鎮守府内食品部農産課の男   作:馬鈴薯

19 / 23
どうも、じゃがいもです。

強行策をしてるといえばしてますが、まだ完全では無い所で流れが…視点変更なんてするんじゃ無かったと、少しの後悔がありますが。
なんだかんだで、納得させました。

最初シリアス、後半ネタ(別視点)です




決別の為の強行策

まだ日の登らない時間に比較的大型の車両、計6台が公道を走り抜けていく。

最前列の車両には別の目的があるのか、搭乗員が少なく、代わりに物資を多量に積んでおり、かつ他のものより重装甲であった。

その車両の助手席にビーンは座り、目的地へ着くまでの間、ドライバーの手腕を信用してか、仮眠をとっていた。

しかし、その服装は降りればすぐに戦闘体制に入ることが可能な程、装備を着用しており。

ボディアーマーに備わっている、モールシステムに小火器のマガジン多数、青いラインの入ったグレネード5つを左胸、赤いラインの入ったグレネードを右胸に5つ。

右腿には、既にマガジンが付けられたハンドガンを入れるためのホルスターが付いていた。

 

そして、後部に続く車両にはドライバー、助手席2名、後方兵員スペースには8名の搭乗員が装弾済みではないが、マガジンの込められたお好みの小火器を抱えながら乗り込んでおり、足元には彼らが使用する背嚢が置かれていた。

また、各員は一部装備こそ統一されているものの、お好みの小火器に応じた装備を装着しており。

ある者は、赤い色を基調とした、円柱を数多あるグレネード下付近へ付け、またある者は脇腹へ箱を抱えているのかと思わせる程の膨らみを持っていた。

ビーンの目指す目的地に対して、明らかに戦力過多を思わせる装備・兵員だったが、これもまた何か考えがあっての事だった。

 

「隊長、そろそろ目的付近です」

ドライバーが目的地到着前にビーンを起こす、その時間は世間一般的には活気付き始める時間であったが、目的地の場所が場所であり。

多少の道こそ整えられているがオフロードで、辺りは木々が茂っているのだった。

そんな中、声をかけられた事により仮眠から覚醒したビーンは、目標地点に居ると確信しているある人物へ渡すための資料、その他もろもろが入った肩掛けを確認し、少し残る眠気を払う。

そうしている間に、目的地の門が見え始め、ビーンは遠目に付近を見やる。

 

結果、見張り無し。

それをいい事に、ニヤリと笑うと口を開いた。

 

「全員、着帽!訪問の際はノックからだよなぁ?」

「対ショック!」

ドライバーが起こりうる現象へ対する警告を叫ぶ。

二人がそう言葉にした瞬間、搭乗している車両は目的地…上層部拠点一つの鉄門を突き破る様にして強行突破し、後続の車両は、それによって出来た道を直進。

各間隔を開けるように、中央オブジェの立つ広場へ、停車したのだった。

 

「ゴーゴーゴー!」

ビーンの号令により、後続車両に登場していた乗組員全員が下車。

次に助手席とドライバーが降り、仲間から背嚢と火器を受け取っていた。

ビーンも同じようにして装備を整えると、次の司令をだす。

 

「B班左、C班右より侵入、各部屋を制圧。D班は逃走者をなんとしても止めろA班は俺とともに中央からいく、突入開始!」

作戦を大まかに確認するように声を上げる。

それは声だけでなく無線により、各員へ伝えられ、目的遂行のため予め班に分けられた人数で動く。

ビーンは上層部が深海棲艦ばかりに目が行き過ぎ、防衛が薄いと読んでいた。

そして、その読みは当たったようで、現に外に見張りは無く。

内部の抵抗もたかが知れていたのだった。

 

