インフィニット・ブーステッド・ギア(凍結中)   作:空振り

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第二十三話

 お昼だ。

 ご飯を食べよう!

 ということで、俺と刀奈は屋上でお弁当を一夏たちと食べることになった。

 

 俺と刀奈は土曜か日曜にデートに行くことにしている。

 まあ、最初が、アレだったからね。

 だからあの時刀奈の母親に言われた通り、いっぱいデートをしている。

 何か用を見つけては学園の外に買い物という名のデートに行っているのだ。

 で、デートの時に今度から一緒にお弁当を食べようという話になり、俺と刀奈はお弁当箱を一緒に購入している。

 俺用の超特大の弁当箱なんてIS学園には置いてないし。

 

 「一夏、どうだ? このきんぴらは会心の出来なんだが……」

 

 「それもいいけど、あたしの酢豚も食べなさい!」

 

 「一夏さん、わたくしのサンドイッチもどうですか?」

 

 そして俺たちが仲良くお弁当を食べるのを見て触発された三人娘が今日からお弁当を持ってきている。

 

 「僕たちもいいのかな? なにも持って来てないけど……」

 

 「ああ、俺たちは本当になにも持ってきていないぞ?」

 

 「構わないさ、ちょっと多めに作ってしまったからな」

 

 箒が持って来たのは重箱だからな……

 ちょっとのレベルじゃない。

 シャルルとシャルロットの分くらいは余裕でありそうだ。

 

 「じゃあ箒のきんぴらから……美味しい! みんな食べてみろよ! 凄い美味しいぞ!」

 

 いいのか? 箒。

 箒の方を見たが笑顔で頷いた。

 

 「では遠慮無く、いただきます……ピリッ辛くて旨い!」

 

 こいつは旨い!

 

 「おねーさんも一口……ホントだ! 美味しいよ、箒ちゃん!」

 

 刀奈も気に入ったようだ。

 刀奈も結構辛い食べ物が好きなんだよね。

 甘いものはもっと好きみたいだが。

 

 「このきんぴらというものは初めて食べましたが……美味しいですわね」

 

 「ぐ、悔しいけど美味しいわね……次はあたしよ!」

 

 次は酢豚か。

 

 「どれどれ……これも美味しい! 懐かしいなぁ、よく鈴の家で食べた味だ!」

 

 鈴の家は中華料理屋だったか?

 

 「お父さん直伝よ、懐か美味しいでしょ? みんなも食べていいわよ!」

 

 では一口。

 

 「これは……!」

 

 「プロの味ね!」

 

 俺と刀奈はお弁当のご飯と一緒に酢豚を食べたが……これが旨い!

 

 「一夏、ご飯と一緒に食べると美味しいぞ!」 

 

 「そうなんだよな、俺もご飯と一緒に……って鈴、ご飯は?」

 

 鈴が持っているのは酢豚の入ったタッパーだけだ。

 

 「あ……しまった!」

 

 「仕方ないな、ほら一夏、ご飯だ、持っていけ」

 

 「箒、サンキュー! ……旨い! やっぱりお米に合うぜ!」

 

 シャルロットとシャルルはひたすらきんぴらを食べている。

 顔を見る限り、気に入ったようだ。

 

 「次はわたくしですわ!」

 

 セシリアが出したのは……サンドイッチだ。

 ……なんだろう。

 ぱっと見普通のサンドイッチなのに、猛烈に嫌な予感がする……

 

 「今度はサンドイッチか! いただきまーす! ……」

 

 元気よく食べた一夏だったが、どんどん顔が曇ってゆく……

 

 「ウグッ!」

 

 「おい一夏! 無理して飲み込まなくていい! このティッシュに吐きだせ!」

 

 俺は一夏にティッシュを渡す。

 

 「……ありがとう、イッセー」

 

 「そ、そんな!」

 

 セシリアはショックを受けているようだが……

 俺は一夏の歯形のついたサンドイッチを調べてみた。

 ……!

 気のせいじゃないなら、食べ物が出してはいけない臭いがする!

 

 「この写真の通りに作ったのに……なぜですの!?」

 

 セシリアの持っている写真を見てみた。

 確かにセシリアの作ったサンドイッチは写真のサンドイッチによく似ているが……

 この写真、作り方などは書いていないみたいだ。

 まさか。

 

 俺はもう一度サンドイッチの匂いを嗅いだ。

 これは……!

 絵の具だ!

 小学校の図工の時間でさんざん嗅いだ匂いだ!

 

 「おい、セシリア、このサンドイッチに絵の具を使ったか?」

 

 「へ? どうしても写真の通りにならなくて使いましたが……」

 

 使っていたよ……

 イギリス人はメシマズってホントやな。

 ふと、箒の方を見ると、箒はめちゃくちゃにキレていた。

 ここまで怒っているのは初めてだ。

 

 「なぜ! 食べ物に! 絵の具を! 使うんだ!」

 

 「ひぇ! だ、だって……」

 

 「だってもクソもないわよ! 食材が可愛そうじゃない!」

 

 鈴も激怒していた。

 

 「セシリアちゃん、このサンドイッチ、味見した?」

 

 「そう言えば……更識さん、わたくし味見をしていませんでしたわ」

 

 「していないなら、口に近づけてみて? 食べなくていいから」

 

 セシリアは自分が作ったサンドイッチを口に近づけた。

 ……セシリアの顔が歪んだ。

 

 「これは……」

 

 「食べれないでしょ? でもよかったセシリアちゃんは味覚はまともみたい」

 

 「ううう、なんでわたくしはこんなことを……」

 

