叛逆の騎士ですがなにか?【永久凍結】   作:くずもち

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第21話 モーさん、酒盛りをする

……どうも、みなさん。モードレッドです。

あの後更に説教を食らい、精根尽き果てました。代わりになんとか、彼処で酒盛りをする許可は得たけど。

 

「た……ただいま…」ゲッソリ

 

「お、おい!どうしたんだよ、一体!」

 

ライダーのマスターが心配そうに駆け寄って来る。

 

「ぁー、何とか場所の許可は得てきた。後は酒のつまみ作んなきゃ」

 

アーチャーの奴が納得するレベルとなると、大変だなぁ。ハスターに他の星の食い物でも送ってもらうか。

 

「《もすもすひねもすー》」

 

《逃がすな!追え!見つけ出して必ず殺せ!》

 

お取り込み中かな?

 

「《カルコサの人聞こえますかー》」

 

《この声は…おぉ!モードレッドか!久しぶりだな》

 

「《久しぶりー。今何やってんの?》」

 

《今はちょっと遠出してる。外宇宙にある他の世界に侵略をな》

 

ついに異世界にまで手を伸ばし始めたよ、あの侵略者。

 

「《今、珍しくて美味い食材が欲しいんだけど、何か良い物ない?》」

 

《それならここに丁度良い物がある。今からそっちに送るから、召喚の魔術を使う為の陣w「《描いたぞ》」速えぇなおい……んじゃ送るぞ》

 

魔法陣を通して異世界?の食材が送られてきた。凄げぇ光ってんだけど、これは肉だろうか?

 

「《何これ?》」

 

《バカでけぇマンモスの肉。この世界に生息してたから、試しに殺して食ってみたら美味かった》

 

「《ふーん、まあ良いや。ありがとなー》」

 

《おーう、またn居たぞ!殺れ!》

 

「……アイツもはっちゃけてんなぁ」

 

さて、俺もやる事やらないとな。

 

「キャスターさん!バーサーカーのマスターが目を覚ましました!」

 

「なぬ?」

 

 

 

「邪魔するぞ」

 

バーサーカーのマスターを閉じ込めている部屋へ入る。ノック?知らんな。

 

「お前は……何故俺を助けた」

 

バーサーカーのマスターがこちらを睨み付けながら質問してくる。自分を助けた俺を、信用出来んのだろう。当然だけど。

 

「お前を助けたのは交渉の為だ」

 

「交渉?」

 

「あぁ。お前さん本人に用は無いが、バーサーカー、あのアホには用がある」

 

「バーサーカー?」

 

「隠す必要もねぇし言うけど、俺の真名はモードレッド。そんで、王さまはバーサーカーとの一騎討ちを望んでる。なら出来る限り叶えようと思うのは当然だろう?そこで提案だ、お前の望みを可能範囲で叶えよう。代わりにバーサーカーを寄越せ」

 

「!?……何故俺から無理矢理に奪わない?キャスターならば出来るだろう?」

 

「出来るが、その場合お前は死ぬからな。うちのマスターは無用な人死にを出したく無いだろうし、殺さないで済むならその方が良い」

 

「…………少し考えさせてくれ」

 

「好きにしろ。但し、明日には返答を聞かせて貰うがな」

 

「分かった」

 

さーて、肉の仕込みに、魔術礼装の準備、あと使い魔からの報告に有った間桐の蟲もどうにかしなきゃな。……面倒臭いから消すか。明日王さまの所に行く序でに、間桐に襲撃掛けよう。

 

 

 

 

 

はいやって来ましたアインツベルンの城!これから宴会が始まります。え、何?飛び過ぎ?知るか。準備してるシーンなんざ見てもつまんねぇだろ。

あ、それと一緒に来たメンバーは俺とライダー、それとライダーのマスターだ。マスターと士郎?神殿の奥に籠って貰った。

 

「ちわー、王さまー来たよー」

 

「来ましたかキャスター。それとライダーも」

 

「余はついでか?」

 

城の正面から入ると、王さまと聖杯の器が迎えに来た。

 

「まぁま、んじゃ、案内頼めます?」

 

「あぁ、こっちだ」

 

俺が王さまに案内を頼むと、庭園へと案内される。予め伝えておいたからか、既にテーブルと椅子が用意されている。しかも結構豪華だ。

 

「キャスター、食事等は全てそちらで用意すると言っていたから、此方は何も用意していないが」

 

「だーい丈夫。全部用意してきたよ」

 

