ゼノヴィアが仲間に加わってから数週間。季節はもう夏真っ盛りです。ウチの部屋だと二人で住むには狭いので、隣の部屋も借りて、そこにゼノヴィアは住むことになった。最初の頃は色々と問題が起きたりしたが、今ではすっかり近所付き合いも出来ている。一応、一般教養も教えているとはいえ、割と早く馴染んだな。
使い道が殆ど無かったらしく、教会に居た頃の給料が貯まっていたので、当面の金銭は大丈夫そうだ。任務の際に金がなくなった時、自費でメシを食わなかった理由を聞いたら、必要最低限の金以外は全て教会の個人金庫に仕舞ってあると聞いたときは驚いた。デュランダルみたいに異空間に仕舞って置けよ。まぁ今は銀行に預けさせてるけど。
会談の詳細ついては、後日に場所と時間を伝えられたので、その日が来るまで自宅でごろごろしている。たまに外に出て、近所の子供たちと遊んだりしてるが。え、ニート?働いてるから違います。
ネタ武器開発とか、ゼノヴィアの修行とか色々やってます。
そうそう、ゼノヴィアはガンダムというよりはロボット全般にハマりだして、DVDとかフィギアとか買い漁ってる。この間、『大火力重装甲、デストロイガンダムはロマン』とか言ってた。俺もそう思う。後個人的に、超火力ならリアル系よりスーパー系の方が好きだ。具体的にはグレンラガン。………今度ドリルの武器作ろうかな?寧ろ工具の武器を作ってガンレオンみたいな?ちょいとネメアの獅子を狩ってくる必要があるかもな。
そんなこんなで時が経ち、会談当日。
俺はテーブルに足を乗せながら、背もたれに寄りかかって寝ていた。回りの御偉いさんの護衛達から、凄い睨まれてるけど、この程度の雑兵の視線なんざ一々気にしない。
「モードレッドさん、貴方よくこの空気の中で寝られますね」
「組織の一員として此処に居るなら問題だが、俺らはあくまでも個人だからな。一々他の連中なんざ気にしねぇよ。俺は俺のやりたいようにやる」
「どこまでも我が道を行きますね、貴方」
ゼノヴィアが呆れた様に言ってくるが、そういうお前だってゲームやってんじゃねえか。それ初代ゆうなまか?懐かしいなオイ。
「つーかグレモリーはまだ来ねぇのか?後来てねぇの、あいつ等だけじゃん」
まだ会談は始まっていないのは訳がある。リアス・グレモリーとその眷族がまだ来てないのだ。つか遅くね?
「普通は下の奴が先に来て、上の奴を待ってるもんだろうが。常識ってもんを知らないのかね?」
魔王サーゼクス・ルシファーが俺の言葉に苦笑しているが、グレモリーが失礼なのには変わりない。今の状況は、例えるなら大統領同士の会談に、ただの一政治家が遅れて来るようなものだ。失礼すぎるだろ。
もしうちの円卓の会議で、たいした理由もなく父さんより遅れて来る円卓の騎士が居ようものなら、後で他の円卓勢から袋叩きに合うからな。
「失礼します」
おっ、ようやくグレモリーが到着したようだ。
「さて、参加者が全員揃ったところで、会談を始めよう」
会議の内容は大幅にはしょるが、要約すると
三勢力全体で戦力不足。
このままだと他の神話勢力に喰われるんじゃね?
よろしい、ならば和平だ。
そんなことよりおうどんたべたい(俺の心情)
「さて、それじゃあそろそろ、俺達以外の世界に影響を与える存在に、話を聞こうか。ヴァーリ、お前は世界を如何したい?」
「俺は強い奴と戦えればそれで良い」
戦闘狂かコイツ。ウチの馬鹿共と気が合いそうだな。
「んじゃ、赤龍帝。お前は如何したい?」
「お、俺!?俺は…部長とエッチがしたいです!」
ストレートな欲望だなぁ。まぁ嫌いじゃねぇけど。
「最後に聖剣使い。お前は如何したい?」
「俺か?俺は別に特にねぇよ。これまで通り、自由気ままに生きるだけだ。そのうえで敵がいるんなら、一人残らずぶっ殺すがな。俺の享楽の邪魔をする奴は、誰であろうと許さん」
俺がそう言った瞬間。時が止まった。
「モードレッドさん、これは一体?」
「時間停止だな。そういやグレモリーの眷属の中に封印されてる奴が居て、そいつが時間停止能力を持っていた気がするが」
アザゼルが言うには、グレモリーの眷属であるギャスパー・ヴラディが時間を止める神器『
