東京喰種x化け狐 作:カネキ
布団から起きあがり時計を見ると朝8時すぎだった。
「はぁ、オニヤマダとも闘いたかったな~」
オニヤマダとは捜査官狩りをしていた喰種で、凄腕の捜査官が何人も殺されたらしく強かったらしい。
しかし一年ほど前に掃討されたらしい。非常に残念だ。
2年前といえば赫者の情報を噂程度と思っていた時期だ。あの時の食事は不味くて嫌いだ。俺は他の喰種を喰らって暮らしていた。
腹は満たされて暇なので着替えてCCGにでも散歩に出かけようかなと思う。
理由は単純だ。真戸 微さんにもう一度会いたいからだ。
強くて綺麗で強気なところがなんともたまらない。もう一度会って話がしたい。
3区にある支部に直接行こうかな。多分そこにいるだろうし。昨日会ったところは3区だったし。
手土産に何か買ってから行こう。
「商店街にでも行くか」
そう呟きながら支度した。
家を出てこの町の商店街に向かう。徒歩10分ぐらいで近場だ。
外の気温は暑すぎず寒すぎず、とても過ごしやすい日だ。
何を買うか迷いながら道を進んでいく。
そんなことを考えながら歩いていたら、商店街が見えるところまで来ていた。
何を買うかは歩いている時に決まった。花束をプレゼントしようと思う。
でも何がいいだろうか。花には詳しくないし、とりあえず花屋に向かう。
そこは以前見たときから、この店にはおばあちゃんしかいない。
「すいませーん」
「あら若い人が来るのは珍しい。どうしましたか?」
にっこりと微笑みながら奥から出てきてくれた。
「女性に花を贈ろうと思っているのでおすすめでなるべく大きいのをお願いします」
「若いっていいわね~。それじゃこれでいいかしら?」
無事、プレゼントを購入した。5千円で足りて、小銭はいらなかったので受け取らなかった。
俺は商店街を抜けて近くのタクシー乗り場に向かった。
2分ほどでたどり着き、そしてタクシーに乗り込む。
「3区のお店までお願いします。近くまで行ったら案内するので」
「はいよ」
タクシー運転手は年配の方で俺が感じた第一印象は寡黙そうな人だった。
「その花束、誰に渡すんだい?」
不意に沈黙を破ったのはおじさんの方だった。
「初恋の人にです。今から告白しに行きます」
「頑張れよ兄ちゃん!仕事は何してるんだい?」
「バイトをしています」
「身体がっちりしてて、働き者だねぇ」
その後も俺の好きなドラマの話で盛り上がったりした。
数十分で3区に入った。
「ここを左で次の交差点を右で降ろしてください」
「告白頑張ってこいよ!え~とお金は...」
「この5万で。道中の話が楽しかったのでお釣りは要らないです」
財布に残っていた万札を全てで支払った。
そう言い残し、タクシーから降り歩いてここから5分のCCG本部に向かう。
ここら辺は街頭カメラがないけど、もう少し近くになったら何台か見かけたのでフードを被って行くことにした。
今日は時間に余裕があるから、ゆっくり歩きながら行くとしよう。
「早く会いたいな。あの声を聴きたい。あの顔をまた見たい」
俺は独り言を喋りながら、CCG本部に向かっていた。
他の喰種が俺の行動を見たり聞いたりするとこう思うはずだろう。馬鹿だと。
俺は馬鹿だ。自分の興味あることにしか全力を出さない。それ以外はどうでもいい。
わざわざ捕まりに行っているわけでは無い。絶対に捕まらない自信があるからCCGの支部に向かっている。
この俺の行動は他の喰種にも伝わるだろう。捜査官にも目をつけられるだろう。
それでも俺の足は歩みを止めることはなく、支部に来た。黒い幽霊を5体だし先行させる。俺はマスクを着け、正面玄関を通る。
真正面にはゲートがある。これが噂のRc値の検査ゲートか?横には警備員が立っておりその奥にロビーがある。
ゲートの前には受付の係がいるが、無視する。
俺が入ってから、警備員から警戒されているが構わずゲートにどんどん向かっていく。
「止まりなさい!」
俺の腕を掴んで止めようとするが、人間如きの力で喰種の俺を止められるはずがない。
俺はゲートを潜った。
警報が鳴る。腕を掴んでいた警備員は俺から手を放し、腰に携えている拳銃に手をかけるが...
俺が裏拳を入れて壁際までふっとばした。
奥に2つあるエレベーターと横にある階段から捜査官が下りてくる。
何人かはアタッシューケースを持っておりそれ以外は銃を構えている。
最後に降りてきたグループは真戸 微がいる、昨日見た連中が一緒に出てきた。
「狐か。なぜ貴様はここに来た?私とのキスのお礼に狩られにやってきたのか?」
微さんがそう言うと、次々と周りにいた捜査官達がアタッシュケースからクインケを出してくる。そう皆、驚いた顔で。
微さんは何故かちょっと怒っていた。理由はわからない。微さんのクインケは甲赫だ。
捜査官達のクインケは甲赫、尾赫ばかりだ。俺は一歩足を踏み出した。
「動くな!貴様が捕まる気があるなら痛い目を見ないで済むぞ」
この場の空気が緊張で張り詰める。だけど俺はその沈黙を破る。
「真戸 微さん。俺は微さんが好きだ! 俺は微さんに一目惚れした! 梟にも怯えず勇敢に戦った微さんが好きだ!
