ガンダムビルドファイターズ White&Black ChallengerS 作:ケンヤ
ヤクモがガンプラ学園に入学してから2か月が経とうとしている。
チームを作り日々チームでの戦い方を模索しているが、未だにチームとして完成はしていない。
練習を重ねた事である程度は戦えるようになり勝率も上がって来てはいるが、ヤクモだけでなくノブナガもアンジェリカもチームとして何かが足りないと感じていた。
チームとして完成していなくても、すでにチームとして学園に登録している為、6月の学内予選への出場権は持っている。
この期を逃してしまうと、来年まで全国大会を目指して挑戦する事は出来ない為、ヤクモ達は学内予選に向けて準備を始めなければならない。
「不安要素は色々とあるのだけれども、予選の一次を突破する事は出来るわ」
その日もハクアも合わせた4人で打ち合わせをしていた。
実際にバトルする3人はチームとしての完成度に不安を覚えているが、ハクアはそれでも勝てば問題はないと不安要素に対してはさほど問題視はしていない。
「簡単に言ってくれるな」
「私は事実を言っているだけよ」
相変わらずな強気な物言いに流石のヤクモは苦笑いだ。
「一次予選の内容は分かっているのか? 私とヤクモは高等部からだが、ノブナガとハクアは中等部からここにいるのだろう?」
ガンプラ学園の出場枠は4つある。
その中でも高等部と中等部は分かれている訳ではなく、学内予選は中等部も高等部も関係なく行われる。
更に言えば、チーム内に中高生であれば学園外のファイターをチームとして登録する事も可能で、学内予選には学内予選と言いながらも学外のファイターで構成されたチームの参加も
認められている。
尤も、ガンプラ学園は全国から実力者が集まっている為、わざわざそんな激戦区から参加しようとする命知らずなファイターは殆どいない。
逆にガンプラ学園の学生達はこの学内予選からしか全国大会に出る事は出来ない。
ガンプラ学園の学内予選に参加するファイター達の実力は高く、国内全ての予選の中で最もレベルが高いと言っても過言ではない。
その為、学園の生徒の中にはわざわざ学内予選からではなく、ガンプラ学園のある静岡地区から出た方が全国大会に出る為の近道と考えるファイターも出て来る。
だが、ガンプラ学園に入学して実力を高めようとするファイターが楽な道を選ぶ事など、学園の理事長であるマシロが認める訳もなく、仮に学園の生徒が学内予選意外から全国大会の
予選に出場した場合は強制的に退学処分となり、今後永久的にガンプラバトルの公式戦はおろかあらゆるバトルシステムの使用、ガンプラやガンプラ関連の道具の購入の一切が禁止され
ると校則に記載されている。
学園の生徒達も流石にそこまでの事はしないだろうと思いつつも、万が一の事を考えるとリスクが高すぎるとして誰もその校則を破ったりはしない。
学園の生徒が他の地区から出場する唯一の手段は学園から転校するか退学し、学園を去った上での参加で、その場合も二度とガンプラ学園に転校して来たり再入学をする事が出来ない
。
「そうね。一次予選は毎年内容が変わっているから今年のやり方は直前まで公開はされないけども、共通しているのは一次予選では参加チームを最低12チームにまで絞る事よ」
ハクアもノブナガも中等部から在籍している為、毎年この時期に行われている学内予選の事は知っている。
だが、学内予選は毎年内容が変わっている。
それを知りながらも一次予選を勝ち抜ける自信はどこから来ているのかとヤクモは疑問に思いつつも、ハクアの中ではそれだけの自信に足る根拠があるのだろう。
一々話しの腰を折る事もないとヤクモは黙ってハクアの話しに耳を傾ける。
「その12チームを4つのブロックに分けてそこに去年の全国大会に出場した4チームを加えて総当たりで最も勝ち数の多い1チームが各ブロックの代表として全国大会に出場できると言う訳
よ」
「去年の出場チームは自動的にシード権が与えられていると言う訳か。当然か」
「それに潰し合わないようにもなっているのか」
去年の全国大会に出ているチームは当然全国で戦えるだけの実力は持っている。
