ダークネスガールズ〜darkness girls〜 作:みかんとアロエ
家が建ち並ぶ通学路に元気よく歩いていく少女が2人。
沙織の姉である私は高校2年生で沙織本人は一つ下の高校1年生。こうして2人で歩いていると彼女と比べ私が劣っている所がはっきりと分かってしまう。
第一に身長だ。姉であるはずの私が彼女よりも低いのだ。私は143㎝で彼女は148㎝と明らかなのだ。次に胸だ。私は全然大きくなくAすらあるかどうかの膨らみだ。対して妹はCという普通の大きさなのだ…いいなぁ、普通ぐらいでも膨らんでるんだもの…
「ん?おねえちゃんどうしたの?私をずっと見つめて…おねえちゃんが見つめると上目遣いにしか見えないなぁ」
沙織が上から目線で少し馬鹿にしたように言って来たので
「酷いよ〜…沙織〜…」
私は拗ねてしまった。
「でもおねえちゃんは小さいままがかわいいよ!」
私を慰めるように後ろから抱きつく沙織。
非常に歩きにくいし恥ずかしいったらありゃしない。しかし彼女のシャンプーの香りがする茶髪によってウットリした気分になってしまい
「ん…」
声が漏れてしまった。彼女のラベンダーの香りのする制服と混ざりあって気分が良くなってくる…が流石に暑苦しいので
「もう離れてよ〜…」
引き剥がすように沙織の腕を振り払おうとする。
「あははゴメンね〜♪」
沙織は諦めて離れてくれた…のだが
私が後ろを確認すると
ちょうど5m後ろに1人の男の子がいた。私と目があった瞬間に顔をそらされた。
あんまり見えなかったが顔が少し赤かった…ってことは
完全に見られてた…
「はわわわわ、沙織!早くいくよ!!」
私は恥ずかしさの余り早くその場から立ち去ろうと強引に沙織の腕を引っ張って早足で歩いた。
「おねえちゃん…いたいぃい…!!」
なんか言っているが気にしない事にしよう。
沙織サイド
姉に引っ張られてとうとう学校の正門へ着いてしまった。この学校は敷地面積がとても広く学年ごとに校舎が一棟一棟用意されている。一年生は1棟の古い校舎、二年生の2棟、三年生の3棟、教職員や音楽室、理科室がある4棟からなっていて、私は1棟、姉は2棟で普段過ごしている。でも、時々姉は私がいないと落ち着かないとか言って1年生に混じって私の教室にいる。
「沙織〜またね〜」
私たちはちょうど校舎別の下駄箱で別れる。
姉が元気よく手を振っていたので私は小さく手を振って返した。
さて、一時限目の始まりだけど、凄い眠い…
まずいな…気を抜くと…眠…く…
ーお前なんか私のお姉ちゃんじゃない!!!
死ねぇ!!死んじゃえぇええええ”え”え”!!!!
茶髪の少女の首を思いっきり締める青髪の少女。
や”ぁ”っ!!くる…しい”…やめ…てぇ”!!
う”う”…あ”…ぅ…っくぁ…!
その少女の手の中で生きたいという執着心を露わにするかのように茶髪の少女の首の動脈がドクドクと力強く脈動する。
ー ふと、一発の銃声が茶髪の少女の近くで聞こえた。それと同時に茶髪の少女の命を絶とうとした手は力を失いゆっくりと首から離れた。そして大量の紅く生臭い液体が茶髪の少女の幼い身体を汚していった。
…り
…おり
…沙織!
「うわぁ!?なになになんなの!?」
急に隣の席の子に呼ばれたものだからびっくりして大声を出してしまった。
「びっくりしたなぁ〜…そんなに気持ちよく寝てたの?」
起こしてくれた女の子が呆れたように聞いてきた。彼女の名前は沢田百華という。
「もお〜…昼休みだよ?あんた午前中ずっと寝てたじゃないの…」
私の頭を撫でながらしょうがない様に私を注意してくる。
「ごめんごめん…ちょっと考えごとしたら眠くなっちゃって…」
私は少し恥ずかし気に彼女の問いに答えた。
すると彼女は不思議そうに私の目を見てきて
「沙織、お弁当は?」
不意に聞いてきたのでなんのことかわからなかった。
「え…お弁当…あっ!お弁当食べなきゃ!まだお弁当食べてな…」
キーンコーンカーンコーン
「うぇえ…昼休み終わっちゃった…」
今日のお弁当…楽しみにしてたのに…
しかしそんな悠長に弁当など食べられる気分でもなかった。さっきの薄気味悪い夢のせいで食欲がなくなってしまったからだ。
「あーあ…ほら早く授業いくよ…」
呆れた態度で私の制服の袖を引っ張って教室へつれていった。
香織サイド
「はぁ…授業つまんないなぁ」
ボソッとつぶやいて受けている数学の授業。
私は数学が大っ嫌いだ。妹の沙織ならスラスラ解ける2次方程式でさえ私は解けないのに
数学が楽しいわけがない。
「そんなあからさまにつまんなそうにしてると成績さげられるぞお前」
突然となりの青髪の男の子に注意されてしまった。
