叛逆の騎士ですがなにか?【永久凍結】   作:くずもち

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今回の番外編の主人公が後半ガチなシリアスをし、キ○○イな行動を取らないのは理由があります。
転生までに通ったルートに違いが有り、以下の通りです。


本編モーさん。

死亡→根源到達→異世界への移動能力GET→魂に容量が足りない。どうしよう?→そうだ!本能の抑制を捨てて空きを作ろう!→結果的に魂の質上昇→転生先間違えてモーさんに転生←今ココ


番外モーさん。

死亡→根源を通らずに転生→正規ルートで魔術師の家系へ←今ココ


納得がいかない方もいらっしゃると思いますが、御容赦を。


番外編 If もしも主人公の転生先が、モーさんじゃなかったら 1

どうも皆さん、おはこんばんにちは。モードレッドもとい、主人公です。

え、何だよ作者?番外編なんだから本編は忘れろ?何を言って……………あれ?俺は一体何を?

 

 

まぁ良いや。俺は今転生という物を体験している。死んだと思ったら体が赤ん坊になっていたのだ。最初はちょいと戸惑ったが、折角手に入れた第二の生だ、満喫しなくては。

別に俺は前世で因縁がうんぬんだとか、特殊な存在の生まれ変わりだとかいった物は無いから気儘に生きるぜ!

 

俺が生まれたのはアーサー王時代の魔術師の家系で、キャメロットの騎士達に代々仕えて来たらしい。

お陰で幼少の頃から、「貴方は魔術師として立派になり、このキャメロットを守る騎士様を支えるのよ」と、母さんに教え込まれて育ったよ。内の家系は魔術師というより、魔術使いだと思うのだが。

 

俺は次男で兄と妹が一人ずついる。将来的には兄が家督を継ぐから、妹には既に将来的の夢があるそうだ。円卓の騎士のだれかと結婚し、玉の輿を狙うのだとか。

ちなみに父さんはそれなりに高名な騎士だ。母さんという実例が有るからか……。

 

将来円卓が崩壊し、国が滅ぶ事を知っている俺には、なんとも言えない気持ちが沸いてくる。

うーん、どうにか動いてみるか?でもここ型月時空なんだよね。抑止とかが神秘の残るブリテンを確実に潰しに来るだろうし、俺一人じゃどうにも……。

 

 

 

魔術の技量を上げつつ、新しい術を考案しながら過ごすこと十数年。気付けばもう19歳です。

 

 

内の家系が扱う魔術は錬金術。主に騎士の武装を直したり、新しい武器を造る等をしていたらしい。まぁ、錬金術で前に出て、BANZOKUと戦えるかと聞かれたらNOと言えるもんね。

 

だがしかし、原子について知られていないこの時代、現代(未来)知識を持つ俺に死角は無かった。

手始めにその辺の炭素を大量にかき集めて、ダイヤモンドを作ってみた。すんげー驚かれた。

 

後、母さんが少しばかりルーンをかじっていたらしく、それも教えて貰い、改造。

某異能を打ち消す不幸少年の物語に出てきた不良神父が使う魔術。魔女狩りの王(イノケンティウス)を完成させた。この魔術、幻想殺しに消されても直ぐに復活した様に、対魔力で消されてもルーンさえ消えなければ魔力の続く限り展開出来、足止めできるという割りと凄い物に仕上がった。

暇な時妹に教えたら、更に改造してルーン魔術を極め始めたよ。

 

そして最近、モードレッドという騎士が円卓の末席に加わった。そう、あの叛逆の騎士モードレッドである。

俺は何とかこの国の結末を回避出来ないかと、色々と手を尽くそうとしたが何れも不可能と判明。最後の手段として、モードレッド卿に叛逆をさせない様に出来ないかと、接触することにした。

試そうとした方法?

