「あれが噂の転校生?」
「妹の名前を叫んだらしいけど」
凄い数の野次馬だ。
この包囲網をなんとか乗り越え、アリーナの更衣室へ行かなければならない。
捕まったら最後だ。
質問攻めに始まり、質問攻めが原因の授業に遅刻、遅刻したことによる織斑先生による楽しいお☆仕☆置☆きが待っている。
十割確定のこのデスコンボはなんとしても回避しなければならない。
「凄いな……」
「ぼやっとしてないで行くぞ、シャルル。 一夏は例の準備は出来たか?」
「ああ出来たぜ、シャルルも千冬姉のお仕置きはもう嫌だろ?」
「確かにアレはもう喰らいたくないな」
一夏が写真を取り出し、叫んだ。
「ほら! みんな見てくれ! 千冬姉のプライベート写真だ!」
一夏は写真を適当な方向にばら撒いた!
よし!
包囲網に穴が出来た!
「あそこから突破するぞ!」
ひたすら走り続け、なんとかアリーナの更衣室にたどり着いた。
「はぁっはぁっ、とりあえず一安心だな、時間は……ちょっと余裕あるかな」
時計を見た一夏がそう言った。
俺はともかく普通の人間があのペースで走るのはかなり大変だ。
一夏も体力ついてきているんだな。
「改めて自己紹介するぜ、俺は織斑一夏、一夏って呼んでくれ」
「で、俺が兵藤一誠だ。 みんなからはイッセーと呼ばれているんだ」
「一夏にイッセーだな、よろしく。 俺はシャルル・デュノアだ、そうだな……シャルロットもいるし、シャルルと呼んでくれ」
「よろしくなシャルル、と着替えないとな、織斑先生の授業に遅れたら大変だ」
俺と一夏は制服を脱ぐ。
ちなみに俺と一夏は制服の下にISスーツを着ている。
「む……! なるほど、あらかじめISスーツを制服の下に着ておくのか」
「ああ、こうしておいたほうが、時間短縮にもなるし、便利だぜ?」
「今度からそうしておくとしよう」
シャルルは制服を脱いでいる。
こいつ結構鍛えているな……
やっぱりと言うかなんというか、胸にサラシとかは巻いてなかった。
うん女じゃない。
……シャルルがシャルロットだったらいろいろとセクハラ出来たのに。
そこだけが残念だ。
「では、本日から格闘及び射撃を含む実戦訓練を開始する」
この授業は二組との合同のようだ。
シャルロットと同じ空間にいるのが嬉しいのか、シャルルは凄い良い笑顔だ。
右も左もISスーツを着た女子でいっぱいだ。
ISスーツって結構きわどいよな……
まあ、俺には刀奈がいるから別に興味ないけど!
「あわわわ! 皆さん、ど、どいてください~っ!」
なにかと思ったらISを展開した山田先生だった。
いつも思うが山田先生の平衡感覚は大丈夫なんだろうか?
「ま、負けた……」
「参りました……」
あのあと原作通り、セシリアと鈴のペア対山田先生の模擬戦があったが、山田先生の勝利に終わった。
残念ながら当然の結果だな。
ただセシリアと鈴は原作とは違いちゃんと連携はとれていた。
いつも一緒に一夏と特訓しているおかげだ。
それでも負けたのは単純に山田先生の実力が二人を上回っていたからであろう。
いつものドジな山田先生とは違う一面が見れたな。
「まさか山田先生が勝つなんて」
「意外か一夏? 俺もこの学園に入る前の試験の相手が山田先生だったから分かるけど、あの人かなり強いぜ?」
あの時は慣れていないIS戦だったとはいえ、ボコボコにされたからな……
マジ山田先生強い。
「さて、これでお前たちもIS学園教員の実力は理解できただろう。 以後は敬意を持って山田先生に接するように」
これで山田先生の扱いが少しは良くなるだろう。
……山田先生のドジが直らないと根本的な解決にならない気もするけど。
「そういえば、シャルルとシャルロットのISってどんなのだ?」
まあシャルロットはラファール・リヴァイヴ・カスタムIIだろうけど、シャルルはなんだろうな?
