から大きな鉄の門を閉める。

 

中の電気が付けられると、ホテルの内容であったトラックとは打って変わって、

必要最低限の物しか置いてなかった。

贅沢は言えないが今までの差が激しく、流石の私でも戸惑いを覚えた。

 

「兵装などの爆発物は別のシェルターに入っています。艤装は流石にここにありますが」

 

明石さんの説明を聞きながら、私はどうしてこうなったかを推理する。

呉の人達が帰っていった途端、狙ったかのように現れた敵艦載機の部隊。

 

大和さんと目を合わせると、彼女は首を横に振った。

それは言わない方がいいという意味か、解らないという意味なのか、私には解らない。

恐らく前者であろうが。

 

私は私の言ったことを整理する。

 

相手は完全にこちらの暗号を解読している。となれば本土への空襲を選ぶはず。

いや、もしも敵が今朝の提督の中止命令、そして撤退命令を察知したなら。

本土への空襲は断念し、逆に手薄になったこちらへ転進して空襲を行ったとしたら。

そうだとすれば私達には打つ手立てがない。

例えそれを想定して戦力を残したとて、本土が手薄になりいずれ本土空襲の危険がある。

 

「……そういえば大鳳が居ないようだが」

 

辺りを見渡していた磯風さんが大鳳さんの名を口にする。

 

「そういえば……先程こちらで待つように言ったんですけど」

 

明石さんも見渡してみるも彼女はいない様子。

私は私達の艤装が置いてあるところを見てみる。

だがそこに大鳳さんの艤装は無かった。

彼女は空母であって戦艦でも駆逐艦でもない。なければすぐに解る。

 

「明石、その鉄の門以外に出入り口はあるか」

「い、一応ありますけど、今出ると空襲に晒されますよ!」

「そんなことはどうでもいい! どこにあるかと聞いている!」

 

磯風さんの威圧感に押され、明石さんは艤装のすぐそばにある細い通路を指した。

緊急用の出入り口だろう。

磯風さんはそれを見るやいなや、艤装を持ってその通路へと走った。

 

「待ってください! 磯風さんが行ってどうにかなる状態では」

「なら大和は大鳳を見殺しにしろと言うのか」

「そうは言ってません! でも磯風さんが……」

「……私に戦い以外の事を期待されてもそれには応えられない。不器用なのでな」

 

そうとだけ言い残して彼女は通路へと消えた。

私はそれを見て増設用のマストを外して、妖精さんにはごめんとだけ謝る。

 

「涼月さん!」

 

艤装と魚雷を持ち、そこで制止の声をかけられる。

振りむけば大和さんが今にも泣きそうな目をしていた。

 

「磯風さんと大鳳さんを連れ戻してきます」

「………」

「大丈夫です。私は貴女を守るまで死ねませんから」

 

不安そうな顔をする大和さんに笑顔で答えると、私はその場を駆けた。

 

・

 

・

 

何枚もの重厚な扉を越えた先、私は崖の一角に出てきた。

どうやら大鳳さんと初めて出会った崖の下らしい。

空を見上げると黒い敵艦載機が飛び回っていた。

 

私はその場で艤装を装着して海を駆ける。

辺りを見渡すと磯風さんの長い黒髪が風に靡いているのが見えた。

 

「磯風さん!」

 

最大船速で彼女に何とか追いつくと、彼女は私の姿を見て驚く。

 

「涼月、お前は大和と共に居ろ」

「それでも貴女と大鳳さんを見捨てられません!」

「……勝手にするといい。ここまで来たのだからな」

「感謝します」

 

言い合っていても仕方ないと判断したのだろう。

私は彼女に感謝しながらも二人で大鳳さんを探すことにした。

 

今でも対空電探が敵の数と位置を教えてくる。

少しばかり五月蠅い気もするが、これが生きるためには必要な事。

電探で敵艦載機の位置を探りながら目となる部分をすり抜ける様に航行する。

 