その4チームは1次予選は免除され、2次予選からの参加となっている。
1次予選で去年の出場チームと戦う事がないと言うのがハクアの自信の一つなのだろう。
「だけど、それなら俺達が全国に行く為には去年の出場チームの中でどこかに勝たないといけないって事か」
2次予選は毎年総当たり戦となっている。
同じブロックのチームとは全て当たる事になり、2次予選では確実に去年の全国大会出場チームと当たる事になる。
その際にそのチームが自分達以外の2チームに負けていれば必ずしも勝つ必要はないが、全国大会に出る程のチームがそう簡単に2敗もするとは思えない。
全国大会を目指すのであれば2次予選は去年の出場チームを含めて全勝する心構えでなければならない。
「去年の出場チームはソレスタルスフィア、コズミックフォース、ユニバーサルノヴァ、アドバンスドウィッチの4チームね」
ハクアの挙げたチームはヤクモはどれも聞き覚えのあるチームだ。
ソレスタルスフィアは去年の優勝チームで大会を5連覇中の名実共にガンプラ学園最強のチームだ。
コズミックフォースは4つのチームで唯一女性ファイターのみで構成されているチーム、ユニバーサルノヴァは目立った特徴が無いのが特徴なチームでアドバンスドウィッチは中等部で
構成されたチーム。
いずれも全国大会で上位に入っている強豪チームで、ヤクモ達はそんなチームに勝たなければ全国大会に出場する事は叶わない。
「何か。全国大会に出るだけでも相当難しい気がして来た」
「だが、私達が戦うであろうチームの情報は去年の全国大会で十分に残っているはずだ。その点、私達のチームは個々のデータはともかく、チームとしては未だに完成前の未知数だから
な。考えようによっては勝機は十分にあるさ。それに全国大会で練習試合の決着をつけるんだろう?」
「そうだったな」
ヤクモ達もただ漠然と全国大会を目指しているだけではない。
その目標の一つに以前に練習試合を組んで貰ったアオイが指導しているチームブルーバスターズとの決着がある。
ソウタ達との約束を守る為にも学内予選で終わる訳には行かない。
「対策は各チームすでに去年のデータを元に制作を始めているわ。それに今年はソレスタルスフィアが最大の狙い目よ」
「ソレスタルスフィアが? 確かにハクオウ先輩が学園を退学した事でチームを抜けたみたいだけど、それだけで勝てる相手ではないだろ」
ガンプラ学園の最強チームであるソレスタルスフィアだが、チームのレギュラーメンバーの内の一人であるマキナがチームを抜けたと言う事は誰もが知っている事だ。
だが、残っているウィルフリッドやアドウの実力も相当な物で、そこに補欠のメンバーが加わるとすればそう簡単に勝てるチームではない。
「それが現在、キジマ・ウィルフリッドはイギリスに留学中で補欠メンバーも転校したり、別のチームに移籍したりと色々と騒々しい事になっているのよ。そんな事もあって学内予選は
アドウ・サガ一人で出る予定になっているのよ」
ガンプラ学園は国内だけでなく海外のファイターとも繋がりを多く持っている。
ファイターが望めば海外留学も出来る。
ソレスタルスフィアのエースであるウィルフリッドは現在、イギリスのジュリアン・マッケンジーの元にバトルの腕を磨くべく留学中だ。
そこにマキナが学園を去った事でレギュラーメンバーはアドウ一人が残っている状態だ。
元々、アドウは補欠メンバーの事は実力でレギュラーメンバーに劣る為、同じチームのメンバーとして仲間だとは思っておらず折り合いも良くない。
普段ならウィルフリッドが上手く仲裁役になっているが、イギリスに留学中と言う事もあり補欠メンバーは他のチームに移ったりとゴタゴタしている。
その為、アドウ自身も実力の伴わない味方とバトルするくらいならと学内予選は一人で出ると言う事はハクアの調べで分かっている。
「キジマ・ウィルフリッドなら崩すのも厄介だったけど、攻撃一辺倒なアドウ・サガ一人なら3対1で崩すのは簡単よ」
「そう簡単に行くのかな」
ソレスタルスフィアの中ではアドウは元々の性格もあり、前衛に出て攻撃役に出る事が多く、単体でのバトルでも守りよりも攻めを重視している。