殿を務める程、強さがある微さんが好きだ! そして微さんの顔、声、人妻とは思えないその引き締まった、健康的なスタイルがたまらなく好きだ!
俺は本気なんだ微さん! 俺は喰種だけど微さんのことが大好きなんだ! そしてこれを微さんに」
俺は買ってきていたバラの花束を渡しに傍に近づく。周りは引いている者もいれば困惑している者たちが、大半を占めるが気にしない。
周りの捜査官たちは俺が微さんに近づいているというのに発砲すらしない。何故だ?
俺はバラの花束を渡す。
「君の想いはわかった。このバラは受け取っておこう。それで要件はこれだけなのか?」
そう問題はここからなのだ幽霊を使って監視カメラを壊し喰種のリストを漁る。最重要は赫者。次はレートの高い喰種を重点的に探す。
理由は単純だ。喰種同士の戦いを俺は求める。このリストを探す作戦はタクシーの中で思いついた。これは俺にしかできない俺だけの俺のための作戦だ。
「今日、暇だったから告白しに来ました。後は遊んで帰るぐらいですかね」
俺は赫子を出さずに微さんを手招きして挑発する。そうしたら以外にも別のところから声が発せられた。
「喰種の分際で人の嫁に告白するだと!ふざけるのもいい加減にしろ!」
俺を囲んでいる集団の中から男が一人、俺に向かって甲赫のクインケを持って突撃してくる。時間稼ぎには丁度良かった。
俺は初撃を躱す。弱すぎるわけでもないし別に強い相手でもなかった。
攻撃は激しいが一旦見切ってしまえばそうでもなかった。フェイントを入れて次の攻撃の隙が目立つ。
俺は男には容赦はしない主義なので捜査官がクインケを振り下ろした瞬間に左足で顔に蹴りを喰らわせてやった。
「呉緒!」
微さんが叫ぶ。やっぱりこの捜査官が旦那なのか。心配してもらえるなんて羨ましいすぎる。
軽く蹴っ飛ばしただけだ。怪我をするほどでもない。
「微さん酷いですよ!俺だってこの状況は絶体絶命なのに!心配してくれてもいいじゃないですか」
腹を抱えて高笑いする。マスクをしているので息苦しいが笑いが止まらない。
「余裕を保っていられるのも、今のうちだぞ。呉緒、篠原、私の後に続け。丸手特等に指揮を任せる」
「言われなくても前線にはでねえよ。お前ら打てぇ!クインケを持っている奴は真戸特等の後に続け!」
四方八方から銃弾が撃たれている。ただの鉄の銃弾なら痛くもないが、なぜかこの銃弾は痛くはないが痒い。しかも微量だが赫子の匂いがする。
アサルトライフル、ハンドガン、拳銃の銃声が約30秒程鳴り続けるが全然平気だった。しかし服とマスクがボロボロになって見た目がダサいと思うので赫者になろう。
赫者に為ろうとする前に微さんが俺に襲い掛かってきた。
顔を見られるのは不味いので俺は顔だけを赫子で覆ってマスクを外し、鱗赫を15本出して応戦した。
俺は一歩も動かずに攻撃を捌き続ける。微さんって特等だったんだ。強いのも頷ける。ほかは呉緒という名の旦那と篠原と呼ばれていた真面目そうなおっさんぐらいしか手応えがない。
俺と梟以外の喰種だったら瞬殺できていただろう。でも俺は本気すら出していない。
幽霊を使って足を止めたり、特殊な鳴き声を出して動きを止めてもいいがあまり使いたくはない。
足を止めてしまえば後は人間なので、心臓を俺の鱗赫で一突きすれば終わりという、つまらない戦いになってしまう。
適当に捌いている間に探していた資料が見つかった。赫者の情報が載っていた。骸拾いと書いてある。
詳細は人を襲わずに喰種を共食いをしていて赫者になったらしい。これはいいものが見つかった。そうと分かればここに用はない。
俺は鱗赫で俺に攻撃していた捜査官たちを、隙をついて絡め取り捕獲する。
そして呉緒と呼ばれた捜査官と微さんを、俺の正面にに持ってくる。
「呉緒とか言ったか。微さんを絶対に泣かしたり幸せにしないと俺、1区にある本部に特攻かけるからな!その時は捜査官を本気で殺しまくってやるからな!覚えとけよ!」
俺はそう言い残して鱗赫で捕獲していた捜査官達を、包囲していた奴等に投げつける。もちろん微さんだけは丁寧に遠くの方に降ろした。
俺はすぐに赫子で地面を刺して力を溜めて、一気に解き放つ一瞬で正面ゲートを超え3区のビル街に逃げ込んだ。
「骸拾いか~。喰種の匂いに釣られるのかな~」
俺は新たな敵との遭遇に心を躍らせていた。
金木君と遭遇するのはまだまだ先の予定。
戦闘描写はどうやったらうまく書けるのだろう。