インフィニット・ブーステッド・ギア(凍結中)   作:空振り

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第十四話

 クラス対抗戦当日。

 俺はアリーナ……ではなくアリーナの外にいた。

 

 『試合が見れないのは残念だな』

 

 しょうがないさ、アリーナにいたら閉じ込められてしまう。

 この辺りに監視カメラがないのは確認済みだ。

 さて行くぞ……

 

 「禁手(バランスブレイク)

 

 『Welsh Dragon Balance Breaker!!!』

 

 赤い光が俺の体を包み、禁手の鎧が現れた。

 

 『禁手の鎧も久しぶりだな』

 

 まったくだよ、IS学園に来てから通常の神器すら出していないからな。

 

 『BoostBoostBoostBoostBoost!!!!!』

 

 とりあえず何回か倍加しておこう。

 

 『BoostBoostBoostBoostBoost!!!!!』

 

 む? 何かがIS学園に近づいてくるな……

 

 『あれが無人のISか?』

 

 だろうね。

 とりあえず、『赤打鉄』を部分展開して一夏と鈴の会話を盗み聞きしつつ、倍加しながら、登場の機会を伺うとしよう。

 

 

 

 

 「もしかしてあのISは無人機なんじゃないか?」

 

 一夏のそんな声が聞こえた。

 鈴がそんなはずはないと否定している。

 

 『そろそろだな?』

 

 ああ、一夏が相手は無人機だと気づいたようだな。

 いきなり無人機と一緒に現れたら敵かと思われてしまうし、無人機だと分かっていない状態で無人機を破壊したら一夏たちに人殺し! とか言われてしまうからな。

 

 『では行くぞ? 相棒』

 

 よし、『赤打鉄』の部分展開を解除してと。

 これだけ倍加すればいいだろう、行くぞ!

 

 『JET!』

 

 俺は空に飛び出した――

 

 

 

 

 

 「今度はなんだ!?」

 

 一夏よ、今度は神器だぜ?

 

 「また無人機? でもISコアの反応がない?」

 

 そりゃISコアは神器の奥底に入れてあるし、反応はないと思うぞ? 鈴。

 

 

 

 さて敵の無人機――ゴーレムを見る。

 ゴーレムはこちらを観察しているようだ。

 ゴーレムにとってこの状況は想定外らしい。

 忍殺語で言うならテストに出ないよお……といったところか。

 

 敵が動かないなら……こちらから行くぞ。

 地面を蹴り、俺はゴーレムに向かって跳んだ。

 

 「早い!?」

 

 お前らISが遅すぎるんだよ。

 一気に距離を詰めた俺はゴーレムに情け無用の顔面パンチを打ち込んだ。

 

 

 メキメキィ!

 

 

 絶対防御をぶち抜いてゴーレムの頭部パーツが吹っ飛んでいった。

 これがゴルフならホールインワンも夢じゃなかったな。

 

 ちなみに絶対防御に対してだが、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の能力である透過は使っていない。

 純粋にパワーでぶち抜いただけだ。

 まあ、元々透過は使えないが……

 

 頭部パーツを失ったゴーレムは残った手足で俺を攻撃してきたが……

 なんだこりゃ?

 静電気のほうがまだましだぞ。

 

 『あれだけ倍加したのだ、並みの攻撃では相棒を傷つけることは不可能だろう』

 

 効かないけど鬱陶しいし、手はもぎ取るか。

 俺はゴーレムの両手を引きちぎり、そこらに投げ飛ばした。

 足は踏みつけて破壊する。

 

 「うげっ……」

 

 一夏も鈴も目を逸らしている。

 あー無人機が相手とはいえショッキングだったかなー

 残った胴体を放置し、俺は一夏と鈴がいる方向を向いた。

 

 一応これ初めての実戦だったんだぜ?

 血肉踊る闘いなんて最初から期待していないが、弱すぎる……

 闘うと言うより、人形を壊したと言ったほうが正しい。

 人間相手だと手加減しないと確実に殺してしまう。

 このゴーレム戦は本気で闘っても被害者を出さなくて済むから期待していのに……

 

 

 つ ま ら な い

 も っ と 俺 は 闘 い た い

 

 

 

 こんな人形壊しではない、もっとお互いを高め合う闘いがしたい!