 

①BANZOKUの力の源を探り、無力化する。

A.抑止力が手を貸してた。俺じゃどう足掻いても無理。

 

②抑止力が介入しない様に、いっそのことこの国から神秘を消す。

A.数で劣るブリテンがBANZOKUに対抗するには、強力な神秘が必要。よって不可。

 

③ブリテン崩壊の大きな要因である、モルガン及びモードレッド卿の殺害。

A.実力的に無理。

 

な?無理だろ?

 

まぁ、色々あってモードレッド卿御付きの魔術師として仕える事になったよ。代々騎士に仕えて来た家系だし、偶然魔術師の従者が一人も居なかった事から、不自然さは無かったし。

それから暫くの間、俺はモードレッド卿の傍で戦い続けていた。勿論の事だが、前線で。錬金術も鋼の錬金術師みたいな使い方したら強力だったし。後、一緒に戦っている間に何か親しくなった。

戦場に行く時は、魔術の研究中でも毎回一緒に連れてかれたし、鍛練に付き合わされた事も有った。俺も途中から調子に乗ってノリノリで参加してたけど。

 

そうして現在をenjoyしていた俺は、ブリテン崩壊の回避という重要な事をすっかり忘れていた。

 

そして、事件は起こった。

 

 

それは、ある夏の日の事。俺が普段使っている人気の無い泉で、水浴びでもしようと向かった時、泉の傍に人の気配を感じ、俺以外にここを使う人がいるのかと少し驚きながら相手の顔を見ようと小走りで近付いたのだ。今思えば、相手が女性の可能性もあった訳だから、猛烈に反省している。

 

「え?」

 

そしてそこで俺が見たのは、兜を外し、鎧を脱ごうとしているモードレッド卿だった。

 

「な!?」

 

やべぇ、やってもうた。俺氏、痛恨のミス。この状況、どうやって打開すれば良い?

俺が悩んでる間にモードレッド卿は兜を被り、こちらを見ていた。

 

「おい、お前、見たのか?」

 

「………見たよ」

 

「そうか……」

 

「……………」

 

何だろう、沈黙が重い。お互いにどうすれば良いのか分かってねぇんだ。

恐らくモードレッド卿としては、俺に秘密をバラされる訳にはいかない。かといって俺を脅して黙らせておくには、親しい従者という関係上取り辛い。

そして俺は、モードレッド卿がどう動くか分からんから、対応の仕方が分からん。

よし、ここは先手を取ってこちらから話そう。

 

「セシル」

 

しまった、先手を取られた。会話の主導権があちらの物になってしまった。あ、ちなみに今のが俺の名前です。

 

「何です?モードレッド卿」

 

「お前には、知っておいて貰いたい。オレの秘密を」

 

え、マジで?俺、そこまで信頼される様な事したっけ?

※モードレッドのどんな無茶な要求も、彼だけがこなしています。

 

「オレの母は、王の姉モルガンだ。母上からは、その出生を知られるのは不味いからと、この兜を被るよう命じられている」

 

「……………」

 

「俺はお前を信頼して話した。出来れば、黙っていて欲しい」

 

「…分かりました。俺は秘密を絶対に喋りません」

 

相手がこちらを信頼して話してくれたんだ、誠意には誠意で応えないとな。

 

「あ~あと、何だ。お前その敬語止めろ。何かキモいぞ」

 

「キモいってどういう事じゃあぁぁぁ!!……あ」

 

アカン。素で話してしまった。

 

「そっちが素だろ?ならそっちで話せ、俺は気にしねぇ。寧ろ戦友のお前に敬語を使われると、何か気に食わねぇ」

 

「んな理由で!?」

 

普段理不尽を地で行くセシルさんもビックリですの事よ!?

