Infinite Stratos Also sprach Zarathustra -Re:boot-   作:ゆき

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Act 4: 作戦会議

Act 4: 作戦会議

 

あれから時間が経ち、現在午後6時半。

ロートス、一夏、箒の3人は1年寮の食堂にやってきていた。

 

「鮭の切り身に味噌汁…やっぱこの組み合わせが王道だよなぁ」

 

「年寄りみたいな事を言うな」

 

「箒だってほぼ同じ組み合わせじゃん」

 

IS学園の食堂はバイキング形式を取っている。

というのもIS学園の生徒は海外からの留学生も多く所属しているからだ。

 

「ところでよ、ロートス」

 

「んー?」

 

「ロートスと束さんってどういう関係なんだ?」

 

ロートスは箸で掴んだ肉を口に入れようとした際に一夏から唐突な質問をされて

呆気にとられた表情をする。

 

「…一夏君、ちょっと唐突すぎない?」

 

「実はずっと気になっててな。箒だってそうだろう?」

 

「そうだな」

 

それもそうか。とロートスは心の中で思った。

ロートスは手に持っていた箸を箸置きに置き、お茶を少々飲むと口を開く。

 

「篠ノ之博士は僕にとって保護者っていえばいいのかな?」

 

「えっ」

 

「なんだと?」

 

普段あまり表情を崩さない箒でさえ呆気に取られていた。

彼女を知る人間の間では箒、千冬、一夏、家族以外の人間には一切の興味を持たない

「人間嫌い」として有名である。

他人など道端に落ちている石ころと変わらない。というのが本人の弁だ。

そんな人間が血の繋がっていない人間の保護者であり専用のISを渡すなど、箒からすればどう考えてもありえない。

 

「あの他人に興味を持たない束さんがな…もしかして丸くなったとか?」

 

「あの人は私が小学生の頃からあぁだったぞ。それが数年で変わるとは思えん」

 

「だよなぁ…ロートスは束さんとどこで出会ったんだ?」

 

ロートスは一夏の問にはしばらく沈黙した後、首を傾げて。

 

「それがね、分からないんだ」

 

「えっ」

 

「えっ」

 

予想外の返答に一夏と箒はお互いの顔を合わせた。

 

「篠ノ之博士に拾われて1年になるけど、実はそれより前の記憶は一切ないんだ。

覚えているのはロートス・アトラシアって名前だけ」

 

「そうだったのか…すまん!無神経な質問しちゃったよな」

 

いいや。とロートスは首を横に振る。

 

「気にしていないから大丈夫だよ。記憶に関しては気長に待つさ。

せっかく3年間色々な人と接することができるんだもん。いい刺激を受けてもしかしたら記憶が戻るかもしれないし」

 

確信はない。

だが、現状はそう思うしかない。下手に焦っても碌なことにはならないだろう。

 

「…ところでさ、篠ノ之さんのこと下の名前で呼んでいい?」

 

一夏は少々負い目を感じて引きずっているように見えたため、ロートスは話題を変えたほうがよさそうだと感じて唐突に話題を変える。

 

「と、唐突だな」

 

「ほら、篠ノ之博士と篠ノ之さんってなんかこう被っちゃうでしょ?」

それに仲良くなるために名前で呼び合うのがいいって、前になんかの書籍で読んだことがあってさ」

 

「そ、そうか…なら私のことは箒と呼んでくれ。私もロートスと呼ぼう」

 

「あっ!ずるいぞ箒。ロートスも俺のこと呼び捨てで呼んでくれよ!」

 

「お安い御用さ。改めてよろしくね。一夏に箒…それじゃあ今後について話そうか。

決闘は1週間後だからそれまでにISの基礎知識を叩き込むことと操縦が可能になること…。

一夏、専用機はどんな感じなの?」

 

「千冬姉に聞きに行ったけど、正確な日程まではわからないそうだ」

 

「となると倉持技研が開発しているわけだし打鉄を借りるのもありなんじゃないかな。

流石に決闘までに1回もISに乗らないというのは流石にまずいし」

 

「なぁ、ロートス。打鉄ってなんだ?」

 

「ニュースは見ているのに、そんなことも知らんのか…」

 

「うっ…」

 

呆れる箒に一夏は痛いところを疲れたのかうっと声をあげた。

そんな一夏を尻目に箒は手元にあるデバイスを操作し、打鉄の資料を読み上げる。

 

「打鉄は日本純国産の第2世代型IS。性能が安定しており使いやすいのが特徴。

近接用ブレード「葵」とアサルトライフル「焔備」を標準装備しており、

その操作性からIS学園の訓練用とされている」

 

「一夏の専用機は打鉄をベースにしている可能性が高いから

打鉄を元に練習するのは有りだと思うよ。

今回の件を話せば優先的に貸してもらえるかもしれない」

 

「そうだな!ロートスはどうするんだ?ロートスは専用機を事前にもらっているんだろ?」

 

「そうだね。僕か一夏がオルコットさんを倒した場合、必然的に僕と一夏の決闘になるわけだから

流石にお互い手の内を明かすようなことは避けたほうがいいと思うんだ。もちろん、ISの基礎知識の勉強は手伝うよ」

 

「おう、俺の方でも基礎知識の勉強はしておくから。箒もよろしく頼む」

 

「あぁ、任せろ…ビシバシいくから覚悟しておけ」

 

 

***

 

1周間の予定の話し合いが終わると、ロートスは自室に戻っていた。

内ポケットに入れたメガネを机の上に置くと机の上にあるモニターの電源をつける。

それと同時にマーリンが姿を現す。

 

「マーリン。オルコットさんの専用機ブルー・ティアーズに関する情報は見つかったかい?」

 

『イグニッション・プランに参加しているというだけあって結構情報は見つかったよ。

ただし、静止画のみだがな』

 

欧州連合IS開発計画「イグニッション・プラン」

対米国の対策として欧州連合に所属している各国の企業に第3世代型の開発・研究用に資金提供を行っており英国、ドイツが現在の筆頭国である。

 

「英国は確か「イグニッション・プラン」の筆頭国だからね。

他国への牽制とアピールを兼ねて公開している可能性が高いと踏んでいたが、どうやら正解だったようだ」

 

『遠隔無線誘導型兵器のブルー・ティアーズ。相手の死角からの全方位オールレンジ攻撃が可能とし、英国はブルー・ティアーズの頭文字を取ってBT兵器と命名した』

 

「なるほど、これは中々」

 

『厄介だろう?この兵器を十全に使いこなせる操縦者ならばーー』

 

近づくことすらできず一方的にやられてしまうだろうね。とロートスはボソっとつぶやいた。

 

『英国はビーム兵器の開発に成功しているからな。それも同時に搭載している可能性は高い』

 

「つまり、今回の決闘は世界中に対するアピールに繋がるわけだね」

 

マーリンは不敵な笑みを浮かべ、髪を弄る。

 

『だがこのローエングリンR2は負けないさ。スペック、武装に関してはブルー・ティアーズなど敵ではない』

 

「確かにスペックだけ見たらローエングリンR2は既存のISに遅れを取らないだろうね。

だけど僕とオルコットさんには経験という差がある。この1週間でその差を可能な限り埋めるつもりさ」

 

 

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