ここはIS学園第1アリーナ。
先ほど織斑一夏VSセシリア・オルコットとの試合が終わった。
結果としては一夏は負けたが、かなりの善戦だった。
その一夏は今、千冬と箒に説教されていた。
そんな中、真耶は巧に近づく。
「ろ、狼上くん!」
「はい」
「オルコットさんの準備が出来たようです」
「分かりました」
巧は頷くと、ピットに運んでおいたバジンに乗る。
そして、胸の赤いネックレスを輝かせ、ファイズドライバーを装着する。
「織斑先生」
「なんだ」
「ゲートを開けてくれ」
「・・・分かった」
巧の願いを聞き入れると、千冬は真耶にゲートを開けるように言う。
轟音をたててゲートが開く。
巧はバジンのアクセルを吹かせ、ピットから飛び出す。
~★~
アリーナに降り立つ。
そんな巧を視界に捕らえると、セシリアは訝しんだ視線を送る。
「・・・あなた、ISはどうしたのですか?」
「今から展開すんだよ」
「そうですか。楽しみです」
頷くセシリアを横目に、巧は懐からファイズフォンを取り出す。
そのまま変身コードである「555」を打ち込む。
・・・5、5、5
そして「ENTER」を押す。
《Standing by》
ファイズフォンからけたたましい音が鳴り響く。
フォンを高く掲げ、巧は叫んだ。
「変身!」
そして、ドライバーのバックル部・フォンコネクターにファイズフォンを突き立て左側に倒す。
《Complete》
電子音声と共にフォトンフレームが形成される。
人工衛星・イーグルサットが電子レベルにまで分解したスーツを電送、形成され変身を完了する。
人工複眼の色は黄色、赤いフォトンストリームが体を流れる。
仮面ライダーファイズである。
「それが、あなたの・・・」
「ああ、いくぞ」
手首をスナップさせる巧。
呼応するようにバジンのヘッドライトが点滅する。
そのまま胸部・ブレストアーマーにあるスイッチを押す。
《Battle Mode》
音声と共にバジンは変形。
車体後部が脚部・ミッションドレッグ、バリアブルシートが胴部、
ブレーキユニット・パワーマニピュレーターが両手首、
後輪・スクランブルローターが背部、ヘッドライトが頭部を構成するロボになる。
そのバジンの背部に乗り、上昇する。
丁度試合開始のブザーが鳴り響く。
開始と共に巧にセシリアのビットから弾丸の雨が降る。
しかし巧はバジンのハンドル部分を操作し、離脱する。
さらにバジンの左ハンドルに、ミッションメモリーを装填。
引き抜く。
《Ready》
ファイズエッジからフォトンブラッドを発する刀身・フォトンブレードが生成される。
追撃として飛んできたビームを弾き飛ばす。
さらにバジンの前輪・バスターホイールを装備。
12mm弾を1秒間に96発連射する。
それにより、セシリアのビットは1機、また1機と落とされていく。
「くっ、戻りなさい!」
流石にまずいと感じたのかビットを自分のもとに戻すセシリア。
しかし、弾丸の雨から開放された巧がその隙を見逃すはずもなく。
バジンはセシリアに急接近。
接近した巧はファイズエッジでセシリアを斬りつける。
「オラァ!」
「きゃあっ!」
壁に吹き飛ばされるセシリア。
そちらを向くが、追撃はしない巧。
ファイズフォンを取り出し、横方向に折り曲げる。
銃口・マズルアンテナから赤いフォトンブラッド光線を単発で発射する光線銃・フォンブラスターになる。
・・・1、0、3
《Single Mode》
「ふっ!」
「甘いですわ!」
数発打ち込むが、セシリアはライフルで相殺。
その場から離脱して、距離をとるセシリア。
が、巧はフォンブラスターに先ほどと違うコードを入れる。
・・・1、0、6
《Burst Mode》
黄色い光弾・フォトンバレットを3連射するBurst Modeを起動。
バスターホイールとフォンブラスターで撃ちまくる。
ビットを落とすには至らないが、確実にダメージを与える。
「まだまだ!」
「そうは・・・行きませんわ!」
打ち続ける巧にビットを近づけるセシリア。