やべぇな、アイツがトップかよ。アイツとは一度だけ会ったことがあるけど、ハスターが自分が戦っても時間稼ぎが限界とまで言った奴だぞ。
まぁ今はそのことは置いておくか。
「ゼノヴィア、ちょっと外行って魔法使いどもを殲滅して来い。ウチの部下数人貸すから、盾でもなんでも好きに使え」
「分かりました」
了承したゼノヴィアは、デュランダルを片手に窓から飛び出していった。俺は無法者騎士団を発動し、部下を五名召喚。それぞれにバール、チェーンソー、ショットガン、火炎放射器、無限ロケットランチャー(全て強化済み)を装備させて送り出す。
『『『ヒャッハー!!獲物だァァァ!!』』』
五人は嬉々として飛び出していき、虐さゲフンゲフン戦闘を始める。
『名状しがたきバールのようなもの!』
『駒王町バラバラ殺人事件!』
『蜂の巣になりなァァ!!』
『汚物は消毒だァァ!!』
『芸術は爆発だ!!』
『ライザァァソォォォォド!!』
今、バカどもの声に混じってゼノヴィアから完全にネタ技の名前が聞こえたが、俺は何も気にしない。
アニメキャラの技を使ってみたい、もしくは再現してみたいと思うのは、サブカルチャー好きにとっては避けては通れぬ道だ。
「レヴィアタンの魔法陣……」
俺がゼノヴィアを見ながら頷いていると、ルシファーが何かを言った。気になってそちらを振り向くと、魔法陣が出現しており、そこから変な格好のオバサンが出てきた。辺りを見てみると、いつの間にか兵藤とグレモリーが居なくなっている。オバサンは魔王二人と言い争いを繰り広げているので、近くに居たアザゼルに話しかける。
「アザゼル」
「あん?」
「あのオバハン誰?」
瞬間、空気が凍った。
「プッ、あっはっはっはっはっはっは!!」
「なぁ、マジで誰なんだよ」
「はっはっはぁ。…アイツは旧魔王の一族の一人。カテレア・レヴィアタンだ」
「はーん、興味も湧かねぇザコだな」
「貴様!私を侮辱s「隙ありドーン!」ぐはぁ!」
何か話そうとしてたけど、敵だし遠慮なく顔面を蹴りぬいてやった。蹴られたカテレアは、校舎の壁をぶち抜いて外へ跳んで行った。俺はカテレアを追って外に出る。
「人間風情がよくも!」
外に出ると空中からカテレアが魔力弾を撃ってくるが、対魔力により全て無効化されて意味が無い。俺はカテレアに高速で接近し、ボディブローを決めてから、馬鹿どもが居る方向へと蹴り飛ばす。
「バカどもヘイパス!」
「オォウケイ!」
「がはぁ!」
バカ1号(以後○号と呼称)がまるで野球のバッターの様にバールを振るい、カテレアのボディを強く打って飛ばす。再び飛んだカテレアは、ショットガンを持ったバカ3号の下へ。3号はショットガンを見事に使いこなし、カテレアに鉛玉を打ち込み、その勢いでリフティングの様に地面に付けずに浮かせ続ける。
「ひゃは!撃ち上がりな!」
チェーンソーを持ったバカ2号が、浮かされているカテレアを空中で切り刻んでいき、火炎放射器を持ったバカ4号がカテレアを燃やしていく。
「バラバラだぜぇ!」
「燃えろ燃えろー!」
トドメにバカ5号がロケットランチャーを撃ち込み、カテレアを木っ端微塵にして終わった。
「汚ぇ花火だ」
見事な連携プレーである。
『『『フゥーー!』』』
あまりに綺麗にいったため、思わず全員でハイタッチをかましてしまった。何故か、今のに参加してないゼノヴィアまで。
それから、カテレアがあっさり討たれて動揺している魔法使いたちに、容赦なく暴力を振るっていると、突然アザゼルが高速で降って来て、近くの地面に激突した。
「ってて、この状況で反旗か、ヴァーリ」
アザゼルが飛んできた方を見ると、白い鎧を着たヴァーリが飛んでいた。この状況から察するに、裏切りか。なんともまぁ、面倒臭い展開である。
ただ流石に白龍皇相手に舐めて掛かるのは不味いので、クラレントを持って真面目に構える。
「悪いなアザゼル、こっちの方が面白そうなんでね」
「たくっ、俺はお前に強く成れとは言ったが、世界を滅ぼす要因は作るなと言った筈だ」
「関係ない。俺は戦いたいだけだ」
俺はヴァーリに近づいて言う。
「なら、俺が思う存分戦ってやるよ」
「ほう、それは嬉しいな。コカビエルを倒したその実力、見せて貰おう!」
「ああ、見せてやる、さっ!!」
ダンッ!
