クドウゼンキ:♂
クドウセイギ:♂
マリア・トラベリア:♀
ナレーション:♂or♀
エピソード2「目覚め」
プロメテウスで時空跳躍を果たしたゼンキ達は、転移先でプロトハイパーフリーダ
ムの起動実験並びに試験運用を行うことにした。
マリア「空間転移完了、艦内、艦体共に異常なし。」
セイギ「Rドライヴ問題なく稼動、時空転移無事に完了だ。」
ゼンキ「よし、まずは初期段階完了ってとこかな。」
セイギ「では、続いてプロトハイパーフリーダムの稼動実験、並びに試験運用を行
うぞ!」
ゼンキ「了解、じゃあ俺は格納庫に行って機体を立ち上げておくよ。」
そう言ってゼンキはブリッジを出て格納庫へと向かった。
~ プロメテウス 格納庫 ~
ゼンキが到着すると、そこにはパイロットを今か今かと待っているような鋼鉄の巨
人が待っていた。
ゼンキ「しっかし~、見れば見るほどよく出来てるな~、まあ、アレを再現して作
ったらしいからな、当然といえば当然か。」
そう言ってゼンキは装置に乗って機体の腹部、コックピットに乗り込んだ。
ゼンキ「ここがこいつのコックピットか・・・、いい感じだな、よし、立ち上げる
か。」
そう言うとゼンキは、気持ちを切り替え、機体の立ち上げ作業に入った。
ゼンキ「CPC設定完了。ニューラルリンケージ。イオン濃度正常。メタ運動野パラメ
ータ更新。Rドライヴ臨界。パワーフロー正常。全システムオールグリーン。
ハイパーフリーダム、システム起動。」
すべての起動を終えると、巨人の目に黄色い光がともった。そのころ艦橋(ブリッジ)では・・・。
~ プロメテウス 艦橋 ~
セイギ「じゃあ、こっちも機体の発進シーケンスを開始するぞ、コンディションを
レッドで発令。」
マリア「了解、コンディションレッド発令、対機動兵器戦闘用意、パイロットは機
動兵器にて待機してください。」
同時期に格納庫でも発進シーケンスが開始されていた。
ゼンキ「もう待機してるんだがなってな、こんな事言ってたら後でどやされるな。」
そして機体が移動し始めた。
マリア「艦首(かんしゅ)モジュールをカタパルトに設定、ブリッジを戦闘形態へ移行。」
マリアの言葉と共にプロメテウスの艦首が動き出した、艦首の内部が回転し、次に奥が見え
たときには、射出されるのを今か今かと待っている巨人の姿があった。
マリア「発進準備完了、射出タイミングを、パイロットに譲渡(じょうと)します。」
ゼンキ「了解 I have control(アイハブコントロール)クドウゼンキ、プロトハイパーフリーダム、行くぞ!」
その言葉と共に、機体が射出された、前からの重力に一瞬ゼンキがうめく。
ゼンキ「ぐっ!?流石にすごいGだ、だが!」
次の瞬間、ゼンキは機体を自分の手足のように操っていた。
ゼンキ「さてと、それじゃあこの機体の真の姿を見せるとするか。」
そう言ってゼンキはひとつのボタンを押し込んだ、その瞬間に機体が色づき始めた。
胸部は大空のように蒼(あお)く
頭部手足は白鳥の羽のように白く
背に背負う翼は木々のようにエメラルドグリーンに
碧翼(りょくよく)の翼を持つ巨人は空を自由自在に飛び回った。
セイギ「あれがプロトハイパーフリーダムの真の姿、機体の装甲にRドライヴから抽出された
粒子、俺たちは「光粒子」と名づけたが、それを浸透させて、あらゆる衝撃から機体
を守る。」
マリア「なんて綺麗な・・・。」
マリアの言葉どうり、機体の翼と放出される粒子によって、機体は幻想的な動きを見せ、見る
ものを魅了する動きだった。
セイギ「ゼンキ、乗り心地はどうだ?」
ゼンキ「ああ、最高だよ、さすがは父さんが作った機体だよ。」
セイギ「何言ってんだよ、それを組んだのはお前だろ?」
ゼンキ「そうだったね。」
セイギ「実践演習を開始するぞ、今から擬似ターゲットを射出するからそれを撃墜してみろ。」
ゼンキ「了解!」
次の瞬間に、プロメテウスから小型の機体が射出された、これが擬似ターゲットの「ドラグーン」である。
ゼンキ「あれか、よし!」
ゼンキは機体を走らせ、機体の腰にある実体剣「ガーベラブレード」を横一線、ドラグーンが真っ二つに裂けて爆散した。
ゼンキ「すごい切れ味だ、これがガーベラブレード。」
セイギ「なかなかだろ?光粒子を刀身にまとわせて切れ味を上げてるんだぜ?」
マリア「すごいんですね!光粒子って、でもそれを使いこなすゼンキもすごいよ!」
セイギ「そうだな。」
それからゼンキ達はあらゆるパターンの実践演習を終えて、最後にある武装の試用をす
ることにした。
~ プロメテウス 艦橋 ~
ゼンキ/マリア「ネオマキシマ砲?」
セイギ「そう、このプロメテウスの最強武装だ、なにせRドライヴから直(じか)にエネ
ルギーを取り出して、相手にたたきつけるんだからな。」
ゼンキ「Rドライヴから直にって、確かにそれならかなりの出力になるね。」
セイギ「じゃあ、発射シーケンスを開始するぞ!」
マリア/ゼンキ「了解!」
セイギ「ネオマキシマ砲、発射スタンバイ、艦首モジュールを砲身に移行。」
マリア「Rドライヴをネオマキシマ砲用出力機関に接続、抽出開始。」
セイギ「総員、ネオマキシマ砲による対閃光用ゴーグルを着用。」
マリア「エネルギー充填、80%」
セイギ「発射用トリガーを艦長席に配置、ゼンキ、トリガーはお前が引くんだ。」
ゼンキ「了解。」
マリア「エネルギー充填、100%」
ゼンキがトリガーを引こうとすると・・・。
セイギ「まだだ。」
ゼンキ「え?」
マリア「エネルギー充填、120%!」
セイギ「いまだ!」
セイギの言葉と共にゼンキがトリガーを引く。
ゼンキ「ネオマキシマ砲、発射!」
次の瞬間、プロメテウスの艦首から極大な光線が射出された、その光景に、ゼンキ達は
ただ唖然としていた。
最後の武装の確認を終えたゼンキ達は、光研究所に戻り、結果の確認と、演習の映像を
見てチェックを行っていた。
ゼンキ「いや~、正直すごかったよ、いろいろとね。」
マリア「ええ、まさかこんなのがあるなんて思わなかったわ。」
セイギ「プロメテウスとプロトハイパーフリーダムは、データを得れば得るほど強くなっ
ていくんだ、これからの研究しだいでもあるがな。」
それから、ゼンキ達は実験や演習を続けながら、たくさんのデータを集めていった、その
裏で、この後に起こる悲劇の元凶が作られているのかも知らずに・・・。
第二話 完