ガンダムビルドファイターズ White&Black ChallengerS   作:ケンヤ

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Challenge02 「運命の選択」

 

 

 

 ナナセ・ヤクモはイオリ・セイが制作した王のガンプラの一つを持つ少女、ハクアと出会った。

 バトルに勝利したヤクモにハクアはよろしくと手を差し伸べるが、一方のヤクモは状況が理解できずにいた。

 

「よろしくって……何が何だかよく分からないんだが」

「このガンプラは普通のガンプラではないわ。私はこのガンプラを扱えるファイターを探していたの。そして、貴方は一応は扱う事が出来た。だから、私のパートナーになって欲しいの」

 

 ヤクモも大体は状況が呑み込めた。

 ヤクモが戦ったファイター達にビルドアメイジングガンダムを使わせたのもビルドアメイジングガンダムを使えるかを試したと言う事だ。

 彼らはビルドアメイジングガンダムを扱いきれなかったが、ヤクモは何とか扱えた。

 そして、扱えたからこそビルドアメイジングガンダムのファイターとしてヤクモをパートナーにしたいらしい。

 

「いきなりそんな事を言われてもな……」

 

 事情を呑み込めたものの、だからと言ってハクアと組むと決める事は出来ない。

 ガンプラバトルは元々はガンプラバトルよりも先にガンプラが広まっていた事もあって、自分で制作したガンプラを動かすと言う事が一般的だ。

 ファイターとビルダーがコンビを組むと言う事自体は世界大会でも見られる事だ。

 尤も、今ではガンプラバトル自体がスポーツや競技として取られている部分もある為、必ずしもファイターとビルダーを兼任すると言う事も無い。

 中には名のあるビルダーに自分用のガンプラの制作を依頼するファイターや、自分の制作したガンプラをファイターに売り込むビルダーも少なからずいる。

 ヤクモも今までは友人のガンプラを借りている為、ビルドアメイジングガンダムを使う事に抵抗がある訳ではない。

 ただ、ハクアとは今日が初対面でハクアの事は何も知らない。

 その為、いきなり組んで欲しいと言っても素直にうなずく事は出来なかった。

 

「そうね。私のパートナーになる気になったら、明日の同じ時間にここで待っているから来て頂戴」

 

 ハクアもここで粘る気は無いらしい。 

 用件が済んだのか、ハクアは帰ろうとする。

 

「私のパートナーになれば後悔はさせないわ」

 

 去り際にハクアはそう言って帰って行く。

 ヤクモは一人その場に残されたが、色々とあって今更ガンプラコーナーを見て回る気にもなれず思いがけない事態に頭を抱えながらも帰宅する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Gミューズでビルドアメイジングガンダムを扱えたヤクモと出会ったその夜、ハクアは都内の屋敷の自室でビルドアメイジングガンダムの調整を行っている。

 この屋敷には普段は雇っている使用人以外には滅多に帰らない叔父が済んでいるだけで、静かにビルドアメイジングガンダムの調整を行う事が出来る。

 

「これで良し」

 

 調整の終えたビルドアメイジングガンダムをハクアは机の上に置く。

 ヤクモが使った時は手持ちの武器は無かったが、流石に装備が胸部のバルカンと右腕のバックラーに内容されているビームサーベルのみでは心元ないと思い、ビームライフルとシールドを持たせている。

 この2つの武器はビルドアメイジングガンダムの本来想定されている物ではなく、ハクアが独自に制作した物だ。

 本体の完成度よりも落ちるが、十分な完成度である為、使用する上で問題になる事は無い。

 

「取りあえず一晩考える時間を置いたけども……」

 

