はいどうも、くずもちです。前回の更新からだいぶお待たせしてしまってすみません。
テストが終わったので、これからまた更新したいと思います。
次話が三十分後に投稿されます。
「聖魔剣、ね……」
木場が生み出した剣を見て俺は呟く。アレの存在は、正しく聖書の神がいないことを証明している。聖書の神が居れば、この世界で聖魔剣などという矛盾した物が生まれる筈がない。
一つの剣が聖剣と魔剣、二つの姿を持つのは珍しくはない。アロンダイトがいい例だろう。元は聖剣だったが、ガウェインの兄弟を斬った事で、後に魔剣となったのだから。
だが、聖剣でありながら同時に魔剣でもあるというのは、通常ありえない。
「あ、ありえん!相反する聖と魔の融合など、ありえる筈が………そうか分かったぞ!聖と魔のバランスが大きく崩れているのならば説明はつく。それらを司る者、つまり魔王だけでなく神も―――「上からくるぞ!気を付けろ!」ぐへぇ!」
唐突に語りだしたバルパーはそれ以上喋る事は出来なくなった。何故なら、コカビエルが投げた光の槍が背後から飛んできたので、俺がバルパーを蹴り飛ばして躱させたからだ。蹴る力が強すぎたのか、そのまま気絶してしまったが。
「チッ、…まぁいい。バルパー、お前は優秀だったよ。そこに思考が至ったのも、優秀だったが故だろう。だが、もとよりこの計画は俺一人でもやれた。赤龍帝の小僧」
「何だよ!」
「限界まで力を上げて、誰かに譲渡しろ」
「ふざけないで!私たちにチャンスを与えるというの!」
「ふざけているのはお前たちの方だ。まさか、この俺に勝てるとでも思っているのか?」
コカビエルの言動に激怒するグレモリーだが、コカビエルの返答に悔しそうに歯を噛み締める。まぁ、コカビエルの言っている事は、分からんでもない。事実、この場に居る面々では、俺を除いて誰一人として対抗できないからだ。……つーかコカビエルが俺の事を強者だと分かってないのは、単純に俺の実力を知らないのか、それともたかが人間だと侮っているのか……いくら俺があんまり堕天使と関わりを持たないからって、知らないもんかね?俺、聖剣使いとして結構有名な筈なのに。
「イッセー、赤龍帝の籠手――「その必要は無い」…どういう意味?」
「そのまんまの意味だ。アレの相手は、俺一人で十分だ」
グレモリーの言葉を遮って、一歩前に出る。グレモリー一同が俺を訝しんだ目で見てくるが、気にせずにコカビエルへと、手ぶらで近づいていく。
「貴様、舐めているのか?」
「舐める?おいおい、それはこっちの台詞だぜ」
ダンッ!!
一瞬で空中のコカビエルに接近。眉間と鳩尾に一撃ずつパンチを入れ、顔面を思い切り蹴り飛ばす。吹き飛んだコカビエルは、そのまま地面へと墜落した。
俺は空中で体勢を整えて着地し、いまだ地面に伏しているコカビエルに言った。
「初対面でテメーを地面に擦り付けたのは、この俺だぞ?」
「貴様ァァァァァァ!!」
コカビエルが憤怒の表情で槍を何本も投げつけてくるので、俺はそれらを、余裕をもって拳ではたき落としいていく。それでもコカビエルは飽きもせず投げつけてくるので、俺は鼻歌を歌いながら、粘土をこねつつ、対応する。
「~~~~~♪」
「ふざけるなァァァァ!!」
「~~~~~♪」
「良い加減にしろ貴様ァ!真面目に戦え!」
「完成、ザク!………違う!これじゃない!」
高クオリティなザクが出来たが、すぐにコレジャナイ感がして破棄する。そして再び捏ね始める。あと、コカビエルが真面目に戦えとか言ってたが、俺から不真面目さを取ったら何が残ると言うのか、小一時間ほど問い詰めたい。……男の娘、全身鎧、変身、狂気、ギャグ、……割と残るな。
「今度こそ完成!…機関銃。死にさらせやぁ!」
