フォーリング!   作:春夏 秋

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セミの鳴き声と夏の暑さにダラダラしていたらいつの間にか8月半分終わってました。
/(^o^)\ナンテコッタイ
今回は説明回ですね。どぞ。


第5話

机の上に料理が並べらた。時間は少し経って正午ちょっと過ぎ。

一人暮らしをしていた俺にとっては少し早い昼食となっていた。

葉月曰く、食事の時間は決めておいた方が良いとのこと。

 

「はい、お昼は簡単に炒飯だよ!」

「おう、ありがとう。」

 

料理を作ってくれた葉月がエプロンを脱ぎながら席についた。どうも俺が地上にいる間に料理を練習していたみたいだ。

・・・背中の紐解かないと脱ぐの大変だぞ。現にエプロンは葉月の頭に引っかかってもごもごしている。

 

「いや〜、まさか調理器具にトラウマがあるだなんて思ってもなかったよ。」

「うぐっ・・・。昔いろいろあってな・・・。」

 

エプロンと格闘するのに埃が舞うのを気にしたのかもう一度席を立ち、紐を解かずにもがく。やがてスポンッと無理矢理顔を出し苦笑いをした。先程は取り乱してすみませんでした。

 

「・・・無理して説明しなくていいよ。」

「あれは今から3年前の・・・え?あ、そうですか。」

 

・・・まぁ、説明しなくてもいいか。

若葉の気遣いに甘えて語り出すのはやめることにした。

料理を目の前にして長話もなんだ。俺も手に匙を持って炒飯に手を伸ばす。

おぉ、うまいじゃないか。きっと母さんが付きっきりで練習をしたんじゃないかな。母さんの手料理と同じ味がする。

 

「味はどうかな?」

「妹が作る母の味かぁ。」

「・・・よく出来てる。」

「そっか、それは良かった!」

 

一人暮らしの時はコンビニでおにぎり3つとかだったが、これからは心配ないようだ。料理は任せるかわりに他の家事は俺がやることにしよう。

 

「んじゃ、今のうちにこれからの活動や決まりがとでもまとめておくか。」

「りょうか〜い。」

 

そんな大したことではないが、一回まとめるという事が大事なのだ。

 

「じゃあまず一つ。俺達は5日後から学校に通うことになる。俺は高1、2人は小5から転校してきたことになる。」

 

手に持っている匙をぷらぷら揺らしてジェスチャーのように手を動かす。

 

「・・・廻兄様行儀が悪い。」

「―――すまん。」

 

手が勝手に話に合わせて動いちゃうんですよこれ。普段ならいいが食事中はNG。

 

「ハイ質問です廻希さん」

 

注意された俺に対して葉月が手と共に匙を掲げた。

行儀悪い子だな。

 

「アニメとかでよく“転校してくる前はどこにいたの〜?”とか聞かれているけど私たちはどうしたらいい?」

「そのへんは上手くやってくれ。」

「返答が雑すぎだよ!」

 

そんなの適当にあしらっとけばなんとかなるだろう。“西の遠い方から〜”とか言ってさ。

 

「あとはそうだな、2人とも指輪を出してくれ。」

 

2人は俺の指示を聞いてすぐにポケットから指輪と取り出した。ダイビングの件があるため指輪には興味を示しているはずだ。

 

「まずはこれの説明だ。さっきも言ったとおり神様お手製の指輪だ。さっき山頂に降りた時指輪を外してくれって言ったよな。あれには理由がある。」

「え、そうなの?てっきり私が遊びで左手薬指にハメているからだと思った。」

 

実は山に降りた直後2人には指輪を外すように伝えておいた。そのおかげでしっかりと効果は出ている。

・・・ぶっちゃけ葉月の理由もあった。

 

「実は俺達が下山をしている時に効果は既に出ている。ここで質問だが、2人とも下山した時かなり疲れただろ?」

「そういえば・・・。なんでだろ、いつもならあんなのへっちゃらなのに。」

「・・・つまり身体の弱体化か。」

「そうだ。若葉にプラス50点。」

 

俺達は母さん、もとい神様に育てられ鍛えられてきた。そのため身体能力、知識、耐久力もろもろ常人の数倍あるいは数十倍は強い。

弱体化と言われると聞こえが悪いが、正確には常人と同じ力量にしてくれるというものだ。走れば疲れるし、長時間作業すれば集中力もきれる。

俺らが地上で暮らすうえでは必要不可欠のものになる。

 

「なんで常人化しないといけないの?」

「葉月にマイナス10点」

「なんでさ!?」

「小学校の体育の授業で本気を出してみろ。一瞬でギネス記録更新or日本政府によろしくの身になるぞ。」

「なるほど・・・。」

 

最悪国が関わってくるようなドキドキハラハラの暮らしをするなんてめんどくさ過ぎる。だからこそ指輪さんが輝くのだ。

 

「だが、指輪の恩恵はこれだけじゃない。指にハメている時はその逆の力を発揮する。」

「つまり力がいつもより増すってこと?」

「そうだ、これもそのうち必要になってくる。」

 

基本的には首から下げたりとかして肌身離さず持って生活をするが、俺達が地上へ来た目的を成し遂げるためにお世話になる機能だ。

 

「じゃあ廻兄が着地の時に叫んだやつはなんなの?」

「いい質問だ、プラス50点。あれもひとつの機能で、ゲームで言う覚醒だn――」

「・・・覚醒!!」

 

はいそこ目を輝かせない。俺も最初は心躍らせてたけども。正直今でも心にグッとくる響きである。

 

「じゃあダイブの着地にはそれが必要だったってこと?」

「よくぞ聞いてくれたプラス50点!」

「やった!若葉に勝った!」

 

点数に意味はないがガッツポーズで喜ぶ葉月をよそに、若葉は気にもとめてない様子でこちらの話を聞いていた。若葉さん超クールッス。

 

「必要とまでは言わないが、使わなかったらあの山が地図から消えることになる。正直見せびらかしたいという気持ちが7割ほど入っていたがな。」

「謝って!見せびらかしで山頂が少しハゲちゃった山に謝って!」

 

ニシシと笑って受け流す。山の山頂は犠牲になったのだ。葉月も諦めてすぐに食事に戻った。

 

「っとまぁ話はこんくらいかな。ごちそうさま。」

「「はーい」」

 

食べ終わった食器を台所へ持っていき洗い流す。

あ、そうだ。大事なこと話してなかった。

 

「もし俺達が常人じゃないってバレたらその人とは悲し〜いお別れをするか、絶対に喋らないように口止めをすることになるから気をつけろよ〜。」

「「悲しいお別れ!?」」

 

ま、お別れは嘘なんですけどね。これくらい言っておけば常に警戒してくれるだろう。

さて、この後は買い物にでも行くかな。学校までの5日間は有意義に過ごすとしよう。

 

「どうしよう若葉・・・。廻兄が冗談を言っているようには見えなかったんだけど。」

「・・・あ、ああ。あれはマジの目だった。」

「い、今のうちに弱みでも握っておく?」

「・・・いや、あまり得策ではないな。」

「―――もし、もしだよ?もし本当にバレちゃったら、どうする?」

「・・・南無三。」

「あきらめないでよぉ!」

 

俺が皿を洗っている間、2人は小声でガクガクと会議を始めていた。

聞こえてるっつーの。




今までのやつを読み返すと「あれ?この文こっちの方が良くね?」とか沢山出てきて苦悩している私です。
いつも通り遅い投稿ペースとなってしまいました。1ヶ月半にはさすがの私も苦笑い...。
次回はやっとヒロイン(?)が登場しますよ!
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