『デュエル回もする』『姉妹の仲直り回もする』 「両方」やらなくっちゃあならないってのが「作者」のつらいところだな覚悟はいいか?
俺はあんまり出来てない。
俺と刀奈が大人の階段(意味深)を登った次の日……
要するに月曜日の放課後。
「簪ちゃんと仲直りしたいなぁ」
「そう言えばまだ仲直りしていなかったか」
原作のイベントが起これば仲直りは出来ると思うが……
「そんなの待ってられない!」
ですよね。
「じゃあ話し合いとかは……その顔はまだやってない感じか?」
「うん……簪ちゃんに拒否されるイメージしか沸かなくて……どうしよう?」
どうしようと言われてもなぁ。
……む?
ふと机の上でデュエルしている女子生徒が目に入った。
俺と一夏がデュエルディスクでデュエルしてからIS学園ではデュエルがトレンドだ。
箒とセシリアが一夏と一緒にデュエルするためにやり始めてから、デュエルの奥深さにハマった女子生徒が徐々に増えはじめ、今じゃ放課後になるとみんなデュエルしている……
これ、使えるんじゃないか?
「なあ楯無、簪はデッキを持っているのかな?」
「確か持っていたはずだけど……」
ちなみに刀奈はデッキは持っている。
俺とデュエルをするために、用意してくれたのだ。
刀奈さんマジ最高の彼女。
「じゃデュエルだ! デュエルで語り合え!」
「へ? デュエル?」
「まともに話しても上手くいきそうにないなら、まともじゃない方法でいくしかないだろ?」
「そうかもしれないけど……」
「準備は俺がするさ」
ここが整備室か……
ちなみにのほほんさんから居場所を聞いた。
「かいちょーとかんちゃんの仲直りのためならいいよ~」
とのことだ。
「あなたは……二人目の……」
「やあ、更識簪さん、俺は兵藤一誠、君の言う通り二人目の男で――」
「お姉ちゃんの彼氏さんが何のよう?」
冷たい視線だ……
やばい逃げたい。
が逃げていたら話が進まない。
「デュエルをしてくれないか?」
俺はデュエルディスクを構えて簪にデュエルを持ちかけた。
「へ?」
「もちろん
俺はコレクターズパック 運命の決闘者編の箱を見せた。
昨日の日曜日の帰りにカードショップに寄り、買ったやつだ。
あとでゆっくり刀奈と一緒に開封するつもりだったが……
「…………」
ああ、この子もデュエル好きなんだな。
穴が空きそうなほど箱を見ているよ。
打鉄弐式の完成のために殆ど土曜日曜は整備室にいるのだからカードを買いに行く暇なんてなかったんだろう。
「……どこでデュエルするの」
「花壇でデュエルしてもらおうと思ってね、ああ、このデュエルディスクは君に貸すよ俺はもう一台あるからね」
俺はデュエルディスクを簪に預けて整備室をあとにした……
「簪ちゃん来るかな……」
「これがあるんだ、絶対に来るさ」
不安そうな刀奈も可愛い。
……おっと来たようだ。
ただ、簪はのほほんさんと一緒みたいだが。
「お姉ちゃん……! なんで……!」
凄い目で俺の方を見ている。
女の子がそんな顔しちゃ駄目でしょ。
「俺は別に『俺が』デュエルしてほしいとは一言も言ってないぜ?」
「かんちゃん、かいちょーとデュエルしよ?」
のほほんさんに諭され諦めたのか簪は無言でデュエルディスクを構えた。
「簪ちゃん……」
「…………」
簪は何も答えない。
「じゃあ簪ちゃん、始めようか……デュエル!」
「……デュエル」
簪 ライフ8000
刀奈 ライフ8000
「先攻は私だね、私は手札から真紅眼融合を発動!」
真紅眼融合
通常魔法
「真紅眼融合」は1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、
自分はこのカードの効果以外ではモンスターを召喚・特殊召喚できない。
(1):自分の手札・デッキ・フィールドから、融合モンスターカードによって決められている融合素材モンスターを墓地へ送り、「レッドアイズ」モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターのカード名は「真紅眼の黒竜」として扱う。
「私はデッキのデーモンの召喚と真紅眼の黒竜を墓地へ送り、悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンを融合召喚!」
悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン
融合・効果モンスター
星9/闇属性/ドラゴン族/攻3200/守2500
レベル6「デーモン」通常モンスター+「レッドアイズ」通常モンスター
自分は「悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):このカードが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。
(2):融合召喚したこのカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、自分の墓地の「レッドアイズ」通常モンスター1体を対象として発動できる。
墓地のそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
その後、そのモンスターをデッキに戻す。
悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン……イラストもカッコ良かったが、ソリッドビジョンになるとよりカッコイイな。
『ふん』
[お父様のほうがカッコイイですよ?]
