マイナーCPだとしても私は布教を諦めない。
人里の外れにある一軒のボロ屋。
そこには一人の天邪鬼が住んでいた。
「んあ・・・・朝か。」
その天邪鬼の名は鬼人正邪。
小人族の針名丸を唆し、弱妖怪の下剋上を図ったうえ、異変後に一人逃走して幻想郷の権力者達と大立ち回りをしたせいか、正邪の肩身は狭かった。
妖怪たちに出会えば襲われ、人間に会えば騒がれる。
人を襲うことや人里に出かけることはおろか、家を出ることすらままならない。正邪はそんな状況に立たされていた。
元々正邪は姫に成り代わり輿入れを図ったこともあり、人間に近い生活をしていた。だが、こんな状況では朝食を作ろうとしても食材がないわけで。
こんな時は、大人しく”アイツ”を待つしかないと、もう一度布団の上に転がる。
それから十分ほど経っただろうか。突然、乱暴に扉が開け放たれた。
「おはようだぜ!正邪!元気か?」
そこから現れたのは”普通の魔法使い”霧雨魔理沙。
いつもと違う白いブラウスを着て、下に青のチェックのスカートを履いている彼女は本人から魔理沙と聞かない限り、本人とは分からないであろう。
「いやー、お前が来てびっくりして頭を打ったから元気じゃないかな。」
「それは災難だな。」
正邪の嫌味を適当に聞き流すと、魔理沙は机の上に風呂敷包みを置く。
そしてその中から卵を一つと野菜、みそやもうすでに炊き上がっているであろう米をとると、調理場へと向かう。
「~♪」
調理場から聞こえてくる鼻歌を聞き流しながら正邪は出ない答えを考える。なぜ、こいつは私を助けるのかと。
正邪は人に恩返しをするなんて律儀なことはしないし、逆に裏切るなんてこともざらだ。それを異変を、逃走劇を全てを見ていた魔理沙は知っている筈なのだ。
なのに魔理沙は正邪にこっそり手を貸した。幾つかアイテムを人妖から盗み出し、正邪に譲った。
そして全てが終わった後には、住む場所を、生活に必要なものを、全て用意してくれた。
「ほい、出来たぞ。」
「ん。」
考えこんでいるといつの間にか時間が過ぎていたらしく、いつの間にか魔理沙が朝食を机の上に並べていた。
一口、味噌汁に口を付けて正邪は言う。
「・・・・薄い。」
「そうか?」
実際はそんなことは無く、絶妙な味加減で非常に美味しいのだが、そこは天邪鬼。褒めたりなんてするわけがない。
「洗濯物何処だ?」
「それくらい自分で探せよ。」
「そりゃあそうだな、うん。」
洗濯も何時もしてくれている魔理沙から声が掛かるが、聞く耳を持たずに嫌味を吐き捨てる。
してもらっている立場で何様だと言いたい所だか、生憎と正邪は天邪鬼なのだ。こればかりは仕方が無いだろう。
それでも腹を立てず、律儀に返事を返す魔理沙はとてもお人好しで自分を助けて居るのだとは思えない。
「ったく・・・・・」
朝飯を食べ終わると、正邪は布団の上にごろりと転がり、枕に顔を埋める。
これ以上何故か何故かと考えれば考えるほど、どんどん深みにはまっていく気がしたから。
ーーーーーーーーもっと、好きになってしまう気がしたから。
書きたかった、というか本編の更新をせずにいつの間にか書いてた。
誰か正マリを広めてくれー!!!!