「磯風さん、何か頼りはあるんですか?」

「大鳳は空母だ。空が賑やかになっている場所を探せば解る」

 

至極単純ではあったが、航空戦が繰り広げられているのであればそれは当然の事だった。

耳をすませて電探も駆使して航空戦が繰り広げられている場所を探す。

 

「そこですか……」

 

いくつもの機影が入り乱れながらも、一方的に落とされている場所がある。

 

「見つけたか。流石だな」

 

私達はその場所へ向かって再び最大戦速でその場所へ向かった。

 

・

 

・

 

大鳳さんは無数の敵機から攻撃を受けていた。

しかしあまり時間が経っていないからから、又は彼女自身の練度の高さからか、

被弾はそこまでしていない様子。

 

「この程度、この大鳳はびくともしないわ!」

「大鳳!」

「! 磯風さんに涼月さん!」

 

私は対空電探に映った敵艦載機を片っ端から撃ち落としていく。

意識は空へ向ける。二人を大和さんの元へ連れて帰る為にも。

それで切り開いた道をまっすぐに駆ける磯風さん。

 

「下がれ大鳳。お前の勇姿は買うが今は引く時だ」

「ですが今下がれば泊地が!」

「お前を喪う事に比べれば何でもない!」

 

一瞬だけ見えた彼女の顔には一筋の涙があった。

いつも不敵な笑みをこぼすか、いつもの冷静な彼女であったが、今は違った。

 

「お前を失えば悲しむ艦娘だっている。それを理解してくれ……」

 

大鳳さんの胸元で泣く彼女の姿に驚きつつも、

その考えを振り払い私はせめてもの時間稼ぎに長10cm砲を連射する。

自分の今まで鍛えてきた感覚を信じて。

しかし青い光を放つ非常に素早い攻撃機が入り混じり、撃墜に難色を示していた。

 

「解りました、今は引きましょう。涼月さんも早く!」

「私は殿を務めます! お二人は早くシェルターに!」

 

防空駆逐艦として、そして二人の親友として、彼女達を生きて返さなければならない。

勿論私自身死ぬ気も無い。磯風さんがさっき言った。私も死ねば悲しむ人がいる。

だから私も帰らなければならない。

 

敵を引き付ける為に機銃と主砲を乱射し撃ち落としながらも、二人から離れる。

今は大鳳さんの放った艦戦もほぼすべて撃墜されてしまっている為、

私が引き付けるしか手はなかった。

 

二人が先行して先程の出入り口に向かったのを見て、私は再び空へと意識を向ける。

後もう少し。後もう少しだけ時間を稼ぐ事が出来れば!

 

連射の影響で熱くなっている砲身を火傷しながらも無我夢中で交換し、

再び空へと砲火を放つ。

電探に意識を向けると、まだ複数の敵艦載機がこちらに向かっているようだった。

だがこれ以上引き付けていても埒が明かない。

 

「この程度でいいでしょう!」

 

私は転進し乙字運動を繰り返して爆撃を紙一重の所で避ける。

蒼龍さんの爆撃で慣れてはいるが、こんなにも多くの艦載機を相手にしたことは無い。

更に狙いを付けさせないためにも主砲と機銃は対空に徹していた。

 

何とか崖下が見えた。後はそこに向かうだけ。それでも乙字運動はやめない。

二人の姿は無い為恐らくもう入っているのだろう。

 

そう思った矢先、後方から低空でかつ高速で向かってくる敵機を電探が捕捉する。

振り返ると、歯の生えた白く丸い物体がこちらに向かって魚雷を投下していた。

私は咄嗟に旋回しその魚雷を紙一重の所でかわす。

 

が、その魚雷は崖の元にある出入り口に飛んでいきそのまま爆発。

その衝撃で崖は崩れてしまい、出入り口は埋まってしまった。

 

「っ! 面妖な、機体が!」

 

白い物体はあざ笑うように、ガチガチとその歯を鳴らしながら飛んでいく。

その速度はあの青い光を帯びた敵機よりも早く、狙うも即座に離脱されてしまった。

直後対空電探が鳴り響く。位置は……直上!?

