世界が変えられてから二日後、天才による放送がされた次の日。
俺はいつもと違う周囲の風景に慣れることができず、早朝のまだ日が昇ってすぐの時間に起きてしまっていた。
どうせやることも無いからと外に出て辺りを軽く散歩してみるが、やはり見た目が変わっているだけで街並みが変わっている様子は見られなかった。
しばらく辺りを散歩していると
「あっ、鉄男じゃん!」
そんな風に俺に声を掛けて来た二人組の男女がいた。
声を掛けてきたのは男の、木坂 勇人だ。
「おー勇人、こんな時間になにしてんの?」
すると横にいたやや小柄な女の子が答える。
「私も勇人もなんだか慣れなくて早く起きちゃってね。
その様子だと鉄男も似たような感じだろうけど。」
勇人に続いてそう言ってきたのは早宮 花実、勇人と同じく俺の幼なじみだ。
「その通りだよ花実」
そう返すとやっぱりね、と得意気な顔をした。
「そういえば鉄男、お前あの放送見たか?」
唐突に勇人が聞いてくる。
「見たに決まってるだろ、あんな歴史的瞬間を見逃す俺じゃないからな」
「あの放送してた女さ…どう思う?」
なんだか気を遣った様子で勇人が聞いてくる。
「どう思うって…どういうことだ?」
「いやだからさ…世界変えられたことについてどう思うってこと」
「ちょっと勇人!まさかあんな噂真に受けてるんじゃないでしょうね!」
勇人が聞いてくると花実が割り込んで少し怒鳴る。
なんだか俺の知らないことをしっている様子だ。
「なんだよ、噂って」
「いや、あのね?この前軍の部隊が壊滅したってニュースがあったじゃない」
少し躊躇しながら花実が話し始める。
「あの壊滅するってことはモンスターにやられた人達は結晶化してるわけじゃない?
それでそれだけの人が結晶化してるってことはまぁ、持ち帰って来るのにも一苦労なはずでしょ?結晶がどれだけの大きさとか重さとかは知らないけど。
でも、結晶化してる人がそこそこでてる時点で、軍は撤退するんじゃないかって噂が流れたの。
そしてその噂の結論として辿り着いたのは、この世界を変えさせまいとする集団が、軍を待ち伏せして襲ったんじゃないかっていうことよ。
まぁ私としては発想が飛躍しすぎてると思うけどね。
それにもしそんなことがあったなら軍からなにかニュースがでてるはずだし。」
それで勇人があんなこと聞いてきたのか…
俺はこの世界を支持している側の人間だが、もしここで俺が世界を変えたくないと言ったらどうなるだろうか?
もしかしたら勇人も花実も、俺のことを裏切り者と言ったりして差別するんじゃないか、そう思うと怖くて真実を語ることはできなかった。
「で?結局お前はどっちなんだよ、鉄男」
再度勇人が訪ねてくる。
「鉄男のことなんだからこんな世界変えたいに決まってるじゃない。
っていうか変えるために動こうとか考えてるわよ
ね?鉄男?」
「あ、ああ、確かにこんな世界変えてやりたいな。
モンスターが蔓延ってる世界なんて恐ろしくてやってけねぇしな。」
俺がそういうと二人の表情が安心したように緩む。
やっぱり、この返答が正解なんだなと、少しがっかりする。
結局世界が変わっても、集団の中で出る杭は打たれ、間違っていなくても違った思想の者が差別され、弾圧され、排除される人間の性質は全く変わらないんだと、そう思った。
◇
後日、結局軍から世界を変えたくないという思想を持つ者は処罰を与えるという独裁的な命令がだされ、勇人や花実から聞いた噂がもっと信憑性を帯び、現実的なものとなっていった。
二話です
ぶっちゃけ後書きで話したいことがないです
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