 あの場で強引に迫ったところで断られる可能性があった為、一度引いたものの明日来るかどうかはまだ分からない。

 ヤクモが約束の時間に来れば問題はないが、来なかった時の事を考えなくてはならない。

 ビルドアメイジングガンダムを扱えるファイターは同年代では早々いない。

 ビルドアメイジングガンダムのファイターを探し始めて約半年で見つける事が出来たのはハクアにとってはまたとないチャンスだった。

 ヤクモが来なかった時の事を考えていると不意に携帯が鳴りだす。

 表示されている電話の相手を見てハクアは顔を顰める。

 無視をしようとも思ったが、電話の相手ならこちらが出るまで何度でも延々をかけて来そうと言う事もあって、渋々電話に出る事にした。

 

「何でしょうか? 叔父様。私が忙しいのですが」

「ずいぶんな物良いじゃないか。昔は叔父様の愛人になるって言っていたのに」

「用がないのでしたら……」

 

 電話の相手、マシロ・クロガミにハクアは軽く苛立つが必死に抑える。

 

「これでも兄貴にハクアの面倒を見るように頼まれてるんだ。たまには様子を確認しないと不味いんだよ」

 

 ハクアはマシロの義兄であるクロガミ・ユキトの娘に当たる。

 尤も血の繋がりがあると言う訳ではない。

 数年前にクロガミグループの次期後継者をそろそろ候補を決め始めなければならないと言う必要性が出て来た。

 ユキトの子供が居れば後継者の候補になったが、ユキト自身は結婚する気は無いと頑なだった。

 そこで、後継者候補の一人としてハクアがユキトの養女としてクロガミ一族に迎え入れられた。

 その後、仕事で忙しいユキトに代わり、滅多に仕事をしないマシロにハクアの面倒を見るように命じられた。

 他らなぬユキトに頼まれたと言う事もあって、マシロは面倒を事は承諾したものの基本的に好き勝手に生きている為、ハクアの事も放任主義の名の元に好きにさせていた。

 マシロがハクアに面倒を見る上で教えたのはガンプラの事だけだ。

 

「私の方は何も問題はありません。それでは」

 

 ハクアは今はマシロと話す気分ではない為、用件をさっさと済ませて電話を終わりにしたいが、勝手に切る訳にもいかない。

 ハクアはクロガミグループの次期後継者候補の本命ではあるが、確定した訳ではない。

 ユキトから面倒を見るように言われているマシロが、ユキトに一言いうだけで、今の立場が一気に危うくなる。

 

「相変わらずつれないな。そんな事よりも最近どうよ。何か良い事でもあったか?」

 

 マシロの何気ないただの近況を聞く言葉ではあるが、ハクアは心臓が止まりそうになって危うく携帯を落としそうになる。

 ただの近況を聞いているだけの言葉だが、このタイミングで聞かれるとまるで昼間の出来事を全て知った上で聞いているように錯覚してしまう。

 

「……いつも通りです」

「なら良いんだけどさ。それよりもここ半年くらい帰ってないから、俺の部屋を適当に片付けて置いてくれ。だけどくれぐれもベットの下だけは覗かないように。絶対だぞ」

 

 マシロの言葉は傍から聞く分には取り留めのない言葉だが、ハクアからすれば生きた心地がしない。

 早いところ終わりにしたいが、そんなハクアの心中を無視してマシロはどうでも良い事を延々を話す。

 

「てな訳だ。わざわざ養女にしたって事は兄貴はそんだけハクアに期待しているって事だ。兄貴の期待には応えて見せろよ」

「……分かっています。近いうちにある程度の結果は出すつもりです」

 

 適当に相槌を打ちながらようやく、マシロも話しを切り上げて電話を切ってくれた。

 時間にして30分程度だったが、ハクアにとっては数時間に感じる程だ。

 

「分かっているわ。結果を出して上げるわよ。その為に危険まで冒したのよ」

 

 ハクアにとっては結果を出すまたとないチャンスが巡って来た。

 そのチャンスを逃さない為に、ヤクモをビルドアメイジングガンダムのファイターにする算段を付ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハクアとの電話を切るとマシロは軽く笑っていた。

