また長く更新できませんでしたね…常時リハビリみたいな…なので、おかしい所、読みにくい所多々あると思います。
でもそんな状態だと、初心みたいで。
こうしたら?これはどうか?と次々浮かんできたりと…ね。
さて今回も作者の心は元気です、まだ突入できませんでした。(安堵)
合同演習2日目、本日は予定通り、事が順調に進めば芋太郎達の模擬戦初日となる日であった。
だが、先日からの違和感からビーンの部下達は司令を受け、交代しながらの見張りで、工作出来そうな範囲を警戒していたのだった。
だが、深夜から朝日が登る時間になっても、大きな動きどころか、小さな気配すら無かった。
これらから、ビーンは本番時に仕掛けられるか、それ以前から仕掛けられているという2つの可能性を導き出していたうえ、更なる工作を受けない為にも部下に非殺傷性で無力化可能なハンドガン型のスタンガンを装備させていた。
また入場時に自分の姿を目撃されている以上、何事も無いという可能性はゼロに等しいとすら、考えていたのだった。
「今日は初戦日、工作有りのアウェーな戦いになるぞ。今考えられるのは、情報が筒抜けって事ぐらいか?」
ビーンは待機所に集まる各々に伝わる声で、現状の危惧するべきことを伝える。
当然ながら、それらの情報は一部の艦娘たちが気づくかもしれない程度の問題だったので、そこでは驚きの声があがっていた。
「不平など、この長門がどうとでもしてやろう」
長門は例の二つ名から、自信あるように声を上げたが、ビーンは真に受けることはしなかった。
寧ろ、反論するかのごとく険しい表情で言い返す。
「言っとくが、そんな生易しいモンじゃねぇ…偵察無しに撃てるし、岩陰に隠れようとも無意味かもしれねぇぞ?」
「どうしてそう言える?」
「勘だよ勘」
長門の問に対して、ビーンはしっぽを隠すように笑い、惚けた。
勘とは言っているが、体験談で過去にそれに乗じた経験もあったからだ。
それ以降、合同演習に意味を見出せなくなり、参加するのを辞退していたのだった。
だが、過去を話す気は無い、だからこその惚け…誤魔化しであった。
そして、勘という言葉に長門も難しそうな顔でビーンを見つめるが、諦めるように溜息一つで済ました。
「お前のことだ…可能性は高いのだろう?ならば、頭に入れておく」
「そうしときな…後は問題があれば部下が向かう、不戦敗は避けるためにな」
ビーンは今、出来るだけの事を伝えると、指揮所となっているテントを近からず遠からずな位置から見るために、待機所を後にした。
「何か怪しい所は?」
向かった先で、ビーンは部下の一人へ声を掛けたが、彼は首を横に振るでけで情報を伝える。
その動作を目にしたビーンも、彼の肩を叩くだけにして同じ場所で、テントの監視を開始始めた。
一方、待機所に残っている面々の中で、先ほど疑問を上げた長門はその場で納得したように見せかけて、未だその疑問を抱えていた。
なので、自ら情報を集めようと、動こうとしていた。
とは言っても、彼らほどやり慣れているわけでも無く、戦闘の方がスキルが高い彼女に出来ることは、自分よりも先にこの世へ戻った妹へ聞くことくらいであった。
「陸奥…一つ聞きたいことがある、いいか?」
「あら?珍しいわね、言えることだったら答えるけど」
この瞬間、陸奥は言葉を間違えたと後悔するが、やり過ごせるかと思ったのか、反射的に出てしまった顔を無理やり整え長門の言葉を待った。
「奴の言葉がどうにも引っかかってな…気付くことは無いか?」
「んー…特に無いわね」
陸奥は考える素振りで、誤魔化した。
だが、先ほどの顔を見逃さなかったのか、長門は目を細め、実の妹を睨みつける。
「その言葉に嘘はないな…?」
「なっなによ急に睨んで、嘘な訳ないでしょ!」
その視線に驚いたのか、陸奥は叫ぶようにして言い返した。
そして、叫びによって辺りは静まり返る。暫しの沈黙…その沈黙を破ったのは長門であった。
またもや、溜息一つから言葉を放つ。
