《回想》
神子「貴方には明日の朝、朝食を作ってほしいのです。」
界「なるほど、わかりました。」
「こちらからは料理人に伝えておきました。明日の4時ごろに起きてとのことです。」
「早っ!まぁ頑張りますよ!」
「あと今日の尸解仙になるという話ですが…………私は尸解仙になろうと思ってます。ですから、布都がいない間に青娥さんに、尸解仙になるための準備を教わったんです。」
「布都には伝えなかったんですか?」
「あの子には生きててもらいたいの。今日の話を布都は理解できてなさそうだったから丁度いいの。布都には甘やかし過ぎたから、私のいない世界で成長してほしいの」
「……………………」
翌朝、昨夜神子に言われたことが頭に残りつつ、目を覚ました。
まだみんなは寝ているようで、建物の中は閑散としている。まぁそれもそうだ、今は朝の4時。まだまだ暗い。
界は一人で台所に向かう。すると、台所には5人ほど中年の男性がいた。
「おや。これはこれは、皇子様直々の料理人とはあなたですか。まだまだ若造に見えるが大丈夫かね?」
「大丈夫ですよ。貴殿方よりかは長生きしてますから」
「はっはっは!長生きってそれでか。お前は面白いことをいうやつだな。まぁいい。この時間に呼んだ理由は、わしたちと共に料理するにあたり試験するためだ。」
「なるほどね。でも朝早すぎでしょ。」
「まぁまぁ。時間かかってもいいようにだ。何でもいいから自分の好きなものを作るといい。」
「わかりました。では、少しだけお待ち下さい。5分でつくります。」
「…………はぁ…………?」
界の頭の中では、タイの煮付けを考えていた。普通に考えて5分でできる代物ではない。
だが彼はタイの鱗をとり、出汁をとり、自家製の極上醤油を加えるとこまで4分
そして土鍋にいれ自分の能力で時間操作をする。
強火約15分間蒸し焼きを10秒で終わらせて、弱火の10分をさらに10秒でする。
見ていた料理人は20秒程度で、ふわふわの煮付けができたことに驚きを隠せない。
小さい小皿に乗せたタイの煮付けからは極上の醤油の匂い
が漂っている。
界の自家製醤油はもちろん2億の歳月をかけた醤油だが、数の上限はない。ちなみに神様、妖怪、人間と醤油は使い分けている。これは神力、妖力、霊力を注入してるからである。小規模な量なら時間操作で簡単に作れてしまうのだ。醤油のほかにもたくさんの調味料を作ったくらい。
と、説明してる最中に、料理人は料理を食べてしまい、即刻OKもらった。
たが料理人は満足して笑いながら気絶してしまい、一人で料理をつくるはめになってしまった。
その後、朝食をみんなに振る舞ったんだが、またすごいことに、神子は倒れずに持ちこたえたのだ。当然、布都は目をくるくるさせ幸せそうに倒れていたが。
なぜ耐えたのか、理由はただ1つ。霊力をたくさんもっていたから。大抵は許容量を越えてしまうために耐えられないのだが、さすが聖人ですね。
まぁ、その話はおいといて、今から話すのは、朝食の前の話。まだ薄暗く、朝日がまだ低い時間帯。
界は朝食の時間まで一人庭で草薙の剣を振っていた。
すると、一人の少女が庭の軒下やってきた。
手を止めた界は軒下を見た。
「珍しいな。こんな朝早くに起きるなんて」
「まぁそうじゃろうな。お主も早いではないか!」
「俺はな神子に朝食を作れと言われたから、早起きなんだよ」
「太子様がそんなことを。お主はそんなにも料理ができるのか。すごいのぉ!」
界は布都のいる軒下の隣に座った。
「静かにしなよ。まだみんな寝てるからな。それで俺に何か用かい?」
「それなのじゃが、昨日あれほど太子様が興味を示された……その尸解仙じゃったか?……あれになりたいと太子様がおっしゃられたから心配なのじゃ。」
「確かに、あれになるには一度死ぬ必要がある。死んでからはすぐ復活はできないんだ……」
「だとしたら、太子様は死ぬ気でおられるのか?」
「…………多分あの様子ならな…………」
「…………そんな………太子様はこの世を捨てる気なのか……」
「分からない。たが、神子は尸解仙になりたいと言ってる。この世を捨てる気はないんじゃないか。」
「それでは我はどうなるのじゃ!」
「神子は一人だけで尸解仙になるつもりだ。お前は神子のいない世で立派に生きるべきなんじゃないか?」
「…………なっ……なぜじゃ…………」
今にも泣きそうな布都を前に界は何もしないで黙りこんでいる。
気がつくと、まわりは明るくなり、小鳥の囀りが聞こえてくる。何もしない閑散とした時間が流れていた。
それから布都は一言言った。
「界殿!お願いがある。 我に……太子様とは別に尸解仙になるための準備を教えてほしいのじゃ。あなたなら青娥殿から聞いておるはずだ。ただし、太子様には秘密にしてほしいのだ……」
「お前は本気で言ってるのか?お前の大事な太子様なんだぞ。裏切るつもりなのか?」
「例え裏切りであろうと、我はついて行く。太子様をお守りするために!」
「………………わかった。教えてやるよ。こっちについてこい。」
界は布都をあるところに連れていく。そして軒下の方を向いてウインクした。
それを見守るように建物の影で身を潜めていた神子は目をつむり、「仕方ありませんね」と呟いた後、少し微笑んでいた。
追記 東方深秘録と東方紺珠伝の新キャラとストーリーと仕様が公開されましたね。
ひとまず、深秘録からは1人、紺珠伝からは2羽(笑)と1人公開。
まさかっ!って感じのキャラだったりします。
ネタバレになるので自分で名前は見てください。
ユーザーの方には名前付きで同じことが書きました。