ハクアの中では常に隠し玉を用意し、自身の手を見せないマキナや全体的に高いレベルでバランスの良いウィルフリッドと比べると常に攻めるアドウが一番攻略しやすいのだろう。
実際にアドウとバトルした事のあるヤクモは確かにアドウのバトルスタイルは攻撃的だが、3対1だからと言って楽に勝てる相手とは思えなかった。
「まぁ、実際に2次予選でどこのブロックになるかは分からないのだから今貴方達が考える必要はないわ。その時までに私が策を用意しておくから」
2次予選の総当たり戦の組み合わせは1次予選が終わってから組まれる以上、1次予選の前に考えてもどうしようもない。
その後も過去の1次予選のデータを元に打ち合わせが続くのだった。
ガンプラ学園学内予選の1次予選の当日となり、ヤクモを初めとした予選参加者達は学園側から指示のあったバトル棟の一室に集められていた。
その部屋は普段の授業でも滅多に使われず、ヤクモもここに来るのは初めてだ。
今回は直前までバトルの内容が伏せられている為、ハクアもチームに同行している。
「こうしてみると参加者はかなりの数だな」
ヤクモがざっと見渡した限りでもファイターの数は1000人を近い。
1チームが3人までで100チーム以上が参加している為、当然と言えば当然だ。
そこにハクアのようにチームに同行して来た専属チームビルダーも加わればこの数の多さも納得が行く。
「けど、こんなに集まって何をさせようってんだろうな? 全員でいきなり殺し合え的な事とか?」
「どうかしらね。 この学園の理事長は性格が最悪だからあり得る事よ」
ヤクモは1次予選前の緊張を解そうと軽い冗談のつもりだったが、ハクアは真顔でヤクモの話しを肯定する。
ハクアに真顔で言われると冗談のつもりが本当にありそうな気がして来る。
指定された部屋で待つ事数分、学園側に指定された時間になると、突如、部屋が揺れると軽い浮遊感に襲われる。
始めは誰もが動揺するが、やがて落ち着いて来る。
「悪趣味ね。部屋全体がエレベーターのような物になっているのよ」
ハクアは冷静に状況を分析する。
言われてみれば普段エレベーターに乗って降下した時の感覚に似ている。
少しすると、止まったようで入って来たドアが開く。
「でかい」
ヤクモ達が部屋の外に出るとそこは地下室のようだが、その広さに圧倒されるだけでなく、そこにはバトルシステムが置かれていた。
それもただのバトルシステムではない。
ヤクモを初めとして誰も見た事のないような巨大なサイズのバトルシステムだ。
それは世界大会で使用される事のあるバトルロイヤル用のバトルシステムの数倍の大きさだろう。
「お前ら、今から今年の1次予選のルールを教える」
地下室にエリカの声が響き渡る。
地下室の至るところにスピーカーとカメラが設置されており、エリカ達教員は別の部屋から地下室の様子を見てスピーカーを通じて話しているのだろう。
「今年の1次予選はバトルロイヤル方式で決める。ルールは簡単だ。この世界最大のバトルシステム『カオスワールド』内で12組のチームが残るまでバトルを続けるだけだ」
ヤクモ達の前に置かれているバトルシステムはエリカの言うように世界最大の大きさを誇り、バトルフィールドは地球や地球圏のみならず、火星圏や木星圏までもが同時に存在し、ガ
ンダムに登場した戦場や都市などが全て同じバトルフィールド上に存在しているまさにカオスワールドの名に相応しいバトルシステムだ。
エリカは大まかなルールを説明すると細々なルールも説明して行く。
それを要約するとこのバトルフィールド内でバトルロイヤル形式のバトルを行い2次予選に残る12チームを決めると言うものだ。
その際にチームのガンプラが全機撃墜判定を受けた時点でそのチームは予選敗退となり、時間制限は無く、12チームが決まるまでバトルは延々を続けられると言う事だ。
その他のルールは公式戦と同じとなっている。
ルールの説明が終わり質疑応答も終わると10分間の準備時間に入る。
「で、どうする? バトルロイヤル形式では作戦が勝敗を決める大きな要因となる」
