叛逆の騎士ですがなにか?【永久凍結】   作:くずもち

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第44話 モーさん、京都へ行く

修学旅行当日。京都に向けて走る新幹線の中で、俺は仮眠を取っていた。

昨日は夜遅くまで仕事してた為、あまり睡眠をとっていないからだ。教師の仕事って割と大変だね。フェンリル監視のために日本にいる間、同じく教師として働くことになったロスヴァイセも、隣の席で仮眠を取っている。

 

「先生大変です!エロ三人組の松田が、突然男子の胸を揉み始めてパニックになってます!」

 

「……分かった、すぐ行く」

 

俺は席を立ち、松田のもとに向かう。着いた時にはもう、騒ぎは収まっていたが。

 

「で、何があった?」

 

俺は一番近くにいた生徒に話しを聞く。

 

「それが、松田が突然周囲の男子の胸を揉みだして、幸い女子は近くに居なかったんですけど」

 

「あーうん、分かった」

 

特に大きな問題でもなさそうなので、松田に軽く注意した後、女子の席を少し遠ざけて席に戻った。席に戻ると、灰色のウルフヘアをした北欧風の顔立ちのイケメンが話しかけて来る。

 

「お前も大変だな、一々ガキの世話をしなくてはならないとは」

 

「そう思うなら手伝えや、フェンリル」

 

「嫌だ」

 

本来の姿は狼であるフェンリルだが、ゲームや読書には狼の姿では不便だからという理由でオリジナルの人間に化ける術を会得したそうだ。結構力が制限されるそうだが。因みに、どうやった?って訊いたら、執念って答えられた。

 

「俺は寝るから静かにしてろよ?」

 

「ノーパソでエロゲやってるから大丈夫」

 

そんなことを言っていたフェンリルだが、案の定寝ている俺にちょっかいをかけてきたので、ノーパソを赤雷でショートさせてデータを消してやったら、フェンリルはさめざめと泣きながら黙った。それからは何事もなく京都に着いた。

 

 

 

京都駅から徒歩数分の所にある高級ホテルに集合する。ホテルの名前は京都サーゼクスホテル。……よく京都の妖怪たちが許可したな。

 

絢爛豪華な造りの内装を見て、生徒達は圧倒されていた。あらかた生徒が集まったところで点呼を取り、全員居るのを確認した後、注意事項を話していく。フェンリル?あいつもこのホテルに泊まってるから、すぐに自分の部屋に行ったよ。

 

「百円均一のショップは京都駅の地下ショッピングセンターにあります。何か足りないものがあったら、そこで済ませるように。お小遣いは計画的に使わないとダメです。学生の内から豪快なお金の使い方をしてもロクでもない大人になるだけですよ。お金は天下の回り物。あれやこれやと使っていたらすぐに無くなります。だからこそ100円で済ませなさい。百均は日本の宝です」

 

「ロスヴァイセ先生。それは百均の素晴らしさであって、注意事項ではありません」

 

「あ、すいません……」

 

注意している人が注意されるという、ある種滑稽な出来事があった後、生徒たちに各部屋の鍵を渡して解散させた。

 

「さて、少し休んだらまた仕事か……」

 

修学旅行中の教師は、思っていた以上に忙しい。見回りとか見回りとか見回りとか。嗚呼、遊びたい……。クッソ、いまフェンリルがこっち見てゲーム見せ付けながらニヤリって笑いやがった!あ、また笑った。今度はポテチ食いながら。

 

くそうぜぇぇぇぇ!食らえ!ゲームが最高の場面で電池が切れる呪い!

 

 

 

 

 

どうも、エロゲ=人生である男、フェンリルだ。教師の仕事で忙しいモードレッドに変わって、今回の視点担当になった。

あいつまともな職に最近から就いているからか、狂気が大分なりを潜めているが、そのうち溜め込んだ狂気が爆発しそうで怖い。

 

部屋に荷物を置いた吾輩は、とりあえず遊んでるところをモードレッドに見せつけて煽りながら、パンフレットを広げてこれからどうするか考える。

 

……伏見稲荷でも行くか。

 

 

 

早速伏見稲荷に赴き、頂上まで登ると、そこには古い社があった。

分かりにくいが神力を感じるな。ここは割と信仰されている場所だし、それなりに力のある神の分霊が居てもおかしくはないか。……たしかここで祀られているのは食物の神だったな。

 

「…………」スッ←無言で万札を数枚投入

 

ジャランジャランジャラン

 

パンッパンッ

 

「(神話級の肉が食えますように!)」

 

頼むぞ!日本の神よ!