空を見上げるとそこには複数の白く丸い物体が、同時に急降下爆撃の態勢に入っていた。

 

大きく回避すれば間に合う。

そう思って大きく旋回しようとした時、

遠方から飛んで来た砲弾が私の近くで水柱を上げた。

何事かと思ってその方向に視線を送ると、

六隻の深海棲艦が輪形陣を取りひしめいているのが見える。

 

先頭を進むのは黄色い瘴気を纏った戦艦。

その後ろと最後方に居るのは黄色い瘴気を纏った空母。

その両隣には守る様に駆逐艦が二隻。

そして中央には隻眼の空母が、その禍々しい紺碧の瘴気を纏っていた。

 

その禍々しさに恐怖の念すら抱いていると、

上空から一斉に急降下爆撃してきた白い物体の爆弾が艤装に衝突し爆発。

私はそのまま吹き飛ばされ、瓦礫に思い切り叩き付けられた。

 

「がっ、ごほっ!」

 

反射的に前かがみになって口から吐き出されたのは血。

何とか頭と四肢の痛みに耐えながらも立ち上がった。

その場から離脱しようとしても敵戦艦の正確な砲撃が私の回避行動を制限する。

それだけではない。急降下爆撃を終えた白い物体が口から機銃を放つ。

その弾丸は艤装と服をえぐり取り、体に多大な傷を負わせた。

後方に下がろうとしても崩れた崖が私の退路を断っている。

 

この状況を良く知っていた。私が以前オリョール海で皆と使ったあの挟撃だ。

私達は敵に対してこんなことをしていたのだ。

身動きのできない敵に、こんなにも酷いことをしていたのだ。

 

戦いとは非情なもので、情けなどいらない。

深海棲艦に『復讐』と言う言葉があるのかは知らない。

でもこれが罰なのだ。いままで散々勝手に動き、勝手に動かしてきた私への報い。

 

空を仰げば絶望。海を見つめれば倦怠。後方は閉ざされている。

鎮守府正面海域での彼女もこのような状況で戦い、そして散っていった。

 

空に浮かぶ白い物体が崖際だというのに、

再びこちらに向けて急降下爆撃を敢行しようとしていた。

 

ここまでか。

そう思って私はその場に座り込み目を閉じた。

 

 

 

「『まだ諦めてはいけません!!』」

 

そんな声と共に爆音が響き渡り、誰かが私の前に躍り出る。

目を見開くと急降下爆撃を敢行していた白い物体が全て爆発していた。

 

私はその言葉を聞いたことがある。

でも、その言葉を放ったのは私の前に躍り出た一人の少女。

 

特型駆逐艦一番艦、『吹雪』であった。

 

「大丈夫ですか涼月さん!」

 

声を掛ける彼女に対して私は無意識に首を縦に振る。

だが空にはまだ無数の敵機が残っていた。

 

「吹雪さん!」

「大丈夫です!」

 

水平線の向こうから飛んで来た弾丸が炸裂してほとんどの敵機を叩き落とし、

残敵を赤二本の胴体帯の艦戦と白二本の胴体帯の艦戦が叩き落とす。

なるほど、これは……

 

『Hey! ズッキー! 無茶しちゃ駄目ネー!』

『金剛さん、無線封鎖を徹底するようにと吹雪さんから言われましたよね』

『そういうアンタだってしてないじゃない!』

『これはただの雑談です』

 

無線から金剛さんと加賀さん、瑞鶴さんの声が聞こえてくる。

 

『全く、早く呉に戻って北上さんと久々の間宮さんの所に行きたかったのに』

『まーまー、旗艦様の吹雪ちゃんのいう事だし、何かあるのは解ってたけどねー』

 

