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四月ニ週 その三
「いや~気分が良いね~。そう思わない矢部君?」
「ぜぇ、ぜぇ、な、何でそんなに、涼しい顔をしてるでやんすか・・・?」
四月ニ週、少年、小波大地は親友の矢部と一緒に校外の道をランニングで走っていた。
後ろからは「ほらー、前に追いつかないと置いてかれるよー」と彼の幼馴染の声が聞こえてくる。
「ん~、俺はもともと投手だったからね。足腰には自信があるんだ」
「な、なる程で、やんす・・・」
新入生の中でこの二人だけが前を走っているの先輩の後ろについていた。
「今日も快晴だ」
大地は雲ひとつない空を見上げ笑いながら、最後の高校までの坂道を走って行った。
「あっ!?矢部君ごめんね・・・・」
「仕方ないでやんす。大地君は左投げに転向したばかりでやんすから」
キャッチボール中の暴投はこれで三度目だ。
ベース間の距離での暴投回数に大地はかなり申し訳なくなる。
「それでもだよ・・・・」
「それなら一緒に練習するでやんす。大地君が投げてオイラが捕る、大地君の左投げの練習になるし、オイラは一歩目のスタートが早くなるでやんす」
「じゃあお願いするよ」
「こいっでやんす」
この変則キャッチボールが意外に面白く集中していたせいで、皆が他の練習に移行していても二人は監督に怒られるまで気が付かなかった。