インフィニット・ブーステッド・ギア(凍結中)   作:空振り

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第二十四話

 「連れてきたぞー」

 

 午後の授業が終わり、俺はデュノア兄妹を生徒会役員室に連れて来た。

 

 「ようこそ、生徒会へ」

 

 刀奈の扇子には「歓迎!」と書いてある。

 ……そういえばこの扇子のこと刀奈に聞いていなかった。

 俺は刀奈に近づいて聞いた。

 

 「分かったのか?」

 

 「今度はもう大丈夫。 一誠は私の隣にいて?」

 

 りょーかい。

 

 

 

 

 「で、君たち二人は自分たちをスパイとして送り込んだデュノア社を告発する――でいいんだよね?」

 

 告発!?

 穏やかな話じゃないな。

 

 「ああ、俺とシャルロットはIS学園に保護を求めたい」

 

 「そこは問題ないよ、生徒会は生徒の味方だから」

 

 「ちょっと待ってくれ、俺は詳しい話を聞いていないんだが」

 

 どういう状況だ? これ。

 

 「一誠はそうだったね、結果から言うとフランスはIS開発から撤退する、そういうことよ」

 

 ?

 余計に分からん。

 

 「俺が説明しよう、イッセー、デュノア社は今低迷しているのは知っているな?」

 

 「ああ、ラファール・リヴァイヴは名機だが所詮ラファールは第二世代、他の国はどんどん第三世代へ移行してるのにフランスは付いていけてなくて、それでデュノア社も数年前から経営不振に陥っているんだよな?」

 

 「その通り、もうデュノア社に新しいものを作る力は残っていないんだ、技術者もデュノア社に見切りをつけて他社に流れてしまった。 そこで俺の親父とフランス政府の一部の人間はデュノア社を小さくして、今までに売ったラファールの整備や修理をメインにしていくつもりだった、だが……」

 

 「お兄ちゃんはISを動かせてしまった。 お兄ちゃんが世界に発表されたとき、デュノア社の株が馬鹿みたいに上がったの」

 

 それは知っている。

 今まで低迷してたデュノア社の株がシャルルが出た途端にバグったような上がりかたをしたと、シャルルを調べているときに見た経済関連のニュースで言っていた。

 

 「そしたら、フランス国民の期待も馬鹿みたいに上がった、「きっとデュノア社は第三世代のISを作れる」ってな」

 

 「でも、さっきお兄ちゃんが言ったようにもうデュノア社に新しいものを作る力は残っていないの、本当に限界なんだ……」

 

 「国民の期待は上がり続けている、だからデュノア社を小さくするなんて出来ない、でもデュノア社には第三世代のISを作る力はない。 八方塞りさ」

 

 「そこで、意図的に不祥事を起こすことになったの、あらすじはこう」

 

 第三世代ISのデータが必要になったデュノア社。

 デュノア社はシャルル・デュノアとシャルロット・デュノアをスパイとしてIS学園に送ることを決める。

 デュノア社にスパイ行為を受けさせられたシャルル・デュノアとシャルロット・デュノアは表向きはデュノア社に従ってIS学園に向かう。 

 IS学園に到着したあと、自分たちがスパイとして送り込まれた事を学園に話しデュノア社の不正を暴露する。

 スパイとして送り込まれたのはデュノア社を騙し、安全に内部告発を成功させる為。

 

 「……ということになっているの」

 

 「これで、デュノア社は信用を失い、小さく出来るし、俺はIS学園に保護されるから怪しい研究所で非合法な実験を受けずにすむ、というわけだ」

 

 「非合法な実験……」

 

 やばいな、おい。

 

 「非合法じゃない実験はしたんだ、だけど調べても調べても、俺がなぜISを動かせるのか、分からないことしか分からなかったんだ。 これ以上は俺の命が危ない、そう考えて俺の親父は俺とシャルロットをIS学園に送ったんだ」

 

 「でもなぜシャルロットも? いないとシャルルが暴走するからか?」

 

 「それもあるけど……この三年の間に僕が国家代表になるためだよ、ここなら、IS操作の腕も上げられるしね。 そして僕が国家代表になることでお兄ちゃんを国家代表の兄として守ることが出来る、今度は僕がお兄ちゃんを守るんだ」

 

 なるほど……

 

 「楯無、これって……」

 

 「うん、大人たちにはもう話が行っているみたい。 私たち生徒会の仕事は学園内でシャルル・デュノアとシャルロット・デュノアを守ること。 急に来たんだよ!? もうちょっと早くからこういうのは言っといて欲しいんだけど!」

 

 楯無といえど所詮は17の小娘とナメられている証拠かね?

 

 

 

 

 ここなら、大丈夫だろう。

 

 「なあ、シャルル、お前はなぜ自分がISを動かせると思う?」

 

 「さあ? 俺が聞きたい。 血液取ったり、ISに長時間乗らされたりしたが分からんと言われているしな」

 

 「普通に調べたら分からないだろうな、普通じゃ」

 

 「……なにが言いたい?」

 

 シャルルが俺を睨む。

 

 「心当りがあるんじゃないのか? 普通の男は持っていないであろう特別な力とかさ」

 

 「まさか……」

 

 俺は左腕を突き出し、神器を呼び出す。

 

 「出ろ、『赤龍帝の籠手』」

 

 俺の左腕に神器、『赤龍帝の籠手』が装着される。

 

 「これが俺の神器、『赤龍帝の籠手』だ」

 

 「私も神器を持っているよ? この『神託の神鏡』がそう」

 

 俺たちが神器を出したのが意外だったらしく、デュノア兄妹は驚いていた。

 

 「セイクリッド・ギア……それがこの力の名前か……確かに俺も特殊な力を持っている」

 

 「お兄ちゃん……」

 

 「大丈夫さ、ISの部分展開ではないようだし……来い!」

 

 シャルルの手に聖剣が現れた。

 

 「こうやって剣を出すのが俺の力だ、セイクリッド・ギアという名前だったか?」

 

 「ああ、お前のは多分――」

 

 『聖剣創造だろう』

 

 「喋った! お兄ちゃん、喋ったよ!」

 

 「ああ、これはいったい……」

 

 いきなり出てくるなよ……

 

 『なにいいじゃないか、どうせ神器のことを話すつもりだったのだろう?』

 

 まあ、そうだけど。

 

 

 

 

 

 

 ドライグを交えての神器の説明も無事終わった。

 

 「こことは違うまったく別の世界があって……この力はそこの神様が作った奇跡だったのか」

 

 『そういうことだ、この世界は俺が前にいた世界と結構違いがある』

 

 「信じてるくれるか?」

 

 「信じるさ、ただこの力がなかったらまず信じなかっただろうが」

 

 それは仕方ない。

 

 「で、その白龍皇? が来たら俺もこの世界を守るために戦ってくれと?」

 

 「頼めるか? 俺一人じゃ多分、この世界を守りきれないし、ISじゃ弱くて戦力外なんだ」

 

 シャルルの神器が戦闘向きな神器でよかった。

 

 「いいだろう、シャルロットを守るついでにこの世界も守るとしよう」

 

 シャルロットのついでか……

 まあ、そこは俺も人のこと言えないけど。

 

 「しかし、神器のバグか……」

 

 「心当りがあるか? 何か変なことがあったりとか」

 

 「変といえばこの力そのものがそうだが……まあ、ある、シャルロットいいか?」

 

 「うん、いいよ、この人たちなら信用出来そうだし」

 

 何かあったようだ。 

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