円型のテーブルに王さまとライダーが向かい合う様に座り、俺も続いて座る。マスター達は、それぞれのサーヴァントの少し後ろに立っている様だ。

 

「なぁ、アンタ等は座らんの?椅子でも用意しとけば良かったのに」

 

「え、ええ」

 

「この面子の中に座れるかよ!ここに更にアーチャーまで加わるんだぞ!」

 

「そうけ」

 

 

 

「アーチャーの奴がまだ来とらんが、先に始めるとしよう。キャスター、酒を出してくれ」

 

「あいよ」

 

虚数空間から黄金の蜂蜜酒を取り出す。こいつはハスター指導のもと作った、神代の酒にも劣らない逸品だ。

 

「ほう、こいつはまた」

 

「久しぶりですね、貴方の蜂蜜酒を飲むのは」

 

四人分のコップを取り出し、注いでいく。

 

「ん?キャスターよ、一つ多いぞ?」

 

「何言ってんだ、アーチャーはもう来てるぞ」

 

俺が指差した方向にアーチャーが出現する。

 

「よもやこんな場所で酒宴をする為に、我を態々招いたのか?不敬にも程があるぞ、雑種ども」

 

「まぁそう言うなよ、これでも飲んで機嫌直せ」

 

そう言って蜂蜜酒を渡す。

 

「ふむ……なるほど、悪くない。この酒の味は我も味わった事がない。魔術師、これは貴様が用意したものか?」

 

少し口にすると、途端に機嫌を直すアーチャー。現金な奴め。

 

「そうだぜ。あ、後これ酒のつまみにでもしてくれ」

 

ハスターから貰った肉を使った料理を出していく。

 

「酒も肉もこの星には無い物で作ったからな。珍しいと思うぞ」

 

「この星?」

 

王さまが疑問の声をあげる。

 

「宇宙人とちょっとした交流が有ってな。譲って貰った」

 

「宇宙人……」

 

「この星には存在し得ぬ物か。道理で…魔術師よ、その酒と肉はこれ等の器に入れるが良い。酒が至高でも器が劣っている」

 

アーチャーが納得したように言葉を漏らし、豪華な杯と皿を取り出す。

 

「では、全員揃ったので、これより聖杯問答を開始する。各々の王としての格を、酒杯を交わし、見せ付け合うのだ」

 

「あ、俺は王じゃないよ。あくまで王さまの部下だから」

 

「茶々を入れるな、キャスター」

 

「うい」

 

 

 

そんなこんなで始まりました聖杯問答。

先ずライダーが、聖杯の所有者に相応しいのは誰であるかを、酒を酌み交わすことでおのずと分かるだろう的な事を言うと、それにアーチャーが反論し始めた。

 

「戯け、第一聖杯を奪い合うという前提から、理を外しているのだぞ?アレはそもそも我の所有物だ。世界の宝物は一つ残らずその起源を我が蔵に遡る」

 

「それは妙だなアーチャー。余は聖杯の仕組みをそこのキャスターに聞いた。それによると、此度の聖杯は現代の魔術師達が造り上げた魔術礼装らしいが?」

 

「そうであってもだ。この世の全ては余すところ無く我の物だ。と言っても、聖杯の仕組みについては初耳だがな。ライダーの言は事実か、魔術師」

 

アーチャーがこちらに問いてくる。

 

「あぁ、事実だ。実際にこの聖杯戦争の大元である大聖杯っていう魔法陣を見つけ出して調べたから」

 

「大聖杯?それは一体?」

 

王さまが疑問の声を上げるので、それに応える。

 

「大聖杯ってのは、聖杯戦争全体を管理してる聖杯の本体だな。サーヴァントを召喚したり、令呪の分配をしたりと、色々とな。一々質問されるの面倒だから言うけど、聖杯戦争ってのは脱落したサーヴァントの魂を、大聖杯とは別の小聖杯ってのに溜め込んで、その膨大な無色の魔力を使って願いを叶える魔術礼装を造る為の儀式だな」

 

本当の目的である根源への到達については黙っておこう。今アーチャーに暴れられて、明日の王さまとランスロの決闘をに支障をきたす訳にはいかないし。

アーチャーは兎も角、王さまには後でコッソリ伝えれば良いし。

 

「なるほど。これは、後で時臣の奴を問い詰める必要が有るな」

 

「モードレッド、では聖杯で叶う願いは、限界があるのか」

 

王さまが声を震わせながら質問してくる。

 

「あぁ、英霊6騎。マスターの願いも叶えるとすると、もっと少ないが、それで出来る範囲内なら」

 

「…そんな……それでは、私の願いは叶わない」

 

王さまが小さく悲嘆の声をあげる。

聖杯の器は、何て言うかこう、筆舌しにくい顔になってる。聖杯の真実が知られた驚愕と、王さまを騙していた罪悪感、それと真実を全て話さない事への困惑といった所か。

 

「セイバーよ、そうまでしてお主が叶えたい願いとは何だ?その様子だと、此度の聖杯では叶えられん願いなのだろう?」

 

それは俺も気になっていた。ブリテンの滅びの回避なら、今回の聖杯でも十分に叶う物だ。ならば一体?

