聖徳太子(ノーパン)と知り合いになった俺達は、交渉の末に(カレーパン二個)割りと広めの土地を貰い、そこで呪術について研究しながら暫く住む事にした。ちなみに結構良い霊地である。
日本に数年程住んでて思ったが、この国の神秘はどうなっているんだ?
平均的にはブリテンに劣るて程度のものだが、場所によっては神代にも引けを取らない神秘だぞ。
でも、よく考えれば不思議でもないのか?魔法の剣技を使うNOUMINとかいるし、キャス孤が居る、つまり神霊が現世に直接介入出来る位だしな。
やっぱ日本て頭可笑しいわ、さすが流石変態国家日本。
「知ってますか?最近凶悪な妖怪が出没するそうですよ。死んでください太子」
「ほーん、物騒だな。落ちろ太子」
「オレ達で調べてやろうか?スマッシュボールGET、沈め太子」
「………どーしてお前らは私を集中的に狙っとんじゃー!」
「「「え?なんとなく」」」
貰った土地にでかい屋敷を建て、太子と妹子招いてスマ○ラをやっていたら、妹子が物騒な話題を切り出してきた。
「なんでも最近、不死身で強力な妖術を使うそうで、既に幾つかの集落が滅びているそうです。そして噛まれた人も、また妖怪になるのだとか。いっその事太子が襲われませんかね?」
「そいつはまた…。太子を餌に誘き寄せてみるか?…………ん?」
不死身で、
吸血鬼が相手となれば、並みの人間では相手にならないので、俺が打って出る事にした。
当日の晩。相手を誘き寄せる為に、禁書目録に出てくる不遇ヒロインの能力、
「ヒエエェェェェェェェェェェ!!」
「静かにしててください太子」
「妹子お前、こんな状況で落ちつけるのか!?仮にも私は聖徳太子だぞ!というか、この石だけ置いておけばいいんじゃないの!?」
「「「……盲点だった」」」
「えぇー!?じゃあもういいから!早くこの縄解いて!」
「「「良いじゃん。太子だし」」」
「ひどっ!?」
そうこうしてるうちに、獲物がやって来た様だ。騒がれると面倒なので、太子を気絶させてから身を隠してそっと息を潜める。やって来たのは金髪紅眼のどこかで見たような顔つきの男で、息を荒くしている。
「ハァ…ハァ…ハァ…血、血が欲しい…美味そうな血の匂いがする。…どこだ?」
やがて吸血鬼は太子を見つける。
「コイツか?………妙だな。コイツから美味そうな匂いと、ゲロ不味な感じの臭いがするぞ?………まぁ良い、血が吸えればそれで…」
吸血鬼が血を吸おうと太子に近づいた瞬間、太子の周辺に仕掛けておいた地雷が爆発。吸血鬼の下半身が吹き飛んだ。
その瞬間俺は茂みから飛び出し、吸血鬼に接近。太陽光を発する物質を生成、拳に付着させて殴りつける。
「ぐあぁぁぁぁ!な、なん「
顔面を太陽光で思い切り殴ったのに死なないとは。もしかしてコイツ、真祖か?この時代なら居ても可笑しくはないが、日本まで来るとは。何か対策を講じるか。
「貴様らいっt「答える必要はねぇ」だぁふ!」
真祖が話そうとしたが、速攻でモードレッドに真っ二つにされて黙った。しかし、真祖を始めとする吸血鬼は皆、不死身染みた生命力と復元呪詛という能力を持つため、殺し切るには至らず、真祖は直ぐに再生する。
「ふん!その程度でこの僕が死ぬものか!」
自信満々で真祖が復活。でもまぁ、その気になれば不死殺し創れるから速攻で殺せるんだけどね。復活した真祖は、俺とモードレッドを見定めるかの様な視線を向けると、モードレッドを見てこう言った。
「………ほう、女。貴様、僕の物になれ」
「………は?」
「察しの悪い女だ、これだから人間は。貴様は僕の玩具になるんだ、拒否権は無いぞ」
あ゛?
「おいクソ蝙蝠。今何つった?」
「はぁ?聞こえなかったのか?僕の玩具になれと言ったんだ。それに貴様、今僕を蝙蝠t「そのきたねぇ口を今すぐ閉じろ、ゴミが!!」ぐべぇぁ!」
不死殺しの概念を持った大鎚を生成して、叩き潰す。
「俺の女を玩具にするだぁ?よくそんなふざけた事が言えたな、あ゛ぁ!!塵一つ残さねえぞ!!」
クソ蝙蝠を何度も何度も何度も何度も何度も叩き潰し、王水を創り、ぶちまける。クソ蝙蝠は魂の残滓も残らず、完全に消え去った。
俺はヤツが居た場所に唾を吐きかける。
「ぺっ……あー腹立つ」
たくっ、コイツを造ったのは確か朱い月だったよな。…潰すか?