が、巧はバジンから飛び降り、ビットの射線から外れる。
しかし、セシリアも代表候補生。
素早く照準を合わせ、ビームを発射。
しかし巧はバスターホイールを投げ、壁にすることでビームから身を守る。
巧は地面に着地、素早く跳躍し再びバジンの背部に乗る。
「まだだ!」
「そのまま、お返ししますわ!」
巧はその場から跳躍し、セシリアに接近。
しかしセシリアはブルーティアーズ2機に、アーマーと化していたビット2機で巧を囲む。
巧はその場で1回転し、キックの体制をとる。
そして、ビット1機に蹴りを加え、バック転の要領でバジンの元に戻る。
しかし、その行動を読んでいたかの様に、セシリアは巧とバジンを残りのビットで囲みなおす。
「喰らいなさい!」
「・・・!」
ビットに蜂の巣にされる巧。爆煙が上がる。
会場にいる誰もがセシリアの勝ちを確信する。
煙が晴れていく。
___そこには、無傷のバジンとファイズ、巧が悠然と立っていた。
「そんなっ!?」
「俺たちを舐めるなよ?」
巧はファイズエッジの出力をアルティメットに調整。
大きく振りかぶり、一閃する。
「くうっ!?」
ギリギリでセシリアだけは避けることに成功するも、空中に待機していたビットは3機とも爆発する。
その隙を逃さず、巧は急接近し、かかと落としでセシリアを地面に落下させる。
その後を追うように巧も地面へ降り立ち、セシリアを殴りまくる。
喧嘩のようなスタイルをとり、攻撃を加え続ける。
「はあっ!」
「きゃうっ!?」
スナップさせた右腕を大きく振って、セシリアに叩きつける。
そして、バジンに投げ渡されたファイズエッジを持ち、ファイズフォンのENTERを押す事で必殺技を発動する。
《Exceed Charge》
フォトンストリームを通り、フォトンブラッドがファイズエッジに注入される。
「でやあっ!」
ボロボロのセシリアにファイズエッジからエネルギー波を飛ばし、ロックする。
巧はファイズエッジを構え、セシリアに向かって走る。
もう少しで刃が届く、というところで、
ドゴォンッ!
「ぐああぁっ!」
乱入してきた何者かに、巧は吹き飛ばされる。
そして、巧は乱入してきたものの正体に気付く。
「オルフェノク・・・!」
~★~
「んー、束くん。早速2体のオルフェノクがIS学園に現れたようだよ」
「ほんと!?」
スマートブレインと、ユグドラシルの共同研究室にて、凌馬と束がなにやら画面を見ている。
「ああ。乱入してきたのは2体。見た目からして、スティングフィッシュとエレファントのようだよ」
「いきなり2体、大丈夫かな・・・」
不安そうな顔をする束。そこに貴虎と紘汰が現れる。
「早速実戦か」
「んー、まあ巧なら何とかなるだろ!」
「・・・そうだね、たっくんを信じよう!」
~★~
先ほど襲撃してきた2体のオルフェノク。
スティングフィッシュオルフェノクとエレファントオルフェノクである。
その2体と、1人戦う巧。
セシリアはボロボロなので、バジンに運ばせた。
しかし、1VS2という数の差に、だんだん追い詰められていく。
ついに、スティングフィッシュのトライデントをもろに喰らい吹き飛ばされる。
その巧を受け止める影。
千冬にセシリアを預けたオートバジンが戻ってきたのである。
「・・・バジン!助かった」
「・・・」
ヘッドライトを光らせるバジンは、エレファントに向かって飛んでいく。
手首をスナップさせ、スティングフィッシュに向かって走り出す巧。
♪~Dead or alive~
「はあっ!」
「ぐっ!」
スティングフィッシュの突き出したトライデントを、首を傾けることで避け、右ストレートをぶつける。
さらに何度も拳を打ち付ける巧。
「があっ!」
その勢いに思わず後退りするスティングフィッシュ。
そして、巧はそのまま攻め立てようとするが、スティングフィッシュはその姿を遊泳体へ変える。
空中を素早く動き回り、巧を攻め立てるスティングフィッシュ。
攻守が逆転し、巧がピンチとなる。
しかし、そのピンチをバジンが救う。
ブゥンッ!