 電話の内容は取り留めのない近況を聞いて、適当な世間話だったが、所々で鎌をかけてハクアの反応を見て見たが、面白い具合にマシロの読み通りの反応をして切れた。

 

「俺より頭が良いんだけどな」

 

 ハクアはマシロとは違いきちんと学校に通っている為、頭は良いが腹の探り合いと言う点ではまだまだのようだ。

 流石にここまで分かり易いと腹の探り甲斐が無さ過ぎた。

 

「けど、半年やそこらでアレを扱えるファイターを見つけて来るのは運が良いな」

 

 マシロはハクアがビルドアメイジングガンダムを持ち出して扱えるファイターを探している事を以前より知っていた。

 世界中で行われているガンプラバトルのデータはバトルシステムに記録され、PPSEが管理している。

 日本国内のバトルデータならその日の内にマシロは全て把握する事が出来る。

 ハクアがビルドアメイジングガンダムを使ってバトルさせている事もその日の内のマシロに筒抜けとなっていた。

 元々、ビルドアメイジングガンダムをハクアが持ちだせたのもマシロがビルドアメイジングガンダムをハクアの住んでいる東京の屋敷の自分の部屋のベットの下にしまっていたからだ。

 先の話しの中でもベットの下を見るなと言う言葉に明らかにハクアは反応していた。

 ハクアは現役時代の勝つ為なら徹底的に相手を分析するなど、ガンプラバトルにおいてはルールに反しない限りは立場は資金を惜しむ事無く使って徹底的に行っていた事を噂程度でしか知らず、私生活において自堕落な生活を送っているマシロしか知らない為、ベットの下にビルドアメイジングガンダムをしまっておくことに何の疑いを持つ事も無く、持ち出した。

 それを、雇っている使用人を通じてビルドアメイジングガンダムの有無を確認させていた。

 屋敷のセキュリティは万全である為、ビルドアメイジングガンダムがなくなればそれはハクア以外には持ち出す事が出来ない状況でもあった。

 そんなマシロの思惑を知らずにハクアはビルドアメイジングガンダムのファイターを探していた。

 

「ビルドアメイジングガンダムを扱えるファイターを見つけ出した事は褒めてやりたいが……よりにもよってナナセ・ヤクモとはね」

 

 すでに今日のバトルの事もマシロの元に届いている。

 ヤクモが何とかビルドアメイジングガンダムを扱って勝利したと事もだ。

 そして、そのファイターがヤクモだと言う事も知っていた。

 マシロにとってはビルドアメイジングガンダムを扱えるファイターの登場は喜ぶべき事だが、問題はそのファイターにあった。

 ハクアは知らないが、マシロは以前からヤクモの事は知っていた。

 

「下手をすれば厄介な事になりそうだけど……今更行ってもどうしようもないし、俺にはどうする事も出来ないしな」

 

 幸いにもハクアはヤクモの事は何も知らない。

 現状で全てを知っているのはマシロだけしかいない。

 ならば、マシロが何も話さなければ何事も起こる事は無いかもしれない。

 

「兄貴には悪いけど、何事も経験だ。俺も仕事で忙しいし、ハクアの事は常に見てやれる訳でもないからな。うん」

 

 どの道、これに関してはマシロが介入してどうにか出来る問題ではない。

 どうにも出来ないのであれば、マシロは自分のやりたいようにやるだけだ。

 少なくとも今の段階で何かが起きる訳ではないのだから。

 マシロはこの問題に対してそう結論づけた。

 

 

 

 

 

 

 ハクアと出会いビルドアメイジングガンダムでバトルした翌日になっても、ヤクモは答えを出せずにいた。

 いつも通り蓮舫学園に登校し、授業を受けるも頭の中は昨日の出来事で一杯だ。

 相手は偶然出会った見ず知らずの相手でハクアと言う名前しか知らない。

 ハクアの方もヤクモの名前すら聞いてはいない。

 