同じラファールだろうか?
動画で見たのは普通のラファールだったが……
「俺とシャルロットのISか?」
「僕らのISはね、デュノア社のラファールだよ」
デュノア兄妹はISを展開した。
二人ともやはりラファールでシャルロットはオレンジ色、シャルルは渋い銀色だ。
「僕のがラファール・リヴァイヴ・カスタムII、全距離対応万能型でお兄ちゃんのがラファール・リヴァイヴ・カスタムIIIで近接寄りの万能型だね」
「近接寄りの万能型か、イッセーが使っている奴に近いのかな?」
「万能型と言っても、俺が主に使うのはこいつだ」
ブレッド・スライサーだったか?
シャルルは近接用ブレードを肩に担いでいた。
「俺はシャルロットほど器用でも才があるわけでもないからな、未だに銃火器はコール無しでは呼び出せないんだ」
「そうなのか……そういえばイッセーはもうコール無しでも出せるんだよな?」
「ああ、楯無の協力もあって、今じゃかなり早く出せるぞ、ほら」
俺は赤打鉄の新武装である
龍牙は元々あった近接用ブレードの葵をベースにミナコがドライグの力を流し込んでパワーアップさせた物だ。
武装は増えていないが、パワーアップしてたわけだ。
刀身が赤くなっているが、それだけではない。
[この龍牙はわたしの体と同じで一瞬だけ威力などを倍加出来るんです! でも十秒間のクールタイムがいるので連続使用や倍加の重ねがけは出来ないんですけど]
ちなみにミナコは元々あったアサルトライフルの焔備をベースに
おい、そういえばどうしてレーザーライフルをミナコは作れたんだ?
[ブルー・ティアーズちゃんからコアネットワーク経由でスターライトのデータを貰えたんです! いい子ですよ? あの子]
それって国際問題になりそうな……
[でもミナコも自己進化のやり方を教えて上げたので、そのうちセシリアさんもブルー・ティアーズちゃんと対話出来る様になると思いますよ?]
Win-Winの関係だから問題ない……のか?
『他の人のことをちゃんと考えて行動できるミナコは偉いなぁ。 よし、こっちに来なさいいい子いい子して上げるから』
[わーい!]
なんだか親子みたいだ。
「一夏君っ! 危ない!」
俺たちがISを展開して談笑していた時だった。
何者かが一夏を狙った!
「ありがとう、シャルロット」
「別にいいよ、近くにいたから守れただけ」
「いったい一夏を狙ったのは誰だ! 出てこい!」
箒さんおこである。
いきなりの攻撃に俺も少し怒ったが、俺よりも箒、セシリア、鈴の方が怒っていた。
自分より怒ってるいる人を見ると冷静になるよね。
犯人は大体想像がつくけど……
「アレは……」
そこには黒いISを展開したラウラがいた。
「知っているのか? 鈴電!」
「誰が鈴電よ! アレはたしかドイツの……」
「シュヴァルツェア・レーゲン……ですわね」
黒い雨という意味だったか。
「いきなり、なにをするんだ!」
ラウラは一夏をきつく睨みつけた。
「……私は認めない。 貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」
そう言えばラウラさん、一夏に平手打ちをしてなかったね。
するタイミングを逃したというか。
あっ! そうか、ラウラの平手打ちは「~した時、~できる」という「時の任意効果」だったんだね。
あとで気づいたことだがこの時一番怒っていたのはラウラでも、箒でも、セシリアでも、鈴でもなく――
「この世に言い残しておきたいことはそれだけか? クソッタレドイツ女」
シャルルだった。
凄まじい怒気をはらんだ声を出しながらラウラを睨みつける。
「な、なんだ、お前には関係ないだろう!」
「関係はある、なぜシャルロットを攻撃した?」
「あの女が勝手に当たっただけだ」
「そうか……なおのこと貴様を許す訳にはいかんな」
もの凄いスピードでシャルルはラウラに向かって飛んでいった!