しかしコイツ真祖の割にたいして強くなかったな。血を求めてたってことは、魔王だろうし、戦闘力の低い失敗作か?
色々と思う所は有ったものの、その日はもう帰ることにした。太子のことをすっかり忘れていて、二日ほどたってから思い出して回収したのは秘密だ。
それから数日後、俺の下を一人の吸血鬼が訪れた。なんでも、失敗作とはいえ魔王を殺した実力から、主である朱い月が興味を持ったため付いて来いとか、そんな内容の話を高圧的にしてきたのでムカついて、動けなくした後、生きたまま大量のネズミに全身を食わせてぶち殺してやった。ネズミ?吸血鬼化の抗体作って施しておいたから無事だよ。
その数日後、また別の吸血鬼がやって来て、前回のヤツと似たようなことを、またも高圧的に言ってきたので今度は全身を少しずつ溶鉱炉に沈めてやった。
このままここに居続けると、この国に吸血鬼を大量に送り込まれて、大惨事になりかねないので、朱い月をぶち殺して終わらせる事にした。
「オレも行くぞ!」
「ダメだ。危険すぎる」
モードレッドが付いて来ようとするが、俺はそれを許可できない。朱い月は月のアルテミット・ワン。英霊程度の戦闘力しかないモードレッドでは、はっきり言ってしまえば足手まといだ。
「必ず帰ってくる。だから、待っていてくれ」
「…………分かった。…待ってるからな。行ってらっしゃい」
長い逡巡の後、モードレッドは待っている事を選んでくれた。
「ああ、いってきます」
吸血鬼どもに朱い月の居場所は聞いていたので、さっそく向かう事にする。
向かう途中で同じく朱い月打倒を目的としたゼルレッチという青年と出会い、話してみると、なんと彼も魔法使いだった。というかコイツ、第二魔法のハッスル爺さんか。まだ若いのね。
何故朱い月を倒したいのか訊いてみると、「気に食わねぇ」という実にシンプルな一言が帰ってきた。
何か気が合ったので一緒に朱い月倒そうぜ!みたいな雰囲気になって、俺が創った巨大ロボに、ゼルレッチの造った平行世界から魔力を汲み上げる永久機関を搭載した結果、デモンべインが完成した。………正直、やり過ぎたと後悔している。だが反省はしねぇ!
このデモンべイン、仮にデモンべイン・フェイクと名付けよう。フェイクには、本家デモンべインが搭載している機能は大体搭載してあり、機体スペックも、『アレ?コイツ本家より強くね?』というレベルに至っている。
各種魔術武装はもちろん、アトランティス・ストライクやレムリア・インパクトまで完備した高性能機。ついでにパイロットが使う魔術を機体サイズで行使できるオマケ付き。
やっべーの創っちまったなーマジで。コレあれば、朱い月どころかORTにも挑めるんじゃないの?てくらいクソ強ええからな。
案外、コレが本当にデモベ世界に行って邪神と戦ったりして………んな訳無いか。
この時の俺は、遥か遠い未来で、最も新しい旧神がこの機体に乗って戦うことを知らなかった。
なんてモノローグ入れとけば、実際にそうなるかもね。
荒廃し、彼方此方が焦土と化した大地。そこで巨大な機械仕掛けの巨人と、一人の化け物が争っていた。
「死ねや朱い月ぃぃぃぃぃ!!」
「クハッ…面白いぞ、人間!」
現状、二人の魔法使いと朱い月の戦いは、魔法使い側が優勢だった。
デモンべイン・フェイクの装甲は、セシルが創り出したこの星に存在しえない物質で構成されており、朱い月をもってしても傷つけることは容易ではない。
第一魔法によって次々と生み出される武器の数々と、第二魔法による無尽蔵の魔力とそれを使った魔法と魔術の乱撃。それらは確実に、朱い月を追い詰めていた。
しかし、朱い月も負けておらず、デモンべインが拳を振るえば、その剛腕で弾き返し、蹴りを繰り出せば、受け流し、魔術を放てば、それと同質のモノを空想具現化で生み出し、対抗していく。
「アトランティス・ストライク!!」
「おっと危ない」
「だあぁぁぁぁっもう!避けんなテメェ!」
デモンべインが繰り出した超高速の蹴りを、朱い月が回避する。
「お返しだ」
ゴウッ!!
