超次元調査隊トライフォース軍   作:クドウゼンキ

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第3話 獣の目覚め

クドウゼンキ:♂

クドウセイギ:♂

マリア・トラベリア:♀

ナレーション:♂or♀

暗黒師:♂or♀

研究員:♂or♀

ミカ:♀

???:♂or♀(ナレーションと兼ね役でもOK)

 

エピソード3獣の目覚め

 

N:物語は移り変わり、とある場所から再開される

そこを表すにふさわしいのは「闇」そのもの。

ここまで闇と言うのが相応しい処が他にあるだろうか・・・。

 

~???(とある研究所)~

研究員「暗黒師様、あそこより新たなデータをお持ちしました。」

 

N:そう言い、研究員らしき男は暗黒師という名を言い放ち、その場にいたもう一人の人物に

データディスクを渡した。

 

暗黒師「そうか、これでまた私の研究の成就に一歩近づいたというこ とか・・・、ふ、セイギめ、今に見ていろ、お前の研究など私の研究の足元にも及ばんのだからな。」

 

研究員「暗黒師様、ほかに必要なものはございますか?」

 

暗黒市「後はそうだな、奴の息子、ゼンキの生体データがほしい」

 

研究員「承知しました、では必ず。」

 

N:そんなことが起こってるとはつゆ知らず、光研究所では訓練の連続だった。幾度となく戦闘訓練を繰り返し、徐々に機体と艦の操縦に慣れて来た時期に新たな試みが実装された、それは・・・。

 

ゼンキ/マリア「実戦訓練!?」

 

セイギ「ああそうだ、今までは機体動作や操艦のためにドラグーンを用意したが、あれはあくまで疑似ターゲットに過ぎない、大事なのは実戦戦闘でどれだけ扱えるかだ。」

 

ゼンキ「まあ、それはそうだけど、どういうことをするの?」

 

セイギ「俺らのデーターベースからお前の記憶上からできるだけえりすぐりの奴らを具現化する、そいつらをお前たちが倒す、そういう訓練だ。」

 

マリア「安全性は大丈夫なんですか?」

 

セイギ「安心しろ、敵のパロメーターはこっちで操作できるから、もしもの時になったらこちらで停止することもできる。」

 

ゼンキ「そうかそれなら良かった。」

 

 

セイギ「よぉし、じゃあ準備にかかるぞ。」

 

N:話が終わるとそれぞれ準備に取り掛かった、ゼンキは機体コックピットに、マリアは艦制御に、セイギは研究所内の制御室に。

 

セイギ「それじゃあ、特殊空間を発生させるぞ、そこにゼンキとマリアちゃんが入って、こちらから目標を出現させるからな。」

 

ゼンキ/マリア「了解!」

 

N:例のごとくプロメテウスは次元の狭間に吸い込まれるようにして消えた。

 

~プロメテウス艦橋(ブリッジ)~

 

マリア「急に実践訓練とは、さすがに驚いたわ。」

 

ゼンキ「確かにな、でも父さんのやることだ、きっと何か理由があるんだろう。」

 

マリア「もうすぐ移送空間を抜けるわよ。」

 

N:まばゆい光とともに新たな空間へと現出した。

 

ゼンキ「だだっ広いな・・・。」

 

マリア「そうね、何もないわ。」

 

N:二人の言葉のごとくそこにはただただ地平線が見えるほどに何もないところだった。

 

セイギ「ついたようだな、それじゃあ訓練を開始するぞ。」

 

ゼンキ/マリア「了解!」

 

プロメテウスから機体が発進される。

 

セイギ「それじゃあ始めるぞ、まずはコードDM2」

 

ゼンキ「DM2?どんな奴だ?」

 

N:ゼンキの目の前に現れたのは二つの長い首を持つ緑色の機械の巨人だった。

 

ゼンキ「こいつは・・・、なるほどそういうことか。」

 

N:その機体の形状をゼンキはよく知っていた、そして先ほどセイギに言われたことを思い出していた。

 

ゼンキ「俺の記憶からってそういうことかよ。」

 

N:今ゼンキの目の前にいる敵機はゼンキの記憶の中にある戦闘ロボットの一機であった。

 

ゼンキ「あの二つの頭からはいかなるものでも溶かすレーザーが撃たれる、注意しないとな。」

 

セイギ「それじゃあ実戦訓練を始めるぞ。」

 

ゼンキ「了解。」

 

セイギ「戦闘開始!」

 

N:お互いが行動を開始する。

 

ゼンキМ「これは射撃とかの訓練とは違う、実際の戦闘だ、訓練とはいえ油断するとやられる。」

 

N:敵機が異常なまでの速さで迫ってくる。

 

ゼンキ「やっぱり速い!再現度高すぎだっての!」

 

