どうも、叛逆の騎士に転生したモードレッドです。転生前の名前は捨てました。
あれから五年が経ちました。その間に俺は騎士になり、円卓の騎士すら打倒し、円卓の末席に数えられるようになった。あと兜は被ってます、だってカッコいいし。
母からの教えは一通り終わり、後は自力で修練するように言われたため、今は全力でネタ技を開発している。
それと、あの未知の生物が何なのか分かった。クトゥルフ神話の風の神ハスターの化身、黄衣の王だった。
そして何故分かったのか、それはある本の存在を知ったためだ。
魔道書『ナコト写本』
といっても実物を見た訳ではなく、文献に記されたものを見つけただけだが。
その時思い出したのだ、この世界にはクトゥルフ神話は実在していたのだと。第四次聖杯戦争にてキャスターが使った『
ここで、話は戻る。俺が見たヤツの見た目は、ボロ布みたいな黄色い衣のような皮膚を持った生物であり、この特徴に類似する生物がクトゥルフ神話には登場する。それが、黄衣の王だ。………よく発狂しなかったな、俺。
あの生物の正体を知った俺は、翌日からハスターと交信する魔術の準備に取り掛かった。特に深い理由は無く、単に知的好奇心を満たしたいだけだ。SAN値?なにそれおいしいの?
準備は始めてから一年で完了した。他者に迷惑を掛けないように、儀式は人の居ない森の中で行った。結果は成功。見事ハスターを(分霊だが)呼び出すことが出来た。
その結果俺は、
ハスターに気に入られた。
うん、訳が分からん。何で風の邪神が俺のことを気に入るんだ?何か異界の魂がどうとか、我が新たな同朋が、だかなんだか言ってたが。あとなんか俺が転生したこと知ってるぽいし。
あと帰り際に友好の証だとか言って
『セラエノ断章 日本語訳版』
何で日本語知ってるの?ここイギリスだよ?ていうかこの本まだ生まれて無いよね?…え?私にとって時空間の超越は容易いこと?あ、そうですか。え?これはラバン・シュリュズベリィが書いたものとは別物?俺用に作った最高級品?あ、これはどうも、ありがとうございます。え?敬語は要らない?分かった。
てな具合で魔道書を手に入れました。
入手方法は予想外だったが、手に入ったのだから良しとする。魔道書を手に入れてからは、鍛錬と食事と睡眠の時以外は基本的には読んで過ごしている。その御蔭で風に関連する魔術の腕が上がったが、逆に水に関する魔術は下がった。まぁこればかりはしょうがない。
ちなみに俺に魔術回路は存在しない。正確には、何か生まれる時に竜の因子を持って生まれたらしく、王さまと同じく魔力炉心が有る。そして属性が
後天的に属性が変わるのか?と思うが、実際は無以外の全ての属性を持っていたが、五大元素が邪魔をして使えなかっただけらしい。そのためハスターが「水なんか別に要らないよね」と勝手に水の属性を碌に使えなくすることで、使えるようになったらしい。流石邪神、何でもありだ。
……まぁ良いんだけどね、別に。四次元ポケットとか便利だし。でも事前に相談してほしかった…。
で、今俺が何をしているかというと、
「さあ!構えなさい!モードレッド!!」
ガウェインとの決闘を始めようとしています。
何でこうなったかは簡単。
つい先日の円卓会議で円卓の騎士の一員となり、その際円卓や王さまについて何か質問が有るか訊かれたので聞いてみたのだ。ある意味開けてはならぬパンドラの箱の内容を。
「王さまって、女なんですか?」と
結果、円卓の騎士全員に王さまが女性だとばれました。
それからはもう上を下への大騒ぎ、国中に王さまが女性だという噂が広がりますた。
その後は王さまが女なら従う気は無いとか言い出した騎士や貴族の鎮圧に国中を駆け回ったため、要らん労力を割いてしまったのだ。
一歩間違えれば国が滅びかねなかったことで断罪されそうになったのだが、王さまが男性だと偽っていたのが悪いと言う者もいたため、最終的に騎士なら決闘で決着をつけよう、という事になったのである。
で、王さま側に付いた騎士と決闘して勝ったら無罪、負けたら死罪という命がけの決闘をやることになり、その相手がガウェインなのである。
つーか決闘が午前九時からて、これ無理ゲーじゃね?