 

しかし神殺しが神頼みをするなど、ある種滑稽だな。参拝を済ませた吾輩が下山しようとしたとき、周囲に気配を感じた。

 

「……京の者ではないな?」

 

巫女服を着た金髪狐耳の幼女とが烏天狗と思われる者が現れ、問い掛けてくる。この小さいのが妖狐とやらか?まだ子供だからか、たいした力は無さそうだな。

 

「それはそうだろう。吾輩は旅行者だからな、今日初めて京都に来た」

 

「そうなのか?」

 

「はい。確かに、彼の者が本日京都に入る所を見た者が居ります」

 

金髪狐耳の妖狐の幼女……長いから幼狐で。幼狐が隣の烏天狗に確認すると、それを肯定する。

 

「……そう、か。では違うか」

 

「?いったい何の話をしている?吾輩がどうかしたのか?」

 

「いや、すまない。どうやらこの京都に不審な輩が忍び込んだようでな、それで警戒しておったのじゃ」

 

「貴方からは、並々ならぬ力を感じる。念のために接触して、確認しておきたかったのだ」

 

ふむ、不審な輩か。吾輩の京都旅行が潰される可能性もある以上、手を貸すのも吝かではないし、ここで京妖怪に恩を売っておくのも、北欧の益になるか?

 

「……一応身分を明かしておこうか。吾輩はフェンリル。北欧神話のフェンリルだ」

 

「!?彼の神殺しか!」

 

「うむ。それでだ、良ければ吾輩も手を貸そうかと思っているのだが、どうだろうか?」

 

「いえ、それには及びません。この問題は我々が対処いたしますので、他勢力の方に助力を乞う必要はありません」

 

「そうか」

 

貸しを作るのは失敗か。

 

その後彼らは去り、直ぐ後に赤龍帝が登ってきた。まぁ奴は吾輩が人間の姿になれるのを知らないから、吾輩に気づかなかったがな。

ちなみに山を下る際にゼノヴィアとすれ違ったが、奴には気づかれたな。

 

 

 

 

 

「不審な輩?」

 

今日の観光を終えた吾輩は、格ゲーで対戦をしながら、京妖怪から聞いた情報をモードレッドに伝えていた。

 

「そうだ。念のため伝えておこうと思ってな」

 

「うーわ、面倒くせぇ。教師として動きながら、不審者の警戒までしなくちゃいかんのかよ」

 

「…………思うのだが、お前教師を辞めたらどうだ?どう考えても合わんだろう」

 

吾輩がそう言うと、モードレッドは陰鬱な顔をしながら言った。

 

「……護衛には近くに居る必要があるし、その為には教職は丁度良かったんだよ。まぁ、最近苦痛になってきてるけど。教師の仕事は疲れるし、仕事が多くて遊ぶ時間が少ねぇ。そして何よりヒャッハーできねぇのが一番辛い。最近、この余りある狂気を発散したくてうずうずしてんだけど…………護衛、辞めようかな?」

 

「……そうしろ」

 

何か本気で心配になってきた。京都の旅行中は、赤龍帝の班を代わりに護衛してやろう。

 

 

 

次の日から吾輩は、赤龍帝の班を気付かれんように尾行しながら護衛をしていた。ついでに観光も楽しみながらな。……ついでだぞ!ホントについでだからな!お土産とか大量に買ってるけど、本当についでだからな!

