※ネタバレ注意※
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ブラッドボーン全てのエンディングをクリアした後に読むことを強くお勧めします。
これを読んで楽しみがなくなったと訴えられても責任は一切負いません。
自己責任の元よろしくお願いします。

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ブラッドボーン全てのエンディングをクリアした後に読むことを強くお勧めします。
これを読んで楽しみがなくなったと訴えられても責任は一切負いません。
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Nightmare of the hunter

俺の目的は何だ。

過去を思い出せないが、少なくとも血の医療を受けに。

生きる為にヤーナムに訪れたはずだ。

それなのに、突如血溜まりから現れた獣や。

静かで落ち着きのあるヤーナムの街と比べたらあまりにも現実離れした工房。

斧を手に、包丁を手に、獣のように暴れる人々。

耳を塞ぎたくなる様な呻き声を上げる、灰色の大きな獣。

そして、生きているはずのない人形がまるで人間の様に動き始めた。

何もかも狂っているとしか言いようがない。

 

「はじめまして。狩人様」

 

だが俺は正常だ、狂ってなんかいない。

 

「お帰りなさい。狩人様」

 

正常だ、狂ってなんかいない。

 

「いってらっしゃい。狩人様」

 

狂ってなんか決してない。

だが、これが悪い夢だというのなら。

狩りをせねば永遠に終わらない夢ならば。

いいだろう。

助言者の爺がほざく狩人とやらになってやる。

どれだけ巨大な化け物が出てこようが。

どれだけ強い血に飢えた狩人が出てこようが。

どれだけ気味の悪い生物が群れをなして出てこようが関係ない。

牙を向き、鋭い爪で襲い掛かり俺の血と命を求めるのならば、それは全て獣畜生だ。

全部狩り尽してやる。

この冗談みたいで得体のしれない狂った夢で戦い続けてやる。

獣狩りの夜を始めよう。

 

「グガァァアアアアアアア!!」

 

たったの一夜がやけに長く感じる。

幾度の死を経験しては夢から醒めるという形で蘇り、幾度の生を狩り、血を浴びてきた。

夢から覚ます為に俺を殺すといった胡散臭い助言者を斬り捨て、月から出てきていきなり抱きついてきた怪物もはねのけ、たった今狩ってやった。

断末魔を上げる化け物から血の意志が体を廻り熱く滾る。

だが、今の俺にはそれがおぞましい。

血の意志とは、あの月の化け物や気味の悪い触手共が持つヤーナムの人々や犬が本来持つ血とはまったく別の血なのだろう。

だから奴らの血にはどういう理屈か人とは違い血に意志を持つ。

そしてその血が持つ意志とは恐らく、血の宿主の力を底上げすること。

だから血の意思が多ければ多いほど、その獣は他の獣に比べる圧倒的に強くなる。

憶測だが、俺が狩人としてこの夜を戦い続けてこれたのは、血の意思とやらの存在だったのは明らかだ。

しかし、それは同時に人から離れ、奴らと同じ何かに近づくということだ。

いや、すでに俺はもう人ではない。

名状しがたい何かへと変わっているのかもしれない。

 

発狂してしまいそうだ。

 

考えを振り払うように頭を振り。

体中に大きな針が刺されたかのような激痛を歯を食い縛って耐え、燃える工房へ足をゆっくりと動かす。

とにかく休みたかった。

出来る事なら長い長い睡眠をとって、休みたかった。

だが、ずるずると一歩足を動かすたびに、視界がぼやける。

一夜を戦い続けたノコギリ鉈と獣狩りの短銃がやけに重たく感じ、適当な墓石に向けて放り捨てる。

その拍子にころりと、少女から預かったまま、渡す女性も死に返すことも出来なくなってしまった小さなオルゴールが名も無き白い花の上に落ちてしまい。

そして誤動作を起こしたのか機械仕掛けのオルゴールの蓋が開かれ。

父と母と出会うことの出来ず豚に食い殺された少女の恨みゆえか。

心寂しくなる、悲しげな音色を奏でた。

どうしてだろうか。

それが妙に、体に響く。

願いを叶えれらることが出来ずに少女を死なせてしまった罪悪感がそうさせるのか。

余りにも理不尽な世界に対する俺自身の怒りなのかは分からない。

ただ、捨て置く訳にはいかないので俺はオルゴールを拾おうと手を伸ばすが、その時。

体の異変にようやく気が付いてしまった。

簡単に言えば体が変わっていた。

青色と言うべきか紫色というべきか、肌の色は変色し。

手の先が得体のしれない何かと同じく触手のような物へと変わりつつあった。

それが血の意志によるものか、一夜の間に使ってきた様々な道具の中に何か変なものがあったのか。

そんなことを考える力は俺にはなかった。

ただ、オルゴールを拾おうと体を動かし続けた。

これは果たせなかったとはいえ狩人として少女と約束した大切な証だ。

失うわけにはいかない。

視界は徐々に暗くなっていき、足が無くなったのか体が小さくなっていき上手く距離感が掴めなくなる。

何より自身の腕であるにも関わらず思うように腕が伸ばせない。

どれだけ手に入れようと強く思っていても、オルゴールが遠く遠く離れていく。

自身よりも俊敏で強靭で巨大な敵と戦ったきたはずなのに、たった一つのオルゴールすら拾えない自身の惨めさに思わず自傷気味に笑う。

いや笑う顔があるのかも、もはや危うい。

ただ、瞼が重い。

強力な睡魔に身動きが取れなくなってしまい。

意識が遠く。

だが、どうしてだろうか。

二つの目を閉じているはずなのに、まだ視界がぼやけているが見えている。

そしてその視界からは得体のしれない触手を持つ大きな何か達が、まるで子でも見守るような姿で俺を見ていた。

まったくもって気味悪い。

だが、獣共め。

今は見逃すが、しっかりと姿は覚えたぞ。

次会った時は。

必ず狩ってやる。

そう代弁するようにあらん限りの殺意で睨むと、何か達は一瞬で消え去り、俺は安堵する。

そして、最後の力でもう一度オルゴールに手を伸ばすが。

触れた途端。

まるで意志を持っているかのようにオルゴールは飛び跳ね、石畳の坂を転げ落ち、オルゴールは視界から消えてしまい。

同時に俺の意識は完全に消え失せた。

 

まったく、悪い夢だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、お寒いでしょう」

 

「狩人様……」

 

 

 

 

 

 




おのれ豚絶対に許さん!!

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