叛逆の騎士ですがなにか?【永久凍結】   作:くずもち

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第8話 モーさん、クトゥルフと闘う

「見えてきました、あの辺りの筈です」

 

「ん~まだルルイエは浮上していないが、時間の問題か」

 

どうも、何か知らぬ間にラーミアに懐かれたモードレッドです。ちなみにラーミアの乗り心地は、前世で乗った旅客機がポンコツに思えるほど心地良いです。

 

「今のうちにハスターを呼び出しておくか。………いあ!いあ!はすたあ!はすたあ くふあやく ぶるぐとむぶぐとらぐん ぶるぐとむ いあ!いあ!はすたあ!…………………早よ来いやぁ!」

 

『おぶぅ!?』

 

降霊を行ったにも拘らず、直ぐにハスターが来なかったので強制的に降ろしてやった。ハスターは黄衣の王の姿(霊体)で降りてきたようだ。

 

『う、うぐぅ…相手の同意無しに分霊を強制的に、それも格上(星の最強種)を呼び出すとか、お前マジで人間か?』

 

「んなこたぁどうでもいい。さっさと結界を張れ、そして俺に力を寄越せ」

 

『暴君かお前は……まぁいい、スゥ…キエェェェェェェェェェェェェェェ!!』

 

ハスターが奇声を上げると周囲数十キロ程の大きさの結界が張られた。………それにしても。

 

「「掛け声、キモッ!!」」

 

『えぇ!?モードレッドはともかくラーミアまでかよ!酷ぇなおい!?』

 

泣くよ?俺泣いちゃうよ?とか言ってるがキモいものはキモい。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

 

 

ハスターがふざけている間に海中から巨大な都市がゆっくりと浮上してきた。

その都市は、非ユークリッド幾何学的な外形をしており、まず人類では造りえない造形をしていた。これこそが、旧支配者が一柱、クトゥルフが住まう都市ルルイエである。

 

「うひゃ~見てるだけでSAN値が減りそう。減らないけどね!」

 

「中から大量の深きものどもが出て来ましたね、どうしますか?」

 

「どうするかって?もち、突撃じゃー!!」

 

俺の宣言とともに、ラーミアがルルイエへと雷撃を放ちながら降下する。ラーミアの攻撃により瞬く間に数百もの深きものどもが死んでいく。………魚の焼けた美味そうな臭いがする。

 

『!?』ビクビクッ

 

何か不穏な物を感じ取ったのか、辺りの深きものどもの動きが一瞬止まり、震えだした。

ラーミアは都市上空百メートル程で停止し、周囲を旋回しながら雷撃を落としていく。

 

「うっし、ラーミア、雑魚共の殲滅は任せた。俺は直接クトゥルフを討つぜ!ハスターは俺に付いてこい!」

 

そう言って俺はラーミアから飛び降り、ビル?ぽい建物の屋上を次々と全力で跳んで行く。

 

 

 

「ヒャッハー!此処は敵地だ、周囲への被害を気にすることなく全力疾走出来るぜー!」

 

俺の通常時の走る速度は大体マッハ3(約時速3200キロ)だが、魔力放出を行えばマッハ6(約時速6300キロ)は出る。だが、そんなモノが地上で走り回ったらどうなるか?

 

A. 衝撃波が起きて辺りへの被害が恐ろしい事になる。

 

ちなみに俺はハスターの加護により風圧なんぞ受けねぇし、そもそも大気に関する力では宝具であっても俺に危害を与える事は出来ないのだ。…風避けの加護涙目ww

 

俺の全力疾走により発生した衝撃波により次々と倒壊していくビル?郡。その光景を観ながらハスターは、

 

『行けッ!殺れッ!そこだッ!もっとぶっ壊せ!!』

 

興奮しながら応援していた。ぶっちゃけ煩い。

たまにビル?の上で待ち構えている固体もいたが、大半は俺に触れることすら無く衝撃波でふっ飛んでいき、飛ばなかった者も速効で切り伏せて行った。

 

 

 

「なぁ、クトゥルフが居るのってあの建物か?」

 

数分ほど走り続けた後立ち止まり、そう言いながら指差した建物は、いかにも魔王城っていう雰囲気をした建造物だ。

 

『あぁ、あれだ。あの中から奴の気配を感じる』

 

「ほぅ、ならば今のうちにO.Sしておくか」

 

『そうだな、奴との戦闘中に出来る程簡単じゃねぇし、奴もそこまで甘くはガシッない…………何してんの?』

 

「何って合体の準備を」

 

『合体って憑依だろ。じゃなくて、じゃあ何で頭掴んでだよ!地味に痛ぇよ!』

 

「ウォォォォ!!合体!!」

 

と言いながら頭を掴んだハスターを剣や鎧に押し付ける。すると突然ハスターと俺が、まるでアニメの変身シーンの様に発光しだす。

 