 

「…はぁ。もう良いや、そこまで言うならため口で話すよ」

 

「おう、そうしろ」

 

この一件以来、妙に仲が良くなりました。

それからモードレッドは、俺と二人で居る時は素顔で過ごす様になり、自然と一緒に過ごす時間が長くなっていった。

一緒に鍛練したり、魚釣りしたり、鍛練したり、料理したり、鍛練したり、魔術教えたり、鍛練したり…………あれ?ほぼ鍛練だ。

 

そのうちに気付いたんだが、モードレッドが自慢するように魅せる笑顔が、凄く可愛い……………ハッ、イカンイカン。相手は10歳だぞ、これじゃ俺ロリコンじゃねぇか。落ち着け、落ち着くんだ俺。魔術の鍛練で培った集中力を今こそ活かす時だ!

 

「おーい、セシルー!」

 

おや?モードレッドが俺を呼んでいる。そちらを向くと、モードレッドが40cmくらいある魚を釣り上げてた。

 

「見ろ!こんなデケェ魚捕まえたぞ!」

 

…………うん。俺、ロリコンで良いや。だって可愛いんだもん。八重歯見せながら笑うあの顔。ほんと可愛い。あれ見たら誰だってロリコンに目覚めるぞ。

 

だが、彼女の屈託の無い笑顔が見れる期間は、あまり長くはなかった。

 

 

 

それは、今日は肉の気分だからINOSISIでも捕ってこようかと森に出掛けた時の事。

 

「セシル!」

 

俺を呼ぶ声が聞こえたのでそちらを振り向くと、モードレッドが突然俺に抱き付いて来た。鎧を着ているので少し痛い。

普段ならこの後、シリアス顔しながら内心ヒャッハーしている所だが、今回はかなり深刻な話の様だ。

 

「どうした?モードレッド」

 

俺はなるべく落ち着かせる様に、優しい声で聞いた。

 

「父上が、オレの事を、…息子として認めないと!そう言ったんだ!」

 

モードレッドは泣きながら俺に言った。

母、モルガンに自らの出生の真実、アーサー王とモルガンの間に生まれた子だということを知らされ、嬉しさのあまりその事をアーサー王に報告。自らを後継者する様に進言したのだと。

 

結果は、王に子として認められなかった。

 

出生や継承について問題が有る事は分かっていた。それで後継者として認められなくても、納得は出来た。

だが子供としても認められなかった事が、悲しくて、哀しくて、辛くて、苦しくて、憎かった。

 

話を聞きながら、俺は無言でモードレッドを抱き締めていた。彼女は俺の腕の中で、声を大にして泣いた。その嘆きはまるで幼子の様な……いや、事実幼子なのだ。

この子は、立派な騎士たらんとしているが、齢10ほどの子供なのだ。

 

アーサー王。俺は貴方を敬愛している。それは今までも、そしてこれからも変わらない。だが今は、俺の腕の中で泣くこの子を泣かせた、貴方が憎い。

 

 

 

その後モードレッドは、この国を滅ぼすべく行動を開始する。そして俺は、それに手を貸す事にした。

手始めに湖の騎士ランスロットと王の妃ギネヴィアの不倫をバラし、障害となるランスロットを追い出す。

 

本当なら止めるべきだったのだろう。叛逆を起こしても、アーサー王はモードレッドを憎まない。そして、モードレッドが欲している、アーサー王の子供という立場は、決して手に入らないのだから。

 

だが、それでも彼女は止まらない。止められない。彼女はもう、あの日、あの時にしまったのだから。

 

 

そんな彼女から、ある日問われた。

 

「セシル、何でお前はオレを止めないんだ?どうしてオレに、何時までも付いて来てくれるんだ?」

 

至極簡単な質問だった。共に敬愛していた王に叛逆するという自分を止める所か、寧ろ支援する様な動きをする俺に対して疑問を抱くのは当たり前だった。

それに対して、俺は簡潔に答えた。

 

「お前の事が好きだからだ」

 

「…………は!?」

 

「勘違いされると困るからな、こう言おう。俺はお前を愛している」

 