「すまなかった、冷静にならなければな…今日はどうにも調子が悪いようだ」
それだけ言うと、長門は向きを変え冷静になるためか、外の空気を吸いに行った。
残された陸奥は、話そうか話さないかの境界で悩んでいるのだった。
話せば長門の調子が良くなるかもしれない。
これは戦時のコンディションに関わるが、一方で彼女の持つビーンに対する信用を失いかねない。
どちらを優先するべきか、陸奥の裁量で計るのは難しいものであった。
だが、陸奥は意を決し、後を追う。
自分がそうならないように言葉を掛ければ良いと閃いたからだった。
「長門!」
「どうかしたか?」
「やっぱり話しておこうと思って…彼はこの演習の本性を知っているの、だからあのように言った…でも、参加したのは1回だけ、それ以降失望したって言って辞退し続けたわ」
陸奥は自分の知る全ての事を打ち明けた、これは間違いの無いこと。
今は亡き提督の横で、その事を聞いたからだ。
そして閃いたとおりに事がいくように、言葉を付け加えた。
「だから、裏切り者だとかそう決めつけないで」
頼むように、言い終えると。祈るように目をつむり、顔を下へ向けた。
そんな陸奥の思いとは逆に長門は彼女へ近づき、頭へ手を置いた。
「真実が聞けて良かった、礼を言う。それに、奴は裏切り者では無いんだな?」
「えぇ…」
「陸奥、顔を上げろ。長門型2番艦の名が泣くぞ」
その言葉を最後に、両者の悩みは改善された。
長門は疑問のモヤモヤが晴れ、陸奥は真実を隠すという重みを解決したのだった。
場所は戻り、ビーンとその部下が見張るテント付近。
本日の1戦目が終了したのか、中から対戦者両者がテントから姿を表した。
そして、予定では芋太郎の出番となるはずだったが、ここで異変が起きる。まず、無線によるコールサインが響く。
『隊長こちらマイク、放送係方面に動きあり、マイクへ声をかけているが放送無し。聴音するも感あり、放送機器に工作ありの模様 どうぞ』
「長いな、端的に言うと? どうぞ」
『分かってるでしょぉ…不戦敗の予兆有り、対応されたし オーバー』
マイクの呆れ声と、端的な答えを聞くと側に居た部下の肩をたたき、親指を後ろへ突き立てた。
ハンドサインを理解した部下は、立ち上がり待機所へ向かう。
そして、残ったビーンは芋太郎から預かった代理者証を胸ポケットから取り出し、広げると予め決めていた部下へコールする。
「機器もってこい工作排除及び指揮を執る」
『了解』
すぐさま返答を得ると、テントへ駆けた。そこには、辺りを見回し声を上げる、見張りが居たが、その見張りへ証書を突き付け、一声。
「指揮代理者だ異論はないよなぁ、補佐も来るが…規定だと5名まで問題ないはずだが?」
「少々お待ちを、正式な書類か確認する」
ソレを受け取った見張りは、近くの機械へ書類を置き、特殊な波長の光を当てた。
それによって、浮かび上がったマークが正式なものであると、証明した。
「許可します、後日からはコレを付けてください」
ビーンは、首にかけるタイプの許可証を受け取ると、テントへ入った。
そして、相手方の艦隊が防衛位置に付き機器などの準備が整うまでの間に、部下達が機器を持ってテントへ入り、こちら側の準備は整った。
最初こそ、機器の持ち込みを見張りが止めようとしたが。
先にテントへ入ったビーンが顔を出し、規定を暗唱し、実際に規定になかったと言うことで問題なく終わったのだった。
相手側の艦隊配置も終わった所で、その通達が入る。
ビーン達の方は攻める側で、相手は防衛。
戦力数は同数といえど、向かうまでの間に、察知されれば身を隠す岩場は無く。
逆に相手は隠れることが可能…言わば待ち伏せの戦法が取れるという不利な状況であった。
さらに、場所が割れているという、接待も良いところな演習が幕を明けた。
『感度良好』
ビーンは無線の調子も兼ねて、マイクチェックを行うが、それと同時に補佐役マイクも行動を開始していた。
マイクは、先ほも使われた聴音器を相手のテントへ向け動かす。
