「キャスター、貴方は……「ちょっと待ちな王さま。話す前にやる事がある」
王さまが俺に話し掛けようとするのを遮り、バズーカ砲の弾を込め直して構える。目標は………
高見の見物決め込んでるランサーのマスター
覗き見しているアサシン
暗殺を狙ってる王さまのマスター
王さまのマスターのサポーター
アホのランスロ
ランサーのマスター← ピッ
「何見てんだオラァ!!」ドガンッ!
鉄塔の上で高見の見物を決め込んでいたランサーのマスターに向けて照準を合わせ、発射する。
ドゴォン!!
鉄塔はバラバラに砕け散り、崩れ落ちた。ランサーのマスターが咄嗟にスライムみたいなので防御するのが見えたので、多分まだ生きているだろう。
「ケイネス殿ッ!キャスター貴様ッ!」
「彼奴の偉そうな態度に腹が立った。反省も後悔もしていない」ドヤァ
「くッ!」
ランサーは此方を睨んだが、マスターを助けるのが先決だと判断したのか、マスターの元へと走っていった。
「A…Aruu……」
「ッ、まだ息が有ったかテメェ!」ガシャン
バズーカ砲に吹き飛ばされ、コンテナにぶつかって埋もれていたバーサーカーが起き上がろうとしたので、再びバズーカ砲を向ける。
「待てキャスター!」
ピタッ
引き金を引こうとしたとき、王さまに止められる。
「バーサーカーは、私が知っている者なのか?」
「……………」
「答えろ、…キャスター!」
「……………………ランスロットだ」
「!?…そんな、まさか………そんなにも、そんなにも私が憎かったのか!サー・ランスロット!」
王さまが信じられない、いや、信じたくないといった顔で、バーサーカーに問い掛ける。…バーサーカーの正体を王さまが知れば、こうなると予想は付いていた。だから知る前に仕留めようとした。
だがそれではランスロットが報われないと思い、正直にバーサーカーの正体を明かす事にした。
それと、奴の名誉の為に訂正しなければならない事がある。
「それは違うぞ、王さま。ランスロットは別にアンタを恨んじゃいねぇ」
「では何故!?彼程の者がバーサーカーなどに!」
「王さまに裁いて欲しいからだ……本当は王さまに裁いて貰いたかった。だが王さまはそうはしなかった。裁いて欲しい人に裁かれず、自分で自分を許せない。その苦しみから逃れたいが為に、バーサーカーへと身を堕とした」
「Aruu……「原因であるテメェは黙ってろや!つか反省しやがれ!!」ドガンッ!ドガンッ!
ドゴォン!!ドゴォン!!
ランスロのバカが起き上がったので、今度は両手に一門ずつバズーカを持って撃つ。
「Aruuuu……「まだ起き上がるか!」ガシャン
「ま、待てキャスター!彼がランスロットであるのなら、彼を討つのは私の役目だ」
「…………分かった」
そのままバズーカ砲を虚数空間に仕舞……わずに先程とは別の方向に向かって撃つ。
「貴様ッ!見ているなッ!」ドガンッ!ドガンッ!
ドドゴォォン!!
直感で撃ったら遠方にある鉄塔が吹き飛んだ。あの辺ってアサシンが居る所じゃなかったっけ?
「キャスター、今のは一体……?」
「何か誰かに見られてる感覚がしたから、直感で撃った」
俺の答えに王さまは呆れた顔に成る。……王さまの呆れ顔久し振りに見たな。
あ、ちなみにバーサーカーはもう帰りますた。魔術礼装のバズーカ砲を3発も受ければ、流石にダメージが大きかった様だ。
「キャスターよ、お主中々面白い物を持っておるな。どうだ?余の配下に成らんか?」
「え?普通に嫌だけど?」
「ふぅむ、一応参考までに理由を聞かせて貰えんか?」
「サーヴァントととしてならまだしも、俺が忠誠を誓い、仕える相手はこの世でただ一人。アーサー王たる王さまだけだ。他の奴に何と言われようが、これだけは絶対に変わらねぇ」
俺の答えに王さまが若干嬉しそうな顔をする。あ、そうだ。バズーカを虚数空間に仕舞って、代わりに掌サイズの袋を取り出す。袋の中身は俺が作ったクッキーだ。
「王さま、これ渡しとくわ」
それを王さまに向かって放り投げる。
「?…これは?」
「王さまが好きだったクッキーだけど?久々に作ってみたけど、大体の事は身体が覚えてるもんだな。味に自信はあるぜ!」
サムズアップしながら答える。
「サーヴァントが、……料理をするのか……?」
ライダーのマスターがあり得ない物を見たかの様に声を溢す。
「失礼な。英霊だって生前は生きていたんだ。料理くらいばする」
俺なんて旨い物食いたいが為に、ブリテンの食料事情を解決したんだからな。
「ランサーもマスターを連れて帰ったみたいだし、俺もそろそろ帰るわ。んじゃ、またな~王さま~」
俺は霊体化してその場を去る。去り際に見えたスゲー嬉しそうに綻ぶ顔を、一生懸命堪えようとしている王さまが妙に印象に残った。