拗ねるなよドライグ。
「さらに私は手札から黒炎弾を発動! 3200のダメージを受けてもらうよ」
黒炎弾
通常魔法
自分フィールド上の「真紅眼の黒竜」1体を選択して発動する。
選択した「真紅眼の黒竜」の元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
このカードを発動するターン「真紅眼の黒竜」は攻撃できない。
簪 ライフ8000→4800
上手いぞ刀奈、もともと先攻は攻撃できないからデメリットは関係ない。
「手札から黒鋼竜の効果発動! 悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンに装備!」
黒鋼竜
効果モンスター
星1/闇属性/ドラゴン族/攻 600/守 600
(1):自分メインフェイズに自分フィールドの「レッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。
自分の手札・フィールドからこのモンスターを攻撃力600アップの装備カード扱いとしてその自分のモンスターに装備する。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「レッドアイズ」カード1枚を手札に加える。
「私はこれでターンエンド」
真紅眼融合は通常召喚が出来なくなるデメリットがあるから、しょうがない。
せめてなにかセットしておけばよかったが……後はモンスターカードしかないからそうもいかない。
「簪ちゃん、私はこのドラゴンと同じで大きくて、強くて、立派でないと楯無に相応しくないと思っていた。 でもそれが簪ちゃんにとって負担になっていたんだね……」
簪は何も言わない。
「私の……ターン、ドロー」
後攻は先攻と違いドローと攻撃が出来る。
「私は手札からダーク・ヴァルキリアを召喚……」
ダーク・ヴァルキリア
デュアルモンスター
星4/闇属性/天使族/攻1800/守1050
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、このカードに魔力カウンターを1つ置く事ができる。
このカードの攻撃力は、このカードに乗っている魔力カウンターの数×300ポイントアップする。
また、このカードに乗っている魔力カウンターを1つ取り除く事で、フィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。
簪のデッキは【デュアル】か?
「この子も私と同じ、何の能力も持たないし、何も出来ないモンスター」
「違うよ! 簪ちゃんは――」
「うるさい! 私はスーペルヴィスを発動」
スーペルヴィス
装備魔法
デュアルモンスターにのみ装備可能。
装備モンスターは再度召喚した状態になる。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードが墓地へ送られた時、自分の墓地に存在する通常モンスター1体を選択して特殊召喚する。
【デュアル】の3枚積み前提の必須カード、スーペルヴィス!
「再度召喚されたダーク・ヴァルキリアの効果発動! 魔力カウンターを1つ置き、さらに魔力カウンターを1つ取り除いて悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンを破壊!」
ダーク・ヴァルキリアが放った魔力が悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴンを破壊した!
「この子と同じで私だって出来るのに……誰も私を見ようとしない! 更識家のみんなが見ているのは、いつも私の先にいるお姉ちゃん!」
「簪ちゃん……あなたはね……」
「何をやってもお姉ちゃんと比べられるし、お姉ちゃんは私と違って何でも一人で出来るし! それでもお姉ちゃんは私に大丈夫だって、あなたは今のままでいいって言うけど……正直それは、私は……何も出来なくって良いって、そう言われてる気分だった」
刀奈は、ハッとした顔になった。
『あなたは今のままでいい』とまたそう言いそうになったのだろう。
「……黒鋼竜の効果で真紅眼の黒炎竜を手札に加えるね」
「私はダーク・ヴァルキリアでダイレクトアタック!」
刀奈 ライフ8000→6200
「おろかな埋葬でダークストーム・ドラゴンを墓地に送って、カードを一枚伏せてターンエンド」
ダークストーム・ドラゴン
デュアルモンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻2700/守2500
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。
フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。
「私のターン、ドロー!」
刀奈 現在の手札 4枚
「私は手札から伝説の黒石を召喚」
伝説の黒石
効果モンスター
星1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0
「伝説の黒石」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードをリリースして発動できる。
デッキからレベル7以下の「レッドアイズ」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):このカードが墓地に存在する場合、
自分の墓地のレベル7以下の「レッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをデッキに戻し、墓地のこのカードを手札に加える。
「伝説の黒石の効果でデッキから真紅眼の黒炎竜を召喚!」
デュアル・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000
(1):このカードはフィールド・墓地に存在する限り、通常モンスターとして扱う。
(2):フィールドの通常モンスター扱いのこのカードを通常召喚としてもう1度召喚できる。
その場合このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に発動できる。
このカードの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
「真紅眼の黒炎竜」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない
「簪ちゃん『お姉ちゃんは私と違って何でも一人で出来る』って言ったよね? それは違うの、このデッキだって一誠と一緒に作ったし、私のIS、
「でもお姉ちゃんは! 私に出来ないことが全部出来て! いつも余裕があって!」
「余裕なんてない! いつもギリギリでそれを悟られないように毎日必死だし! 更識楯無って名前に泥を塗らないようにがんばって! 楯無になった日からもう泣かないって決めて!」
二人共、お互いの感情をぶつけ合っていた。
「簪ちゃんを更識から守ろうとしたの……」
更識家であるというだけで危険などが簪に襲ってくる。
それを自分が完璧な十七代目更識楯無になることで簪を守ろうと刀奈は思っていた。
……だがそれが簪にとって重圧になっていたとは。
「『もう泣かない』って今泣いてるよ? お姉ちゃん」
「簪ちゃんだって泣いてるじゃない」
二人ともボロボロと涙を流していた。
それが可笑しかったのか、二人共泣きながら笑いだした。
「私ね、簪ちゃんは自由でいてほしかったの、私が更識の宿命を全部背負うから、代わりに簪ちゃんにはやりたいことをやってほしかった、無理に私になろうとしないでほしかった」
「『あなたは今のままでいい』ってそういう意味だったんだね、あのねお姉ちゃん私、お姉ちゃんの後ろは嫌なんだ、お姉ちゃんの背中を追いかけるのも、お姉ちゃんの後ろにいてお姉ちゃんに守ってもらうのも、もう嫌」
「簪ちゃん……」
刀奈は不安そうだが簪は別にお前から離れようとしているわけじゃないと思うぞ?
