モーさんの声優がみゆきちだったことによる歓喜。
モーさん当たった!と思ったら夢だった事による絶望。
現実ではモーさんが当たらなかった事によるやけくそ。
そんな思いが籠った連続投稿です。
あれから、禍の団の襲撃によってパーティーは中止ということになった。無料飯が食えなくなった事で、ゼノヴィアは不満気だったが。
父さんを侮辱したあの野郎を仕留められなかった事でイラついていた俺は、あの後凶悪なはぐれ悪魔をティンダロスの猟犬を使って見つけ出し、八つ当たりでぶち殺しまくってストレスを解消した。
後日。
グレモリーとシトリーのレーティングゲームの日。俺はVIP用の観戦ルームで、ポテチ片手に試合開始を待っていた。勿論コーラもあるぞ。ゼノヴィア?隣でチーズフォンデュ食ってる。
少しすると、ルシファーやアザゼル。レヴィアタンといった三大勢力の御偉いさんが集まってくる。
そして、ルキフグスに案内されて、隻眼の髭を生やした老人と、その御付きであろう銀髪の女が入ってきた。俺は隻眼の老人に顔を向け、挨拶をする。
「久しぶりだな、オーディンの爺さん」
「久しぶりじゃのう、モードレッド」
俺とオーディンが親しそうに挨拶をするのを見て、アザゼルが口を挟んできた。
「なんだ?お前ら知り合いだったのか?」
「まぁな。昔、勧誘されたり、喧嘩売ったり、命狙われたりし、ボコボコにしただけだよ」
「そうじゃのう。その程度のことだの」
「いやいやいや!程度じゃねぇよ!?何でお前等そんなに親しげなの!?」
喚くアザゼルを無視して、オーディンは俺との会話を続ける。
「ところでモードレッド。まだ、アレを譲る気にはならんか?」
「当たり前だろ?アレは俺の物だ。誰にもやらんよ」
「残念じゃのう。じゃが、儂は諦めんぞ」
俺達の言うアレとは、セラエノ断章の事だ。オーディンは知識に貪欲な神な為、異界の知識の塊であるセラエノ断章を欲しがっている。それが理由でオーディンとガチで殺り合った事もあるが、その時は遠慮なくハスターの力を借りてボコボコにした。
「断られ序でにもう一つ訊くが、英雄としてアースガルズに来る気はないのかの?勿論お主の部下達も一緒じゃ」
「嫌だね。俺が本気で仕える主は、後にも先にもあの人唯一人だ。つか、アンタん所の連中で、俺の部下を御しきれるとはとても思えねぇんだが」
「全く以てその通りじゃな」
「「はっはっはっはっはっ!!」」
ひとしきり笑った俺は、今度はオーディンの傍に居るヴァルキリーに意識を向けた。
「んで、オーディン。御付きのヴァルキリー、また変わったんだな。今度は何したんだ?」
「何とは人聞きが悪いのう。結婚して寿退社じゃよ」
「アンタの御付きのヴァルキリーが変わる理由何て、八割セクハラで残りの二割は寿退社だろうが。つか、そもそもアンタに護衛の必要性を感じないんだが」
「ほっほ。まぁ、色々手続きとか面倒じゃろ?雑務もあるしの」
「ほぼ雑用係りじゃねぇか…」
まぁ、当然と言えば当然か。強さの世界ランキングでトップ10に入る雷神トールと神殺しのフェンリル。そいつ等を除けば北欧神話じゃ最強クラスだからなぁ。
こんなセクハラジジイでも戦争の神。現役のヴァルキリーが全員でかかっても、オーディンには勝てないだろうし。
「新しいヴァルキリーさんよ、アンタも早いとこ男見つけて、御付きを辞めた方が良いぞ?」
「も、モードレッド!こやつにその話題は…」
「……私…だって…」
「…?」
「私だって彼氏が欲しいんですよぉぉぉ!!」
「おわ!?ビックリした!」
急に泣き出しおったでこの子。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
「え、何?これどうすれば良いの?」