 

尾行開始から二日目。今のところはまだ何も起きていない。

今は渡月橋を渡っている最中で、赤龍帝の班の他に、聖魔剣使いの班も近くに居た。

 

しかし渡月橋を渡り切った所で、奇妙な感覚が吾輩を襲った。生暖かい、蒸気に包まれるような感覚だ。吾輩はこの感覚に覚えがあった。随分と昔、絶霧の使い手と交戦したことがあり、その時に感じたものと同じだ。

どうやらこの霧は吾輩は対象に入ってないようだが、折角なのでお邪魔することにしよう。

 

ふと周囲を見渡せば、裏の関係者以外の者は消えていた。赤龍帝たちは一ヶ所に集まってこちらを警戒している。まぁ自分たち以外に結界に取り込まれている者が居れば、警戒するのは当然か。ゼノヴィアは吾輩ではなく周囲を警戒しているが。

 

「フェンリル、お前も近くにいたのか。まったく気付かなかったな」

 

ゼノヴィアが周囲を警戒しながら吾輩に話しかけると、他の者は驚愕する。

 

「え……あれがフェンリル?」

 

「あれとは失礼な天使だ。吾輩はお前たちを護衛していただけだ」

 

「モードレッドさんの頼みか?」

 

「いや、吾輩のモードレッドへの善意だ」

 

事情を説明していると、アザゼルが空から飛んできた。二度手間はいやなんだがな。

 

「お前ら、無事……ッ!何故フェンリルがここに居る?」

 

「流石に貴様クラスならば、この距離では分かるか。吾輩がここに居る理由だが、こいつらの護衛だ」

 

「……そうか」

 

アザゼルがどうにか納得したところで、橋の方から複数の気配が現れた。内訳は無防備な子供と聖剣を持った女が。五本の魔剣と一本の光剣を腰に差した男に、二メートルを超える大男、それから聖槍を持った男だ。その聖槍を持った男が、アザゼルに話しかける。

 

「お久しぶりですね、アザゼル総督」

 

「曹操ッ!!」

 

曹操…たしか英雄派を取り仕切っている男の名だったか?ということは、不審な輩とは英雄派の事か?……ううむ、まいったな。こいつらを攻撃すると、連中と北欧の関係が悪化しかねん。どうしようか。

 

「テメェ等、京都まで来て何を企んでやがる!」

 

「何、スポンサーの要望を叶えるため。というのが建前かな」

 

「スポンサー……オーフィスの事か?だとしたら俺達の前に姿を現したのは何故だ?」

 

「実際のところは、今後三大勢力を打倒する上で大きな障害となるアザゼル総督、貴方の力を測って於きたかっただけですよ。今なら幹部クラスの者は近くに居ませんからね。他の者はその序でです」

 

「言ってくれるね……」

 

聖魔剣使いが苦々しく呟く。言外に眼中に無いとまで言われているのだ、イラつきもするだろう。現に他の者も少し不愉快そうにしている。

 

目的を語った曹操は、今度は吾輩の方を向いて話しかけてきた。

 

「しかし、貴方まで居るのは予想外だ、フェンリル。できればこちらに手出しはしないで貰いたいのだが?」

 

「そうしたのは山々だが、モードレッドの奴に護衛をしてやると言ってしまったのだ。何か相手を用意してくれれば、そちらに行くが?」

 

「まいったな。貴方用には何も用意していないんだが……」

 

曹操は困ったという風に頭を掻く。

 

「ならば、俺が行こう」

 

そう言って彼等の集団から前に出たのは、二メートルを超える身長の大男だった。

 

「ヘラクレス、良いのかい?」

 

「ああ。連中のデータを取る時間くらいは、稼いでやる」

 

「吼えたな小僧。よかろう、興が乗った。本来の姿でなく、ハンデとしてこの姿で戦ってやる。足掻いてみせろ」

 

吾輩はヘラクレスと呼ばれた男を見下しながら挑発する。しかしヘラクレスはその場を動かず、静かに嘆息した。

 

「……以前の俺だったら、たぶんこの挑発にのって激昂して突っ込んでたんだろうな。だが、今は違う」

 

ゆっくりと歩いて近づいて来たヘラクレスは、唐突に吾輩へ突っ込んできた。

 

「冷静に突っ込ませて貰うぜ!」

 

避ける理由もなかった吾輩は、正面から突進を受け止めた。

 

「パワーは中々だ。何の強化もしていない素のモードレッドよりもあるかもな」

 

巨人の悪戯(バリアント・デトネイション)、禁手化!超人による悪意の波動(デトネイション・マイティ・コメット)!」

 

ガシッ!