ロリコンでも変態でも好きに罵るが良い。俺はただ、彼女が好きだから動くのだ。

好きだからこそ、彼女と敵対してでも動くべきではないか、と言うものも居るだろう。俺はその意見を否定はしない。だがこれは、彼女を泣かせた王への個人的な復讐でもあるのだ。

それに俺がどう動いても、アーサー王がモードレッドを子として認める事は無い。彼女は完璧だ。だが完璧だからこそ、彼女はモードレッドを認めない。

 

「は?え?いや、…え?」

 

俺の突然の告白に戸惑うモードレッド。まぁ無理もないか。今までそんな様子は一度も見せた事無いし、ずっと頼れる仲間だと思っていたのだろう。

 

「……オレはホムンクルスだ、人じゃない化け物なんだぞ?それに、後10年も生きられない。それでもか?」

 

何を言うのかと思えば、今更だ。

 

「当たり前だ。言ったろう、俺はお前を愛している」

 

俺がモードレッド顔を真っ直ぐ見ながら言うと、彼女は顔を真っ赤にして俯いてしまう。

 

「………ぁ、その、…これからも、宜しく、頼む…出来れば、今まで以上に…」

 

「!…ああ!」

 

たどたどしく、俯き加減に此方を見ながらの返答に、不覚にも萌えてしまった。

 

告白後の事?俺はあるものを卒業した、とだけ言っておこう。

 

 

 

アーサー王がランスロット卿征伐の為遠征に出た時を見計らい、今まで冷遇されていた豪族や、アーサー王に不満を持つ騎士達を扇動し、反乱を起こした。

アーサー王に付いた家族とは敵対する事になり、心が痛んだが、それでも彼女と一緒に居る事には変えられなかった。

たとえこの手で殺す事になっても。

 

ランスロット卿の軍と争っていた王の軍は、突然の事に動揺するも、流石はアーサー王と言うべきか、直ぐに対応してみせた。

ランスロット卿との戦いを一時休戦し、此方に反撃して来たのだ。

 

戦いは苛烈を極め、途中ランスロット卿の軍がアーサー王の軍に援軍として動こうとしているという情報が入ったが、結局動く事は無かった。恐らく史実通りガウェイン卿の行動だろう。

そのガウェイン卿も、モードレッドに討たれて死んだが。

 

俺は常に戦場の最前線で、モードレッドと供に戦い続けた。何度も死にそうな目に会うも、彼女と助け合いながら切り抜けて来た。

 

 

そして、モードレッドとアーサー王の一騎討ち。

 

俺は本当は、彼女に王と戦わせさせたく無かった。戦えば確実に彼女は死ぬだろうからだ。だが俺は止められなかった。自分が死ぬであろう事は、彼女自身も気付いていたのだ。

 

俺はどうしてもそれを止めようと向かうも、騎士達に足止めをされる。そいつらを倒し、二人の元に駆け付けた時、全ては終わっていた。

 

アーサー王はモードレッドの剣で胸を刺され、モードレッドは王の槍で心臓を貫かれていた。

 

 

「モードレッド!」

 

心臓から槍が引き抜かれ、倒れるモードレッドに駆け寄る。アーサー王はモードレッドに負わされた傷のせいで倒れそうになるのを、剣を杖代わりにして防いでいる。

俺はこの場を離脱する為に、モードレッドと一緒に秘密を打ち明けられたあの泉へ転移した。

そこで、モードレッドの傷を治す為に魔術で治療を始める。

 

「モードレッド、死ぬな!死なないでくれ!俺を置いて逝かないでくれ!」

 

「…セシル……ごめんな」

 

「謝罪何て要らない!俺は、お前を……くそッ!何で治らねぇんだ!?」

 

「無理だ…もう…」

 

「無理じゃねぇ!!」

 

「セシル…」

 

モードレッドは俺の手を握りながら、血濡れの顔で笑い掛けてこう言った。

 

「ありがとう、愛してる」

 

その言葉を最後に、モードレッドは静かに息を引き取った。

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