第1話 モーさん、転生する
う、う~ん。あれ?ここはどこだ?て言うか真っ暗だなおい。
ガボッ
え、ちょ、な、なにこれ!?息が出来ないんだけど!?
ガボッガボガボッ
苦し!やべぇ死ぬ。あ、何か上の方から光が漏れてきた。よし、あそこから出れるぞ!
ガボッ
よっしゃ出たー!!
「オギャャャャャャ!!(空気うめぇぇぇぇぇぇ!!)」
あれ?何か可笑しくなかったか?
「オンギャャャャャャ!!(WRYYYYYY!!)」
……もしかして今の赤ん坊の声って俺?まさか転生ってヤツか?でも死んだ記憶無いんだけど。
「フフフ、元気の良い子ね。それでこそ私とあの子の子。」
え、誰?このオバハン?もしかしてこの人が俺の母親?あれ?でもこの人の顔、どこかで見たような?
「さあ、元気に育ちなさい。そして王であるあの子を倒し、貴方が王になるのです。私の息子である貴方には、王位を継承する資格があるのです。モードレッド」
え?イマナンテイッタ?
俺がモードレッド?あのアーサー王伝説に出てきた、国を滅ぼした騎士?やばくね?
…いや、大丈夫だ。俺は別に王座とか興味無いし、反乱起こす気も無いからな。
………駄目だ。たしかモードレッドが生まれた日に誕生した子供がアーサー王の国を滅ぼすって予言されてるから、今日生まれた子供は皆船で海に流されるんだ。…巻き込んですまん、名も知らぬ今日生まれた子供よ。
というか、俺も物語通りに助かるか分からないのにどうしろと。俺の第二の人生、スタート直後に終了かよ。
あれから、十年が経ちました。
え?展開が早すぎる?知らん。こっちも大変なんだ。
あの後すぐに海に流されたのだが、流されて2日程で船が難破し、もう駄目だと思ったとき、母さんが助けに来てくれたのだ。……まぁ他の子は助けなかったのだが。もう一度言う、巻き込んですまん、名も知らぬ子供たちよ。
とにかく助かった。物語だとナブールに助けられるはずなのだが、……まぁいい。
それから母さんの下で育てられ、魔術と剣術を学び(剣術だけで良いと言われたが必死で頼んだらOKされた)魔法剣士を目指した。フフフ、厨二病の血が騒ぐ。ちなみに、剣術の師は旅の傭兵です。元騎士らしいけど。
あ、そういえばとんでもない事が判明しました。俺、ホムンクルスだそうです。寿命がそんなに長くないらしい。その時「なら余計に魔術を学ばなくちゃダメじゃねぇか!寿命伸ばすためにも!」と叫んだ俺は悪くないはずだ。それを聞いた母はその手が有ったか、みたいな顔してたけど。
妹が王になったからそれに嫉妬して、自棄になり、後先考えずに王位簒奪のために俺を造るとか、我が母ながら女って怖い。
今は、騎士になるために修行中です。王さまのクローンだけあって、この体は凄まじくスペックが高い。魔力を放出したら、何か赤い稲妻みたいなのが迸ったりする。これ、ギガスラッシュとかギガデインとか
母に魔術を習っているのだが、俺は相当魔術師としての才能が有るらしく、母すら驚愕する速度で習得していった。俺の体にはそこまで魔術に適正は無かったはずらしいが。やはり転生しているからか?
…………もういい、目を背けるのを止めよう。
かつて母の顔に見覚えがあると言ったが、それもそうだった。だってセイバーに似てるんだもん。そんでもって騎士王の顔を一度だけ見たけど、もろセイバーだもん。そして俺の顔もどう見てもモーさんです本当にありがとうございました。ただし男だがなぁ!…正確には男の娘なのだが。
ていうか、型月世界かよ……ここ。
まぁいい。俺は原作モーさんみたいに王さまに認めてほしいわけでも、王位が欲しいわけでもない。ただ、面白おかしく過ごせればいいだけだ。騎士と戦ったり、リアルモンハンしたり、ネタ技を再現出来ればそれで良い。だから叛逆は起こさない。うんよし、決まり。そうと決まれば特訓だ!目指すは円卓の騎士!
そういえば、海に流された時に妙なモノを見たのだが、あれは何だったのだろう?ボロ布みたいな黄色い衣のような皮膚をした、人とも幻獣とも違うナニカ。母さんにも聞いてみたが、そんな生物は知らないとのこと。魔術師を見間違えたのではと言われたが、それは違う。明らかにアレは、そんな生易しいものでは無いと直感で分かる。
アレは一体?