「両端木製、打ち破ります」

班員の一人が状況を報告し、後続の者が扉を蹴飛ばすが内鍵によって苛まれる。

しかし、それも想定内で後続の者がショットガンにて蝶番を撃ち抜く。

装填弾種はスラグ弾、上側は下から打ち抜く形で天井へ、下側は床へ当てることで、よっぽど運が悪くなければ内部の者へ被弾しないように配慮していた。

それによって支えを無くした扉へ蹴りを入れ3名が突入、人がいないか確認するのを繰り返し。

また、廊下にいた者は銃口を上げ脅す事で、外へ集めていた。

これは施設の包囲制圧の常套手段であったが、海戦ばかりに力を入れており、ただでさえ人が武器を持つことが減った現在において、指揮・業務用の軍事施設に、何の予兆もなくこれをやられてしまっては、いかに軍事施設といえども陥落するのは時間の問題であった。

 

そのような状態でも抵抗者は居るようで、角や業務机の下に潜伏し襲撃・逃走を試みるが、それ相応の対処を行った後、外へ運び出していた。

また、運びだされた者の状態で事を再認識する者が多かったようで、一人目が運ばれてから以降、抵抗の様子は少なくなっていた。

その頃には1階部分は制圧が終わり、上の階から投降する者もちらほら現れていたが、怠るような訓練はしていないようで、ビーンは状況を確認し、無線を飛ばす。

 

「E班突入、上階全域へ。AからC班は地下を制圧する。点灯しとけ、地下は恐らく、暗いぞ」

その言葉に続き、外にて爆音が響く。

それによって、線の繋がれた柱やアンテナは砕け散り地面へ倒れ瓦礫となった。

これもまた、指示にあったものでD班の役割の一つであった。

効果の程としては外部からの電力供給の遮断と、通信の遮断で。

だからこそ、ビーンは地下へ入るときにあのような言葉を発したのだが、問題が発生していた。

先ほどの爆破による電力遮断効果が無かったのだ。

これを、補助電力によるものだと瞬時に判断したビーンは、問題ではあったが想定内といった様子で階段を下る。

 

「鉄扉」

「了解、発破します。後退を」

そう言い最後尾に居た隊員がポーチから取り出したのは小さめのV字に整形された爆薬で、それを2つ蝶番の所へ設置、コードを起爆装置と爆薬へ接続すると、角へ退避。

2回起爆装置を押すと、小さいながらも爆音が響くが鉄扉は佇んでおり、無傷と思われた。

しかし、よく見ると蝶番の部分には小さいながらも穴が空いており、ソレを確認した隊員が蹴飛ばすと、鉄扉は倒れるようにして開かれ、後続隊員達が手慣れた様子で制圧確認をし、集団は次の部屋を目指す。

その後も行く手を阻む鉄扉に、集団は爆薬からの蹴りを繰り返す…それが駄目ならダクトから侵入と様々な手段を駆使して1部屋1部屋制圧をしていったのだった。

 

地下へ向かった集団により、地下すべての制圧が終わった頃、時を同じくしてE班と呼ばれる上階制圧部隊も同じように制圧が終わったようで、内部に潜んでいた面々を連行していた。

その中には、驚くことに提督と思われる人物と、その補佐にあたる艦娘の姿があり。

今回の強行的訪問の目標はその提督の方なのであった。

 

***

 

同時刻、場所は変わって、芋太郎の鎮守府にて目を覚ました龍鳳は自らの司令官、黒部中将の姿を探し、鎮守府内を詮索していた。

と言うのも昨日、急に泊まるとだけ言われ、従っただけなので、彼の宿泊場所の目星なんてものは無く。

単純に考えてココのどこかに泊まっているだろうとしか、思いつかなかった為である。

途中、ココに所属していると思われる艦娘に訪ねても、彼女たちも中将が泊まっていたという事自体を聞かされていないようで、無意味に終わっていた。

そうとなれば、頼れるのは責任者、現提督のみだろうと判断した龍鳳は多少迷いながらも提督室前へ着き、扉をノックする。

 

