『元』デュエリストが『現』デュエリストになる物語   作:(無言の腹パン)

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応援とキョウフ

 

 

外はもう舞網チャンピオンシップでわんさかわんさか。

ああ、煩い。

大人から子供、お年寄りまでもが舞網チャンピオンシップに注目している…玄関でそれだけわかった。

そして郵便物を見る。……やっぱり来てた。

 

ピンクの封筒。

 

俺はそれを手に取り、中身も見ずにビリビリに破いた。

中身を見ずとも、もうわかっているから。

 

「……チッ」

 

どんだけ俺を追い込めれば気が済む。

デュエルなんて、もう俺はしないのに。

……くそ、やっぱ最悪だ。家で大人しくしていれば…と、もう玄関で後悔した。

だが決めた事だ。俺はそのまま足を進めた。

 

 

そのあとに何があったか?なんもなかったよ。だから言う必要はないと思ったんだ。

 

 

そして、舞網チャンピオンシップ当日。

 

 

 

俺は会場にいた。

 

「………………」

 

待て待て待て待て。

いや、まず俺がここにいるのがおかしい。俺は美園に呼ばれて来てみたらちょっとこっち来てって言われて来たのが会場なんだがふざけんなよおい美園どこだ叩き潰す。

 

「ここにいるけど?」

「そこになおれ殴る」

「丁重にお断りします」

「逃げるな」

 

俺は美園の首根っこを掴んだ。うえって言ったが無視だ。相変わらずナルシみたいな格好しやがって…‼︎

 

「今‼︎ここで‼︎殴る‼︎」

「暴☆力☆反☆対」

「やっべそれでさらにイラついたわ20発追加でいい?いいな?よし覚悟しろ」

「まじでごめん冗談」

 

…と、茶番★をやりつつ本題に入る。

 

「で、なんでここに俺を呼んだ?」

「応援よろしく」

「ふざけんなよ」

「学校来なかった罰として」

「それは謝るが別だろ⁉︎」

 

どうやらこいつは俺に応援させたいらしい。絶対嫌だ。

 

確かに、俺はあの後ずっっと学校に行ってなくて不登校気味だったが…それとこれとは別だろうと反論する。

え?と美園は満面の笑みで地獄の言葉を放った。

 

「いいのかな?あーあ折角苺大福奢って君の顔面にチョコ鍋ぶっかけようと思ってたのに」

「お前は俺を応援させたいのかさしたくないのか訳わからん」

 

いや苺大福は欲しいよ?でも応援してくれたらチョコ鍋もぶっかけるって言ってんだぜ?まじふざけんなよ⁉︎

そして俺の心の中は決まった…それは。

 

「テレビで応援するから頑張」

「ここで応援しろ元」

「イデデデデ首捥げる‼︎ただでさえお前力強いんだからな⁉︎」

 

俺は美園の手をチョップさせる事でなんとか窒息死だけは免れた。てかマジで痛いもうこいつ嫌だ。

と、一人の少女がこっちに走ってくる…確かあいつは、あの時塾対戦にいた。

 

「美園さん‼︎次私達の番だよ⁉︎」

「ああ、ごめんごめん。じゃあよろしくねー深夜」

 

美園は少女に引っ張られる形で別れた。

……ちょっと待て、確かあの少女塾対戦で俺が味方した方にいたよな?

待て待て待て待てちょっと待て。

俺は現実逃避しながら見やすいところへと移動した。

 

 

 

『ーーー次は、遊勝塾‼︎』

(ふざけんなァァああああああああああああ‼︎‼︎‼︎)

 

俺は心の中で叫ぶしかなかった。

いやまずいつ入ったそして何故入ったお前塾に入るようなやつだったか腹黒いお前にその生暖かい雰囲気は耐えられるのかおいエスパー答えてみろ‼︎と俺は心の中で美園へ愚痴を言っていた。

 

「…………………」

 

美園が睨んできたなにあれ怖いすんませんでした。

俺は土下座をかましそうだったが、民衆の前でそんな無礼な事は出来ない。ここは我慢しよう(したくないが)。

最後は天下のLDSですねはい知ってた。

……あ、沢渡だ。

俺が見る先には、手を振る沢渡の姿。あいつ怪我治ったのか。早いな。

そんな沢渡が俺の視線に気づいたのか、俺の方へ手を振ってきた。

俺もふり返す。沢渡は笑って前へ向いた。

 