 

「む?」

 

全身からミサイルの様な突起物を出したヘラクレスが吾輩の二の腕を掴むと、絶霧の霧が吾輩たちを包んだ。

 

「いくぜオラァァァァァァ!!」

 

ヘラクレスから生えていたミサイルが一斉に吾輩に向かって飛び出し、次々と爆発していく。霧によって吾輩の動きを制限すると同時に、爆風を逃がさないようにしているらしい。

 

「中々の威力だ。この姿とはいえ、吾輩に痛みを感じさせるとは……だが温い」

 

吾輩は容易く腕を振り払い、ヤクザキックで蹴とばした。

 

「ごふっ!」

 

ヘラクレスはえづきながら後退し、よろめきながら止まる。

 

「どれ、少し遊ぶか」

 

吾輩は異空間から一丁の拳銃を取り出した。これはモードレッドが作った魔導具で、吾輩の有り余る生命力を霊的エネルギーに変換。更にそこから破壊力に変換して発射するという、遠距離攻撃を持たん吾輩に作ったものだ。正直近づいて殴った方が速いが、アイツも趣味で作ったから捨てても構わないと言っていた。

 

パァン!パァン!

 

銃身から光の弾が発射され、地面と空間を抉りながら直進していく。ヘラクレスには避けられたが、弾丸は向こう岸に当たって爆発。綺麗なクレーターが完成した。

吾輩は黙って拳銃を見つめ、呟く。

 

「いいな、コレ」

 

拳銃が齎した光景を見て冷や汗を掻くヘラクレスに、拳銃を連射する。

 

「ハハハハハハハハハハ!踊れ踊れ!」

 

「うおっ!とっ!あぶねッ!」

 

ドォン!ドォン!ドォン!ドォン!

 

吾輩が暫くの間ヘラクレスで遊んでいると、死角から聖槍が伸びてくる。気配でそれを察知した吾輩は、上体を反らして回避する。

 

「無事か、ヘラクレス」

 

「ああ、怪我はしてるが問題はねぇ。データは?」

 

「充分だ。撤退する」

 

曹操の援護で吾輩の攻撃の手が止んだ隙に、ヘラクレスは曹操と共に後退し、味方と合流する。曹操の服は所々破けているが、大した怪我は負っていないようだ。

曹操が来たであろう方向を向くと、川の下流方面が壊滅していた。景観がぶち壊しだな。結界空間でほんと良かった。

 

「禁手抜きでもこの実力か。まったく、末恐ろしいガキだぜ」

 

崩壊した下流方面から、神器によるものと思われる鎧を纏ったアザゼルが飛んでくる。鎧は三分の一程が破損していることから、戦いの苛烈さと曹操の実力の高さが窺える。

 

吾輩は取り合えずグレモリー眷属共に合流したが、こちらの戦いはかなり一方的な物だった様だ。聖魔剣使いは僧侶のシスターに治療を受けていて、転生天使は英雄派の聖剣使いの女に押され気味。赤龍帝が子供の影から無数に湧いて来るモンスターを倒している……恐らく子供が持っている神器は魔獣創造だな。あれネタ技をやるのに最高の神器なんだよな。イメージさえできれば大抵のモノが造れるから。

 

唯一勝っているのはゼノヴィアのみ。禁手を使ったのであろう六本腕の異形と化した剣使いと、互角どころかかなり押している。しかも片手間で転生天使と赤龍帝の援護をしながらだ。

デュランダルの有り余るオーラを一部抽出し、剣の形にして固定。それを時折複数本作って聖剣使いやモンスターに投擲する。投擲された剣は聖剣使いの動きを阻害したり、モンスターを貫通して同時に1~3体ほど纏めて殺している。