N:その敵機はまるで獣のごとく俊敏な動きでゼンキを追い詰めてくる。

 

ゼンキ「まだだ、この機体ならもっと、いや、奴よりも速く行けるはずだ!」

 

N:二機は斬り合いながらも徐々にその速度を速めていく。

 

~ 光研究所観測所 ~

 

セイギ「どうだ状況は?」

 

研究員「すさまじい速度になっていってます、予測値を超える勢いですよこれは。」

 

セイギ「やっぱりか、ゼンキが操縦するならこのくらいかと思ったが。」

 

研究員「いかがされます?」

 

セイギ「DM2程度なら撃墜できるはずだ、それまで観測を怠るなよ。」

 

研究員「はい。」

 

~ 演習所 ~

 

マリア「すごい戦いね、二機のエネルギー反応がどんどん上がっていくわ。」

 

N:マリアは目の前の戦闘にただただ驚愕していた。

 

ゼンキ「なんとか攻めに転ずる瞬間はあるが、あいつも隙がないな。」

 

N:一進一退の戦いをする中でゼンキは何とか決定打を打ち込む隙を探していた。

 

ゼンキ「そーいや俺がこの機体を設計したときこう言う状態の時のために隠し玉を入れてたんだっけな。」

 

N:そう言うとゼンキは機体を停止させ相手の接近を待つ体勢に入った。

 

ゼンキ「さあ来い、目にもの見せてやる!」

 

N:敵機が目前に迫る。

 

ゼンキ「くらえ!」

 

N:機体の手を開き敵機の目の前に突き出す、すると次の瞬間機体の手が眩く光り、敵機がよろめいた。

 

ゼンキ「上手くいったか、ここで決める!」

 

N:ゼンキは機体の腰のガーベラブレードを抜き一閃、敵機を両断し撃墜した。

 

ゼンキ「ふぃ~、なんとか上手くいったぜ。」

 

マリア「ゼンキ、今の光は何?」

 

ゼンキ「もしもの為の目くらましさ、手を一瞬だけ光らせて相手の視界を奪う物さ、まあ生き物相手にしか聞かないけどな。」

 

マリア「え?でも今のってどう見ても・・・。」

 

ゼンキ「あれは獣の習性を取り込んだ機体だからな、ああいうのには結構効くのさ。」

 

マリア「そうなんだ。」

 

N:二人は訓練を終えて研究所へと戻った。

 

セイギ「二人とも、どうだったかな?実戦訓練は。」

 

ゼンキ「正直疲れたよ、神経を張ってないとやられると思ってたよ。」

 

セイギ「これからは戦艦からの援護も含めて実戦訓練を強化していくつもりだ。」

 

ゼンキ「わかったよ。」

 

N:それから数日、ゼンキ達は実戦訓練を強化して訓練を続けていった、それから数日後、戦闘にも慣れてきたゼンキたちが少し強めの敵と戦闘しようとしてた時である。

 

 

セイギ「今回は少し敵の設定を強めにしてみたぞ、少しつらいかもしれないが頑張ってくれ。」

 

ゼンキ「わかったよ。」

 

N:プロメテウスの格納庫に向かうゼンキ、そこには笑顔で待つマリアの姿があった。

 

ゼンキ「どうしたんだよ、いつも以上ににこにこして。」

 

マリア「実はね、今回あなたのお父さんに頼んでちょっとしたのを用意してもらったの。」

 

ゼンキ「ちょっとしたもの?」

 

マリア「それは艦橋(ブリッジ)で見せてあげるから、早く来て。」

 

~プロメテウス艦橋(ブリッジ)~

 

ゼンキ「こ、これは・・・。」

 

N:プロメテウスの艦橋(ブリッジ)には新たに粒子フィールドを出力する機器が増設されていた。

 

ゼンキ「これは何だ?」

 

マリア「ほら、この戦艦(ふね)って成長型の人工知能みたいなの積んでるんでしょ?」

 

ゼンキ「ああ、そうだな。」

 

マリア「あなたのお父さんに頼んで、その人工知能に人ととしてのアバターのようなのを与えてみたの。」

 

ゼンキ「人としてのアバター?」

 

マリア「そう、学習できるならコミュニケーションをとれるようにしたほうがいいんじゃないかと思ってね。」

 

ゼンキ「なるほど、面白そうだな。」

 

マリア「それじゃあ起動させるね。」

 

N:マリアが機器を起動させると、そこには蒼(あお)髪のツインテールの少女がいた。

 

ミカ「Yes、システム正常、起動しました。」

 

ゼンキ「これは驚いた、電子生命体みたいなもんじゃないか。」

 

マリア「ふふ、でもね、まだこの子には名前を付けていないの。」

 