 

 『やれやれ、まあおっぱい狂いや殺戮者にくらべればましか』

 

 なあドライグ予定通り俺の変わりに喋ってくれ。

 手加減ありで一夏と闘おう。

 

 『まったくドラゴン使いが荒いな相棒は、まあ相棒が喋ったら声でばれるから仕方あるまい』

 

 頼むぜ。

 

 

 

 

 「なんだよ! お前は何者なんだ!」

 

 聞かれたのなら答えないとな。

 

 『我が名は赤龍帝、赤き龍帝、ドライグ』

 

 「赤……」

 

 「龍帝……?」

 

 『俺は世界最強の兵器であるISがどれほどの強さを持っているか気になったのでな、苦戦しているようだからお前たちの獲物を横取りさせてもらったぞ』

 

 「獲物だって……? お前はISじゃないのか?」

 

 『こんなガラクタと一緒にするな、製作者がもう少し己の力を鍛えれば話は別だっただろうが……今のままでは闘いにすらならん』 

 

 赤龍帝とISじゃレベルが、ランクが違いすぎる。

 

 『お前たちはどうだ? 俺を満足させるほど強いのか? お前たちの力を見せてみろ』

 

 「なんでお前なんかと闘わなきゃいけないんだ!」

 

 「そうよ! 赤龍帝だかなんだかしらないけど、いきなり出てきて何様のつもりよ!」

 

 まあごもっともではある。

 仕方あるまい、ブロリーごっこでもするか。

 

 『仕方ない、お前たちが闘う意思を見せないのなら、この島を破壊し尽くすとしよう』

 

 俺はほんの少しだけ闘気を開放する。

 開放された闘気でアリーナ全体が揺れている。

 みんなごめんな、怖がらせて。

 

 「なっ! やめろ! みんなは関係ないだろ!」

 

 『ならば俺と闘うか? 闘わないのなら……』

 

 「分かったよ! そんなに闘いたいなら俺が相手をしてやる!」

 

 『それでいい、さあ来るがいい、先手は譲ってやる』

 

 

 

 

 「でも一夏、シールドエネルギーが……」

 

 鈴は不安そうだ。

 ゴーレムとの闘いで一夏はシールドエネルギーを相当消費しているようだ。

 

 「大丈夫だ、俺に考えがある、鈴、俺に向かって衝撃砲を撃ってくれ」

 

 「でもそんなことをしたら……」

 

 「いいから! 時間がないんだ!」

 

 「……もう! どうなっても知らないわよ!」

 

 衝撃砲と共に一夏が突っ込んでくる。

 一夏は鈴が放った衝撃砲のエネルギーを吸収し零落白夜を発動させながら斬りかかってきた。

 

 「いっけぇぇえ!」

 

 

 ガキィン!

 

 

 『筋は悪くない、だが力が足りなさすぎる』

 

 俺は変形した雪片弐型を片手で掴んでいた。

 余裕すぎる。

 

 「嘘だろっ……!」

 

 『残念だがこれが現実だ』

 

 俺は雪片弐型ごと一夏を投げ飛ばした。

 よく飛ぶ、よく飛ぶ。

 

 「うあっ! シールドエネルギーがっ……」

 

 白式はエネルギー切れのようだ。

 相変わらず燃費が悪い。

 

 『まあ、次に期待と言ったところか』

 

 

 

 なんだか騒がしくなってきたな……

 どうやら学園のIS部隊が到着したようだ。

 

 『まあまあ満足したと言ったところか、俺はこの辺で帰るとしよう』

 

 「まて! どこに行くつもりだ!?」

 

 『寝床に帰るだけさ、織斑一夏、次に合う時までにもう少し強くなっておけ』

 

 『JET!』

 

 俺は空に浮かび上がる。 

 いくつかのISが追いかけてきたが赤龍帝に追いつけるはずもなく。

 こうして俺はIS学園から脱出した。

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