そして、東方神霊廟に向けての前夜話です。かなり短いストーリーですがお許しを!
界が去ってから半年が過ぎた。
豊聡耳神子は、町の中を歩いていた。
「そこにおられるのは……太子様ですか?」
後ろから声をかけた主は、
神子を女と知る数少ない人間だ。
「これはこれは、屠自古じゃないですか。約一年ぶりですか。お元気でしたか?」
「えぇもちろんです。」
神子と共に政治を率いる蘇我馬子の娘だ。ちなみに蘇我馬子は神子より結構歳上であり、結婚もしている。
「それはそうと、太子様はいつ尸解仙になられるのですか?」
「…………あなたなぜそれを知っているのですか?」
「布都が教えてくれたのです。あの私たち蘇我氏嫌いな布都がまさか本当のことを話すなんて意外です。」
「あの子も…………広めちゃダメだって言ったのに。それで、貴方はどこまで知っているのですか?」
「布都が言うには、尸解仙になるやり方まで全部…………」
「とほほ…………それではこの事は広めないようにお願いします。」
「わっわかりました!」
(まさか情報漏れとはね。仕方ない。そろそろ始めましょうか…………)
帰宅してから、まず布都にしっかりと説教をした。
そして、布都にそろそろ自ら眠りにつこうことを話した。
それで、情報漏れの罰として、先に布都に眠ってほしいという提案をだした。
布都は言った。
「我にお任せを!と言いたいところでしたが太子様!少しお時間がほしいのです。我の封印は明後日にしてもらえないでしょうか?」
「別に構わないけど。」
「ありがとうございます!太子様!」
翌日、布都は屠自古を急きょ呼び出した。
「屠自古よ!お前が太子様の参謀として蘇りたいのならば、今日封印しなくてはならない。そちはどうなのじゃ?」
「私はいつでも準備万端だよ。やってやんよ!」
といって、蘇我邸から壺を用意した。
屠自古は壺の横に寝転がり目をつむる。布都はこっそり持ち出した秘伝薬を使い、徐々に準備を進めていく。
が、布都は別で焼かれてない壺を用意しすり替えた。
そして、屠自古は目をつむり最期の呪文と息を90回のむ作業にはいる。
そして作業を終え、壷の内部から眩しい光が漏れ、布都の視界を遮る。
そして光が消えたころには、壷の近くの屠自古の姿かたちは消え去っていた。
(これで屠自古の死体は壺に吸収され、眠りについたわけじゃな)
「フッフッフッ!我はこの時を待っていたのじゃ!もうそちは尸解仙にはなれぬ。物部家に歯向かったことへの報復を受けるがよい!」
それだけ言い布都は去っていった。
こうして、壺は焼かれてないために朽ち果てて崩れてしまい、尸解仙になれなかった蘇我屠自古は生き返ることなく亡霊となり、現世で蘇ることとなる。
その後、布都は何事もなかったように、神子の前に戻り、皿に自らを封印させたのであった。
神子はこれを見て、安心した気分になった。
そして、自分の第2の人生へ歩むため、呪文を唱える。
そして、またあの唯一心を許せたあの少年に会うために。
神子は天から降りてきた馬にまたがり、遠い未来へと眠りについたのである。
誰もいない倉庫には、キラリと光る七星剣と、純白の皿が一枚置いてあった。
種族:亡霊
能力:雷を起こす程度の能力
『東方神霊廟』5面中ボス。過去の因縁から布都に復活を拒まれており、神霊廟異変後は布都にいいように使われているという…が、布都との関係は悪くなく、持ちつ持たれつの間柄にある。
ちなみに現在は蘇我氏にも関わらず仏教が嫌い。