 

「私の願いは、ある神の打倒だ」

 

what?え、今何て?神って言った?もしかして王さまの目的って、クトゥルフの抹消?そりゃ無理だわ。だってクトゥルフだもん。アルテミット・ワンは伊達じゃねぇ。

 

「ほう、神とな」

 

ここでアーチャーが王さまに興味を持った。神を嫌うアーチャーにとっては、何か思うところがあったのだろうか?

 

「王さま。王さまが言う神ってのはやっぱ、クトゥルフの事か?」

 

「そうだ。たとえ聖杯でどんな願いを叶えようと、奴が居る限りブリテンの崩壊は避けられない。マーリンも言っていた事だ」

 

「マジか……」

 

マーリンのじっちゃんが言うんなら間違いねぇな。

 

「クトゥルフ?なんだぁそれは」

 

「クトゥルフは、かつてブリテンを襲ったアルテミット・ワンの事だ。奴を神と崇める連中も居た事から、我々ブリテンの人間は皆、奴を邪神と認識している」

 

「ほう、強いのか其奴」

 

「さあな」

 

ライダーが興味深げに聞くが、王さまはぞんざいに扱う。

 

「さあなってなあ、お前さん実際に戦ったんだろ?」

 

「戦ったのは私ではない。このキャスターだ」

 

えっここで俺に振るの?ライダーとアーチャーの視線がこっちに集中したよ。どうすんのこれ。

 

「まぁ、確かに強かったな。倒した時は相討ちだったし。ぶっちゃけ今回の聖杯戦争に呼ばれたサーヴァント全員集めても、手も足も出ないだろうしな」

 

「だが、貴様は倒したんだろう?」

 

「倒したけど、あの時の俺は今の状態ほど弱くねぇし」

 

ぶっちゃけキャスターだと、本来のスペックの殆どを出し切れないし。バーサーカーでも生前程の力が出ないってのに。

 

「王さま。王さまの願いは聖杯では叶わない。それでもまだ聖杯戦争を続けるか?」

 

「当然だ。私の願いは不可能でも、マスターの願いは別だ。私は既にマスターに聖杯をこの手にすると誓っている。ならば、最後まで戦うのみだ。……私の願いはもう良いだろう。征服王、次は貴様の願いを聞かせろ」

 

「良かろう。余の願い、それは受肉だ」

 

「「は?」」

 

「はあ!?お前!望みは世界征服だった筈だrぶふぇ!?」

 

ライダーのマスターが凸ピンで吹っ飛んだ。空中で二回転したけど、大丈夫か?

 

「馬鹿者。幾ら魔力で現界しているとはいえ、しょせん我らはサーヴァント。余は転生したこの世界に、一個の命として根を下ろしたい。体一つの我を張って、天と地に向かい合う。それが征服という行いの全て。その様に開始し、推し進め、成し遂げてこその…我が覇道なのだ」

 

「それが、貴様の王道か」

 

「応ともさ。我が恥じる事なき王道よ」

 

「成る程、らしいと言えばらしいな」

 

王さまはライダーの王道に納得がいったのか頷いており、ライダーは誇らしげにしている。アーチャーは相変わらず見定めている目だが。

 

「そうであろう。では、とりになってしまったが許せ。キャスター、貴様の願いを申してみるが良い」

 

「俺?俺の願いはライダーと同じ受肉。但しその目的は違うがな」

 

「というと?」

 

「俺は単純に、この世界を楽しみたいのさ。楽しんで楽しんで楽しみ尽くしたい。只それだけだ」

 

「楽しむとは、具体的にどうするつもりだ?」

 

「さぁ?強者と戦うのも良いし、前人未踏の地を探すのも良い。娯楽を貪っても良いし、美味いもんを食っても良い。やる事なんて幾らでもあるさ」

 

「あくまでも、個の欲望を突き詰めるか。それも良かろう」

 