『やめろぉぉぉ!!憑依にはちゃんと正規の手段を踏まないとお前の身体が大変な事になるうえ、パワーアップも出来ないんだぞ!!』

 

「キタァァァァァァァ!!何か力が湧いてきたァァァ!!」

 

『嘘ォ!?』

 

光が収まるとそこには居たのは。

 

 

「ふぅ、変身完了」

 

黄色いローブの様なものを羽織り、膝まで届く長髪を後ろで束ね、右手にどこぞのロトの勇者が持ってそうな剣を持った身長180センチ程の黄眼の青年だった。

(イメージは這いよれニャル子さんのハス太君の黄衣の王形態(サイクロンエフェクト)。但し仮面は無い)

 

『あ、あり得ねぇー。強引に憑依させてパワーアップに成功しやがった。しかもこの憑依だと無くなる筈の俺の意識まで残して。どれ位あり得ないかと言うと、降水確率100%なのに晴天に成る位あり得ねぇ』

 

「さぁ行こうか、ハスター」

 

『お、おう(何か違和感が)』

 

「敵は強大だ、油断せずに行こう」

 

『……………』

 

「どうしたんだい、ハスター?急に黙り込んで」

 

『……お前本当にモードレッドか?』

 

「フッ何を言ってるんだ

 

 

 

こんなクールキャラが俺な訳ねーだろうがぁ!!」バシュン

 

城に向かって大!跳!躍!

 

「そしてそのままァ、全て断つ稲妻の剣(ギガブレイク)ゥ!!」

 

城ごと真っ二つにしてくれるわァ!!

 

 

ズバァァァァァァァァァァァン!

 

 

その日、ルルイエが割れた。

 

 

「フゥーハハハハハハハハ!!強靭!!無敵!!最強!!粉砕!玉砕!大喝采ィ!!ハハハハハハハハハハ!!」

 

『ガァァァァァァァァァァァァァ!!』

 

俺が高笑いをしていると崩れた城の瓦礫の中から全長300メートル程のタコの頭にイカの触手の髭、蝙蝠の翼を生やしたヒトガタの化け物が出てきた。

 

「遂に出てきたかクトゥルフ!貴様を殺して、この俺こそが地球最強の生物であると証明してやる!」

 

『何か目的変わってない!?』

 

クトゥルフに向けて剣を突き付けて宣言する俺にツッコミを入れるハスター。

 

「死ねオラァァァ!!」

 

クトゥルフに向かって電気を纏いながら極超音速で飛翔する。

それを迎撃するように音の十数倍の速度で振るわれる剛腕を回避しながら懐に入り、勢いのままに頭突きをかます。

 

『グォォォォォォォォォォ!?』

 

300メートルは有る巨体が僅かに浮き上がる。その間に十何撃か剣で追撃を加えたが、体表の鱗に防がれ浅くしか傷付けられなかった。

一ヶ所に留まり続けるのは危険なため、一旦移動しようとしたが、クトゥルフは地に足が着くと同時にその巨体を活かしたタックルを仕掛けてきた。

 

「ぐぁッ!」

 

タックルによって吹き飛ばされ、ビル?を幾つか貫き、十何本目かのビル?の壁に埋まって止まる。

 

「ガフッ!!」

 

『大丈夫か?』

 

「あぁ、問題無い!」

 

ズシンズシンズシンズシンズシン!!!!

 

心配するハスターの声に答えると共に前方に目を向けると、クトゥルフがビル?郡を薙ぎ倒しながらこちらに疾走してきていた。

 

「来るかっ!」

 

ビルの壁から抜け出し、クトゥルフの進行ルートから外れるようにクトゥルフの左側面へ向かって飛翔する。

 

こちらの動きを見た後クトゥルフは急停止し、髭の触手を伸ばしてムチのように連続で攻撃してきた。

 

「うぉッ、とッ、ほッ、危ねっ!」

 

どれだけ回避しても奴は勢いを止めること無く触手を振るい続け、こちらは近付けば近付く程攻撃が苛烈に成っていくので近付け無い。

 

「だったらッ!」

 

次の触手を敢えて避けずに受け止める。全身に凄まじい衝撃が襲い掛かるがそれを堪え、触手にしがみつく。

そのまま全身から全力の雷撃を放ち触手を焼いていく。

 

「…ッ!全力放出(フルバースト)!」

 

ジュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!