ゼンキ「名前?」

 

マリア「それでね、あなたにつけてほしいのよ。」

 

ゼンキ「名前を?」

 

マリア「そお、私じゃどうしてもいい名前が思いつかなくてねえ。」

 

ゼンキ「そうか・・・う~ん・・・。」

 

ゼンキはしばらく考えて答えた

 

ゼンキ「じゃあ俺の好きなバーチャルアイドルの名前を付けよう。」

 

マリア「バーチャルアイドル?」

 

ゼンキ「電子的に生み出された電子音声で歌を歌うアイドルのことさ。」

 

マリア「それで?どういう名前なの?」

 

ゼンキ「ミカにするよ。」

 

マリア「へえ~、いい名前ね。」

 

ミカ「承認、私の名前は「ミカ」アップデート完了しました。」

 

ゼンキ「じゃあ行こうか。」

 

N:いつもの如く実践演習の場に移送してくるゼンキとマリア。

 

マリア「今回のはどんな内容なの?」

 

ゼンキ「なんでもいつもより強めのやつとやるらしい。」

 

~ プロメテウス艦橋(ブリッジ) ~

 

ゼンキ「それじゃあ今日も行くか。」

 

N:ゼンキはいつものように機体に乗り込み発進した。

出撃したゼンキの目の前に現れたのは、細長い胴体に髑髏(どくろ)のような仮面を被った生物のような雰囲気を出してる相手だった。

 

ゼンキ「ん?あいつは・・・。」

 

セイギ「そいつはコード3「SKL」(エス・ケー・エル)だ。」

 

ゼンキ「スカル・・・、確かに髑髏模様があるけど。」

 

N:ゼンキが機体を走らせ、敵に迫る、その時・・・。

 

ピィーンッ!

 

甲高い音とともに敵の目前で機体が停止した。

 

ゼンキ「なんだよこの壁は!」

 

~ プロメテウス艦橋(ブリッジ) ~

 

マリア「何・・・あの壁。」

 

ミカ「マスター、あれはAGフィールドです。」

 

マリア「AGフィールド?」

 

ミカ「イエス、正式名「ALLGUARDフィールド」、同質かより強い性質のものでないと突破するのはほぼ不可能の絶対領域。」

 

マリア「そんな・・・ゼンキ、大丈夫かしら。」

 

~ 戦場 ~

 

N:対峙してからあらゆる武装を試したもののすべてAGフィールドで止められてしまう。

 

ゼンキ「クソ!このままじゃ一方的にやられるだけだ、何とかしないと・・・。」

 

N:ゼンキは敵のAGフィールドを止めるための決め手を考えてた。

 

ゼンキ「こうなったら未調整だけど、一撃にすべてを込めて撃つしかない!」

 

N:そう言うとゼンキは機体のシステムを立ち上げ始めた。

 

ゼンキ「機体セーフティーロック解除、フルモード承認、リミッター規定値まですべて解除、機体出力全面開放、Rドライブ全て臨界、全エネルギーを攻撃に転用。」

 

N:次の瞬間機体が青白く光りだし、機体のあらゆるところから噴出したエネルギーがビームの刃へと変化していく。

 

ゼンキ「ハイパーフリーダム、バーストモード、起動!」

 

~ プロメテウス 艦橋(ブリッジ) ~

 

ミカ「プロトハイパーフリーダムの全リミッター解除を確認、規定外まで出力上昇。」

 

マリア「まさかゼンキ、バーストモードを!?」

 

N:バーストモード、それは機体のリミッターをすべて開放し、ただ敵を破壊するためのモード、ただし、パイロットにかかる負担をすべて無視しているため、常人がこのモードを発動すると、肉体が破裂するほどである。

 

マリア「無茶よ!まだあのシステムは未完成なのよ!もしうまく稼働しても肉体がついていけないわ!」

 

~ 通信 ~

 

マリア「ゼンキ!無茶よ!今すぐシステムを切って!」

 

ゼンキ「大丈夫さ!このくらいなんでもない!安心しろ、俺も、ハイパーフリーダムもこの程度じゃどうってことない!」

 

N:モニター越しにゼンキは笑顔で答える。

 

ゼンキ「頼む、俺を、プロトハイパーフリーダムを信じてくれ!」

 

N:ゼンキの意思を受けて、マリアは強くうなずく。

 

マリア「わかった。」

 

N:通信を終えたゼンキは今まさに敵機に突撃を仕掛けようとしてた。

 

ゼンキ「こりゃあ負けるわけにはいかねえな、踏ん張っていくしかない!」

 

N:既にプロトハイパーフリーダムは出力限界まで高まっていた。

 

ゼンキ「よし!それじゃ行くぞ!プロトハイパーフリーダム、フルドライヴバァーストォ!」

 