「貴方がそれで良いと言うのなら、言うべき事はありません」

 

王さま、アンタは俺の親か。いや親だったな………何か来たな。

 

「………アサシンか」

 

「アイリスフィール、側に」

 

「時臣め、下衆な真似を」

 

突如現れた6~70人のアサシン達。追加の酒が必要か?蜂蜜酒はそんなに多くはないぞ。

王さまだけが戦闘態勢を取る中、俺たち他のサーヴァントは平然と酒を飲んでいた。

 

「まぁ待てセイバー。予定には無い事だが、我らと語らいに来たというのならば是非もない。さぁ余の杯を取れ。そして、己の格を語ってみせよ」

 

ライダーはそう言って杯を掲げるが、アサシンは取り合わず短刀を投げつけ、杯を弾き飛ばす。そして弾き飛ばされた杯は俺に向かって見事に命中。酒も滴る良い男ってか、やかましいわ。

 

「成る程、それが貴様らの返答か。酒宴を汚した罰は、受けて貰うぞ。アサシン」

 

ライダー静かに立ち上がり、アサシン達へと向かって行く。その姿はいつの間にか戦装束に変わっており、体からは膨大な魔力が吹き溢れていた。

 

「セイバー、キャスター、そしてアーチャーよ!これが宴の最後のトリだ。貴様らに、余の王道を見せてやろう」

 

瞬間、世界が変わった。

 

 

 

光が収まると、そこは大平原であった、まる。

 

「固有結界ですって!?そんな馬鹿な!心象風景の具現化だなんて」

 

「おいライダー。お前魔術師じゃねーだろ、何で固有結界が使えんの?」

 

俺が質問すると、ライダーは誇らしげにこう言った。

 

「此処はな、かつて余の軍勢が駆け抜けた大地。余と苦楽を共にした勇者達が、等しく心に焼き付けた景色だ」

 

ライダーは両手を広げて、見せ付けるようにこの場の面々に向かって言う。

 

「この世界、この心象を形に出来るのは、これが我ら全員の心象であるからさ!見よ我が無双の軍勢を。肉体は滅び、英霊として世界に召し上げられて尚、余に付き従う勇者達。彼等との絆こそが我が至宝!我が王道!イスカンダルたる余が誇る最強宝具!王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)なり!!」

 

『『『オォォォォォォォォォ!!』』』

 

「コイツらっ全員サーヴァントだ!」

 

ほーん、クトゥルフの軍勢には劣るけど、中々壮観だな。しかし固有結界か。神殿からの魔力供給を断たれるのは痛いからな、さてどうやって勝つか…。クトゥグアの焔で一掃するのも良いが、固有結界内では使える魔力に限りが有る。そう簡単には行かないか。

 

「王とは!誰よりも鮮烈に生き、諸人を魅せる姿を指す言葉!」

 

『『『然り!然り!然り!』』』

 

「全ての勇者の羨望を束ね、その道標として立つ者こそが王!故に、王とは孤高に非ず、その意思は!全ての臣民のそして志しの総算たるが故に!」

 

『『『然り!然り!然り!』』』

 

「さぁて、では始めるかアサシンよ。見ての通り我らが具象化したのは平野。数で勝る此方に地の利は有るぞ」

 

ライダーとその軍勢に圧倒され、後ずさるアサシン達。見たところ、どうやら殆どの者が恐慌状態にあるらしい。

 

「蹂躙せよ!!!」

 

ライダーの掛け声と共に、軍勢が進撃を開始する。アサシン達は一人を除いて逃げたし始めた。逃げ惑うアサシンと追い掛けるライダー。何か見てて可哀想になってきた。

それからものの数十秒で、アサシンの掃討は終わった。

 

 

 

「では、これにて今宵の宴は終了とする」

 

アサシンを掃討した後、固有結界を解除したライダーがそう宣言した。

 

「さーて、帰って寝るか。……あ、そうだ。王さま、明日の晩、ランスロの奴連れて来るから。決着つけろよ」

 

「え?」

 

「んじゃそゆことで。ライダー、馬出せ。とっとと帰んぞ」

 

「分かった、分かった。そう急くな」

 

ライダーが剣を抜き、虚空へ振ると戦車が出現するので、それに乗り込む。ラーミアとは違った乗り心地で、結構気に入ってる。アーチャー?もう帰ったよ。

 

「ちょ、ちょっと待ちなさい!キャスター!」

 

待たない。

さて、帰ったら今後の作戦でも練るかな。ライダーの宝具の対策も作らなきゃいけないし。

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