時々思うのだが、奴は本当に普通の人間か?モードレッドですら一応は英霊となってスペックが底上げされているらしいが、奴はそれも無いにも拘らず神である親父を倒している。世が世なら英雄として名が残っていたかもしれんな。

 

「全員後退しろ。撤退する」

 

曹操が指示を出すと、英雄派の者達は曹操の傍に戻っていく。牽制のためか、子供はまだモンスターを生み出し続けているが。

全員が初めに出現した位置に戻った丁度そのタイミングで、吾輩たちと英雄派との間に魔法陣が出現する。そこから現れたのは、中学生程の歳の魔法使いの少女だった。

 

「初めまして。私はルフェイ・ペンドラゴンです。ヴァーリチームに属する魔法使いです。以後、お見知りおきを」

 

「……ペンドラゴン? アーサーの何かか?」

 

アザゼルがルフェイに訊ねる。

 

「はい。アーサーは私の兄です。いつもお世話になっています」

 

ヴァーリチーム、ということはハティが居る所か。ハティについて訊いておこうと、吾輩はルフェイに話しかける。

 

「ルフェイといったな?ハティは元気にしているか?」

 

「へ?え、えーと……」

 

「ああ、自己紹介が遅れたな。吾輩はフェンリル。ハティの父親だ」

 

「あ!そうだったんですか!はい!ハティちゃんは元気ですよ!!」

 

「うむ。そうかそうか。ならば良かった」

 

あの子はやっぱり順応性が高いな。

 

「ヴァーリの所の者か。何の用だ?」

 

「はい! ヴァーリ様から『邪魔だけはするなと言った筈だ』と伝言を預かっています! うちのチームに監視者を送った罰ですよ〜」

 

そうルフェイが言うやいなや、突如として地面が振動し始め、大地が割れて、そこから土を巻き上げながら、10メートル程の無機物の巨人が現れた。

 

「ゴグマゴグか。懐かしい物を見たな」

 

ゴグマゴグが英雄派に向かって拳を振り下ろすと、彼等は向こう岸へと跳んでそれを回避する。

 

「面倒だな。消えろッ」

 

曹操が槍を振るうと衝撃波が発生し、それだけでゴグマゴグが3メートルも浮いて薙ぎ倒された。その直後にこの空間に霧が満ちていく。

 

「お前ら、空間が元に戻るぞ!武装を解除しておけ!」

 

その言葉と共に、吾輩たちは元の場所に戻された。

さて、これからどう動くべきか。なるべく北欧に不利益は齎したくはないからな。

 

 

 

「……ふぅ」

 

露天風呂に浸かりながら、吾輩は考える。内容は今後どう動くべきかということだ。

英雄派の目的は大凡検討がついている。京都はそれ自体が一種のパワースポットとも言うべき特殊な土地で、儀式等の大掛かりな事をするのに適しているのだ。そして曹操はスポンサーの願いを叶えると言っていた。

 

そしてこれらの事から予想できる今回の英雄派の狙いは、グレートレッドの呼び出し。

 

呼び出したところで連中にどうこうできる存在ではないが、オーフィスに対しては英雄派がしっかりと自分の為に働いている様に見せる事はできる。そうすればオーフィスに変な疑いを持たれることも無いだろうからな……まぁアレが疑うということを理解しているかは別だが。

 

「どうしたものか……」

 

連中の企みを潰すのは簡単だ。吾輩が直接連中の居場所に攻め込んで、壊滅させてやればいい。しかしそれをすると、英雄派と北欧との関係が悪化する。最悪北欧に要らん被害が出るかもしれない。

だからといって放置すれば……すれば…………すれ、ば…………アレ?別に放置しても良いんじゃね?

英雄派は別に京都の妖怪たちに何か被害を与えた訳でもなし。京都が助力を必要としていない以上、三大勢力の連中も京都では大々的に動けん。

こちらから仕掛けなければ、英雄派も何もしてこない。精々三大勢力の奴等にちょっかいを掛けるだけだ。

 

「うん。今回は、見過ごそう」

 

後でこの事をモードレッドに伝えて、京都観光と洒落込むか。

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