完成した機関銃に実弾を込めてコカビエルに向けて発射する。流石にただの機関銃では、コカビエル相手には効かない様で、銃弾を無視しながら光で剣を作って斬り掛かって来た。なので俺は、クラレントを出して直立したまま動かずに居る。
「死ね、人間!!」
降り下ろされたコカビエルの光の剣は、無防備な俺に迫り、そのままその体を
「なに!?」
「ふっ残像だ」
コカビエルの背後に回り込んだ俺は、背中に生えている翼を両方切り落とす。そしてその傷にコカビエルが反応する前に、思い切りケツを蹴り飛ばしてやる。
「ぐぁぁぁ!」
無様に転がりながら悲鳴をあげるコカビエル。そこに追い討ちをかけるように、魔術強化を施したサブマシンガンを撃ち込んでいく。
コカビエルはボロボロになりながらも立ち上がり、こちらに光の槍を投げようとしてくる。なので俺は即座に手榴弾を投げつけてやった。コカビエルはそれを、目障りとばかりに両断する。
「こんな物!」
「あ、それ、クトゥグアの焔閉じ込めてあるから」
コカビエルが斬ったのは、手榴弾は手榴弾でも、攘夷手榴弾だ。しかも中身はクトゥグアの焔。容器が壊れると、即座に内部に封じ込められた焔が拡散。半径1Mを焼き尽くすのだ。
「ぐあぁぁぁ、熱い!ぁあ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「汚物は消毒だぁ!」
クトゥグアの焔に焼かれて苦しむコカビエルに、追撃とばかりに塩を撒く。傷口に塩が染みるうえ、傷口から直接血管に塩が吸収されて、塩分過多で苦しませるという、地味な嫌がらせだ。
それと言っておくが、俺の撒く塩の量は尋常ではないぞ。撒くというより、最早ぶつけるだ。キロ単位ではなく、トン単位で投げつけてるからな、岩塩を。しかも音速の数倍で。
「岩塩がひとーつ!岩塩がふたーつ!岩塩がみーつ!岩塩がよーつ!」
「ごがっ!ぐげっ!ぐぼっ!ぶほぁ!」
「岩塩がいつーつ!岩塩がむーつ!クラレントもひとーつ!岩塩がななーつ!」
ドスッ!
岩塩を投げつつ、ついでに投げたクラレントが腹部に突き刺さった。七つ目の岩塩を投げ終えた所で、コカビエルに接近。腹に刺さったクラレントを使って、逆袈裟に切り裂いた。
「がはぁ!…この俺が、こんなふざけたヤツに!」
「眠れ、ソルトパイだ」
ベチャっと、猛毒入りのソルトパイ(岩塩入り)を、コカビエルの顔面に押し付ける。するとコカビエルは、ビクンビクンッと痙攣した後、動かなくなった。息はあるようだし、気絶しただけだろう。
コカビエルを強靭なロープで縛りあげていると、バルパーが目を覚ましたようだ。だが俺は興味もないので、コカビエルの顔に落書きをしてる。
「私は、………そうか、気絶していたのか」
「バルパー・ガリレイ、覚悟してもらおう」
取り敢えず額に肉と書くのは定番として、後何書こう。
「ふっ、私を斬るか?好きにするが良い。私は今、最高に気分が良い。途轍もない真実を知ったのだからな。三大勢力が揺れ動くほどの真実を!」
「何ですって?」
そうだ!ヒゲを書こう!鼻毛も生やしてっと。
「くくくっ冥土の土産に教えてやろう。聖を司る者、すなわち神もまた、魔王と同じく死んでいるのだ!」
「な!?そんな馬鹿なことがあるか!出鱈目を言うな!」
「出鱈目などではない。そこの悪魔が持つ、聖魔剣こそがその証よ!聖と魔という、相反するモノが混ざり合い、調和するという事。それはすなわち、それらを司る者が既に存在しない、死んでいるということだ!」
あと、妙にリアルタッチなウ○コも書いておこっと。
「主が……いらっしゃらない?では、私たちに与えられる愛は……」
「そんなもの、あるわけがなかろう!死んだ者がどうやって愛すというのだ?」
「嘘だ、………嘘だッ!!!」
レナ乙。てか誰だ今の。……ん?何でみんなこんなシリアスしてんの?