聞いたことのない二人の声がする。誰だろうか。

そんなことを思っていると大量の雷跡が輪形陣を取っている敵の右舷に直撃し、

駆逐艦と最後方の空母が爆発した。

 

「凄い数の魚雷ですね」

『そりゃ、重雷装巡洋艦だからねー。あ、あたしは『北上』。よろしくー』

『同じく重雷装巡洋艦の『大井』よ。この貸し、百万倍にして返してもらうんだからね』

 

重雷装巡洋艦。聞いたことがある。

駆逐艦や巡洋艦の切り札である魚雷を大量に装備した、対艦に特化した巡洋艦。

 

右の海から現れたのは、第五遊撃部隊のメンバーだった。

 

「どうして貴女達がこんなところに……」

「なんだか胸騒ぎがしたんです。そう、MO攻略の時と同じ」

「胸騒ぎ、ですか」

 

それは一体どういったものなのかは解らない。

でもそれで私は助かったのだから今は追及しないでおこう。

残った敵は空母2、駆逐1、戦艦1。

残った空母はまだ艦載機を発進させようとし、戦艦はその砲をこちらに向けていた。

 

しかし耳を貫く砲撃音と共に先頭を走る戦艦と、

隻眼の空母の先を行く空母に砲弾が左舷に突き刺さり瞬く間に爆沈する。

この轟音にも似た砲撃音。忘れたくても忘れられない。いや、忘れるわけがない。

あの時も『彼女』は、こうやって助けてくれた。だから私は今度こそ名前を呼ぶ。

 

「大和さん!!」

 

左の海から現れたのは大和さんだけでなく、舞風さん・野分さん・磯風さん・大鳳さんと、

トラック島の面々が揃い踏みであった。

 

『さあ、華麗に踊りましょう!』

『やってやります! てーっ!』

『撃って撃って撃ちまくれ!』

 

駆逐艦である三人は魚雷を同時発射し、隻眼の空母の左舷に居る駆逐艦を撃沈した。

 

「舞風さん! 大丈夫ですか!」

 

私はシェルターの中で怯えていた舞風さんの事が気になって、

思わず戦いを忘れ声を掛ける。

 

『大丈夫! 野分が居てくれるって、教えてくれたから!』

『彼女は私が守ります。今度こそ、絶対に!』

 

どうやら別の思いは吹っ切れたようだ。ならば問題ない。

 

『そうね。この際、徹底的に撃滅しましょう!』

 

大鳳さんの声と共に彼女は弩の引き金を引き、

艦戦を発艦させて隻眼の空母が発艦させる直掩機を撃墜していた。

 

残すはあの隻眼の空母だけ。

しかしその隻眼の空母は負けじと青い光を纏った精鋭機を発艦させ、

次々と三人の艦載機を叩き落としていく。徐々に制空権は失われつつあった。

 

 

Side 吹雪

 

 

「貴女は皆を照らす太陽……ですね」

 

そう言いながら艤装は大破し、体の所々から出血している涼月さんが立ち上がる。

 

「そんな! 駄目です!」

 

私は思わず制止させる為に触れそうになるも、南西諸島海域の事を思い出してやめる。

そして解っていた。この人は進み続ける。この人はそういう人だ。

 

「提督が吹雪さんに何の光を見たのか、解る気がします」

 

腿の所にあるベルトに付いた砲身を指の間に挟んで引き抜き、

折れ曲がった砲身を別の指の間で挟んで引き抜きながらも新品の砲身に付け替える。

 

「なら、その光を導く道を作りましょうか」

 

付け替え終わり砲身と視線を空へと向ける涼月さんは、最大戦速で隻眼のヲ級に突っ込んだ。

その異常事態に気付いたのか、涼月さんが大破していたからか。

敵の艦載機がここぞとばかりに襲い掛かる。

 

「甘いっ!!」

 