「た~だいま~」
「あ、お帰りなさい。キャスターさん」
「Σ(゜Д゜)」
い、今見た事をありのまま話すぜ。俺が戦場を引っ掻き回して満足感を覚えながら拠点に帰ったら、マスターが神話生物どもに崇められていた。何を言っているのか分からねーと思うが、俺も何を見ているのか分からなかった。固有結界だとかカリスマA+だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を見ているぜ………。
『てけり・り』
……アレ?俺ショゴス(デモベver.)なんて呼んだっけ?物理耐性の割りに魔術への耐性が無く、そのくせ食費は掛かるから喚ばなかったんだが。
「何かキャスターさんの役に立てないかと、話せるビヤーキーに聞いてみたんです。そしたらショゴスの召喚方法を教えてくれて」
教えた奴、後で見付け出してぶっ殺す。……いや、霊薬無しで人語を解せる奴は一匹しか居なかったな。
「はぁ、まぁ良いや。取り敢えずお前らに訊きたいんだが……何でお前らマスターを崇めてるん?」
《それについては、あっしが説明いたしやす》
「ミ=ゴか、んじゃあ頼むわ」
《へい、実は岸波の旦那の起源が原因なんです》
「マスターの起源?一体何だ?」
《それが、……斬魔なんです》
「………………は?」
一瞬呆けてしまった。起源が斬魔。それが意味する事は則ち。
「おい、斬魔って事はまさか」
《はい、岸波の旦那は
魔を断つ剣。我々神話生物の天敵です》
斬魔……斬魔かぁ…そりゃ、仕方無いよなぁ。生きたデモンベインとか、邪悪に分類されるクトゥルフ神話の生物には恐ろしくて堪らないよなぁ。
崇めてるんじゃなくて、畏れ敬ってんのか。ぶっ殺されたくないから。
「もうなんなのこの兄弟。兄は神話生物の天敵、弟は守護者候補とか。何?マスターの家系は超人が生まれる血統なの?」
平行世界だと天然の聖杯とか居るしね。この一族の周囲だけ因果が狂ってるんじゃないのかと本気で思う。何でこうポンポンと封印指定クラスの存在が生まれるの?
「?」
何も分かっていないマスターが首を傾げて此方を見ている。
げんなりしながらマスターに事情を説明する。
「マスター、万物には起源と呼ばれる物事の在り方を決める方向性があるんだ。例えば、起源が『剣』なら剣に対して執着するようになり、『虚無』なら生きる実感が沸かなくなる。分かりやすく言えば、空っぽの人生って事だ」
「はあ」
マスターはよく分かってないのか、生返事だ。
「あー、まぁ何となく理解してくれれば良いさ。で、マスターの起源なんだが、『斬魔』でな。邪悪な存在を討ち滅ぼす存在って事だ」
「邪悪を、討つ……」
「んで、アイツ等がマスターを崇めてたのは自分達が消されるんじゃないかってビビりながら、ご機嫌を取ってたのさ」
「……………」
「取り敢えずマスターには、自衛の為に初歩的な物全般と戦闘用の魔術を覚えてもらうつもりだが……ってマスター?」
マスターは俯いたまま黙って反応しない。アレ?ひょっとして何かマズい?
「マスt「我が名は岸波白野!悪を断つ剣なり!!」え?」
「……ま、マスターが壊れたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
「フッハッハッハッ「正気に、…戻れー!!」ぐふっ」
壊れたマスターにバックドロップをかけてショックを与え、正気に戻す。
「う~ん、…ハッ!……俺は一体何を」
ガシッ
「マスター、この世には知らなくて良いこともあるんだ」
「えっ、アッハイ」
俺の鬼気迫る表情に気圧され、頷くマスター。
「取り敢えずマスターには、初歩的な物と戦闘用の魔術。それからマスター専用の魔術を修得してもらう」
「え、良いんですか?」
「良いもなにも、覚えて自衛くらいはしてもらわないと。将来、絶対邪悪と係わる事になるだろうし」
起源が斬魔である以上、将来的に自分からでなくとも邪悪と係わる事になる。たとえマスターが嫌がったとしても、邪悪の方から寄って来る。そうなった時に自衛の手段を持たなければ蹂躙されてしまう。そうなれば少々後味が悪い。
それにマスターにネタ技を仕込むのも面白そうだし(本音+ゲス顔)
今回使用された魔術礼装
『
弾頭及び火薬に対して魔術的処置を施し、強化した物。
主に爆風を強化されており、サーヴァントの様な頑強な者でなければ不死性の強い死徒でもバラバラになる。
材料にイブン・ガズィの粉薬が使われている為、霊体相手でも強制的に実体化させてダメージを与える鬼畜使用。
本来はサーヴァントではなくマスターが使う為に作られた物であり、魔力の無い一般人でも使用可能。
量産可。