俺が不思議そうに辺りを見渡していると、突如結界が破壊され、白い鎧姿の奴が飛び込んできた。
「コカビエルの捕縛に来たんだが、もう終わっていたらしいな。そこの鎧の聖剣使い、貴様の名は?」
「白々しい奴め、テメーが最初から見てたのは知ってんだよ。モードレッドだ」
「モードレッド。貴様の名、確かに覚えたぞ」
「おう、俺が名乗ったんだから、テメーも名乗れや」
まったく、常識ぐらい親に習わなかったのか?俺は習ってねーがな。
「失礼した、我が名はヴァーリ。白龍皇のヴァーリだ」
「よし分かった、吐く龍皇だな」
話をしながらも、ヴァーリはコカビエルとフリードを回収しており、空に飛んでいた。
「バルパーに関しては、そちらで好きにして貰って構わない。俺が用があるのはコカビエルだけだからな。この神父は序でに連れて行く」
「あ、そう?んじゃ遠慮なく。ほい転移っと。≪ショゴス、食っていいぞ。ただし、ミ=ゴに脳味噌から聖剣に関する情報を抜き出させておけ≫」
バルパーを転移で俺の使い魔を飼っている空間へ送り込む。
「…バルパーをどうしたかは、聞かないでおこう。嫌な予感がするのでな。ではな」
ヴァーリが飛び立とうとした時、兵藤の神器から声が発せられた。
『無視か、白いの』
『起きていたか、赤いの』
『せっかく出会っても、この状況ではな』
『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういう事もある』
『しかし白いの、以前のような敵意が伝わってこないが?』
『赤いの、そちらも敵意が段違いに低いじゃないか』
『お互い、戦い以外の興味対象があるということか』
『そういうことだ、こちらは独自で楽しませてもらうよ。たまには悪くないだろう?また会おう、ドライグ』
『それもまた一興か。じゃあな、アルビオン』
「君がもっと強くなるのを待っている。また会おう、俺の宿敵君」
そう兵藤に言い放って、ヴァーリは今度こそ飛び立って行った。
さて、聖剣を回収したから、これで今回の任務は終わりだな。
「おーい、ゼノヴィア、帰んぞー………ゼノヴィア?」
転移で移動するために、俺はゼノヴィアに声をかけたが、反応が無い。呆然と立ち尽くしている。
「おい、どうかしたのか?」
「………モードレッドさん、貴方は、主がいないことを知っていたのか?」
「ん?ああ知ってるけど。だいぶ前に自力で気づいたからな」
「……そうか」
何か様子が気になったので、ゼノヴィアを連れて一旦自宅へ帰る。イリナはまだ寝ている様なので、そっとしておく。
「そんで、何でそんなに落ち込んでんのかは…まぁ大体予想はつくな」
バルパーにまだ利用価値があると思って生かしていた俺の失態だな、これは。
これがウチのクソ部下共なら、落ち込んで様が気にも留めずにいるところだが、今回ばかりはホントに真面目に対応するか。
これから話すことをイリナに聞かれると拙いので、魔術で眠りを深くしておく。
「お前さんは今、神の死を知ったことで危うい立場に居る。そのことは理解しているな?」
「……はい」
「故、お前さんが今後取れる選択肢は大きく分けて二つ。一つは、何も聞かなかったことにして、このまま教会に居る事。二つ目は、教会から離反することだ。離反する場合、どこかの組織に就くか、俺みたいにフリーでやっていくかだ。二つ目の場合、俺としては組織に就くのをお勧めする」
「………教会には、居たく無いです。今まで信じてきたものが、偽りだったから。あそこに居たくはない」
「そうか…」
暫く沈黙が続いたが、やがてゼノヴィアが口を開いた。
「………あの、モードレッドさん。…貴方について行っても良いですか?」
「俺にか?別にかまわんが、そりゃまた何で?安全を求めるなら、気持ちは複雑だろうが組織に属した方が良いと思うが?」
「理由は、特に有りません。しいて言うなら、現状、貴方が一番信頼出来るからです」
……俺の今までの行動を見た上で、本気で言ってるんだったらこの子の正気を疑うよ?自分で言うのも何だけど、戦闘に岩塩を用いるような奴よ?