ガンプラの調整は事前に終わっている為、今すべき事はバトルロイヤルで勝ち抜くための策を考える事だ。
バトル中でも通信で残っている相手とは作戦の打ち合わせは出来るが、チームビルダーのハクアとはこの準備時間でしか話し合いは出来ない。
「まず重要なのは敵を撃破する事よりも生き残る事を第一に考えて。仮に100の敵を落としてもチームが全滅すれば意味はないわ」
今回のルールでは撃墜数よりも生き残る方が重要とハクアは考えている。
残り13組で最後に相討ちで同時にチームが全滅した時は互いのチームの撃墜数で決められると言うのは質疑応答であったが、その時の為に撃墜数を稼ぐよりも確実にチームの誰から12
チームになるまで残っている事を優先しろよ言う事だ。
「次に無駄な戦闘は避ける事、粒子の残量はもちろんだけども戦闘行為を繰り返せばガンプラも消耗して来るしこちらの戦い方の情報もどんどん見せる事になるわ」
バトルロイヤルのバトル形式上、1戦1戦でガンプラの修理や補給は外部の手による行う事は出来ない。
その上、時間の制限もなく12チームが残るまでバトルは緊急時を除き止まる事は無い為、必然的に長期戦も予想される。
長期戦になればガンプラだけではなく、ファイターの体力の消耗も問題となって来る。
無駄な戦闘を避ける事でガンプラとファイターの消耗を減らし、バトル後半を見越しているのだろう。
「後は初期のバトルフィールドや遭遇する相手によって臨機応変に対応するしかないのだけれども、その点は普段を思い出せば問題はないわ」
これまでの練習の中で連携と同じくらい、ハクアによりさまざまな状況を想定し、その際の対処法を教えられてきた。
余程、特殊な状況にもならない限りはハクアの指示が無くとも十分に対応は可能な筈だ。
「このチームなこんなところで終わるような脆弱なチームではないわ。この程度のバトルは早々に勝って来なさい」
ハクアが作戦会議をそう閉める。
不安要素がない訳ではないが、ハクアがそこまで自身満々に言うと不思議と上手くやれそうな気がして来る。
準備時間が終わり、ヤクモ達はバトルシステムの指定された場所に向かう。
「ここからが俺達、チームアメイジング・ザ・ワールドの始まりだ」
ヤクモ達はそれぞれのガンプラをバトルシステムに置き、GPベースをセットする。
「ナナセ・ヤクモ! ビルドアメイジングガンダム!」
「アンジェリカ・マスグレイヴ。マグナガンダム」
「ツキシマ・ノブナガ。ガンダムヘイズルMk-Ⅱ」
「チーム、アメイジング・ザ・ワールド、行くぜ!」
3機のガンプラは勢いよくバトルフィールドに飛び出す。
ヤクモ達の初期位置は火星道上のようだ。
近くに火星が見えるが周囲に敵影はいない。
「まずは拠点を構えよう。バトルは始まったばかりだ。焦って攻める必要もないだろう」
「そうだね」
「俺が前に出る」
ディスチャージパッケージを装備したビルドアメイジングガンダムが前に出る。
今回は機動力に長けたディスチャージパッケージを装備している。
全ての装備を使ったフルパッケージはあらゆる状況に対応し、豊富な装備は長期戦に適しているが、重武装が故に俊敏性に欠ける為、不意な敵との遭遇も考えると全体的にバランスの
取れた汎用性の高いディスチャージパッケージを今回は使うと言うハクアの判断だ。
「周囲に敵影は無いな……見えてるのは……あれはセカンドムーンか」
ヤクモは先行して敵の索敵をしているが、他のチームのガンプラは見えない。
見えているのはガンダムAGEに登場する敵組織ヴェイガンの本拠地であるコロニー、セカンドムーンくらいだ。
「少々出鼻を挫かれた気はすぐが好都合だな」
「そうだね。まずは行き成り敵と出くわさなくて良かったよ」
「だけど、気を抜くなよ。どこかで敵が狙っているかも知れないからな。こういう時は狙撃に注意するんだったよな」
周囲に敵影がいない事を確認しながら、後ろから来るマグナガンダムとガンダムヘイズルMK-Ⅱと合流する。
周囲を警戒しながら移動をするも10分経っても誰とも合う事は無い。
勢いよく出て来た物の誰とも合わずに拍子抜けし、気が緩み始めた頃、3機の中で最射程が長くレーダーの範囲の広いアンジェリカのマグナガンダムが遂に他のチームと思われるガンプ