「入れ」

短い返事により、龍鳳は入室の際に言うべき言葉を発しながら扉を開く。

そこには、いつも通り書類ばかり見ている芋太郎がおり、先ほど来室した龍鳳を見やる。

 

「何か不備なところでも…?」

 

「いえ、中将の姿が見られないので、場所をお聞きしようと思って」

 

「あぁ…中将なら海岸真っ直ぐに見える、森の野営地に泊まっているはずだ」

 

「森の中ですか…?」

 

「勘違いしないでもらいたいのは。中将自身が望んだことで、私が勧めた訳ではない」

それだけ聞いた龍鳳からは不信感は晴れ、言われた通り海岸真っ直ぐに見える森を目指すことにしたのだった。

 

 

そうして言われた森の前へ到着した龍鳳であったが、森は鳥の鳴き声が響くばかりで野営地は愚か、人気すら感じられないほど静寂を保っていた。

そんな森へ踏み入る勇気が出ないでいた彼女の背後にて何者かの声が響く。

 

「見ない姿のようだが、新しく配属された艦娘か?」

そのように声をかけたのは長門であり、彼女もまた龍鳳とは別の目的で森を訪れていた。

 

「いえ、中将がここにいらっしゃるというので、合流しようと思いまして」

 

「中将だと?!なぜこのような場所に?」

長門は最初の目的を忘れ、中将という言葉に釘付けになる。

なんせ、過去の経歴から着任した最高階級は准将だったため、司令・指揮を受けうる立場からして、一目だけでも見ておきたいという、憧れにも似た感情を持っていたからだ。

しかし、長門の思いをいざ知らずと言った様子で、長門の疑問へ真面目に答える龍鳳。

 

「昨日、提督の階級認定と合同演習の詳細を伝える為にと訪れたのですが。当初の予定とは関係無しに、ココに泊まると言い初めまして…」

 

「そうか、事情は把握した。では私に付いてくると良い、本隊の者とまではいかないが、そこそこ詳しいのでな案内程度なら任せておけ」

長門は得意げに、案内役を引き受け、なれた様子で木々の隙間を歩いて行く。

しかし、慣れていない龍鳳からしてみれば、このような道自体を歩くことが初めてのようで、途中途中遅れながら、後を追うのだった。

そんな龍鳳に長門は振り向き声を掛ける。

「あまり離れない方がいい…とは言ってもやはり難しいか、仕方がない。そちらへ中将の随伴者を連れてきた、しかし、森を歩き慣れていないようなので対処願いたい!」

その声は響き渡り、木々の隙間を抜けていく。

これに、野営地の一部兵員が対処のため向かうことを、ある意味常連であった長門は知っていたのだった。

その要請から少し経つと、先程まで静寂を保っていた森の中からは、あらゆる方向にて木々の揺れる音等が響き始める。

そして、一層音が大きくなった時、長門の首元には峰ではあったが、数センチの空間をあけナイフが添えられており。

そして、龍鳳にいたっては頭上から細身の男性が降ってきた所は見えていたが、口が動く前に銃口を向けられたので、うまく喋れないでいたのだった。

 

「相変わらずの手腕だな、副官…今回ばかりは連れが居たため油断した…」

 

「合言葉は…言えなければ中身をぶち撒ける」

 

「352TQSRDMFP」

それを聞くとそそくさと武器を収め、落ち着いた様に声を掛ける副官。

 

「良いでしょう…して要件は何でしょうか?」

 

「罠をどけてもらいたい」

要件を聞いた彼は背を向け、付近の大木へ近づくと再度、口を開く。

 

「多少土が付くかもしれませんが、塹壕があります。そこを通るというのは?」

そう喋りながら、カモフラージュされた、床板らしきモノを持ち上げて見せる。

長門達が望めば要件通りの手段を用意するだろうが、現状において、仕掛けられている罠の排除よりも、効率的な移動ルートなのは確かであった。

しかし、彼から見れば長門達はお客さんという認識なのか、決定権を委ねているように、ただ床板を持ち上げ維持している。

その様子に気づいたのか、長門は頷き、彼によって開き続ける穴へ身を投じると、龍鳳も長門へ続く。

 

