はい、前話の投稿期間は2ヵ月でした。友人に言われるまで気づきませんでした。
そろそろストーリーを書いていかないといけないですね。
今回はそんな感じです。どぞ。
―――3日後―――
月もいよいよ4月に入り、たった3日の違いだというのに夜は暖かい風によって包まれていた。
夜の街はビルや街灯の明かりによって照らされ寂しさは一切なく、帰宅中のサラリーマンや酔っ払いの中年などで一向に活気は衰えない。
二次会の話で盛り上がる声、その客に対し客引きをする声が夜を明るくしていた。
きっと明日も明後日もこんな夜が繰り返されるのだろう。少なくとも、明日に希望を抱かない者は一人たりともいなかった。
突如夜の街に爆音が響き渡るまでは―――。
街で1番目に高いビルの下でそれは起こった。爆音に続く衝撃波により人が薙ぎ払われる。
ビルの下には小さなクレーターができ、背中から翼のようなものが生えた影がそこに立ち尽くしていた。
悲鳴が上がった。なんでこんな奴が目の前に現れてしまったのか、と。
先程まで活気に満ちていた街は、ものの数秒で恐怖を具現化した地獄絵図と化した。
☆
爆音が起こってから1分後。
大勢の人々は悲鳴と罵詈雑言を口にしながら蜘蛛の子を散らすように逃げ回る。
しかし、その中に1人だけ肩をぶつけながらも人の波に逆らい爆音源へ向かおうとする者がいた。少し長いもみ上げと外側に跳ねたくせっ毛が特徴的な短い黒髪を闇夜に揺らし、一秒でも早くとばかりに全力で人混みをかき分ける。
少女のポケットから携帯が鳴り響いた。
「もう!なんなんですかこんなときに!」
少女は走る速度を緩めず無造作に携帯を取り出し電話に答える。
「大丈夫か華憐。天使だ。天使g―――」
「把握済みです!今天使が現れたと思われる場所へ向かっています!」
少女、永瀬華憐は向こうから聞こえる声を遮り声を荒らげた。電話の相手は声からして彼女の父親だろうか。
「なっ!?危険だ!ちゃんと部隊と合流してかr―――」
「もちろん戦闘は避けます。私1人くらいでも相手の数くらいなら数えられるはずです。では!」
「おい待てかれn―――」
プツンと相手の返事も待たずに電話を切り、荒々しく携帯を腰に携えているポーチへ放り込んだ。
爆音源までおおよそ150m。
彼女は脚に力を入れ強く地を蹴り続けた。
☆
俺は街2番に高いビルの屋上から人混みを見下ろしながら指輪に語りかけた。
「っとま、こんな感じだ。」
『いやいやいや、電話の相手がわかるほどの聴力ってなんなのさ・・・。』
『・・・プライバシーの侵害まったなし。』
俺の声に反応し、指輪から2人の声が帰ってきた。
2人は今天使が出現した上、1番目に高いビルの屋上で待機している。風は一切なく、大きく欠けた月の光により二人のシルエットが夜空の近くで揺れていた。
「へいへい俺は変態ですよ。そのうち2人もそうなるさ。さっきの会話の内容からしておそらく政府の人間だ。」
『『政府!?』』
シルエットを見なくても、指輪を通じて2人の体が震え上がったのがわかった。
そんなにバレない自信が無いのか・・・。
俺は小さな溜息をつき告げる。
「いいか?人混みも少なくなりつつある。制限時間は15秒だ。喜べ。今回は特別に覚醒の使用許可を出す。」
『本当!?やったぁ!』
『・・・グッジョブッ!』
はは、本当に嬉しそうな声出しやがって。声で天使に気づかれたらどうすんのやら。
覚醒のワードは既に教えてある。心配事と言ったら、力加減を上手くやってくれるかどうかくらいだろう。
標的はいまだに動かない。己で作った小さなクレーターの中心に立ち尽くし何を考えているかも分からない。体から微量の光を放ち、背中にギザギザの翼が生えている。一言で言い表すならば、エネルギー生命体。
「記念すべき一回目の仕事だ。完勝でいくぞ。」
『『了解。』』
楽しみで仕方ない。そんな意図が伝わってくる返答だった。制限時間はたったの15秒。いや、"たっぷり"15秒だ。最高に緩い条件だ。
俺が実家にいなかった期間ちゃんと鍛えられているかちゃんと見せてくれ。
よし、それじゃあ・・・
「行け。」
『『開花《ブルーム》!!』』
瞬間、ビルの上で揺れていた2人のシルエットが消えた。
☆
ズドオォォォーン!!
「ギッ―――!?」
天使の頭蓋に踵落としが放たれた。文字通りなんの変哲もない踵落としだ。だがその威力は天使を薙ぎ倒す程度では収まらず、地面に大きなクレーターを作り地響きを起こす。
天使は我が目を疑った。意識が遠のいていくのが手に取るようにわかった。
己を踏みつけている金髪の少女は歪な形の靴を履き、口角を三日月のように歪め獰猛に笑っている。金髪の少女と目が合った。
悪寒が走った。
このままではマズイ。だが時すでに遅く、金髪の少女は息があることに嬉々として喜び、頭を鷲掴みにしてきた。
「ギッ・・・ギッ―――!?」
そのまま脇腹を全力で蹴り飛ばされた。もし己に骨というものがあったのならおそらくすべて粉砕されていただろう。
相手にならない。
そう悟り、せめて仲間にこの存在を伝えるよう遠のく意識の中必死に思考を巡らす。
もちろん、金髪の少女はそれさえも許してくれない。
地面を抉るほどの跳躍。抉られたアスファルトはまるで銃身から放たれた散弾のように飛び散り、ビルの窓ガラスを粉々にしていく。
回し蹴りの追撃。マッハ3の速度で蹴り飛ばされた体は既に言うことを聞かなくなっていた。
きっと、これでチェックメイトなのだろう。
なぜなら、飛ばされた先には大きな大剣を静かに構え、この時を待っていたかのように獰猛に笑っている銀髪の少女が待ち構えているのだから。
―――イカれている。こんなの勝てるわけがない。
一閃。己の体は胴から綺麗に真っ二つに断たれた。
こうして2人の記念すべき初任務は、制限時間の半分も経たない6.35秒で完勝を迎えた。
今回はバトル回でした。
如何にバトルシーンを良く描写するかが大変でしたね。困ったら参考書(ラノベ)だ!
文法や描写の仕方なんかは主に大好きな作品等を参考に書いています。