IS~疾走する本能~   作:煉獄 龍騎

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プロローグ 災難の始まり

 

2月のとある日。

巨大なビル街の中に彼はいた。

 

「ったく、用っていったいなんだよ・・・めんどくせぇ」

 

ぼやきながらも確かな足取りでビルの中に入ると、2人の女性が待っていた。

 

「ハーイ♪お待ちしておりましたー」

「プロフェッサーたちがお待ちです」

「ああ」

 

黒いタイトスーツを着ている「湊耀子」と

青い特徴的なスーツを着た「島田瞳」に迎えられた青年はむくれた顔をしながら

エレベーターへと乗り込む。

 

「ごめんねー、来てもらっちゃってー」

「そう思うならそっちから来いってんだ」

「プロフェッサーはともかく、もうお一方があまり目立たせたくないので・・・」

「わーってるよ、めんどくせーってだけだ」

 

ふたりに謝られ、なんとも言えない表情になる青年。

と、そこでエレベーターが止まる。

扉が開くと、前方から突撃される。

が、彼は右手を出してその突撃を止めるとキャッチ&リリースを行い

エレベーターを出る。

 

「ひどいや、たっくん!束さんを投げるなんて!」

「ふざけんな、馬鹿。ここまで来させといて何が悲しくて突撃喰らわないといけないんだよ」

「デリケートな束さんは泣いてしまいそうだよ!」

「はっ!デリケートな奴はそんなあからさまな泣き方はしねーよ!」

 

突撃してきたのはISの発明者、「篠ノ之束」、

そして束を投げた「たっくん」と呼ばれた青年の名は「狼上巧」。

と、そこに白衣を着た男が現れる。

 

「いや~、久しぶりだねー巧くん」

「・・・あんたも変わんねーな、凌馬」

 

白いメッシュに大量のピアス、彼もまた科学者のひとり「戦国凌馬」。

凌馬は3つアタッシュケースを持ってきた。

 

「んで?わざわざここまで来させたのは何か用があるからだろう?」

「さっすがたっくん!勘が良いや!」

 

復活した束はニコニコして凌馬に近づく。

凌馬はそのひとつを束に渡す。

アタッシュケースを開き中に入っているベルトのようなものを取り出すと

巧の下へ寄っていく。

 

「んだよ、それ」

「いーから、いーから♪」

 

されるがままにベルトを巻きつけられる巧。

さらにアタッシュケースからカメラのようなものや、ペンライトのようなものなどを

装着させる。

さらに、テーブルに置いてあった携帯電話を取り、ボタンを押す。

 

・・・5、5、5

 

《Standing by》

 

「お、おい。マジで、なんだよそれ」

「まぁじっとしていたまえ♪」

 

携帯電話からけたたましい音が鳴り出す。

それを見た巧は逃げ出そうとするも、凌馬に押さえ込まれ動けなくなる。

そして束はその携帯をベルトに突き立て左側に倒す。

 

《Complete》

 

すると巧の体にエネルギー流動経路を生成し、身体に沿った赤いフォトンフレームを形成する。

巧を抑えている凌馬が近くのパソコンを操作する。

人工衛星・イーグルサットが電子レベルにまで分解したスーツを電送、形成。

巧はその姿を変えた。

 

「んだよ、これ・・・」

 

黄色い人工複眼、赤い「フォトンストリーム」というエネルギーが体に流れている。

そして変化した自分の体に少なからず驚いている。

 

「おお・・・!成功だ・・・!」

「まさか・・・」

「すごーい!」

「ね!りょーくん!やっぱり束さんの言ったとおりでしょ!」

 

四者四様の反応を示す。

凌馬にいたってはパソコン画面に向かってブツブツとつぶやいている。

そんな彼らに苛立った巧は束を掴む。

 

「んで?これはいったい何なんだ!」

「良くぞ聞いてくれました!」

 

胸を張る束を無視し、急かす。

 

「だからこれはなんなんだよ!」

「それは「ファイズ」。私とりょーくんの製作した「ISライダーカスタム」だよ!」

「はぁぁ!?」

 

爆弾発言に驚愕する巧は束に詰め寄る。

 

「っざけんなっ!んでこんなもん・・・」

「あいつらが、出たよ」

「っ!?」

 

その言葉に固まる巧。

 

「あいつらが・・・」

「うん。それで、たっくんにちーちゃんや箒ちゃんたちを守ってもらおうと思って」

 

巧は静かにベルトから携帯を引き抜き、変身を解く。

そして、先ほどの気だるそうな目から決意のこもった目で言った。

 

「分かった。あいつらを倒す。戦うことが罪なら、俺が背負ってやる!」

「うん!たっくんならそう言うと思ったよ!そうと決まれば・・・」

「ああ、任せたまえ。・・・貴虎!」

 

確かな決意の言葉を聞いた束は凌馬に目配せ。

その凌馬に呼ばれた男、「呉島貴虎」は5人の青年を伴ってきた。

 

「やっぱり巧ならそういうと思ってたぜ!」

「さすが僕たちの親友だ!」

「勇次!直哉!」

 

現れたうち、ふたりの青年に声をかける巧。

「草加勇次」「三原直哉」。

そして残りの3人も声をかける。

 

「っしゃあ!そうと決まれば、早速特訓だ!」

「お前たちを更なる強者にしてやる」

「僕たちに任せてください」

「紘汰、戒斗、光実・・・!」

 

「葛葉紘汰」「駆紋戒斗」「呉島光実」。

彼らは巧に協力するようだ。

 

「さ!貴虎、後は頼んだ」

「ああ。行くぞ、お前たち」

「「「「「「ああ!」」」」」」

「学園に関しては束さんに任せといて♪」

 

この日から2ヶ月間、巧、勇次、直哉の3人は特訓に勤しんだ。

2ヵ月後、巧が入学。少し遅れて直哉。

勇次はカイザギアの調整に時間がかかるため、しばらくは学園に来れなかった。

 

 

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