幼馴染の凛ちゃんがうざすぎる   作:nao.P

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始まり

 

「因数分解が出来るからって将来なんの役に立つにゃー!」

 

凛は俺の部屋にノックもせずに入り込むなり怒った表情で叫んだ。

俺は気にせず、届いたばかりのゲームに視線を戻す。

本当は、いきなり思春期真っ盛りの高1男子の部屋にノックも無しに入り込む女子に対して「どういうつもりだ!?」

と、いや「俺がズボンを下ろして行為を行っていた場合どう責任取るつもりだ!?」

と、こっちが怒りたかった。

しかしながらこの幼馴染の星空凛という女子はどうやら俺が夜な夜なそんな事をしているとは想像すらしていないらしい。

いや、もしかしたらそんな行為自体知らないのかもしれない。

俺と同じ高校1年にもなるというのにガキな女子だ。

残念ながら頭も悪い。人の事は言えないが。

 

「そう思うよね!!」

 

凛は、俺の6畳もない部屋の半分を占めるベッドに腰かけると俺に同意を求めるべく大声をあげる。

 

「ねえ!? ねえ!? 聞いてるにゃー!?」

 

俺は部屋の3分の1を占める40インチのモニターから目を離さない。

1ミリでも目を離したら1機失ってしまうからだ。

俺はゲームをやる時は全力でやると決めている。

ゲームが無駄な時間になると言うのであれば、そのゲームをしている時間を無駄にしないためにも全力でやると決めている。

何やら矛盾しているがそれが俺のポリシーだ。

因数分解?

そんな無駄なこと考えている余裕は今はない。

 

「あ!また違うゲームしてるー! 凛もやってみたいにゃー!」

 

今度は部屋の残りのスペースを埋めているソファに座りこんできた。

当然俺も座っているので距離が近い。軽く身体が触れるが全く気にもしない。

もう高1なんだがな。

 

それもそのはずで残念ながら凛は女子としての発育があまりない。

可哀想なくらいにない。

髪も短く普段着にスカートを履くこともせず動きやすいボーイッシュな物ばかりで、事実活発な運動女子だった。

中学は陸上部に所属し高校でも陸上部に入りたいと言っていた。

 

しかしアウトドアかと思えば俺が命を削ってまでやるTVゲームで稀に負けず劣らずに食いついてきたりするので、俺はこいつを認めている。

 

何様だろうか。幼なじみ故か。

だがやはり頭が弱い。

 

凛は俺からコントローラーを無理やり奪い俺が大切にパワーアップさせていたキャラをわずか3秒でロストさせた。

 

いつものことである。

 

「因数分解がなんだって?」

「え? なにそれ! そんなことはどうでもイイよ! それより早くもう一回やりたいにゃ!」

 

凛はそれから門限である夜8時1分前になるまでコントローラーを離さなかった。

 

「じゃあまた明日!」

 

一人になった部屋で俺は小さくツイートする。

 

「幼馴染の凛がうざすぎる」

 

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