N:ゼンキは機体を刈り、まっすぐに敵機へ突撃していった、両者が激突する瞬間まばゆい光が放たれ、プロメテウスにいたマリアは目を覆った。

 

マリア「い、いったい何が!」

 

N:光が消え去り、ゼンキが決死の攻撃を仕掛けた「結果」がそこに現れた。

 

マリア「あ、あぁ・・・、そんな・・・。」

 

N:そこには、微動だにせずぐったりしたプロトハイパーフリーダムの頭部をつかんだSKLの姿があった。

 

ミカ「コード3SKL健在、損傷軽微、対してプロトハイパーフリーダム、全システム停止、パイロットの生死不明。」

 

マリア「生死・・・不明?そんな・・・。」

 

ミカ「コード3SKL攻撃続行。」

 

マリア「え?」

 

N:プロトハイパーフリーダムの頭部をつかんだSKLの手から光の槍のようなものが伸び、何度も何度も何度もその頭部を穿つ(うがつ)。

 

マリア「やめて・・・。」

 

N:マリアが悲痛に叫ぶもそれが届くはずもなく無情にプロトハイパーフリーダムの頭部は抉(えぐ)られていく

 

そして・・・

 

マリア「やめてぇええええええええええええええ!」

 

N:止めと言わんばかりに突かれた一撃は、プロトハイパーフリーダムの頭部を貫き、背後にある大岩に叩き付けられた。

 

マリア「そんな・・・ゼンキ・・・。」

 

ミカ「敵機、次はこちらをロック。」

 

N:ミカの言葉にマリアは、はっと我にかえる。

 

マリア「プロメテウス、ネオマキシマ砲用意!」

 

ミカ「敵機未知数、ネオマキシマ砲未調整、敵機撃墜率・・・。」

 

マリア「これは命令ですっ!ネオマキシマ砲用意!」

 

ミカ「・・・了解。」

 

N:マリアは涙にぬれる瞳を必死に開きネオマキシマ砲発射準備に入る。

 

ミカ「ネオマキシマ砲発射まで5、4、3、2、1・・・。」

 

マリア「ネオマキシマ砲、発射っ!」

 

N:プロメテウスから一筋の巨大な光線が発射される、そしてそれは敵機を飲み込もうとした・・・が。

 

その光線は敵機の直前で全て弾かれた。

 

マリア「嘘・・・。」

 

ミカ「敵機AGフィールド展開、全て無効化されました。」

 

N:マリアは絶望に沈んだ、ネオマキマ砲が防がれた以上、他の武器でも

防がれることは目に見えたからだ。

 

マリア「これじゃ・・・なにも・・・。」

 

マリアが絶望しようとしたその時・・・。

 

ミカ「・・・システム起動を確認。」

 

マリア「え?ミカ、いまなんて。」

 

ミカ「プロトハイパーフリーダムシステム起動を確認」

 

N:マリアが戦場を見てみると、先ほどまで倒れていたプロトハイパーフリーダムが起き上がっていた。

 

マリア「ゼンキ!無事なの!?ゼンキ!?」

 

N:返答はない、ただ、プロトハイパーフリーダムが動いているのは紛れもない事実だった。

 

そして・・・。

 

???「ぐぅおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 

N:咆えた(ほえた)、今確かにプロトハイパーフリーダムは天に向かって激しく吠えた。

 

マリア「なに・・・あれ」

 

ミカ「不明、私のデータにも該当するものはありません。」

 

???「ぐぅうううううううううううううううううううう」

 

N:プロトハイパーフリーダムは唸り(うなり)ながら敵機へ猛スピードで突進する。

 

しかし

 

ミカ「敵機、AGフィールド展開。」

 

マリア「無茶よ、ネオマキシマ砲ですら貫けなかったのに・・・。」

 

N:その時だった。

 

ミカ「プロトハイパーフリーダムも同種のバリア展開、相手のAGフィールドを同化、侵食していきます。」

 

N:そしてプロトハイパーフリーダムは相手のAGフィールドを紙のように引き裂いた。

 

マリア「あのAGフィールドをいとも簡単に・・・。」

 

N:プロトハイパーフリーダムが相手を殴り、蹴り、その腕を引きちぎる、その様はまるで捕食者と被捕食者、そして・・・。

 

???「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 

N:プロトハイパーフリーダムが口を開き相手に食らい付く、そう、敵を食っているのである。

 

完全に破壊された後にはプロトハイパーフリーダムが静かにたたずんでいた。

 

マリア「プロトハイパーフリーダムを回収!光研究所へ帰投します。」

 

ミカ「了解」

 

N:そうしてマリアたちは光研究所へ帰投していった・・・。

 

第三話 完

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