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では本編をどうぞ
side透流(仕事モード)
私は仕事のために過去を話すことにした。
もしかしたら俺が追っているあの組織の情報が得られるかもしれない。
「十年ほど前までは私は母親と二人で山に住んでいた。母親は夜神家十五代目として最低限の仕事しかしていなかった。私も何度か付いて行かせてもらった。だが夏のある日、家に訪ねてきた奴らがいた。そいつらは母親を裏の企業にスカウトしに来たようで母親は断り続けていた。最後は脅して来たが『夜神家』の人間に生温い脅しなど聞くわけがない。最後も母親は断っていた。母親は私を家の中に入れ、口論を続けていたようだ。少しして凄まじい銃声が聞こえてきて血だらけの母親が家に入ってきた。しかし私の近くで倒れてしまった。抱きかかえると母親は私に逃げるように言ったのだ。そう言われ私は母親の言うことを聞かず逃げなかった。幼い少年が血まみれの母親を置いて逃げるなど普通できないだろう。だが私は普通の子供のように離れたくなかったからではなくただ助けたかった。血だらけて今にも息が途絶えそうな状態の母親を助けたかったのだ。それと自分の母親をここまで傷つけたやつらに怒りを感じていた。しかしまだ幼い私には何もできずすぐに母親は息絶えてしまった。私は怒りで我を失い外にいる敵を殺しに出た。実戦経験は少ないが人を殺したことはあったから躊躇はしなかった。まあ、家系が家系だからな、幼い頃から殺しを経験させられる。敵は十五人程で三十人程の死体が地面に転がっていた。私は近くにいるやつから殺していった。その間も凄まじい量の銃弾が私に迫っていたが直撃することだけは避けていた。
ん?銃弾を見て避けるのはそんなに凄いことではないぞ?世界ではちょくちょく見るしな。それにあのときは時間がとても長く感じていた。体は異常なほど動いたし怒りでそれどころではなかった。
しかし当時の私では全員を殺すことができなかった。
半分まで減らせはしたがそれでも銃弾での傷が増えていくにつれて劣勢になってしまった。残っていたのは指揮官のような女が二人とその他五人。対する私は死んだ母親のように傷だらけ。俺の戦闘能力を見たあいつらは私を連れて行こうとしていた。私は逃げた。生きてあいつらに復讐するため、母親の思いを無駄にしないためにな。追っ手を撒き町の住宅街に出たところで私は気を失った。次に目が覚めたとき、俺は織斑姉弟の家で寝かされていた。どうやら織斑姉弟の家の前で倒れていたらしく、応急処置をして寝かせてくれていたらしい。あのままでは失血で死んでいただろう。あの二人には命を救われた。それから織斑姉弟と織斑家に住むようになった………これが『夜神家』の人間がいなくなった真実と私と織斑姉弟の関係だ」
「それが噂の真実………その企業って?」
「私が覚えているのは『亡国企業(ファントム・タスク)』と『スコール・ミューゼル』という名だけだ」
「やっぱり……」
「更織も知っていたか」
まあ、当たり前か。裏では有名な名だからな
「更織家の当主としてこれくらい知っていてとうぜんよ」
「どれほど知っている?」
「そこまで詳しいことは知らないわ。あの企業は知られてないことが多いもの」
「そうか」
やはりな。私も殆ど情報がないから当たり前か……
「それこそ有名な『便利屋のナイト』さんでもあまり知らないのかしら?」
「ああ、私は一人だからな。精々いろんな国にハッキングして情報を得るしかできない」
「それでも十分すごいと思うのだけれど……」
「データがなければ意味がない」
「たしかにそこは不便ね」
そこまで話すと生徒会室のドアがノックされ、虚が入ってきた。
「お嬢様、織斑先生から許可をいただいてきました」
「ありがとう虚ちゃん。あとお嬢様はやめてって言ってるでしょ?」
「わかりました会長」
おいおい、なんで簡単に許可を出すんだ……
「で、許可はでたからちゃんと答えて貰おうかしら?」
「はぁ……まったく、千冬さんはこっちの都合も考えずによくも許可を出してくれたものだ。いいだろう、私の仕事は千冬さん、一夏、篠ノ之箒の護衛だ。依頼人は篠ノ之束。特に一夏と箒はたちばが立場だから狙われやすい。本人たちは気づいてないみたいだがな」
「織斑君と篠ノ之さんはともかく織斑先生は自衛くらいできると思うけど?」
更織は本当に裏の人間か?