「モードレッド、後は任せた。お主が招いた結果じゃ、責任はお主が取れ」
「ちょ、おま………おうふ」
その後俺はゼノヴィアに協力を仰ぎ、なんとか彼女を宥める事に成功した。俺の秘蔵コレクションの一つ、永井豪先生&今は亡き石川賢先生の直筆サイン入りラフ画を、対価としてゼノヴィアに持ってかれたのは痛かったが。折角お二人に直接会って書いて貰ったのに……。
さて、落ち着いた所で早速ゲームを見ていこう。
今回の試合のバトルフィールドは、駒王町に実在するデパート。そして主だったルールは、
①バトルフィールドを破壊しつくさない事。
②両陣営にフェニックスの涙が一つずつ。
③作戦を練る為に、三十分間相手との接触禁止。
となっている。
このゲーム、圧倒的にグレモリー側が有利だな。何故なら
『……部長。敵の配置、全て探り終わりました』
俺が鍛えたリアルチートな塔城が居るからな。レーティングゲームの会場程度の範囲なら、氣を探って何処に誰がどんなことをしているかを大まかに把握できる。
『え、ええ。ありがとう、小猫』
塔城のあまりの優秀っぷりに、グレモリーもどう反応すれば良いのか困っている様だ。
やがて三十分が経ち、両チームが行動を開始するも、塔城によって殆どの動きが読まれているシトリーは相当苦戦するだろう。
シトリーは始めにヴラディが蝙蝠に変化して偵察をすると読み、野菜売り場からニンニクを確保していた様だが、塔城が索敵済みなのでヴラディは偵察に出ずに木場のサポートに専念するつもりだな。
グレモリーの作戦は、
兵藤と塔城は店内から、木場とヴラディは駐車場から攻めて行き、兵藤側のルートの安全が確保され次第残りのメンバーを侵攻させるつもりらしい。
『兵藤!お前の相手は俺だ!』
シトリー眷族のヴリトラ使い。匙元士郎と言ったか?そいつともう一人シトリーの兵士が、 兵藤と塔城に接触した。
『小猫ちゃん、匙とは一対一でやらせてくれないか?』
『……分かりました。では』
シュンッ
『ぐふっ』
『ソーナ・シトリー様の兵士一名、
『え?』
兵藤と匙の一騎討ちを了承した塔城は、一瞬でもう一人の兵士の懐に入ってボディに強烈な一撃を叩き込み、また元の位置に戻った。ワンパンKOとはやるな。
どうやら匙には今の塔城の動きが見えていなかったらしく、かなり動揺している。兵藤の方は、一度塔城の戦闘を見ているからな、特に反応していない。……いや、良く見ると足が震えて冷や汗をかいている。あのパワーでツッコミを入れられた場合の事を考えてんのか?
『行くぞ、兵藤!』
『来いよ!匙!』
兵藤と匙が互いに殴り合うが、兵藤は禁手使用の為に二分間神器が使えない。匙がその隙を逃す筈も無く、果敢に攻め掛かる。
『ぐっ、匙…お前この威力、まさか!』
『そうだ!俺の生命力を魔力に変えている!』
『お前……死ぬ気かよ!』
『負けられねぇんだよ!絶対に、会長の夢は笑わせねぇ!!』
どうやら匙は、自分の生命力を削って限界以上の力を引き出しているらしいな。そして奴の言う会長の夢とは、ソーナ・シトリーの目標である下級悪魔でも通えるレーティングゲームの学校のことだ。
「モードレッドさん的には、ヴリトラ使いの行動はどう映る?」
「そうだな………戦士としては合格だが、教育者としては及第点以下だ」
「手厳しいですね。その理由は?」
苦笑しながら訊いてくるゼノヴィア。俺の返答に周りに居る他のお偉いさんも意識を此方に向けている様だ。後ゼノヴィア、俺のポテチ勝手に食うな。
「主の為に命を懸けるって言えば聞こえは良いが、それはあくまで戦士としてだ。以後のレーティングゲームに於けるシトリー眷属の戦い方は、そのままあいつ等の造る学校の教育指針として受け止められる。確かに
