RPGになった世界   作:キビナゴ

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六話 RPGの鉄板

赤い、真っ赤な光は輝きを増して集結し、ボスの実体を作っていた。

茫然とそれを眺めていると、不意に肩に手を置かれた。

振り返ってみると、勇人があの得意気な顔をして俺の肩に手を置いていた。

確かにこいつは昔から周りの雰囲気を明るくするのがうまかったし、さっきはそれで精神的に救われた気もしたが、しかし何も言われずにここまで得意気な顔をされると腹が立ってくる。

「このボス戦、お前一人で戦え」

勇人はいきなり滅茶苦茶なことを言い出した。

「勇人!鉄男一人で戦わせなくても、私たちでやればいいじゃない!」

花実が怒りを露わにするが、勇人はどこ吹く風でなおも俺の目を見据えていた。

こいつは馬鹿だ、それもとびっきりの。

でも、確かにこいつのすることは正しいことが多い。

本能に従って行動し、行動原理の九割は勘と楽しそうだというこいつの行動だが、周りに流されて間違ったことをするということは絶対にない。

「じゃあここはひとつ、お前を信じてみようじゃねぇか」

俺がそういうと、勇人は得意気な顔のまま、しっかりと頷いた。

「鉄男…本当に…やるの?」

「ああ、勇人の言うとおりにしてみるよ」

花実が心配そうに俺に声をかけてくる。

「危なかったら、助けるからね…」

なおも不安そうな顔をする花実を元気づけるように、笑顔を見せる。

と、赤い光が止む。ということはつまり、ボスが出現したということだ。

向いてみると、そこにはさきほどのドラゴンの二倍くらいのサイズのドラゴンがいた。

よく見てみると、翼がないのでデザイン的には、二足歩行をしている巨大トカゲと言ったところだろうか。

アギャアアアアアアアア!!

さっきのドラゴンよりも高く、不快な鳴き声が広間内にこだまする。

俺もそれに応えるように

「ウェポンコール、錆びた剣」

そう言う。

出現した長さだけが特徴な錆びついた剣を握ると、確かな重みが伝わってくる。

錆びついているゆえに切れ味はなさそうなので、切るよりも重さを利用した打撃の方が威力がでそうだ。

すでに花実と勇人は後ろに下がっていて、長いこの剣を振り回しても大丈夫そうだ。

俺が臨戦態勢に入ると同時に、ドラゴンがこちらに向かって駆ける。

俺は全体重を乗せて、錆びた剣を力任せに振り下ろす。

しかし俺の精一杯の攻撃は、果たしてドラゴンの皮膚にかすり傷ひとつ、つけることは叶わなかった。

剣をはじかれ、あまりの衝撃に剣を取り落としてしまう。

そしてそのまま、突進してきたドラゴンの頭突きを食らい、俺は後ろにふっとばされる。

俺は壁にまでは届かず、地面に叩き付けられ、思わず身をよじる。

見るとドラゴンは、また突進して来ようとしていた。

そこでふと思いついたのだが、さっき錆びた剣はいつの間にか消えていた。

ということは手元になかったら自然消滅するということなのだろうか?

だとすると今もう一度ウェポンコール唱えれば、錆びた剣は手元に出現してくれるのではないだろうか。

そう考えるとすぐに、ウェポンコールを唱える。

「ウェポンコール!錆びた剣!」

しかし、剣は手元には現れなかった。

出てきた剣を使ってそのまま防御するつもりで、そういう風に身構えていた俺は、またもあっけなく吹っ飛ばされてしまった。

今度は下手に叩き付けられないよう受け身をとりつつ、体を起こす。

するとさっきまでは気づかなかったが、俺の目の前にはあの画面が出現していた。

そしてその画面を見て驚愕する。そこには錆びた剣とはまた別の武器名が書いてあったkらだ。

「そういうことかよ…勇人」

そうつぶやくと、ドラゴンの追撃を避けつつ、取り落とした剣に向かって駆けだす。

駆けながら、叫ぶ。

「ウェポンコール!

一振りの終焉《ラグナロク》!!」




今回は、鉄男君覚醒です。
何日も連続で書いているのでだれてるかもしれませんが、気にしないでください。
アドバイス、コメント等気軽にお願いします
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