虚数空間を使って一瞬でヴァーリの背後に回り、横凪に剣を振るう。ヴァーリはそれを上体を反らしながら前に出ることで回避するが、俺は体勢を整える暇を与えずに空中に魔術で足場を作って踏込み、連続で斬り掛かる。
ヴァーリは魔力障壁で攻撃を防ごうとするが、対魔力により無効化。すると即座にヴァーリは、魔力を放出せずに肉体と鎧を強化して対応する。そのせいで鎧を破壊しきれず、体も薄く切りつけるだけで終わった。
「くっ、ならば!」
『Half Dimension!』
「ぬ?面倒な。ふん!」
ヴァーリの放った白龍皇の半減の力を、次元ごとぶった切って能力を無効化する。その際、クラレントに込めてた魔力が持ってかれたが、大した量ではない。
しかしアレ受けると面倒だからなぁ。まだ赤龍帝の方が戦いやすい。
「凄まじいな。この力をそんな風に対処したのは君が初めてだ」
「そうかい、でも戦闘中だぞっと、イア!クトゥグア!」
ヴァーリの言葉をテキトーに流して即座に自動拳銃を取り出し、クトゥグアの焔に対城宝具並みの威力を込めて射出する。
『Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!』
俺が撃ったクトゥグアの焔は、ヴァーリによって半減させられ、魔力障壁に防がれる。だが、俺の攻撃が予想以上に強力だったのか、ヴァーリは少し苦悶の声をあげる。
「ぐっ、なんて火力だ。問題ないレベルまで半減させるだけでこれか……」
「キツイか?ならもっとくれてやる!」
回避行動を取ろうとするヴァーリの動きを予測し、連続で引き金を引く。
『Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!DIvide!Divide!Divide!』
「ぐっっくぅ!」
『まずいぞヴァーリ!これ以上防ぎ続ければ、余剰な力の排出が間に合わなくなる!』
「ならば、攻めるのみだ!」
ヴァーリは、先程のカテレアとの戦闘から魔力弾が無意味だと判断したのか、肉弾戦を仕掛けてくる。俺はそれに対してクラレントを振るい、応戦する。
俺の持つクラレントは聖剣だ。そしてその聖なるオーラは、約束された勝利の剣やデュランダルにも引けを取らない。気配から察するにヴァーリは半悪魔なので、聖剣が直撃すればただでは済まないだろう。
ヴァーリは確かに強いが、白龍皇の力を除けば俺にとっては大した敵では無い。聖剣で弱点を突かずとも、倒すくらいは訳ない。
「遅ぇよ!」
突き出されたヴァーリの拳が俺に当たる前に、ヴァーリより速く動き、両手の腱を切った。腱を切られた痛みにヴァーリが反応した瞬間、胴体を深く切りつける。
「がはァ!」
「ぬるいぞクソガキ。もうちっと強くなって出直して来い!!」
俺は左手に赤雷を纏わせて顔面を殴りつける。殴られたヴァーリは吹き飛び、校舎に激突して止まる。
「がふっ………ここまでとは、予想外だ。なぁアルビオン。これは覇龍を使うしかないと思わないか?」
『否定はしない。が、危険だ』
「我、目覚めるは、覇の理に」
『自重しろヴァーリ!我が力に翻弄されるのがお前の本懐か!』
覇龍か……発動されると面倒だな、流石にハスターの力を借りる必要が出てくる。
止めようと動こうとした時、結界を破って一人の男が入り込んできた。男はヴァーリの傍に寄ると、話しかける。
「ヴァーリ、迎えに来たぜぃ」
「美猴か、何しに来た?」
「それは酷いんじゃねぇかい?相方のピンチに駆けつけてきたってのによぉ。それと、北のアース神族と一戦交えるから、帰って来いってよ」
「そうか、もうそんな時間か」
「お前誰だ?孫悟空の爺さんに似た雰囲気を感じるが、子孫か何かか?」
「おっ、よくぞ訊いてくれたくれたぜぃ。俺っちの名は美猴、闘仙勝仏の末裔だ」
「成る程ねぇ。爺さんと比べればクソ弱ぇけど納得だ」
「俺っちを、あんな化け物と一緒にしないでほしいぜぃ」
美猴が地面に棍を突き立てると、ヴァーリと美猴の周囲に闇が広がり、そこに二人が沈んでいく。逃げる気みたいだが、特に追う気も起きなかったので、見逃すことにした。
「もってけデュランダルだ!!」
「逃がすかオラァァァ!」
「「「手榴弾手榴弾!!」」」
ゼノヴィアがデュランダルのオーラを砲弾の様に飛ばし、バカその5がロケットランチャーを、残りは手榴弾を投げ込みまくっている。ていうかどっから持ち出したそれ。俺、お前らに手榴弾なんて渡したっけ?
「ちょっ!なんてことしやがるんでぃ!」
二人が完全に沈む前に、デュランダル砲及びロケランが着弾し、連鎖的に手榴弾も爆発していく。それでも尚バカども+ゼノヴィアは、手を休めることなく追撃を加えていく。
周りが、流石にもういいんじゃないの?と思い始めたあたりで漸く攻撃を止めた。攻撃によって発生した煙が段々と晴れていき、よく見える様になったが、二人の姿は何処にもなかった。どうやら無事に逃げたらしい。……トラウマになってなければ良いが。
戦闘が終わってから暫く、三勢力が総出で戦闘の後処理を行っていた。俺達は傍から見ているだけだったが。え?手伝わないのかって?やだよ面倒くさい。元々はアイツ等の会談で、アイツ等を狙ってやって来たんだぞ?俺達は巻き込まれただけだし関係ねぇな。
この後、ミカエルさんから今回の会談への出席の御礼として、多少の報酬を貰って帰った。