なお織斑くんは原作通り電話帳を捨ていたことが判明した。
でかでかと重要って書いてあっただろ!?
ワンサマーは馬鹿(確信)
『相棒はなんだかんだでしっかりISの勉強はしていたからな』
まあな。
白騎士事件が起こったあたりで純粋なハイスクールD×Dの世界じゃないことはわかっていたからな。
あと単純にロボット物は大好物だったからISの勉強はあんまり苦じゃなかった。
だけど……
『駒王町も駒王学園も存在していなかったことを知った時は驚いたぞ』
二つの世界が混ざった世界なんだろうと油断していたが……
そんなことはなかった。
兵藤一誠とドライグという二つのハイスクールD×D要素が入り込んだインフィニット・ストラトスの世界。
そう考えざるを得ないほど、この世界にはハイスクールD×D要素がなかった。
調べても調べても何も出て来なかったのだ。
天使? 悪魔? 堕天使? そんなもんねぇよ。
どうすりゃいいんだよ、この
「誰か助けてくれ……」
駄目な主人公君ですねー。
情けない男だよワンサマー君は。
「おいおい大丈夫か?」
「お前はたしか兵藤一誠、だよな?」
「そういう君は織斑一夏君だったかな?」
なんだかジョジョっぽい紹介になちゃったな。
いやジョジョ世界だったら質問を質問で返すなあーっ!!って怒られるか?
「いやそんな堅苦しい言い方じゃなくていいから、一夏って呼んでくれよ」
「そうだなじゃ、俺もイッセーって呼んでくれ」
「おう! よろしくなイッセー!男同士、これから頑張ろうな!」
ガシッ、と握手を俺たちは交わした。
これから先IS学園の男子生徒が増える可能性はかなり低い。
男子?生徒ならこの後増えるが……
ともかく貴重な男だ、仲良くやっていこう。
……とか思っていたら。
「ちょっとよろしくて?」
「ん?」
この圧倒的なちょろインのフィール! これはっ!
「まぁ! なんですのその返事は。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度があるのではなくて?」
でたっ! セシリア・チョロコットさんだっ!
「悪いな。俺、君が誰だか知らないし。なあイッセーは知ってるか?」
「知ってるぜ? 確かイギリス代表候補生のセリシアじゃなくてセリエAとかそんな感じの名前の人だろ?」
間違いやすいよねセシリアとセリシア。
「なんて人たちですの! わたくしの名前はセシリア・オルコット! 二度と間違えないで! わたくしの名はセシリア! セリシアでもセリエAでもありませんわ!」
「セリエAのあたりは流石にわざとだスマンスマン」
セシリアさんが激おこプンプン丸でいらしゃる誰か何とかして差し上げろ(無責任)
「そちらの方は少しは教養があるように見えましたのに……」
「あ、質問いいか?」
「ふん、下々の者の要求に応えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ」
そういやチョロコットさん貴族でしたっけ。
ISはそんなに真面目に見たわけじゃなかったから結構細かいとこ忘れてるな。
「代表候補生ってなに?」
出 た よ。
さすが、主人公! 俺にできない事を平然とやってのけるッそこにシビれもしないし、あこがれもしないけど。
「あのなあ一夏、そんなのちょっと考えればわかるだろ? 代表の候補生だ」
「それくらいはわかるさ、でも一体何の代表の候補生かなって」
もう駄目な気がする。
いろいろとワンサマーは手遅れだ。
「国の代表のIS操縦者の候補生だ、ようするに専用機って言うそこら辺のISとは違うすっごいISを持ったエリートだ、わかったか?」
「そう、国家代表IS操縦者の候補生として選出されたエリートなのですわ! 本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡……幸運なのよ。その現実をもう少し理解していただける?」
「おお、すごいのはわかったぜ、でも――センヨウキってなんだ?」
これは駄目かもわからんね。
「大体ISについて何も知らないくせに、よくこの学園に入れましたわね。男でISを動かせると聞いて、多少期待していましたのに、期待外れも良い所ですわ」
「俺に何かを期待されても困るんだが」
ワンサマーは自分がどんな状況に置かれているのかを理解できていないみたいだな。
これは原作の一夏もこの傾向が強かったからある程度は覚悟していたが、本当にこいつこれからこんなんで大丈夫なんだろうか?
「ふん。まあでも?わたくしは優秀ですから、ISの事で分からないことがあれば、泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ。何せ、わたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」
「入試ってISでの模擬戦のヤツか?それなら俺も倒したぞ、教官」
このへんも原作通り、と
ISを動かして間もない一夏が教官を倒せたのも主人公補正のなせる技か。
相手の自爆が勝因とはいえ勝利を呼びこむほどの主人公特有の強運……
やっぱり
「わ、わたくしだけと聞きましたが?」
「女子ではってオチじゃないのか?」
ピシッ、
まるで氷にヒビが入ったような音が聞こえた気がした。
幻聴かな?
「つ、つまり、わたくしだけではないと……? もしかしてあなたも?」
「俺か? 普通に負けたぜ? 思うように動けなくてな、そのまま負けたんだ」
禁手の『赤龍帝の鎧』で空中戦は慣れてるから余裕だべ、とか思ってたら、まるで思うように動けなくてそのままやられたんだよな、山田先生強すぎ。
『赤龍帝の鎧と違ってISは相棒にとって見れば拘束具でしかなかったからな』
そうなんだよねぇ、禁手と違って自由に動けないわ、ようやく動けると思ったら動きがクソ遅いわでさんざんだったなぁ。
『
はいはい、そんなこと言わなくてもISなんかよりドライグさんのほうが凄いのはわかってるから。
『いや……! そんなつもりは!』
キーンコーンカーンコーン
おや、チャイムが鳴ったようだ。
「っ……! まだあとで来ますわ!」
三流悪役のような捨て台詞を言って、チョロコットさんは自分の席に戻って行った。