「うーむ、ならしかたないか。但しお前も働けよ、ニートは要らん」
「構いません」
「うし、なら続きは明日、イリナが起きてからだ」
俺は予備の布団を出して敷いてやり、そこにゼノヴィアを寝かせる。俺は天井付近にハンモックを掛けてそこに寝ることにする。このアパート、そんなに広くないからな……。
翌朝、取り敢えずテキトーに冷蔵庫に有った食材を調理して、三人で食べる。その際に、ゼノヴィアが教会に帰らない旨を伝えた。
イリナは不服そうだったが、ゼノヴィアの「私なりに考えて出した結論なんだ、どうか分かって欲しい…」という言葉に、渋々納得してくれた。
その後はイリナを教会本部へ送り届け、ゼノヴィアが教会を離れることを正式に表明してきた。最初は渋られたけど、神の死を突き付けたらスムーズに事が進んだよ。ちなみに、デュランダルはそのままゼノヴィアが持つ事になった。恐らく、彼女以外に扱える者がいないからだろう。
それから、そうそうにアパートに帰って来て、鎧を脱いで虚数空間に仕舞いこむ。仕事中は基本着てるけど、流石にプライベートで鎧は着ない。
「モードレッドさん、貴女は、女だったのか?」
「ちげーよ、よく間違われるけど違げーよ」
ゼノヴィアに俺が男だと説明していると、電話が掛かって来た。
「はいはーい、モードレッドでーす。お名前をどうぞー」
『ミカエルです』
「おぉミカエルさん、もしかしてゼノヴィアのこと?」
『はい。彼女には悪い事をしましたが、神の死を知っている者を教会に居させる訳にはいきませんから。本来は、そういった人々を保護する施設に送る筈でしたが、貴方と共に居るのならば安心です。彼女の事、頼みます……』
「ういうい、任せておけ」
俺は、近くで俺の作ったダブルオーライザーのガンプラを興味深そうに見るゼノヴィアを横目にそう言った。……ガンダムに憧れて、ライザーソードとかやりださねぇよな?
『そうですか……それと、もう一つ頼みたい事があります』
「んぁ?」
『近々、今回の事件について、三勢力のトップで会談を行うことになりました。ついては、その会談に貴方も出席して欲しいのです。勿論、ゼノヴィアも連れて』
「あー俺は別に構わんが、ゼノヴィアの意見も聞かねぇとな。ゼノヴィア」
「何です?」
「今度、今回の件について三勢力のトップで会談を行うそうなんだが、そこに俺達も出て欲しいんだと。どうする?俺は出る気だが」
俺の質問にゼノヴィアはしばらく悩んだ後、はっきりとした目でこちらを見ながら答えた。
「……私は、………私も出ます」
「…ん、分かった。もしもしミカエルさん?俺とゼノヴィア、両方参加するから」
『そうですか、ありがとうございます。………モードレッド』
「んぁ?」
『今回の件。ありがとうございました。天界を代表して、礼を言います』
「おう、こっちも仕事だからな。またなんかあったら、依頼してくれや」
『ええ。それでは、また』
「おーう、また会談でな~。……さて、冷蔵庫ん中なんもねぇから、買い出しに行くぞゼノヴィア………ゼノヴィア?」
ミカエルとの電話を切ってゼノヴィアに声をかけると、返事が無い。振り返ると、そこにゼノヴィアの姿は無かった。
「アイツ、どこ行った?…………ん?」
辺りを見渡した俺は、足下に何か書かれた紙が有るのに気づく。その紙にはこう書かれていた。
【ロボットの人形を買ってきます。】
「…………なぁにやっとんじゃアイツわぁぁぁぁ!!」
勝手に出かけるとか、アイツこんなアクティブ奴だったの!?
てゆーか、アイツ転移使えなかったよなたしか!この町地味に入り組んでるからぜってぇ道に迷うぞ、どうやって帰ってくるつもりだアイツは。
それにアイツの今の格好ってボンデージだったから、要らん噂を立てられかねん。
「ええい、こうしちゃおれん!直ぐに探さねば!」
俺は部屋を飛び出し、確り鍵をかけた後、ゼノヴィアを探しに町を走り回った。
結局、俺が走り回っている間に、ゼノヴィアは親切な人に案内して貰い、ガンプラを買って帰ってきていた。しかも近所の方に変な噂が流れるオマケつきで。
完全に俺の徒労である。