「ぐあっ!」
「!・・・これは」
バジンが投げ渡してきたものは、先ほどオルフェノクたちが来たときに落としてしまったファイズエッジ。
再び手首をスナップさせ、ファイズエッジを構える巧。
「このっ!」
「はあっ!」
袈裟斬りを上に払いのけ、スティングフィッシュの手首を斬りつけ、トライデントを落とさせる。
その落ちたトライデントを拾い上げ、ふたつの武器で苛烈に攻め立てる巧。
再び巧の優勢となり、スティングフィッシュは地面へ転がる。
トライデントを投げ、手首をスナップさせる。
先ほどのように、ファイズフォンのENTERを押す事で必殺技を発動する。
《Exceed Charge》
フォトンストリームを通り、フォトンブラッドがファイズエッジに注入される。
そこから地面を削り取るように、ファイズエッジを払い上げエネルギー波を吹き飛ばす。
「ぐっ!これはっ!」
ロックされたスティングフィッシュはなんとか脱出しようともがくが、ロックからは抜け出せない。
構えたファイズエッジを高く掲げながら、スティングフィッシュに接近する巧。
そして、一刀両断。
「でやあぁっ!」
「ぐぅわあああ!」
駆け抜けた巧の後ろでスティングフィッシュは爆発。
その爆発した場所ではΦの字が浮かび上がる。
さらに振り返るとバジンがエレファントを圧倒。
そのバジンとアイコンタクトをとり、再びファイズフォンのENTERを押す。
《Exceed Charge》
再びフォトンストリームを通り、フォトンブラッドがファイズエッジに注入される。
そこで手首をスナップさせ構える巧に向け、バジンはエレファントを吹き飛ばす。
「・・・!」
「でやあぁっ!」
「がああああ!」
跳んできたエレファントにあわせ、ファイズエッジを振り下ろす。
エレファントは爆散。またもΦの字が浮かび上がる。
一息ついた巧は変身を解除し、この後説明する面倒くささにため息を付くしかなかった。
~★~
「さっきのはオルフェノク。無人のISだ」
「無人のIS!?」
ラッキーなことに、巧は説明する役をしないですんだ。
なぜなら、貴虎が学園に来て、説明役をしてくれたからである。
そして、貴虎は1年1組の生徒全員に説明中である。
「貴虎。詳しく教えてくれ」
「分かった。オルフェノクは束でさえ知らないコアで動いている」
「開発者の篠ノ之博士でも知らない!?」
「ああ。現在判明しているのは36体」
「ふむ。他には?」
「そのオルフェノクと呼ばれるISは、現行のISでは太刀打ちできない」
「本当ですか!?ISでも太刀打ちできないなんて・・・」
事実、スマートブレインの木場とユグドラシルの貴虎が共同で行った実験にて
オルフェノクに対し、通常のISではかすり傷程度しか与えられない。
「そして、そのオルフェノクに対抗できるISが、私や巧の持つ「ISライダーズギアカスタム」だ」
そう言って貴虎は戦極ドライバーを見せる。
「そのライダーズギアカスタムは何個ある?」
「数としてはまず、私の持つロックシードタイプ。
戦極ドライバーが8つ。戦極ドライバーの後継機、ゲネシスドライバーが5つ」
所持者は、葛葉紘汰、呉島光実、駆紋戒斗、ザック、城乃内秀保、初瀬亮二、呉島貴虎、
戦極凌馬、シド、湊耀子、凰蓮厳之介の11人。
「さらに巧の持つISタイプ。ギア4つ。スマートバックルが2つだ」
所持者は、狼上巧、草加勇次、三原直哉、木場雅人、海堂修司、島田瞳の6人。
「だが、実際にオルフェノクと互角以上に戦えるのはすべてをあわせても9つだ」
「それだけ・・・」
「他のものでも戦えることは出来るが、相手によっては勝てない場合もある」
「ふむ、それで巧が私たちを守る、と?」
「ああ、実際にはまだ2人来る予定だが・・・」
「調整がまだ出来てないんだとさ」
「なるほど。わざわざすまんな、貴虎」
「構わん。お前のためだ」
「・・・!ふん・・・」
そっぽを向く千冬。貴虎は軽く微笑むと、教室から出て行く。
「巧。頑張れよ」
「ああ。サンキュな、貴虎」
帰っていく貴虎。
巧の戦いは始まったばかり・・・。