東京喰種x化け狐 作:カネキ
カズマ side
服を買って帰るつもりが、あの馬鹿共のせいで寄り道をしてしまった。
数分歩いていると、ようやく元いた場所に戻ってきた。
別に急ぐつもりはない。
逆に歩く時間が増えたことによって、二人にどんな服を買うか考える時間ができた。
可愛い服がいいかな?
クールな服装がいいのかな? どんなものを買ってあげたらあの二人は喜んでくれるのだろう。
そうだ。靴も買わないといけないな。でもあの親子はこれからどうするのだろう。
それは俺が家に帰ってから話し合えばいいか。俺は歩みを進める。
5分程で、愛着が湧くほど行き慣れた商店街についた。
ここの雰囲気はいい。店の人や通行人にも活気があり温かさを感じる。
商店街の奥の方に古着を売っている所があり、俺はそこを目指した。
その店は値段も安くて品揃えも、そこそこ良くて大きな店に行くのが面倒なときは大体ここで済ませている。
いちいち服が血塗れや破れたりする度にここではお世話になっている。
店の雰囲気は昔を思わせ、なつかしいと感じる。よく古いドラマとかで出てきそうな店だ。
「いらっしゃい。おやカズマ君じゃないか」
笑顔で声をかけてきたのは、この店ただ一人の店員してこの店のオーナーの坂本さんだ。
確か歳は63だった気がする。俺はこの店の常連だから名前と顔もすぐに覚えられた。
「また来ちゃいましたよ。ここは品ぞろえが豊富だから」
俺は店の奥の方に行く。たしか子供服も何着かあったはずだ。
坂本さんに聞いても良かった。
だけど初対面の時に「家族はいない」って言ってしまったから、自分で探すしかないな。
取り敢えず、外出用に数枚買うだけでいいだろう。
もし無かったら隣の区まで買いに行かないといけなくなる。
そんな事を想いながら探すと子供用の服が数枚あった。
俺は最高にツいているな。これとこれとあれを買おう。
次々と子供服を手に取る。
デザインは普通だけど最初はこれで我慢してもらおう。
そして必要になったらいっぱい買ってあげればいいし。金ならたくさんあるからね。
「お会計頼むね」
カズマside out
微side
1区CCG本部
私は本部に来ていて局長室に向かっていた。
私の手には、あの惨劇の光景が収められている証拠写真がある。
24区調査の時に私は狐に助けられた。しかしこれとあれは別だ。
そして狐の危険性を伝えなければならない。彼奴はSレートで留まる喰種ではない。
音が鳴る。エレベーターを降り、局長室に向かう。このフロアに局長室しかないため直ぐに着く。
「失礼します」
ゆっくりと扉を開け中に入る。部屋の中央ある机に、和修 吉時局長が座っていた。
「待っていたよ、真戸特等。現場はかなり酷かったらしいじゃないか」
局長の耳にも事件の事が伝わっていたようだ。これなら話が早い。
「局長これを」
私は持ってきていた現場写真を渡した。
枚数は30枚を超えており、一枚一枚が現場の悲惨さを物語っている。
局長はゆっくりと写真を切り替えていく。
私は現場の状況を語ることにした。
「Sレート狐は骸拾いと戦闘。そして近隣住民の通報により、駆けつけたものの骸拾いを担いで逃亡されました。
現場に残っていたのは、身体をバラバラに引き裂かれ臓器や眼球を抉りだされていた喰種の死体約25体程。
死体には捕食された形跡は見当たらず、抉りだされた臓器は踏みつけられ原形を留めておらず、辺り一面血の海でした。
この惨状を引き起こした狐の残虐性。そして狐の赫子は特殊な鱗赫で羽赫のような遠距離攻撃が可能なのを確認しました」
私は一通り報告書を読み上げて返答を待った。
「なるほど。先日3区の支部を襲撃、今度は喰種の大量殺人を行った。
資料を見る限り赫者でクインケの攻撃が効かず、15本の鱗赫を持つ近中距離の制圧力。羽赫のような遠距離攻撃もできると」
「はい。非常に高い戦闘力を擁していると思われます。それに加えて今回の残虐性。
それらを総合的に判断すると推定Sレート以上の危険な喰種と思われます。よって駆逐対象認定と共に喰種レートをSSに」
狐は殺戮を楽しんでいる。気まぐれでこんな事を起こされるなんて考えると堪ったものではない。一刻も早く駆逐すべきだ。
しかし狐の行動に一貫性はない。そして最も重要なのが狐が本気を出していないことだ。
本気を出していなくても危険な喰種であることは変わりない。
「これは非常に危険な喰種だな。駆逐対象認定をし、本日をもって狐と呼称。喰種レートはSレートからSSレートに引き上げるとする」
「ありがとうございます。しかしクインケが今のままでは狐に致命傷を与えることはできません」