「右方向突き当りで合流しましょう、私はコレを直しておきますので」

 

「わざわざ済まないな」

長門は案内を受けると思っていたのだが、予想外の対応を受けながらも、龍鳳の案内を続け、道中頭をぶつける等、多少のトラブルに見舞われながらも、野営地へ到着。

彼女たちよりも先に到着していた副官により再度の出迎えを受けたのだった。

 

 

こうして、中将の宿泊地へ無事辿り着いた龍鳳は、すぐさま中将の居るテントへ足を運ぶが、そこには安らかな寝息を吐く中将の姿があった。

傍らには、飲み残されたコーヒーと開かれたままの書物、端から見れば夜更かしをしたと思うのだが、昨晩あのようなことがあったというのは、当事者達のみが知ることであった。

 

「中将というのもなかなか独特な人物なようだな」

 

「言葉を慎み給えよ、長門とやら…私はただ退屈だから目を瞑っているだけで、決して惰眠を貪ろうなどという考えは無い」

長門の見比べるような言葉に、中将はゆらりと起き上がると目を見開き言葉を続ける。

 

「それに自ら火に飛び込むような、愚者でもないのでね」

 

「どういうことだ?」

 

「時を待っている…戦いにおいて基本中の基本だろう?」

長門と中将の間に不穏な空気が流れる。

そんな最中、龍鳳は中将へ近づくと、鞄を掲げながら中将へ言葉をかけた。

 

「難しいことは良いですから、食事を取られてはいかがですか?」

彼女の一言によって場は固まる。

そして、数テンポ空いた所で中将は大笑いを始め、これでもかと言うほど龍鳳の頭を撫で回す。

その途中、龍鳳の持つ鞄へ空いた手を使い、器用に荷物を片付けると、撫でるのを止め木漏れ日溢れるテントの外へ行き呟いた。

 

「お前はいざという時止めてくれる、だからこそ側においておきたいものだ。んん?側、そば…よし本日は蕎麦を食おう、そうと決まれば善は急げだ、私に続けぇ!」

 

「そ…そんな急に!?待ってくださいよー」

しかし、中将は森へ入る直前に足を止め、長門へ言葉を掛ける。

 

「誇り高き戦艦よ、貴官はこの先、耐え難い現実と直面することだろう。それを乗り越えられる事を切に祈っている。無論、そなたの仲間たちにも伝えたい事ではあるが、現状が現状なのでな」

その言葉により、先ほどの急な流れから我を取り戻した長門は、中将の進む方向を見て口を開く。

 

「待て!そっちには罠が」

しかし、長門の追跡は副官の手によって遮られる。

当然ながら静止を振り切ろうと長門は言葉をあげた。

 

「中将たる高階級が、怪我でも負ったら大問題となる、止めてくれるな」

 

「まぁまぁ…もう少しすれば面白いものが見れますから…」

そう言い止めた矢先、中将がトラップの起動機構に触れたため、起動する音が響くが、それらは腐食などのトラブルにより、全て役割を果たさずに終わる。

それを確認した副官は長門の方を向き、笑いながら答える。

 

「あの人ね…信じられないほどの幸運の持ち主なんですよねー」

棒読みで答えた副官には、中将が通った道に仕掛けられていたトラップの残骸が見えていたのだった。




どうだったでしょうか?

後半、龍鳳の鎮守府探検状態になったのにも、銃・銃と考えていてFPS・TPF(作者がプレイ済み)と艦これ合わせたら、私自身がクスリとしたため、ネタに走ってしまいました。
軸ぶれてるー軸ぶれてるーと内心では分かっていても、なんだかんだ繋げれるから良いやといった感じですね。

強行策の本髄は次回にて

副官何奴?!
戦闘できる参報です(白目

中将が幸運な訳 →前線いって生きてる事から(適当
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。