ラの反応を見つけた。
「ヤクモ、他のチームのガンプラだ。数は3……6? 何だこの数は?」
「どうした?」
「ヤクモ、ノブナガ。面倒な事になったぞ。連中は徒党を組んだようだ」
アンジェリカのマグナガンダムが補足した敵影の数は10や20程度ではない。
流石に100機までとはいかないが、数十機のガンプラが居る事は確実だ。
それだけの数のガンプラが皆足並みを揃えて真っ直ぐ自分達に向かっている事から考えられる理由は一つだ。
バトルロイヤルでは優勝候補を先に潰す為に本来は敵同士が手を組む事は珍しくはない。
新人戦でカイトと同率優勝をしているヤクモやベスト4に残ったアンジェリカは彼らにとっては優先的に潰しておきたい相手だったと言う事だろう。
「どうするの? 流石にそんな数は相手に出来ないよ!」
「無理に戦わずに逃げると言うのも手だが……」
「逃げてどうする? 数では圧倒的に不利である以上。逃げてもいずれは分断されて包囲、各個撃破されて終わりになるだけだ」
「……だよな」
相手が1チームや2チームくらいなら無駄な戦闘を避ける為に逃げると言うのも手だ。
だが、ヤクモ達のガンプラの機動力には開きが大きすぎる。
逃げたところでやがては分断されてしまい、最後は数に物を言わせて全滅させれるのがオチだ。
「ハクアの言う無駄な戦闘を避けると言うのは何も逃げるだけではない。ここは私の出番だろう」
アンジェリカはそう言い、マグナガンダムはゆっくりと2機の前に出る。
そして、両肩の4枚のシールドを展開させる。
「二人は巻き込まれないように下がっていろ」
「ノブナガは俺の後ろに」
言われた通りにビルドアメイジングガンダムとガンダムヘイズルMk-Ⅱはマグナガンダムから離れて下がる。
「数で来れば何とかなると思っているのであれば浅はかだな。私のマグナガンダムは殲滅戦は得意だ!」
マグナガンダムは全砲門を使い、全方位に同時砲撃を行う。
すでに包囲する為に展開していた敵のガンプラはマグナガンダムの全方位砲撃に成す術もなく撃墜されて行く。
「凄い……」
「あの砲撃は敵にすると滅茶苦茶厄介だったけど、味方でこの場面だと滅茶苦茶頼りになるな」
次々と敵を殲滅して行くマグナガンダムを見て、新人戦でマグナガンダムと戦っているヤクモはそう呟く。
マグナガンダムの殲滅劇を見ながらもマグナガンダムの流れ弾のビームをビルドアメイジングガンダムはアブソーブシールドで吸収してガンダムヘイルズMK-Ⅱを守る。
そうする事でビルドアメイジングガンダムの粒子を蓄積するするのと同時にアンジェリカが仲間に気兼ねする事無く、マグナガンダムの火力を活かすやり方として考えた策の一つだ。
瞬く間にマグナガンダムは敵を殲滅して行き、圧倒的な数の差が無くなってきたところで次々と逃げ出すガンプラが出て来る。
「逃げる相手を後ろから撃つってのはいい気分じゃないが、悪いな。俺達も勝たないといけない理由があるからな」
マグナガンダムの砲撃をかわしながら逃げようとするガンプラをビルドアメイジングガンダムとガンダムヘイズルMK-Ⅱが撃墜して行く。
多少の敵には逃げられたが、大半の敵を仕留めてマグナガンダムは全方位砲撃を中断する。
「追撃するか?」
「やめとくよ。だいぶ数は減らしたし、俺が一人で突っ込んで孤立したくはないからな」
マグナガンダムは機動力が殆ど無い為、逃げた敵を追撃する事は出来ない。
3機の中で最も機動力のあるビルドアメイジングガンダムが単機で追撃する事も出来たが、追撃した先で伏兵や新たな敵と遭遇する危険性がある。
そうなった時に単機では対処できるかは分からない。
同時に粒子を大量に使ったマグナガンダムとノブナガのガンダムヘイズルMK-Ⅱを別の敵が狙うと言う事も考えられる。
ここで追撃する事はハクアが事前に行っていた無駄な戦闘になるだろう。
「しばらくはマグナも大火力は使えん」
「分かってる。あれだけ派手にやったんだ。しばらくは連中も仕掛けては来ないだろう」
徒党を組んで来たガンプラを撃退したヤクモ達は周囲の警戒をしながら移動を始める。