「何ボーっとしてんだよ」

「……スバルか」

 

 いつの間にか今日の授業も終わり、友人であるナルミ・スバルがヤクモに声をかけて来る。

 スバルとは出席番号や家が近い事から長い付き合いの友人である。

 昔からガンプラバトルを行う時にガンプラを借りていたのもスバルだ。

 

「ヤクモ、今日のお前は少しおかしいぞ? 昨日、Gミューズで何かあったのか?」

 

 昨日の時点でヤクモはいつも通りであった為、放課後にGミューズで何かあったのではないかとスバルは推測していた。

 その推測は的中しているが、ヤクモは適当に返事をする。

 

「今日は高等部に行こうぜ。3年の先輩が引退したから中等部の俺らでもバトルシステムを使わせて貰えるみたいだしな」

 

 蓮舫学園は中高一貫性である為、中等部のヤクモやスバルは高等部の先輩とは顔見知りも多い。

 高等部の3年生は夏の全国大会が終わってすでに引退している。

 3年の引退でガンプラバトル部の部員も減った事で来年、高等部に上がるであろうヤクモ達は来年の戦力に育てる為にバトルシステムを使わせて貰える機会は増えている。

 ヤクモは自分のガンプラを持たない為、余り顔を出す事は無いが、スバルは最近は毎日のように顔を出しているらしい。

 スバルの話しによればスバルは来年の即戦力として期待されて、顔を出す度に先輩達に鍛えられているとの事だ。

 元々、バトル仲間の中でも飛び抜けていたスバルだったが、高等部の先輩に鍛えられて実力をかなり上がったと言う事を何度も聞かされている。

 

「悪い。今日はそんな気分じゃないんだよ。バトル部に顔を出すのは今度にしとく」

「そっか。俺は今日も行くけどな。先輩たちは来年こそは打倒ガンプラ学園に燃えてるから練習も半端ないから、毎日出ないとついて行くのが精一杯なんだよ」

 

 スバルはそう言って教室から出て行く。

 ヤクモも話しには聞いているが蓮舫学園の高等部は今年の全国大会で準優勝している。

 決勝戦では絶対的王者であるガンプラ学園を後1機のところまで追いつめての敗北と言う事もあって来年こそは今年の雪辱に燃えているとスバルから聞いている。

 ヤクモは昨日の出来事が頭の中から離れる事が出来ない為、普段ならスバルと一緒に高等部に行くところだが、今日は行く気にはなれないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 授業も終わり、ヤクモは家に帰らずに河原に座り込んでいた。

 ハクアとの約束の時間までそんなに時間はないが、未だに答えを出せずにいる。

 約束自体、ハクアが一方的に言っている事で、ヤクモには守る義理はない。

 だが、だからと言って行かないと言うのも気が引けた。

 行くと言う事はハクアのパートナーとなると言う事だが、パートナーになって具体的にビルドアメイジングガンダムのファイターとなる事以外何も聞いていない。

 

「ハァ……どうすんだよ。俺……」

 

 答えが出せないまま時間だけが過ぎていく。

 

「悩んでいるな少年」

 

 答えが出せずに悩んでいるところに不意に声をかけられてヤクモはびくりとした。

 いきなり話しかけられて、ヤクモは少し警戒する。

 

「……誰?」

「名乗る程の物でもあるが、ここは通りすがりの最強ファイターとでも名乗って置こう」

 

 ヤクモはどことなく見た事がある気がした物の、直感的に関わり合いにならない方が良い分類の相手だと更に警戒を深める。

 普段、メディアに出る時は白いスーツを着ていた事と今日はサングラスで顔を隠している為、ヤクモは目の前にいるのがPPSEの会長にして最強のファイターとして伝説となったマシロ・クロガミである事に気づく事は無い。

 

「君は今、運命を選ぼうとしている」

 

 マシロが語り始めてヤクモは逃げるタイミングを失った。

 

