さすがにリアルが忙しくて合間を縫って少しずつ書き溜めていたものがありますので投稿するだけで良かったのですがなにせ時が経ちすぎていましたから……
言い訳を言っても見苦しいだけなのでこれ以上は言いません。
本編をどうぞ
said透流
侵入者の対処を終えた私は更織の手当てをしながら言った
「更織は誰も殺さなかったみたいだな。いや、
「…………ええ、戦闘の前にもあなたが言ったように更織は守りの一族よ。だから殺すよりも無力化することがほとんどなのよ。と言ってもうちの中にはなんども人を殺してる人もいるわ。正直言えば私は殺しになんか慣れてない、強がってただけ。本当は殺すことが怖いのよ」
私は更織の言葉を聞いてやはりな、と思った。
「殺すことが怖いなんて暗部の人間失格よね」
そんなことを言った更識に対し私は
「殺すことが怖いと思うのは普通だ。本当にダメなのは殺すことになにも感じなくなることだ。それに勘違いしないでほしいが夜神透流という人間だって殺しなどできるならばしたくはないと思っている。受けた仕事だから仕方なくやるだけだ。たしかに殺したい人間はいる。しかしそれは『亡国機業』の人間だけであって他の人間を殺したいなどと思わない。……だが更識が辛いのなら私が全て一人でやろう。そのための夜神であり私だ」
そう。あんな殺し方をしたがあくまで『夜神透流』は殺すことを嫌う。
しかし『ナイト・ヴァーミリオン』は違う。殺すことを躊躇わず時には楽しむ。
夜神の血が血を求めてしまう。
「そ、そんなのあなたも同じじゃない!夜神だからって理由であなたが背負う必要はないはずよ!」
「それは更識であるお前もだろう」
「それは、そうかもしれないけど……」
「それに私が夜神だからと言うだけで言ったわけではない」
「どういうこと?」
「理由としては複数あるが、それをわざわざ教えるつもりも必要も無い」
「別に教えてくれたっていいじゃないの。減るものじゃないんだし」
「断る。しかし、だ。相手を殺すことに迷うのなら前線には立つな。その迷いはいずれ死に至るぞ。」
「っ………!そうね。今回みたいな奇跡が起こるとは限らないものね。色々と、考えておくわ」
「まあ、最初からISを使用すれば死ぬことは無いだろうがそれでも殺す覚悟は必要だ。個人的にはISをそんなことに使って欲しくはないが…」
「あなたって変わってるわね」
「自覚はしている。……よし、処置は済んだ。」
手当てを終えたところで立ち上がり、仕事モードから普段の自分に切り替えて言う。
「これで今日の仕事は終わりですよね?もう夜遅いので帰らせていただきます。お疲れ様でした。折れた右の鎖骨は無理さえしなければ2週間ほどで治ると思いますよ」
そう言って帰ろうとした。しかしーー
ガシッ!
楯無さんに肩を掴まれることによってそれは阻まれた。
「えっと、まだ何かありましたか?」
「誤魔化さないで教えてくれるかしら?」
「なにを?」
「り・ゆ・う・よ。あなた結局教えてくれてないじゃない」
左手一本で掴まれているため振りほどこうと思えば簡単にできる。
でも楯無さんの目を見て思った。
うん、これは教えないと帰れない感じだな〜
だってさ、楯無さんがものすごく真剣な目なんだもん。
絶対に教えるまで帰らせる気無いよ……
「わ、わかりましたよ、話しますからその手を離してください」
そう言うと楯無さんは手を離してくれた。
「……簡単に言いますと俺は大罪人だからです。今まで数え切れない人数を殺してきました。殺しだけではなく他にもハッキングでいろんな国の情報や個人のデータを入手したりしてそれを利用して来ました。それに世界を………」
「?世界がどうしたの?」
おっと、俺としたことがつい口が滑りかけてしまった。
世界を狂わせたなんて言ったら絶対余計に聞いてくる。
まだ知られるわけにはいかない。
今の状況でこれ以上めんどくさいことになるのは勘弁してほしい…
「いえ、なんでもありません。とにかく俺は罪を犯しすぎたんです。これはその償いでもあります。
自分の周りにいる罪もない人たちをできる限り守る。
まあ、結局は自己満足なのでしょうが……。それに余計に人を殺してますしね。」
俺は、死体となり地に倒れている襲撃者を見て言う。
たぶんそうだ。たかが個人や何人かの人に対して何かやったところでこの罪は償えない。
「そうね。確かにあなたは何人も殺しているしいくつもの違法行為があるわ。
だけどね、私たちが調べた結果あなたが依頼で殺した人間は全員重犯罪者かなんらかの犯罪を犯してる。またはそれに関わっている人達だったわ。
確かに殺すことは許されない犯罪よ。けれど人によってはあなたのやったことは正義とも言うでしょうね。個人的な意見で言えば私はそれでも良かったと思うわ。それなりの犯罪者だったわけだしね」
驚いた。さすがにそこまで調べているとは思っていなかった。でも…
「罪があろうがなかろうが殺したことには変わりませんよ。俺も俺に殺された人間と同じ、いや、それ以上の犯罪者です。俺は彼らの十字架を一生背負って生きていかなければいけないんです」
少人数を切り捨てることでその他多数を守る。
結局できることはこれくらいしかない。
「そんなのおかしいわ、何故あなたが犯罪者の死をずっと引きずって償い続けるの?確かに殺したという点で言えば犯罪者よ。でもあなたがやったことは決して間違ってないわ!