「私はお姉ちゃんの隣にいたい、前でも後ろでもなく隣。 一緒に歩いていきたいの、一緒に苦楽を共にしたいの、だって私だって『更識』だもん」
「簪ちゃん、でも……」
「私が、更識簪が、お姉ちゃんの手伝いをやりたいの。 お姉ちゃんは私がやりたいことをやってほしいんでしょ? だからね? いいでしょ?」
「ごめんね……簪ちゃん私、お姉ちゃんなのに……辛かったのは簪ちゃんのはずなのに……」
「いいんだよ、お姉ちゃん。 お姉ちゃんは凄い遠くにいる気がしたのにこんなに近くにいたんだね」
「簪ちゃん……!」
「私の方こそごめんね。 お姉ちゃんに冷たくしてごめんね……」
二人はいつの間にか抱き合ってお互いに謝り合いながらまた泣き続けていた……
『美しき姉妹愛だな』
ああ、そうだな……
二人が仲直りできてよかった……!
[主様、お父様なにか忘れていません?]
あっ
「おい、デュエルしろよ」
「あっ……!」
「忘れてた……」
俺の声で自分たちがデュエル中だったことを思い出したらしい
「簪ちゃん私の手札みた?」
「見てないよ、だから大丈夫」
「じゃデュエル再開だね、私が勝ったら、あの箱は一誠と一緒に開封するから」
「ずるいよ、だったら私が勝ったらお姉ちゃんと一緒に開封するからね」
「あ、そう言う? だったらお姉ちゃん負けないぞ?」
「お姉ちゃんを彼氏さんに渡さないんだから、お姉ちゃんは昔みたいに私と一緒に遊ぶの!」
お互いにいい笑顔だ。
「私は真紅眼の黒炎竜で簪ちゃんのモンスターに攻撃!」
「させない! 私は伏せていたデュアルスパークを発動!」
デュアルスパーク
速攻魔法
自分フィールド上に表側表示で存在するレベル4のデュアルモンスター1体をリリースし、フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。
選択したカードを破壊し、デッキからカードを1枚ドローする。
「ダーク・ヴァルキリアをリリースして真紅眼の黒炎竜を破壊! ……そして1枚ドロー! さらにスーペルヴィスの効果でダークストーム・ドラゴンを蘇生!」
「いいカードを引けたみたいだね、簪ちゃん、私はこれでターンエンド」
「私のターン! ドロー!」
いいカード、さて何をドローしたかな?
「私は手札から死者蘇生を発動! 対象は……真紅眼の黒炎竜!」
死者蘇生
通常魔法
(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
「真紅眼の黒炎竜を再度召喚! バトル! ダークストーム・ドラゴンで攻撃!」
突風が刀奈を襲う!
「きゃあっ」
「まだまだ! 真紅眼の黒炎竜で攻撃! 黒炎弾!」
今度は真紅眼の黒炎竜の黒い火炎球が刀奈を襲った!
刀奈 ライフ6200→3500→1100
「まだ私のライフは残っているよ!」
「それはどうかな?」
「なにっ!」
ノリいいなーこの姉妹。
「真紅眼の黒炎竜の効果発動! このカードの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える! これでお終い!」
刀奈 ライフ1100→0
「あーあ簪ちゃんに負けちゃった」
「勝った……そういえば私初めてお姉ちゃんに勝った……」
「ほい、勝者にはこのコレクターズパック 運命の決闘者編を贈呈します、パチパチー」
「お~やったね、かんちゃんパチパチ~」
「じゃお姉ちゃん一緒に開封しよ? あ、彼氏さんは来ちゃ駄目だよ?」
「うん! じゃごめんね? 一誠」
「しょうがないさ、今度は姉妹二人で楽しみな」
雨降って地固まるってやつだな。
次回はラウラたちが登場予定。