朱い月がデモンべインに手を向けると、そこから極太のレーザーが放たれる。それに対しデモンべインは、巨大なライフルを生成し、対抗する。
「陽電子砲じゃあぁぁぁぁ!!」
二つの極光がぶつかり合い、拮抗するも、やがて陽電子砲が競り勝つ。朱い月はその結果を分かっていたかの様にリフレクターの様なバリアを発生させて跳ね返す。そして跳ね返された攻撃を、ゼルレッチが障壁を展開して防ぐ。
続けざまに朱い月は空間を大きく歪ませ、それらが元に戻る瞬間に発生したエネルギーをデモンべインに向けて叩き付ける。それは宛ら、先程のデモンべインのアトランティス・ストライクに似ている。朱い月は、デモンべインの使ったソレを、まるっきり真似てみせたのだ。
「ぬうッ……!」
「っがぁ!」
空間の歪みのエネルギーを叩き付けられ、地面へと墜ちるデモンべイン。背中から激突する前に、体勢を整えて着地する。
デモンべインの着地と同時に、既に次に向け動いていた朱い月が、周囲の自然に干渉。雷雲を発生させて雷を豪雨の如く降らし、大地からマグマをカーテンや間欠泉の様に噴出させる。
「しゃらくせえ!!」
セシルはデモンべインを包む様に耐熱・耐電物質を生成し、纏わせ、そのまま朱い月へと突貫する。
「ならば、これはどうだ!」
火力の低い攻撃では、何時までも終わらないと判断した朱い月は、一撃に全力を込める事にする。空想具現化によって上空に質量を形成。月の鏡像を造り上げた。
「我が星によって滅びるがいい!」
その言葉とともに、上空の月がデモンべイン目掛けて落下を開始する。
「ざっけんな!んなのアリかよ!?」
「言ってる場合か!何とかするぞ!」
言うや否やゼルレッチは、デモンべインを月に向かわせる。
「やっぱアレを使うしかないか。…ヒラニプラシステム、起動!………頼むから抑止力は介入しないでくれよ」ボソッ
デモンべインは月に接近しつつ、右拳に魔力を集約させていく。ゼルレッチの魔法でできた装置により、あらゆる平行世界から熱量を掻き集め、無限熱量を生成。掌に固定して安定化させる。
「ゼル!」
「任せろ!」
セシルの呼びかけに応えたゼルレッチは、巨大な魔法陣を展開。デモンべインがそこを通過すると、その姿がぶれ、複数のデモンべインが現れる。多重次元屈折現象により、一時的にデモンべインが同時に複数別の位置に存在するようになった。
「光差す世界に!汝ら暗黒、住まう場所無しっ!!渇かず飢えず、無に帰れェェェ!!!」
複数のデモンべインが一斉に月へと突っ込んでいく。
「レムリアァァァァァァ!!インパクトォォォォッ!!!」
全てのデモンべインが同時に、月へ右掌を叩き付けた。
「昇華ァ!!」
瞬間、辺りを閃光が埋め尽くす。直ぐにそれが収まると、そこには朱い月と、朱い月が造り上げた筈の月が存在しなかった。先程のレムリア・インパクトによって、原子一つ残さず完全に消滅したのだ。
「ふぃ~終わったぁー」
「流石に今のはヒヤッとしたぞ……」
朱い月の存在を確認できず、今の一撃で完全に勝ったと判断した二人は、デモンべインを地上に降ろして、機体から降りる。
そして、その勝ったと思った油断を突かれ、死角から飛び出してきた朱い月にゼルレッチが噛まれた。
「がっ!?」
「ゼル!?」
「クッハハハ、私は朱い月…月の王。ただでは死なん、貴様に呪いをくれてやる!」
そう最後に言い残し、朱い月は嘲いながら消滅した。
「ゼル、大丈夫か?」
「…そう見えるか?」
「全然。吸血鬼化を抑えて人間に戻す薬創れるけど、どうする?」
「………いや、いい。この呪いは、私自身への戒めとする。」
「…分かった」
こうして、魔法使いとアルテミット・ワンの戦いは、魔法使いの勝利で終わった。
ちなみにその後デモンべインは、製作者二名に忘れられて倉庫で眠っていた所を這いよる混沌によって回収され、シャイニングガチペドロリコンの愛機となる事は、誰も知らない。