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明後日にはキャノンボール・ファストだが今回はおやすみ。しかしやることはある。
俺が臨海学校で使ったフルクロスのパッケージ、あれは今一夏くんが白式に取り付けられている。簪ちゃんが手伝ってくれたおかげでキャノンボールには間に合うそうだ。
ところがどっこい風来斗さんは俺のウィングゼロと白式、どっちが強いか検証したいと行ってきた。しかも明後日だ。
なぜその日に被せて来たのだろうか?風来斗さんの考えてることはいつも俺の上を行き過ぎてて追いつかない。
とりあえず一夏くんがこの話に乗らなければ進まない。でもキャノンボールのほうにでてもらっても構わないんだけどね。
嘘だろ承太郎。
あの一夏くんがキャノンボール・ファストよりも俺の試合を優先してきちゃったよ…
まじかぁ…ウィングゼロと白式のフルクロスパッケージは相性最悪なんだよな…はぁ…
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「織斑、お前に話しがある」
「刀伊?どうしたんだ急に?」
「明後日、アナハイムの試験場で白式と試合がしたい」
「!!」
「その場合キャノンボール・ファストは休むことになるがな」
「……」
「断ってもらっても構わない」
「……やるよ。やらせてくれ」
「…いいのか?」
「ああ、一度全力で刀伊と戦って見たかったんだ。レースよりもよっぽど大事だぜ」
「…わかった。明後日校門前に6時集合だ。織斑先生には話さないでくれ」
「どうして?」
「…こんなことを許してくれるわけが無いだろう」
「…あ、そっか」
~〜〜〜〜〜
「…来たか。織斑先生には言ってないだろうな」
「ああ、なんとか抜け出してきたさ」
「なら早く車に乗ってくれ。」
朝6時、lS学園校門前
IS学園は島の中心に作られたものであり、島から抜け出す為にはモノレールに乗らなければ行けないため、一般車両で抜け出すのは不可能だ。しかし今回は違う。キャノンボール・ファストの会場設備のために様々な荷物が運ばれる貨物車両が存在する。
2人はその車両に乗り込み、アナハイムを目指す。
「見つけた。この車両だ」
「…これ、冷凍庫って書いてあるんだけど」
「大丈夫だ。荷物は運び終わったあとだから電源は切ってある…多少は寒いがな」
「…まじかよ」
「…すまないな」
「い、いや大丈夫さ!俺は男だしな!」
「…なら早く乗り込もう。そろそろ出発だ」
2人は貨物車両に乗り込み、身を隠す。しかし車両はまだ電源を消したばかりで温度は低い。
「大丈夫か刀伊。震えているみたいだけど」
「気にするな。それより扉を締めないようにしてくれ」
「お、おう」
一般的に冷凍庫を積んだ車や車両は内側から開けることができない。そのため間違って閉じ込められてしまうケースがある。刀伊は体の心配よりもここからのアナハイムまでのルートを考えていた。
(しかし、やはり寒いものだ)
「…なぁ刀伊。これ着とけよ」
一夏は制服のジャケットを脱ぎ、刀伊に被せる。脱いだ一夏が今着ているものはlSスーツ1枚きりだ。
lSスーツは水着のように肌にぴったりとくっつくスーツであり、色々な仕組みが施されている。
例えば銃弾をある程度防げるように何十にも重ねられていたり、敵の火炎放射などを防げるように耐熱仕様であったりとパイロットにとって欠かせないものである。
「知ってるか?ISスーツって結構すごくてなこのくらいの寒さだったら…ハクション!」
しかしなんて運の悪いことだろう。一夏のISスーツは防寒仕様をつけられておらず、身の安全を保証するための防弾加工が施されていただけだった。
「…こっちに来い」
「…おう」
刀伊のとなり一夏が座り込み二人の距離が近付く。
「こうすれば少しは寒さを防げる」
刀伊はジャケットを脱ぎ、一夏からもらったジャケットを重ねて毛布がわりにする。ジャケットが小さいためそれほど大きさにならず、2人がかぶるには少し小さかった。
「…もっとこっちによれ。寒いだろう」
「お、おう…」
2人の距離がより短くなり、肩がぶつかりあう。重ねて毛布がわりにしたジャケットもあまり効果はなく、温かさを感じるのは互いに触れている部分だけだ。
「……」
「……」
沈黙が続く。
車両が駅に着く距離はまだ遠い