着いた。ここだ。」
俺達がたどり着いた建物は豪邸とはいかないが、普通の一軒家よりは大きい建物だ。そう、ここは妖術管理局神奈川支部である。
「ただいま、任務完了したぜ。」
「お帰りなさい局長さん。ご苦労さま。」
出迎えてくれた後ろに髪を束ねた身長140cmくらいの女の子の局員、桜井(さくらい)明日華(あすか)だった。
「ただいま、明日華ちゃん。」
「お帰りなさい。その人が新しい局員さん?」
「はい。か、金重(かねしげ)悠斗(ゆうと)と言います。」
緊張のせいでかストレートに伸びた金重の髪が汗で濡れている。勇敢な顔つきもすごく濡れている。臭い。
「身だしなみが乱れているぞ。」
「そうだよ、リラックスリラックス。」
「しかし、このような場所じゃ。」
「俺みたいにリラックスすれば大丈夫。」
「城ヶ崎さんはリラックスし過ぎです。」
確かに局長とはいえ、リラックスし過ぎかな?と思いつつ髪を手で乱した。
「あぁ、局長としてのイメージが・・。」
「いいの。俺はこんな奴だから。」
「とはいえ、城ヶ崎さんも見習ったらどうですか?そんな乱れた髪に真ん中のチャック開けっぱなし、そんな女の子寄りの顔だから周りの女の子に可愛いって言われるんですよ。」
山岡はダメ出しした所を指差しながら言った。
「こ、これは俺のファッションだ。悪く言うな。それと顔は関係ないだろ。」
俺と山岡がくだらないことになっている間に扉がガチャッと開いた音がした。
「今戻りました。」
「おう、お帰り。」
古臭いマントを着たクールなショートカットの男が入って来た。山川(やまかわ)だ。短期間壁外調査から帰ってきたが、本来の時間よりだいぶ遅かった。
「お前、また監視区域から出ただろ。」
「言いましたよ。入隊したら自由にさせてもらうと。」
命の壁の外は三段階の区域に分かれている。壁に近い側から避難発令区域、警戒区域、監視区域の三つである。避難発令区域は壁の中の住民が避難する程「妖」が壁の近くにいる。大体約0~10kmが避難発令区域である。次の警戒区域は壁から約10~50kmの地点である。この区域は「妖」を討伐する命令が初めて出る区域である。局員たちが総員で「妖」を狩る為にどこで何をしていても「妖」を狩りに向かわなければならない。監視区域はその名の通り「妖」を監視する区域である。約50~100kmの地点なので妖を狩りに向かおうと思ったら壁から離れてしまったということがあるので、局員たちはいつでも出られる準備をするエリアである。すなわち、100kmより外は監視しない区域なのに山川は出ているのだ。
「頼むよ。自由にしていいとは言ったが監視区域から出ていいとは言っていない。」
山川は俺の話を少しも聞く気がないのか、金重のほうを見ていた。
「君か?新入り。」
「はい、金重悠斗と言います。」
「すぐ死ぬような名前だな。」
「山川!全く、お前と言う奴は。」
俺が怒鳴ってからすぐに山川は俺のほうを向いた。
「死にそうな奴に死ぬと言って何が悪いんですか。」
「言葉を選べ山川!新入りだぞ!」
その時、支部のアラームが鳴り始めた。妖が警戒区域に入った。
「話の続きは後でやる。総員、出撃準備!警戒区域に向かうぞ!」
次回、問題点があるかもしれない戦闘シーンです。