兵士の駒四個と兵士の駒八個。神器の通常形態と禁手。五大龍王と二天龍。これだけの差を埋めるには、相応の対価が必要だ。たとえ相手が兵藤じゃなかったとしても、格上相手に同じ戦法を取った場合一緒だ。
「考えてもみろ。…国を守るとか、人命が懸かってるとかみたいな理由が有るならまだしも、たかがゲームの度に命を削る奴の指導を、誰が受けたいと思う?」
俺もかつてクトゥルフと戦った際に、己の魂を削る事で力を引き出したが、あれはブリテンを守る為に必要だったからだ。
もしあの時俺が負けていたなら、クトゥルフは確実にブリテンを蹂躙していただろう。それどころか、ブリテンの神秘を食らって力を付け、地球侵略に動き出していた可能性もある。その場合はクトゥルフvsアラヤ&朱い月という怪獣大決戦になっていたな。
クトゥルフの策でガイアは動けないが、アラヤは確実にクトゥルフを狩ろうとするだろうし、朱い月は自分より先に地球侵略されたら困るからな。
閑話休題
俺が真面目に考察していると、ゼノヴィアがあり得ない物を見た表情で此方を見ていた。
「……モードレッドさん、貴方本物ですか?」
「どういう意味だゴラァ」
「貴方ってまともな評価とかできたんですね」
「割りと辛辣だなお前」
「そうですか?私自身、聖母と呼ばれても良いほどに優しいと自負しているんですよ?」
「とてもじゃないがタンニーンでリアルモンハンしたお前の言う台詞じゃないな」
「ギクッ……気付いてたんですか?」
「鎌かけたがマジでお前だったか…」
『ソーナ・シトリー様の兵士一名、戦闘不能』
ゼノヴィアと話している間に、禁手化した兵藤が匙を撃破した様だ。
敵を撃破して安全を確保した兵藤は奥に進もうとするが、そこで塔城から待ったが掛かった。
『……待って下さい、イッセー先輩』
『? どうしたの小猫ちゃん』
『……僅かですが、まだ匙先輩の気配を感じます』
『え?でも今さっき匙は…』
『……分かりづらいですが、先輩の腕にラインが付いてます。外しておきましょう』
そう言って塔城は、兵藤の腕に付いていたラインを引き千切って捨てる。
その後グレモリー眷族は誰一人欠ける事無く突き進み、シトリーが待ち構える中央広場に集合するも、兵藤を治療しようとしたアルジェントの神器を、属性をひっくり返す技術である反転によって利用しアルジェントが脱落。兵藤も
技名も内容も酷いが、読心とは違い無心になれる相手や、精神が汚染されている相手にも有効そうだ。
まあ今回は、兵藤の変態な技が有効活用される前に、塔城がシトリーの策を見抜いて終わったが。
気配で眼前のシトリーが本物でない事を見抜いた塔城は、何の躊躇いも無くグミ撃ちで僧侶二名をリタイアさせ(フィールドは無傷)本物のシトリーが居る屋上へと、残った全員を先導した。兵藤は戦闘に参加できそうになかったが。
消耗していないとはいえ、シトリー一人でグレモリー眷族ほぼ全員を相手どれる筈もなく、試合はシトリーの敗北で終わった。今回はほぼ塔城無双だったな。
冥界からの帰り道。列車から降りて駅のホームに入ると、そこに悪魔の男が待ち構えており、アーシアに近づいて来る。確かコイツは、アスタロトの次期当主、ディオドラ・アスタロトだったか?
「アーシア・アルジェント……やっと会えた」
アスタロトはアルジェントに無遠慮に近付くが、そこに兵藤が割って入る。
「おいおいおい!アーシアに何の用だ!」
アスタロトは兵藤を邪魔な物を見るかのような目で見た後、胸元を開き、そこにある傷を見せながら、再びアルジェントに話しかける。
「アーシア、僕はキミを迎えにきた。会合のときあいさつできなくてゴメン。でも、僕とキミの出会いは運命だったんだと思う。僕の妻になって欲しい。僕はキミを愛しているんだ。」
何か、まぁた面倒くさい事になりそうな予感。