「たしかに千冬さんは強い。伊達に世界最強と呼ばれているわけではない。だがそれは表の社会の話だ。裏にはもっと強いやつなんてざらにいる。私でも奥の手を使えば勝てるからな」
私の千冬さんよりも強いという発言を聞いた更織は私の体を見て言った
「鍛えてはいるようだけど男性の割には細身の貴方が本当に勝てるの?」
………なめているのか?まあ、千冬さんが強いだけなのだが。
「伊達に『便利屋のナイト』をやってるわけではない。まあ、戦いたくはないがな」
「ふ〜ん。じゃあ次の質問をするわ。貴方のISは篠ノ之博士が作ったの?」
「さあな。それは教えられん」
「知られたくないってこと?」
「まあ、そうだな。悪いがまだ更織のことはそこまで信用できないからな。まあ、そうは言っても教えることができる人間は一夏と千冬さんと箒ぐらいだが」
さすがにあまり知られたくない。下手をすれば私がもう一人のIS製作者ということに気づきかねん。
「私が言うのもなんだけれど更織家は信用できると思うのだけれど?」
「更織家は日本政府とつながっているだろう。特にお前はロシアの国家代表だ。国や政府と繋がってる時点で警戒をせざるを得んだろう?」
「……そうね。たしかに貴方の立場からしたらそうなるわね」
更織も少しわかってくれたようだ。
「でも今のままじゃ絶対に政府がデータを開示しろって言ってくるわよ?」
「その時は黙らせるだけだ」
「い、一体何をする気なのよ……」
私の黒い笑みを見た更織が言った。
「まあ、いつかわかる。で、聞きたいことはこれで終わりか?」
そろそろ私もここを出ないと一夏の試合が見れなくなってしまう。
そう思った俺は更織に聞いた。
「そうね。今のところの疑問は全て聞き終わったわ……答えてくれないのもあったけど」
「では最後に私から一つ言わせてもらう。…私の仕事の邪魔をするなら死を覚悟しておけ」
「ッ!!」
私が殺気を出しながら言い、席を立つ。
「……ちょっと待ってくれないかしら?」
生徒会室を出ようとした俺に向かって更織が言った
「なんだ、用は終わったはずだが?」
「たしかに質問は終わったわ。けどまだ用は残ってるのよ」
「何がある?」
少しめんどくさそうに俺が聞くと
「私と組手をしましょ♪」
更織は笑みを浮かべて言い、広げられた扇子には"手合わせ”と書いてあった。その扇子はそんな使い道があったんだな。
「はぁ、それは『夜神透流』とか?それとも『便利屋のナイト』とか?」
「『便利屋のナイト』としてで良いわ。私も更織家当主としてやらせてもらうから」
今、更織と私は武道場にいるのだが、もう一夏の試合は始まっているだろうな。
はぁ、できれば試合を見ていろいろ教えてやりたかったのだが残念だ。
目の前に立っている更織胴着で準備体操をしている。
相手は単なる武力では千冬さんに劣るがだ対暗部用暗部だ。裏で活動もしているのだから油断はできない。
……最初から10%だけ開放しておくか。10%までなら制限時間もないし体への負担も殆どない。まあ、たかが通常時の5倍だ。千冬さんと全力でやるなら80%は出さないといけない。あの勘の鋭さと力は異常だ。
ちなみにわたしは10%まで開放することを『準潜在能力開放(セミオープンアクト)』と呼んでいる。
ただ両目が緋色になってしまうのが問題だ。元が碧いので余計に目立ってしまう。それを隠すためにサングラスをしているわけだが……至近距離で見れば隙間から緋色の光が漏れているのがわかるだろう。
「準備は終わったか?」
「ちょうど終わったわ。あなたはしなくていいの?」
「ついさっきまで動いていたんだ。必要ない」
「そう。じゃあ始めましょうか。相手を降参させたら勝ちでいいわね?」
更織はそう言って構えた。
「ああ、構わない」
私もそれに応えると左肩を前に出す形で半身になり、少しだけ腰を落とす。
その瞬間、場の空気が一気に変わる。少しの間双方が相手の出方を見るために動かない時間が過ぎる。
バッーーーー
先に動いたのは私だった。私は『縮地』を使い更織の後ろに回り込む。
『静』からのいきなりの『動』。しかもISで言えば瞬時加速と同じような移動で注意深く見ていた更織も反応できなかった。
いきなり消えたことに驚くも経験からの勘か、すぐにその場から離れる。その更織の少し前まで頭があった場所を私の手刀が通り過ぎる。
「は、速いわね……」
「今出せる全力で動いてるからそれなりの速いさは出る」
「じゃあ、次は私からいくわよ!」
そう言って突っ込んでくる更織の攻撃を避け、去なす。
ひとしきり更織が攻撃すると更織のスピードが落ちてきた。攻め疲れだ。そこで私は更織の突きの力を利用し、私の背の方向へ投げる。
投げられた更織はその力を利用し、ハンドスプリングとバク転をして距離をとる。
「ハァ……ハァ……一撃も当てられないなんて……」
攻め疲れで更織は肩で息している。
「ね、ねぇあなたの目って綺麗な青のはずよね?」
「ッ!!」
気づかれた。まさかあの攻防の中でそんな小さいことに気づくとは……
「どうやら今は赤く光っているみたいだけどどうしてかしら?」
「なんのことだ?それよりも更織はまだ力を隠しているようだが更織家当主として戦うのではなかったのか?」
「ッ!!」
誤魔化すとともに少し言い返してやると更織は驚く。
「まさかそこに気づくとはね…じゃあ私も全力でやらせてもらうわ!」
その瞬間更織の纏っている雰囲気が変わる
「いくわよ!あなたも手を抜かないでちょうだいね?」
そう言って突っ込んできただがさっきよりも格段に速い。
「くっ!」
捌けてはいるがさっきほどの余裕はない。それどころか少しずつ押され始めている。
仕方ない……私は20%まで開放する。
使用制限時間は5分。それまでに勝負を決めなければ……
しかし、私の攻撃も少しずつ捌かれている。私の攻撃が読まれているのか!?
「ならば!」
私は40%まで開放する。更織以上の速さで動き、攻撃の手を増やす。
更織は捌いてくるがギリギリのようだ。
そこで私は足払いをかけ、更織を倒し、手刀を更識の首に添え
「私の勝ちでいいだろう?」
「そうね、降参よ」
こうして私と更識の組手は私の勝利で終わった。
どうでしたか?
作者の文才が無いのでわかりにくかったかもしれません……
頑張って精進します。
楯無がいきなり強くなったのは理由があるんですよ〜。
まあ、それは次回に……
ということで感想待ってます!