 

だが、自分の触手が焼けているにも拘らず、それをものともせずに触手を振るってくる。

俺は次撃を避けられずに地面に叩き落とされる。

 

「ァガッ!?」

 

地面に落ちた俺を踏み潰さんと脚を降り下ろすクトゥルフ。俺は直ぐに起き上がり、前方へ向かって全力で跳んでそれを回避した。

 

「ならッ!稲妻よ、降れ!!」

 

剣を空に向け、遥か上空から一筋の雷を剣に落とし、纏わせる。

その後降り下ろされた脚を、剣を突き立てながら駆け上がる。先程とは違い、今度は鱗をある程度貫きそのまま斬ることが出来た。

 

「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

『ギャァァァァァァァァァ!!』

 

「テァッ!!」

 

傷口からナメック星人みたいな色の血を流しながら悲鳴を上げるクトゥルフ。

太股の辺りで跳躍し、その巨体を飛び越え背後に回る。そして、背中に対して有らん限りの力で剣を降り下ろす。

 

全て断つ(ギガ)……稲妻の剣(ブレイク)!!!」

 

ズッバァァァァァァァァァァァン!!!!!

 

『グギャァァァァァァァァァァァァァ!!!??』

 

クトゥルフはギリギリで身体を捻り避けようとしたため、狙いが反れ、左腕を切り落とした。その後、近くのビルの上に降り立った。

 

『気を付けろモードレッド、今のでアイツが本気になり始めた…』

 

「…あぁ?…未だ本気じゃなかったのかよ」ハァッハァッ

 

『当たり前だ。いくら奴の弱点である俺の力で受けた傷が治しづらいからって、アイツは仮にも俺と同格の存在だぞ。今までのは只のお遊戯だ。寧ろこれからが本番だ、見ろ』

 

「マジかよ…」

 

ハスターに促されクトゥルフを見ると、切り口が未だ雷によって焼け、煙を上げているものの、切り落とされた左腕を再生させたクトゥルフがこちらを睨んでいた。

 

そう、只睨まれただけ。たったそれだけで気圧され、一歩後ろに下がってしまった。

 

 

「…あ?俺が、下がった?この俺が?……………けんなよ。ふざけんなよクソッたれが!!この俺が敵を前にして退こうとしただと!!」ゴゥッ

 

俺の怒声と共に身体中から魔力が溢れ出てくる。

 

 

下がらされた。ほんの一瞬だが、『勝てない、逃げたい』と思ってしまった。

普通の人間…いや、英霊ですら下がったことを嘲いはしないだろう。同じ状況なら自分達も下がっていただろうし、そのまま逃げていたかもしれない。星の最強種(アルテミット・ワン)に本気で敵として相対するというのは、そういうことだ。

 

俺は普段狂人の振る舞いをしているが、王さまの事は本気で尊敬しているし、人一倍円卓の騎士としての誇りを持っている。

だからこそ思う。

戦略的、戦術的に必要だと云うのなら、退くことに是非は無い。だが、倒すべき敵を前にして引き下がる事は仲間達の、延いては王さまの信頼を裏切る事になる。

そんなことは、死んでも出来ない。

 

 

怒りと共に力が湧いてくる。俺の怒りに竜の因子が反応し、限界以上に膨大な魔力を産み出している。

 

「ぶち殺す!!」

 

今度はクトゥルフの顔面へ目掛けて飛翔する。クトゥルフは当然の如く髭の触手を振るうが、その速度は先程の比ではなく、最早視認することすら困難となった。

その攻撃を俺は直感によって躱し、躱わしきれない攻撃は虚空に虚数空間の穴を無数に展開し、そこから別の穴へ連続で移動する事で回避する。

 

攻撃を掠めつつも挑発のために触手を一本切り落とし、十分に気を惹いた後に顔の前に虚数空間を繋げ移動する。

 

「ウォラァッ!」

 

相手の右の眼球に剣を突き刺し、内部から雷撃で焼いていく。眼球は柔らかかったため、簡単に突き刺せた。

 

『グォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!』

 

「ハッ!どうした邪神さまよ!今のは悲鳴に聞こえたぞ!!」

 

堪らず目を抑え、悲鳴を挙げるクトゥルフ。

追撃を加えるべく、ハスターと合体することで出来るようになった、天候を操作する力で台風を発生させる。

 

《ラーミア、聞こえるか?》

 

《主?どうしたのです?》

 

《これ以上此処に居るのは危険だ、今すぐに退避しろ》

 

《!………分かりました》

 

クトゥルフの力と高まっていく俺の力を感じたのだろう。特に反論すること無く了承する。

これで気兼ね無く戦える。

雲から雷を幾つも自分に落とし、その力を吸収し纏う。気分は超サイヤ人2。

少々焦げ目は残っているものの、眼を再生させたクトゥルフは空中のこちらを睨み、様子を伺っている。先程の様に虚数空間で不意を突かれるのを警戒した様だ。

 

そちらから来ないのなら、こちらから行くだけだ!

 

「……行くぞ、第二ラウンドだ!」

 

『ガァァァァァァァァァァァァァ!!!』

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