権力を使って罪を帳消しにしてきた汚職官僚や警察から逃げ続けて一向に捕まらない犯罪者、他にもいろんな犯罪者がいた。あなたは依頼だからやったと言うのかもしれない。
でも、依頼者の中にはお金のない貧しい人たちもいたこともわかってる。そんな人たちにあなたは依頼料を取らずに受けたこともあったって聞いたわ。あなたは犯罪者じゃない。正義の味方よ」
正義の味方、か……
「違いますよ。俺は大罪人です。俺がやったのは殺しだけじゃありませんから」
なぜかはわからないけど楯無さんが必死に俺をフォローしてくれる。
少し嬉しいかな……
どうやら『便利屋のナイト』が受けてきた依頼の内容を半分以上知ってるようだ。
でも楯無さんに何をしてきたかを言うわけにはいかない。
千冬さんと束さんにしか言えない内容だ。
まあ、二人とも知ってるけど。
「あなたが今まで私たちが把握してることの他になにをしてきたかはわからない。けど私はあなたが自分で言うほどの悪ではないと思っているわ」
「なぜそこまで俺をフォローするようなことばかり言うんですか?」
「それが事実だからよ。私は学校内でのあなたのことを見てきたし色々と調べてきたからわかるのよ。まあ、初日の発砲はやりすぎだとは思うけどね」
「学校内といってもたった数日じゃないですか。調べても出てこないことなんてたくさんありますよ?それにーー」
「それに調べられてないところではたくさんやってるって言いたいのかしら?それはないわね。自信を持っていえるわ」
「なんでですか?」
「女の勘よ」
「そんな根拠のないことでーー」
「あら、女の勘をバカにしたらダメよ?大事なことに関しては女の勘はとってもよく当たるんだから」
「だとしてもたったそれだけで決め付けていると痛い目にあいますよ」
「じゃあ、なぜ私を助けたの?」
「え?」
俺が納得していないことを感じ取った楯無さんの一言によって俺の思考は一瞬停止した。
「グレネードから私を守ってくれたじゃない。自分の身を盾にしてまで私をかばってくれた理由を聞いているのよ」
俺が楯無さんを庇った理由……
「なんででしょうね。
「じゃあ私が
「うーん…それも一部あると思いますが今回に関してはなんというか、楯無さんに傷ついて欲しくなかったっていう個人的な意思が一番大きいかもしれません」
まあ、楯無さんが死んでしまったら『亡国機業』の情報を得ることが困難になるんだけど……
そんなこと考えて行動する余裕なかったからなぁ……
人が、特に女性が傷つくのは見ていていいものじゃない。
紳士だとかそんなものは置いといてあの時は『便利屋のナイト』ではなく『夜神透流』の意思で楯無さんを守った。
その意思がどういうものかは本人である俺でもよくわからない。
けど、あの時はそうしなければならないと強く思ったのは確かだった。
「なぜかはわかりませんがそう思っていたのは確かです。ですが、個人的な感情で動くのは良くないですよね。
こういう仕事の場合個人的な感情は時として邪魔になってしまうというのに……」
そうだ。個人的な感情に流されないようにするために『便利屋のナイト』である『ナイト・ヴァーミリオン』という
今まではこんなことはなかったのになぜ今になって……
そう考えている時にふと、楯無さんを見た。
楯無さん顔はなぜかわからないが暗闇の中でもわかるほど赤くなっていた。
「楯無さん、どうしました?」
「えっ?い、いえ、なんでもないわ」
「そうですか?でも、顔がとても赤くなってますよ?
あ、もしかして体調が悪くなってきたんですか?骨が折れると気分が悪くなったりする人もいますが……」
「だ、大丈夫よ。気分が悪くなったりはしてないわ」
「じゃあ熱ですかね?……ちょっとじっとしててくださいね?」
そう言って俺は楯無さんの熱を測るために楯無さんの額と自分の額を合わせるとすごく熱かった。
「ちょっ、すごい熱じゃないですか!すぐに部屋に送りますから部屋番号をーーー」
「あっ……あ…あ…あう〜………」
俺が少し慌てていると意味のわからない言葉を発して気を失ってしまった。
「ちょっ!た、楯無さん!大丈夫ですか!?」
声をかけても起きてくる気配がない。
「とりあえず部屋まで運んであげるか………」
と言ったはいいもののよく考えると部屋番号を聞けてない。よって部屋がわからないのだ。
知る方法はあるが鍵がない。
しかも今は午前2時。当たり前だが消灯時間はとうにすぎている。今から行くのは同居人に迷惑になるだろうし変な誤解をされても色々と面倒だ。さすがに千冬さんのところには………恐ろしくて行けない。
どうしようか……
あ、生徒会室はどうだろうか。
『アーカイブ』を使ってハッキングをすれば生徒会室の鍵は開けられる。終わったらセキュリティを少し強固なものにすれば大丈夫だろうし、あそこのそこそこ値段のしそうなソファーなら寝ても問題はなさそうだ。
そう考えた俺は楯無さんを生徒会室に運びながら学校のシステムに侵入して生徒会室のセキュリティを解除し、中に入る。
楯無さんを抱きかかえているため両手は使えないがキーボードを使わなくてもある程度なら操作を行える。
目や脳波だけでやるので普通よりやりにくいしあまり高度なことはできない。
キーボードを使ってやった方が数倍早く終わるんだけど………
そう考えながら気を失った楯無さんを抱えて生徒会室に入るのであった。
はい、前話同様原作にはない話でした。
さすがに情報だけでもとても価値のあるIS学園ですから襲撃者くらいは来るだろうと思って書いてみました。
今後の投稿は皆さんの反応を見て、読んでくださる人がいればまた少しずつ投稿していこうと思っています。