あれは……
「ぐっ!」
「許さん」
なんだあの剣は……
ブレッド・スライサーとは形が違うぞ?
ラウラもプラズマ手刀で謎の剣と競り合っているが……
徐々に押されている。
「ちょっと考えれば分かるだろう……! シャルロットは見た目だけが天使じゃないんだ……! そんな天使のシャルロットが攻撃されようとしている人を見捨てると思うか! 答えろっ!」
「あの女のことなど知るか!」
「絶対に許さん。 シャルロットを傷つける奴は殺す。 シャルロットを泣かせる奴は殺す。 シャルロットから笑顔を奪う奴は絶対に殺す。 シャルロットを傷つけたという大罪はお前のクソみたいな命で償え」
「落ち着け、シャルル!」
だがシャルルは俺の声が聞こえていないのか、ラウラへの攻撃をやめない。
みんなやめるよう言っているが……
「お兄ちゃん、もうやめて!」
シャルロットがそう言って初めて攻撃をやめた。
「シャルロットの優しさに感謝するんだな……」
「う、あ……」
ラウラは崩れ落ちた。
命に別状はないようだ……
ラウラは軍の人間だぞ?
それをここまで追い込むなんて……
シャルル・デュノア。
転生者ではないみたいだが、ヤバイぞこいつ……
『相棒』
どうした? ドライグ。
『シャルル・デュノアが使ったあの剣……恐らく聖剣だ』
なぬ!?
この世界に聖剣があるとは思えない……ということは
『ああ、シャルル・デュノアの神器は聖剣創造だろうな』
原作のD×Dだと木場や、英雄派のジャンヌが持っていた神器だ。
所有者のイメージする聖剣を創造する強力な神器。
シャルルが持っている神器はこれだろう……
「シャルロット……ごめんなさい」
「僕じゃなくてラウラって娘に謝ってきなさい! お兄ちゃんが僕のことが大好きなのは分かるし、僕もお兄ちゃんが大好きだけど、女の子を泣かせちゃいけません」
「はい、謝ってきます……」
……さっきラウラを倒した男と同一人物だよな?
「ごめんなさい、またお兄ちゃんが暴走して……」
「いえ、あなたのお兄様が怒るのも無理はないと思いますが……」
「でも僕に怪我はありませんから、ほら! ラウラだよ、謝ってくる!」
意識を取り戻したラウラがこちらに向かって来た。
「分かった……すまなかったなラウラ・ボーデヴィッヒ」
「いや……私も悪かった。 私がお前の立場で、シャルロットが教官だったら多分、私も我を失うほど怒っていたはずだ」
おや? 素直に謝った。
起きる前になにか織斑先生に言われていたが、それが影響しているのか?
「だが織斑一夏、お前があの人の弟であることは、認めないからな……」
そこは変わらないのね……
オリIS紹介コーナー
名称:赤打鉄
世代:第二世代
国家:日本
分類:近接両用型
装備:近接ブレード『龍牙(りゅうが)』
レーザーライフル『龍炎(りゅうえん)』
仕様:防御シールド高速修復
概要:日本の量産型ISであり、シェアは世界第二位である打鉄をベースに禁手の力で改造されたIS。
打鉄は火力に難があり、単機での運用は向かなかったが、一瞬だけ使える倍加の力でその問題を克服している。
ただ元になった打鉄は全ISの中で最も『換装装備(パッケージ)』が多かったが赤打鉄はバススロットを禁手のデータで埋め尽くしているため『換装装備(パッケージ)』を使うことが出来ず、打鉄の強みの一つが死んでしまっている。