 「完璧にこだわりすぎたのね、ねえセシリアちゃん、この玉子焼き食べてくれる?」

 

 刀奈は不格好な玉子焼きをセシリアに出した。

 

 「え、でも……」

 

 「いいから、形はともかく味は保証するから」

 

 「では……美味しい」

 

 セシリアは意外そうだ。

 

 「ね? 別に見た目が悪くても美味しいことがあるのよ、逆に見た目が良くてもセシリアちゃんのサンドイッチみたいに食べれないものもある。 見た目に騙されちゃ駄目よ?」

 

 「まあ、料理は見た目も良くて味が良いのが一番だけどね」

 

 「もう! ちゃんと見た目も良くして行くから! ちょっと待っててね? 一誠」

 

 そう、この玉子焼きは刀奈が今朝作ったものだ。

 俺の弁当箱にも入っている。

 俺たちの弁当作りは共同作業だからな。

 

 「へ? まさかこの玉子焼き……」

 

 「そ、私が作ったの、意外だった?」

 

 「だってあなたは、いつも完璧で……」

 

 「うん、いつも完璧な生徒会長を目指して頑張っている、あなたと同じ普通の女の子よ?」

 

 「そんな……」

 

 ノーバディズパーフェクト、誰も完璧じゃない。

 そういうことだね。

 

 「仕方ない、セシリア! 後で私と来い! 料理についてゆっっっくり教えてやる」

 

 「そうね、あたしも付き合うわ、あんたの料理で一夏が殺されたら、たまったもんじゃないわ」

 

 「あ、僕もいいかな? このおいしいきんぴらの作り方知りたいし」

 

 「あらあら、じゃ、おねーさんも参加しようかな?」

 

 「皆様……! ありがとうございますわ!」

 

 なんだかお料理教室をやることになったようだ。

 

 

 

 「そう言えば、シャルル、止めないのか?」

 

 「む? 何をだ?」

 

 「いや、お料理教室をやることになったら、シャルロットと一緒の時間が減るんじゃないか?」

 

 このシスコンがそれを許す気がしない。

 

 「そうかもしれないが……それよりも、シャルロットの女友達が増えてくれた方が嬉しい。 シャルロットはちょっと事情があって、今は友達がいないんだ……」

 

 「そう……か」

 

 シャルルはシスコンではあるが……妹思いのいいお兄ちゃんでもあったようだ。

 

 

 

 「また鈴の親父さんが作った中華料理が食べたいなぁ」

 

 無事復活した一夏は酢豚を食べていた。

 

 「あーじゃお父さんの店に行く?」

 

 「あれ? あの店潰れたんじゃ……?」

 

 「お母さんと離婚したあとは違うところでやっているのよ」

 

 離婚、という単語にデュノア兄妹が反応した。

 

 「そっか、元気かな……」

 

 「前に電話したときは元気だったわよ?」

 

 「む? 離婚したのではないのか?」

 

 箒が不思議そうだ、まあ離婚したら家族の繋がりって壊れちゃうもんな。

 

 「別に、両親の仲が悪いから離婚しただけで、娘のあたしとしてはあたしのお父さんはあの人だけよ」

 

 「そうか……どうした? 二人とも箸が止まっているぞ?」

 

 「あ、いや箸ってやっぱり使いづらいなーと」

 

 「そうそう、フォークがあればよかったなーと……」

 

 この二人は父親との確執が恐らくあるだろうし……そういうことなのだろう。

 

 

 

 食事が終わり皆が屋上から教室へ帰りだしたとき……

 

 「なあ、生徒会長、話があるんだ」

 

 シャルルとシャルロットだ。

 

 「ん? 何かな? あ、一誠は副会長だから」

 

 そう、俺は副会長なんだよな。

 あの日簪と一緒に渡された紙の時点で副会長の文字があった。

 

 「どうかしたのか?」

 

 「ここの生徒会は特殊だと聞いているけど僕たちの事情も知っているよね?」

 

 「もちろん!」

 

 笑って誤魔化しているが、彼氏の俺なら分かる。

 アレは内心、「え? なにそれ聞いてない」と考えているな。

 

 「今をもう時間がないし、後で生徒会役員室に来てくれない?」

 

 「分かった。 だがその生徒会役員室はどこだ? 俺たちは今日来たばかりだから学園のことは分からん」

 

 「俺が案内するよ、クラスも同じだし、放課後でいいよな?」

 

 「うん、いいよ」

 

 こうして俺があとで案内することになった。

 

 

 

 「ねえ一誠、分かる?」

 

 「刀奈が分からないことは俺にも分からないよ、ドライグ分かる?」

 

 『俺に聞くのか? 確か本来ならシャルル・デュノアはスパイではなかったか?』

 

 そのことか?

 いやでも自分の事をスパイだと初日から言うスパイがいるか?

 分からない。

 どういうことだろう?

 

 「あとで虚ちゃんに聞いておくね……」

 




オリIS紹介のコーナー

名称:ラファール・リヴァイヴ・カスタムIII
世代:第二世代
国家:フランス
分類:近接両用万能型
装備:物理シールド(腕部装備型)
   近接用ブレード『ブレッド・スライサー』
   アサルトライフル『ヴェント』
   他多数
装甲:衝撃吸収性サード・グリッド装甲(特殊軽量化仕様)
概要:機動性重視のカスタムⅠをベースに近距離寄りの万能型として開発された、フランスの男性操縦者シャルル・デュノアの専用機。
   秘密兵器として謎の近接用ブレードがデータに登録されているが、バススロットに存在が確認されていない。
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