「彼女の背負うとしている物は君が思っている以上に大きく重い物だ。彼女と共に歩もうと言う事は共にそれを背負うと言う事だ。君にその覚悟はあるのかな?」

 

 全てを知っているような口ぶりでそう言うマシロの言葉からヤクモは逃れる事が出来ない。

 

「いきなり覚悟とか言われても……」

「だろうな。今はそれでもいいさ。だが、生きていく以上、これから何度も選択の時が来るだろう。その時、君は選ばねばならない己の未来を運命を」

 

 マシロは拳を握るとそっととヤクモの胸元を小突く。

 

「自分の心に従え。それが自分の運命を決める唯一の物だ。自分の心に従って決めた運命ならば、どんな結末を迎えても後悔はしない」

「自分の心……」

 

 ヤクモの中で何かが解けた気がした。

 色々と理由を付けて考えてはいたが、とっくに自分の中では答えは決まっていた気がした。

 

「俺……行きます」

「答えは見つかったのか?」

「どうなんでしょう。正直、良くわかんないですけど、ハクアに俺が必要なら力になりたいと思います」

「その先の未来にどうしようもない理不尽な壁が立ちはだかっても?」

 

 マシロの問いに対して、ヤクモは真っ直ぐ答えた。

 

「それでも、必死にもがいて行けば……一人では難しくてもハクアと一緒に二人で足掻けばきっと何とかなります」

 

 ヤクモはそう答えると走り出す。

 すでに時間は殆ど残されていない。

 幸いにもGミューズまでは走って行ける距離だ。

 適当に歩いていたつもりだったが、結局のところ、ヤクモは無意識の間に約束の場所に向かっていたようだ。

 自分なりの答えを見つけたヤクモをマシロは黙って見送る。

 

「このくらいは問題ないだろう。それにしても……女の為にこんなんな道を選ぶか……理解はし兼ねるが中々面白い成長をしたじゃないか」

 

 マシロはサングラスを取って待たせている車の方に歩き出す。

 

「ハクア、お前の選んだ相方はお前じゃ御するのは難しいだろうな。精々、苦労して来い」

 

 マシロは振り返る事は無い。

 後はだた、ヤクモとハクアの行きつく先を高みから見物するだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 約束の時間が近づく中で、ハクアは少し焦り始めていた。

 ヤクモが来れば問題は無かったが、すでに5分を切ったところで、ヤクモが来るかどうかは怪しくなってきた。

 ハクアにとっては結果を出す為にはヤクモは必要不可欠だ。

 ヤクモが来ない以上、次の手を打たなければならない。

 クロガミ一族の力を表立っては使えない以上、ハクアに打てる手は限られている。

 それでも、何とかしなければならない。

 

「ハクア!」

 

 約束の時間になろうかと言う時、ハクアが待っていたヤクモが到着した。

 理由は分からないが、ヤクモは走って来たせいでかなり息を切らしている。

 

「来ると思っていたわ」

 

 内心では来ない事も覚悟していたが、それをハクアは押し隠してあだかも来る事を分かっていたように装う。

 

「ここに来たと言う事は……」

「その前に聞かせて欲しい。君にとって俺は必要なのか?」

 

 真っ直ぐと自分を見るヤクモからハクアは視線を逸らす事が出来ない。

 

「……必要よ」

 

 昨日とは様子の違うヤクモに圧倒されながらも、ハクアは何とかその一言を絞り出す。

 その言葉を聞いて、ヤクモは一息つく。

 

「分かった。俺は君のパートナーとして君の力になる」

 

 マシロの話しから漠然とハクアが大きな物を背負おうとしていると言う事はヤクモも察しは付いている。

 それが何かは分からないが、ヤクモはただハクアの力になりたいと思っていた。

 

「改めて俺はナナセ・ヤクモ。これからよろしく。ハクア」

 

 こうして、ナナセ・ヤクモは自分の未来を選び取った。

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