「マイクチェック、マイクチェック…反応が悪い」
『こちらの感度は良いが問題ありか?』
ビーンの着けるヘッドホンからは、再度長門の声が聞こえていた。
「感あり」
マイクが声をあげる。
相手も同じ方法で聴音しているという事を、聴音器を指さしビーンへ伝えた。
その事に連結したかのように、持ち込んだ板の向こうでヘッドホンを聞いていた部下が手をあげた。
それを確認したビーンは次の言葉を述べる。
『今朝、整備の者に見てもらったが、問題は無かった』
作戦を伝えていないが為に、長門は毎回言葉を返すが。
それがまた相手を欺くには上々なやり取りだった。
だからか、補佐の一人は笑いを堪えるかのように、腹を抱えていた。
そして、聴音機とは違った機器を弄っていたマイクが手を掲げる。
それが可能だという知らせとなり、ビーンは叫んだ。
「空砲用意、耳に注意」
『模擬弾のみだ空砲なんてものは無い!規定書にあっただろう?』
訳もわからない司令に、長門は怒鳴る。
最後の「耳に注意」は味方には注意勧告そのものだが、相手に向けての意味も含まれていた。
それは、舐めている・おちょくっている・遊び心満々だぞといった、煽りにも似た意味を持っていたが。そんな事、知ることもなく相手は耳を澄ましているのだった。
「ファイア!」
その号令で、指向性スピーカーを用いて過去の演習で録音した破裂音を相手のマイクへ向け再生した。
先ほどの、耳に注意という言葉でヘッドホンからスピーカーへ再生方式を切り替えていた為、相手側の驚きの声が再生される。
『耳がぁあっ、クソっ機器がイカレやがった、コレ無しでやる』
相手方は調音されているとはいざ知らずで、自分が第三者から見ても不正しているという証拠を述べていく。
「ヒット…ワンモア。新人さんよ、用心が足りねぇな」
その言葉を最後に、悲痛な叫びは止んだ。コレが意味するのは、おそらく聴音の中止。
そんな相手に、ビーンは新人という呼び方で蔑むと、部隊用の無線機へ言葉を急いだ。
傍から見れば妨害という形ではあったが、相手方の工作第一を打破したからだった。
「余計事ばかり話してすまねえな、だが工作の一つは解決した。これより指揮を執る、赤城、バルーンを落とせ、カメラがついてる」
『えっ?戦闘海域を示すシンボルですが…良いのでしょうか?』
「場所がバレてる戦闘が不利なのは明快だろ?それにデマだ、落ちた物で、どうやって場外だって判断できる?」
この一言に最初こそ躊躇いを持ったが、納得したのか、赤城は即座に戦闘機編隊を四方へ放った。
目標はバルーン。模擬戦海域を示すためのシンボルだが、ビーンの言う通りそれらには高精度カメラが取り付けられていた。
そして、カメラの電源と画像データは固定用ワイヤに上手く紛れ込まされ、海底を伝い相手方のテント内モニタへ映されていた。
また、それらバルーンが比較的高高度で浮かんでいるのも、今行われようとしている、もしもを想定してこその位置と思われ。通常の訓練から考えられる技量では、安々と破壊するのは難しい位置であった。
だが、過去の訓練によるスパルタな指導は赤城の管制技術の大幅上昇へと繋がったのか、その高度へ戦闘機を登らせるのを容易にしていたのだった。
今はまだ、発艦したばかりで速度も足りずゆっくりと上昇していく戦闘機。
それは次第に出力・速度を上げ、機首を上へあげ失速スレスレで並行を保つという事を繰り返しどんどん登っていく。
そして、目標と同程度と思われる高度に到達すると、艦隊から離れ撃墜しに向かっていった。
想定される仕掛けは以上…今、不平等な演習が正規の演習となろうとしている瞬間が、近づいているのだった。
話中の舐めている・おちょくっている・遊び心満々は相手を貶めるのが滑稽という心の現れですね、ほんといい性格してると思います、彼は。
(下)はあんまり進んでいませんが進行中です、フィールドに目を移す予定です。
また、更新までの合間が長くなるとは思いますが、完結目指して日々100文字でも進めていきたい所存に御座います。