その言葉と共に涼月さんの主砲が途端に火を噴く。

その一発一発が空を再び覆わんとしていた敵の艦載機を正確に打ち抜き、撃墜していく。

既に回避運動を取っていたものも、攻撃を行おうとしたものも、全て。

まるでそれは敵の艦載機が、涼月さんの放った砲弾に当たりに行っているように見えた。

 

そして全ての艦載機を撃墜した後、止めとばかりに二つの長10㎝砲が、

隻眼のヲ級の帽子の部分を吹き飛ばす。

 

「吹雪さん!」

「はいっ!!」

 

涼月さんは私の名前を呼んで、すぐ横に転進した。

彼女は本当に道を作ってくれた。私の通る道を。

制空権は既にこちらが確保していたし、後はこの隻眼のヲ級だけ。

 

砲を構えて放つ。

それは夾叉となってヲ級の四方に水柱が立ち、身動きできない状態になった。

それを見た直後に魚雷を構えて発射する。三連装魚雷が二基。計六本。

放たれた六発の魚雷は隻眼のヲ級に直撃し、炎に焼かれて水底へと消えていく。

 

「私、やりました! 涼月さんのお蔭です!」

 

そう言って涼月さんの方を見ると、彼女はその場に座り込んでいる。

そんな彼女は、艦首部分からゆっくりと沈んでいた。

 

「涼月さん!」

 

私は思わず駆け寄って傷のない場所に触れる。

 

「……今は少しだけ、休ませてください」

 

目を閉じて俯く彼女が消えていくような気がして、私は必死になって崖際まで牽引した。

第五遊撃部隊の皆も、大和さん達も何事かと集まってくる。

 

崖際にもたれ掛らせた時には彼女は更にぐったりとしていて、

まるで死んでいるようだった。

 

私は恐る恐る涼月さんの手に触れてみる。冷たい。

手首に触れて脈があるかを確かめる。非常に弱弱しい。

 

生きている事に少しだけ安堵を覚える。

でも、事態が一刻を争う事は変わりない。

 

私達は涼月さんを入渠ドックに運び込み、入渠をさせた。

しかし傷が癒えても、入渠の時間が過ぎても、彼女の意識が戻ることなかった。




敵編制
空母ヲ級改flagship・空母ヲ級flagship(新型艦載機)・空母ヲ級flagship(新型艦載機)
戦艦タ級flagship・駆逐イ級後期型・駆逐イ級後期型

つまり過去イベント『迎撃!トラック泊地強襲』のE-2、難易度:甲の最終形態編制です。
制空権優勢で対空値が405、確保する為に810もの莫大な対空値が必要で一躍有名になりました。
そしてタコ焼き艦載機である艦攻のアヴェンジャー。つまり『復讐』。
涼月があの戦いで攻撃を受けたのもこの敵機によるものです。
(なお執筆中は全く意図せずタコ焼き艦攻置いてたのは秘密)

吹雪の直感と大和達の救援。
轟沈という悲劇は避けられたものの、守る事は出来なかった。

涼月が『道』を作る為に放った対空砲火こそ、『対空カットイン』です。
対空カットインと言うものが存在するゲームと、涼月が秋月型という事を見て、
これを使うと思った人はあながち間違いではありません。
アニメではヲ級の帽子部分から発艦させているので、そこを吹き飛ばせば中破としてます。
因みにこの話では『隻眼のヲ級=如月』という見解を真っ向からぶち破ってます。
そもそも如月沈んでないし!

ここまで来るとオリ展開所か原作ブレイクしてそうで怖いのですが、
まぁ、そんなこともあるよね……(byスーパー北上様)って感じです。
正直求めていない人には真面目申し訳ないです。



「故郷を愛することも人を好きになることも、
 お腹がすけばパンを食べるようにごく自然な要求なのだ。
 それを尊いことだと勘違いするから世の中の悲劇の半分はうまれる。
 残りの半分は偶然と想像力の欠如だ」

パワプロクンポケット10、神条紫杏より。

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