俺の予想だと、沢渡は相当強いと思うんだ。

赤馬零児よりはまだまだだが、恐らく榊遊矢や美園と良いデュエルをしそうだ。これはみもーー。

 

「ぁっ…いかんいかん、もう考えるな…」

 

俺は首を横に振り、榊遊矢の演説へ耳を傾けたーーー。

 

 

何も考えるな。

もう、繰り返されるな。

全て悪いのは『デュエル』なんだ。

悪いのは『あいつら』だ。

悪いのは『あいつ』だ。

 

悪いのは…何も出来なかった『俺』だ。

もう、関わらなければ何も起きないんだ。

誰も、苦しむ事もーー。

そうだ、そうだ、そうだ。

 

止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ。

 

「楽しくデュエルしましょう‼︎」

 

何が楽しくだ。

何がデュエルだ。

もう、なんも価値もない。

俺は会場を尻目に、早歩きで会場の出口へ向かった。

 

 

その彼の表情を見た人は震えながらこう言う。

 

『冷たかった』と。

 

 

 

 

ーー

 

 

 

「如月深夜の情報は」

 

赤馬零児は秘書である中島へと声をかけた。

今、舞網チャンピオンシップは一回戦へと続いている。

零児はそれを見ながら問いかけたのだが、中島は少々困っているようだった。

 

「そ、それが…厳重にロックされていて、情報が読み込めません」

「何?我々でも解けないのか、そのロックは」

「……はい、我々が知らない暗号やら、50…いや、それ以上のロックがかかっています。恐らく、時間がかかるかと」

 

時間がかかる。

それでは、いつかは解けるという事。

LDSに不可能はない。

零児はわかった、と中島に良い、右端にあるカメラへと視線を向けた。

そこには、『何も感じられない』男の姿が。

零児は考える。

 

(………彼は、ランサーズに相応しい…だが、彼は快く受け入れてくれるのだろうか?…いや、それはない。恐らく反発する…ならば)

 

彼をランサーズに入れようと、必死でーーーー。

 

 

 

 

 

全てが平穏とは限らない。

その平穏はいつか壊される。

グチャグチャに。

ドロドロに。

幸せは不幸に。

 

何も話さなかった、

 

お前らが悪い…んだ。

 

そうだ、悪いのはあいつだ。

 

悪いのはあいつだ。

 

悪いのは

 

 

俺だ。

 

結局全部が悪い。

 

誰が悪い?全部が悪い。

 

『こんな世界を創り出したーー全部が』

 

 

 

 

全部、なくなってしまえばいい。

 

 

 




すみません、待ってた人方。やっと出来ました。

と、ここで深夜と美園の事を詳しく説明していなかった…。って気づきました。
ではどうぞ。

如月深夜(きさらぎしんや)

デュエリストを辞めた中学生。だが大人びていて高校生に間違われる事が多い。
シリアスにもギャグにもなれる。苺大福大好き。
過去に何かある。そのせいでデュエリストを辞めた。だが赤馬零児とデュエルをしたり、デュエルディスクとデッキを持ち歩いているところを見ると、中々決心出来ないらしい。
だが兄の病室でデュエルディスクとデッキを置いてあるところから決意したようだ。
デュエルを毛嫌いしているように見えるが、本当に嫌っているのは『セカイ』。
デュエルの腕は赤馬零児程。本気でやればそれ以上。たまに運がいい。
容姿→黒髪ポニーテールに黄金の瞳。
服装→黒統一。黒のズボンに白のスカーフを巻く。(ちなみに左)
使用デッキ
『なるかみ』×

橘美園(たちばなみその)

深夜の親友とも言える中学生。こちらは女に間違われる事が多い。
敬語になったりしなかったりするが、本気で怒ると敬語になる。その目は殺気も思わせるほどに…怖い。チョコ鍋を平然と食べ、そのチョコ鍋で深夜を脅したりする。
深夜がデュエリストを辞めた理由は知らない。が、追求はしない。
遊勝塾に所属。実力は指折りのもの。
容姿→肩までの金髪で群小の瞳
服装→白のシャツに黒のカーディガン。黒のズボンを履いている。
使用デッキ
『???』


だが深夜には、デュエルを本気で楽しんでもらいたいと思っている。


と、いうことです。
ではまた次回。
コメント、評価などお待ちしています。
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