「あははぁ〜…だってつまんいないものはつまんないもん♪」
開き直って答えた私に
「はぁ〜…うちの妹でもそんなテキトーじゃねえぞ」
がっかりされてしまった。
「白夜くんの妹の名前ってももかちゃんだよね?今も元気にしてる?」
話を急転回して逸らした。
「あぁ、元気だぞ、あのアホ。元気すぎるくらいだ…」
若干憂鬱そうに答えた白夜だった。
ーprprー
突然スマホにメールが届いたので少しびっくりした。送り主は沙織からだ。
あの子が授業中にメールするなんて珍しいことだ。真面目な沙織はいつもスマホの電源を切っいるのに。
内容は
ーおねえちゃん。わたし変な夢みたの。
なんか青い髪の女の子に首を絞められて殺されそうになった夢…怖かった(>_<)ー
授業中寝てたのだろうか…
というより不思議だな…姉妹でそんな悪夢見るなんて…とりあえず返信しとこう。
ー心配しないで!ただの悪い夢だよ^_^
気にしない気にしない♪ー
しかし、青い髪の女の子…なんだろう…覚えてるようで覚えてない…いや、恐らく知っているけどその部分だけ覚えてないといった方がいいのか…
まぁいいか…。
ーミィツケタ…カオリ…コ……コロス…♪
「ひぃ!?」
急に背中に悪寒が走った…まるで今まさに命を狙われてるような緊張感が私に降りかかった。
次の瞬間、私以外の全ての時間が停止し、私以外はみんな白色の世界になった。
同時に黒板の前に黒い人の形をした影の様なものが存在していた。
そして反射ができない速度で何かがほおをすれすれに通過した。
「うぁ…な…なに…?」
黒い人型に何を答えて欲しいのかわからないが問いかけた。
「ワタシ…ハ…あな…たを…
貴女を殺すためにきたの。まぁとりあえず先にこのお土産貰ってくれる?」
そう言われた瞬間に脇腹に激痛が走った。
「うああああああああぁあああ!!痛いぃぃぃいいぁあああ!!」
みれば脇腹に肉切り包丁が深く刺さっていた。傷口から黒色の血液が漏れ出す。
ーこの人…本気で私を殺す気だ…!ー
そう悟り問いかけた。
「どう…して…。私を殺すの…?」
それは口を酷く歪ませ微笑み
「貴女達は殺さなければいつか世界を壊してしまうからね♪前回は大変だったんだよ?君のお姉ちゃんをぶっ殺すの。でも、貴女はそこまで戦闘能力なさそうだし、ここで死んじゃえ♪」
そういって私に肉切り包丁を振り下ろそうとした。
「!?」
とっさの判断で振り下ろされる包丁をかわした。しかし反対側の手にある肉切り包丁によって太ももの付け根を横一文字に切り裂かれた。
「うぁああああ!!!っぐぅっぁああっ!!」
太ももの傷口からは脇腹とは比べ者にならないぐらいの大量の血が噴き出した
私の足元を中心に黒い水溜りを作っていく。
同時に失血によって意識が朦朧とし、心臓の拍動が加速する。息苦しい。立っていられない。そのまま倒れこみ悶える格好になった私を黒いモノが見下し
「あははは!あの女の妹っていうからどんなものかと思って成長を楽しみにしてたのに…がっかりだなぁ…こんな呆気なく死んじゃうんだ」
失望したように私の顔を踏みつけながらつぶやいた。
「やだ…ころ…さ…ないで…」
力なく黒いモノに悲願するも叶わず
「やだよ…なんで生かしておかなきゃいけないの?もういいや死ね」
そして肉切り包丁で私の胸を開き衰弱しきって今にも止まりそうな心臓を直に切り裂いた。
そこで私の意識は途切れた。
しかし、息は止まらなかった。
体の奥底から命の躍動を感じた。そしてそれは光となり私の身体を包みこんだ。
「はぁ?なんだよ…今更もがいたって…ってこの力は!?そんな…馬鹿な…なぜ今覚醒を!?」
なにやらとても焦っているようだ。
「この揚羽、一生の不覚だよ!まさか覚醒させちゃうなんて…一旦退こう…!」
その黒いモノは慌てて逃げて行ってしまった。
一体どうしたというのだ。急に光ったと思ったら逃げ出して…
丁度光が消えた頃、私はあたりを見渡す。
特に異変のない教室だ。
あれ?なんで私生きてるの?
私、心臓切り裂かれたのに
なんで?
そして傷口のあたりを見てみる。
しかし
ない。ないのだ。傷口が。胸を開かれた痕さえもないのだ。
そして私は自分の服装がおかしい事に気がついた。制服を着ていたのに…白色のインナーに白色の裾がふりっとしたTシャツに白色のコートその上に黒色の床にまでベッタリつくほどの長さのマントの様なものを羽織り髪の毛がストレートだったがツインテールに変わっていた。その姿に気づいた私は思わず叫んでしまった。
「なんなのこの格好ぉぉぉぉぉぉおお!!?」
今回もまた不定期投稿です。そして次回も。
読んでいただきありがとうございました。(._.)