いくら駆逐対象に認定されようと、武器が通用しなければ意味が無い。
「わかった。クインケ性能強化の案を技術局に伝えておこう」
あとは技術局に任せるとしよう。
「では失礼します」
私は局長室から退出した。
微side out
カズマside
俺は買い物を終えて自宅に向かっていた。
商店街で時間を確認した時は昼過ぎだったので、あの三人も目が覚めているはずだ。
空は晴れていて絶好の洗濯日和だと思っていたら洗濯物干すの忘れていた。
ずっと洗濯機の中だ。何やってるんだよ俺。
まぁいいや。帰ってから干せばいいんだよ。さっさと帰るか。
両手に荷物を持って、静かな住宅街の道を俺は軽く走り出した。
息は全然上がらない。こうゆう時って喰種は便利だと思う。
人間って脆くて、軟らかくて、動きが遅くて、餌だ。
集団で群れてないと生きられなくて喰種に劣っている。
別に俺は人間を今は、食べたいとは思わない。
昔は食べていたし、喰種は人間を食べないと生きられないのは確かだ。
だから好戦的な喰種の生物的弱者の人間は支配されるべきっていう意見も理解できる。
人間だって牛や豚を食べて生きているのに、自分達が食べられる側になると必死に抵抗する。
人間も喰種も必死に毎日を生きている。
俺は親が居なかったけど、今日まで必死に生き延びてきた。
人間も喰種も家族や大切な人達がいる。
人間は自分そして家族、友人、恋人に危害を加えるかもしれないと喰種を狩る。護るために。
喰種は人間を食べないと仕方がないから喰らう。
そして白鳩に見つかったら大概の喰種は狩られてしまう。
喰種にだって家族はいるのに。
俺のように孤独な喰種なら殺されたって悲しむ奴なんていないが、家族が殺されたら喰種だって白鳩を殺しにいく。
奪うことは等しく悪と俺は思う。
人間も喰種も奪われる悲しみを味わうはずだ。
俺はどっちも正しいと思うし、どっちも間違いだと思う。
俺は弱いから奪われているだけと思ってしまう。だから俺は人間も喰種も平気で殺す。
俺は人間も喰種も食べない。
人間は味だって頬が落ちるほど甘くておいしい。
喰種の肉は不味いが食べれないことはない。
でも殺すことには俺は躊躇しない。
俺は死なないから死を理解できない。
それに俺には家族や大切な人達なんていない。
大切なものを奪われる悲しみなんてわからないし理解できない。
ここ最近は人間を殺していない。
理由は最初は楽しかったが、弱い者いじめしているみたいで飽きてしまった。
俺の体質を考えると喰らわなくてもいいし。
それどころか俺は殺しを最近楽しく感じてしまっている。
喰種は人を殺して喰らう。
強者の立場だが、俺と遭遇した場合は殺される側になってしまい殺されてしまう。
その時の絶望している顔が面白くてたまらない。
命乞いをするが俺は無視して一方的に蹂躙する。
同じ喰種だから容赦はしない。
でも俺は楽しみは最後まで取っておく派だから梟は逃がした。
でも人を殺しまくったら、微さんは俺を探してくれるかな?
微さんが俺を探してくれるって考えただけど食欲が湧いてくる。
アラタは別だ。
人間は襲わず、死肉を漁って自分たちの食糧を確保して、喰種を喰らって赫者になったのだから俺は殺す理由が無い。
別に捜査官の前で放置してもよかった。
赫者のクインケを見てみたいと思ったけど、人を襲わないからアラタを助けた。
そして興味が湧いた。
梟もそうだがアラタも赫者にためる喰種に共通することは、力が欲しいという唯一つの目的だ。
しかし望めば誰でも赫者になれるわけでは無い。
話で聞いたが、共食いしても赫者にためれない喰種と、赫者になれる喰種で分かれるらしい。
俺からすると雑魚だが、時間が経てば経つほど強くなるはずだ。これからも喰種を狩り続けるだろう。
もし白鳩に狩られるのであればその程度の喰種というわけだ。
俺は人生楽しければそれでいい。人生をやりたいように生きると決めたからだ。
昔、孤独で死にたいと思うときもあった。
でも俺は死ねない。死んだら蘇ってしまう。
人生に希望が持てなくて死にたくて堪らなかった。
だから俺は死ねないなら、人生を好き放題して自由に生きてやろうと思った。
でも彼女はいないし、風俗だってまだ入れない。
童貞だ。これは男として死活問題だ。早く彼女欲しいな。
人間と喰種の考えていたのに、いつの間にか童貞の事を考えていてびっくりした。
そんなことを思いながら走っていたら我が家が見えてきた。
季節外れの風邪、花粉症、PM2.5の猛威に目、鼻、喉が死亡。
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