問題児たちが本気で缶蹴りをするようです。 作:朧気だんぼーる@受験
反省はしている。
十六夜「ぷはー。やっぱ缶で飲む炭酸は違うわ」
耀「なんか……身体が熱くなってきたね」
白夜叉「ふふん、どうじゃ?今度その飲料を箱庭に流通させようと思うのだが……。売れるかの?」
飛鳥「いいんじゃないかしら。身体がポカポカする炭酸ドリンクなんて斬新だわ」
十六夜「ああ。悪くねえ。つか普通に美味い。炭酸自体久々に飲んだしな」
白夜叉「そうかそうか。なら大量生産するとしようかの」
十六夜「しっかしあれだな」
十六夜は缶を見つめたまま畳の上に寝転がる。
十六夜「俺の元いた世界ではよく缶蹴りが流行ってたっけね。もっとも俺が最強すぎてやる相手はいなかったが」
白夜叉「……何?」
飛鳥「あら、懐かしいわね。私も小さい頃缶や竹で何度かやったことあるわ」
耀「……え、缶蹴りって何?」
十六夜「ん?春日部は知らないのか?缶蹴りっつうのは……」
白夜叉「待て十六夜ッ!!」ガタッ
十六夜の言葉を遮り、白夜叉がその場から勢いよく立ち上がった。
突然の大声に十六夜は面食らって白夜叉の顔を見る。
十六夜「……いきなり何だよ、ちょっとびっくりしたじゃねえか」
白夜叉「おんし……今『缶蹴り』と……確かにそう言ったな……?」ギラリ
飛鳥&耀「っ……!?」ゾクッ
十六夜「?……ああ言ったが、それがどうした」
白夜叉「ふ……ふふ……そうか……。おんしらのいた世界ではこの“神魔の遊戯”が存在していたのか……」
十六夜「は?」
白夜叉「缶蹴り……!ああ、なんと甘美な響きであろうか……!!私としたことが気が昂ってきてしまったぞ……!!」
耀「ど、どうしたの……?白夜叉……」
飛鳥「この炭酸何か入っていたのかしら」
白夜叉「決めたぞッ!!1週間後に缶蹴りのギフトゲームを開催するッ!!」
十六夜「……おいおいどうしたマジで」
この時問題児たちには知るよしもなかった。
修羅神仏の集うこの箱庭の住民達の「缶蹴り」に対する異常な執着心を……!!
~ノーネーム~
黒ウサギ「缶蹴り……ですか……!あは、あは、あははははははははははははは!!!!そうですか!!缶蹴りをやるのですねッ!!絶対に勝ちますよッ!!」
ジン「FOOOOOOOOOOOOOッ!!!YESッ!!YEEEEEEEEEEEESッ!!!」
十六夜「」
耀「」
飛鳥「」
レティシア「何をぼーっとしているのだ主達……!!そんな慢心した状態でこの聖戦に臨めばあっという間に死ぬぞッ!!」
~ウィル・オ・ウィスプ~
アーシャ「聞きましたかジャックさん!!サウザンドアイズが主催するという缶蹴りの噂を!!」
ジャック「ヤホホ……ええ、もちろんですよサーシャ。このカボチャ頭が年甲斐もなくゾクゾクしてきてしまいました……!!
さあ、殺戮劇(ショウタイム)の始まりですよッ!!ヤホホホホホホホホホッ!!!」
ウィラ「征くよ、2人とも……!!」
~グリムグリモワール・ハーメルン~
ペスト「フッ……フフフ……!!そう、始まるのね。狂気の宴が……!!『缶蹴り』が……!!!
火龍誕生祭を狙うのはまた次の機会にしましょう!!
YES!!KANKERI!!」
ヴェーザー「ま、魔王としての初陣には缶蹴りの方がピッタリじゃないか?」
ラッテン「腕が鳴るわ……!!前のマスターにも見せてあげたかった……!!」
~ウロボロス~
リン「遂に……来たわね殿下」
殿下「ああ……まさか……生後3年であの『缶蹴り』が出来る瞬間(とき)が来るとは思わなかったぜ……」
混世魔王「ギャハハハハハハッ!!なんたる僥幸!!まさか……まさかまた『缶蹴り』が出来る日が来るとはな……!!」
~???~
蛟劉「クッ、クッハハハハハハハッ!!なんや姐さん……粋な事するやないか……!!
缶蹴りをするとなっちゃこの“枯れ木の流木”と揶揄された僕も本気出さないわけにはいかなくなったなあ……!!」
~煌焔の都、宮殿最下層・星海の間~
冥府の底を彷彿とさせる宮殿の地下深く。
光も届かないその場所でそれはふと、鎌首もたげた。
二百年にも及ぶ封印の中でただの一度も動かなかったそれは今、地上で起ころうとしている『缶蹴り』の気配を感じ取っている。
???『嗚呼──戦禍(カンケリ)の薫りがする……』
缶蹴りの噂は光速顔負けの速度で箱庭中を駆け巡った。
もう、誰も彼らを止めることは出来ない────!