「くっ、ええい、こうなりゃ自棄だ!やってやる、やってやるぞ!太陽の騎士がなんぼのもんじゃい!!野郎ぶっ殺してやらぁ!」
「やっとやる気を見せましたね。いきますよ!」
ガキィン!!
ガウェインが高速でこちらに接近し剣を振り下ろしてくる。俺はそれをハスターの風を纏わせた剣で防ぎ、鍔迫り合う。
「前々から貴方のことは気に食わなかったんです!王の前だというのに兜を被り、素顔を晒さない。不敬です!あと妙に料理の腕が良いのも気に食いません!貴方がたまに持ってくる物を食べている時の王の笑顔が羨ましい!私も褒めて貰いたい!」
「おま、後半完全に私怨じゃねぇか!」
キィン!
一旦距離を取り魔術を行使する。
「風よ!吹きすさべ!」
剣を振るうと同時に、人一人を軽く飲み込める大きさの竜巻が発生し、ガウェインに向かって行く。
「この程度、効きません!」
ガウェインはその竜巻の中を突っ切って来る。
「知っとるわぁ!」
俺は剣を地面に突き刺し、俺を中心に周囲に超巨大な竜巻を起こして簡単に近づけなくする。そして続けざまに、連続で魔術を行使していく。
大地を隆起させ地割れを引き起こし、大火球を落とし、無数の風の刃を叩き込み、プラズマを発生させ、遥か上空に巻き上げた岩を集合させた後、燃やして落とすことで疑似メテオすら出した。
だがガウェインは、それらを時に躱し、切り裂き、受け止め、全てを防いで見せた。
「今度はこちらから行きましょう。はぁ!」
ガウェインはそう言うと魔力を剣に込め、刀身をこちらに伸ばしてきたので、それを回避する為に魔術の行使を止める。
「危なっ!!てかそれ完全にビームサーベルじゃねえか!そっちがそうならこっちだって!」
長くなった剣を振るい、襲いかかって来るガウェイン。それに対して俺は剣に赤雷を纏わせ、迎え撃つ。見た目は完全にギガスラッシュである。
「オラァ!」
「くっ!」
ガキィィン!!
「作戦は常に、ガンガンいこうぜ!退かぬ!媚びぬ!省みぬぅ!WRYYYYYYYY!!!」
ガキッガキン!ガキン!ガキン!ガキィン!
その後も高速で激しく打ち合う俺達、状況はどちらかと言えば俺のほうが押されている。
そしてもうすぐ、正午を過ぎる。そうなれば俺の勝ちだ。本来の力に戻ったガウェイン相手なら勝ち目はある。
「このままタイムアッポを狙わせてもらう!」
「ならば、その前に終わらせるのみ!」
ガウェインは俺から距離を取り、聖剣の力を発揮させようとする。なので俺は、あえて距離を詰めず切り札を使う。
虚数空間から一冊の本を取り出し魔術を発動、空から雷を自身の剣に落とす。
「
『
それぞれの切り札を使った結果は、俺の攻撃は少しの拮抗の後に消え、俺は太陽に飲み込まれた。がその直後に
「フンッ!」
「グフッ」
宝具発動後の疲労による僅かな硬直を狙って、背後から魔術で殺傷力を高めた兜を投げつけて気絶させた。
え?俺の硬直?だって俺のアレ、ただセラエノに載ってた最強威力の電撃系魔術を、バカみたいな魔力で強化して剣に纏わせて撃っただけですがなにか?
太陽に飲み込まれたんじゃないかって?途中でこっそり人形と入れ替わって、虚数空間に避難しましたが何か?
今の俺の状態は虚空に空いた穴から上半身を出している。分かりにくければ、ゆかりんのスキマみたいなのを想像してくれ。
「この勝負俺の勝ちだな。つまりこれで、俺は無罪放免ってわけだ」
『……………』
ん?なんでみんな黙った儘なんだ?やっぱり虚数空間は卑怯だったか?
俺が悶々としていると、騎士の一人が口を開いた。
「あ、アーサー王と、同じ顔?」
「え?………………あ」
やべっ、顔ばれた。