その為、かなり短いです。
モードレッドが単独でクトゥルフへと向かって数日が経った。
その間、クトゥルフの眷族であるダゴンとヒュドラの番を四組率いて、ガタノトーアというクトゥルフの息子がブリテンへと進行してきた。
ガタノトーアはその姿を見たものを石に変えるという恐ろしい能力を持つが、マーリンがその魔術師としての桁違いの実力と半分夢魔であるということが幸いし、ガタノトーアの呪いをレジスト。
そのまま騎士全員に呪いへの耐性を魔術によって付与し、これに対策をたてる。
その後は円卓の騎士を中心として眷族達と交戦を開始。
味方に大きな被害が出るも、殲滅に成功する。
強大な化け物から国を守ったことで沸き立つ騎士達。しかし、それも長くは続かなかった。
どれだけ経っても一向にモードレッドが戻る気配は無く、騎士達の興奮は次第に冷めていった。
それだけでは無い。今回の戦闘により、モードレッドの部隊の纏め役であったユーグ卿の戦死。騎士だけでなく民にも慕われていた人格者である彼の死は多くの者にショックを与えた。
モードレッドの単独行動から丁度一週間が経ったとき、モードレッドの使い魔と思わしき巨大な怪鳥がキャメロットへと帰還した。ラーミアの姿を見た時、王を含めた殆んどの民と騎士は安堵した。
──あぁ、少し戦いが長引いただけで、モードレッド卿は無事に帰って来たのだ。と
だが、降り立ったラーミアの背に横たわる片腕の無いモードレッドを見たとき、それを見た全員が悟った。
モードレッドは死んだのだと。
ラーミアがモードレッドを連れて帰還するのに時間が掛かったのは、モードレッドの遺体が海に落ちてしまったため、見つけ出すのに時間が掛かったからである。
モードレッド死亡の報せは直ぐに国だけでなく、周辺諸国まで広がった。悲嘆する者、激怒する者、嘲笑する者、歓喜する者。反応は様々だが、モードレッドの死はそれだけ多くの者に衝撃を与えた。
円卓最強の死。
それによって生まれた隙を諸外国が見逃す筈もなく、クトゥルフの化け物共との戦闘によって疲弊したブリテンに対して侵攻を開始する。
それに対しアーサー王は、直ぐに迎撃の準備を整え迎撃。これを撃退に成功する。
しかし、アーサー王のこの対応は王としては正しくとも、人としては間違っている様に、民には見えた。
まるで、不義の子とはいえ実子であるモードレッドの死を何とも思っていないかの様な対応と、涙は愚かショックすら受けて無いかの様なその姿に反感を持つ者は、少なくなかった。
そこに重なる様にして、アグラヴェインがランスロットとギネヴィアの不義理を流布。
その後ランスロットは正史通りに円卓を追放される事となる。それに対し、約1/4の騎士がランスロットに従い、国を出る。
その際、ガウェインの兄弟を斬り殺し、二人の仲は険悪となった。
残った3/4の騎士も、アグラヴェインがモードレッドをネタに民を扇動し、アーサー王に対して反乱を起こすと、それに乗じる様にして1/4の騎士が国を離反。
離反した騎士達はアーサー王よりモードレッドを慕っていた者達であり、その中にはモードレッドの部隊の面々の姿もあった。
国の1/2の騎士と1/4の騎士という数の差は圧倒的だが、モードレッドが率いていたのは実力は有るが品性に欠ける面々であり、その強さは並みの騎士よりも上であった。
アーサー王やガウェインといった突出した戦力が満足に戦えないように立ち回る事で、戦局は拮抗していく。
ランスロットの軍勢がアーサー王の軍勢に加勢しようとするも、ガウェインの独断によりそれは叶わず、結果としてアーサー王はこの戦いで致命傷を負い、聖杯を求める事となる。そしてガウェインは、奇しくもモードレッドにつけられた古傷(決闘の時に出来た傷)が原因で命を落とす事となる。
その後ギネヴィアは国を滅ぼした原因の一端である自らを恥じて修道院へと入り、ランスロットは自らの行いを後悔し、苦悩していく事となる。
やがてギネヴィアの死が伝えられると、ランスロットは食事を断って餓死する。
国の統率者と、国を守る騎士の大半を失ったブリテンは今後、周辺諸国によって侵略される事になる。
こうして、ブリテン国は滅びたのである。
追記
記録によると、王城のテラスにてモードレッドの名を呟きながら謝罪し、涙するアーサー王の姿があったとされているが、真相は定かではない。
次回、第四次聖杯戦争編 開始。