人生二回目でヒーロー目指します   作:74

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勢いに任せて書きました。

楽しんでいただければ幸いです。


8.襲撃の悪意

 

今日も、いつも通りに登校し午前中の授業が受ける。

 

 

 

PM0:50

 

 

「今日のヒーロー基礎学だが・・・俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見ることになった。」

 

相澤さんの言葉に手に力が入るのを机の下で隠す。

 

 

ついにこの日が来た。

 

 

前で話す相澤さんを私は見つめていた。

 

 

 

戦闘服に着替えてバスに乗る時、フルスロットルで仕切る飯田くんが面白くて思わず吹き出した。

程良く力が抜けたお陰で緊張して動けないなんて事にならずに済みそうでホッとする。

 

「飯田くんありがとう。」

 

「いや、おれは委員長として当然の事をしているだけで礼を言われる程の事はしていないさ!」

 

真意は当然伝わらなかったし私の自己満足だがお礼を言えて良かったと思う。

 

言葉に反して嬉しそうな飯田くんにまた和んだ。

 

 

バスに乗り込み空いている瀬呂くんの隣に座る。

 

みんなの会話を軽く聞きつつ景色を見る。

 

 

「人気つったら石とか人気出そうだよな!!」

 

またまた斬島くんからいきなり振られてそっちに目線を向ける。

 

「そうね、弦ちゃんはもうファンもいるものね。」

 

「そうなの!?弦すごーい!!」

 

一気に視線が集まり内心でびびる。コッチミンナ。

 

「んー、ファンなのかな?近所の人とかにはランニングしてたら応援して貰える事はあるけどファンとは違うと思うしなぁ・・・。」

 

「弦ちゃんはネットはあまり見ないのかしら?」

 

「いや、普通に見るけど自分のニュースとかは見ないね。」

 

梅雨ちゃんの言葉に考えながら答える。

 

「え!見ねえの!?」

 

何人かに信じられないという目で見られる。コッチミ(ry

 

「応援して貰えるのは勿論ありがたいけど、注目されたくてやった訳じゃないから興味ないんだ。」

 

実際は違うけどそれは秘密にしておく。

誤魔化す様に笑って言うとなぜか尊敬するような目で見られた。解せぬ。

 

「かっけぇな!!」

 

「弦かっこいい!!」

 

「素敵ね。」

 

「正にヒーローを目指す者の鏡だ!!」

 

上から斬島くん、三奈ちゃん、梅雨ちゃん、復活した飯田くんだ。

みんなに一斉に褒められて真面目に自分が汚れていると思った。出久くんもみんなもそんなキラキラした目で見ないで!!

 

 

 

目的地に到着しバスから降りる。

 

 

「すっげーー!!USJかよ!!?」

 

「水難事故、土砂災害、火事・・・etc。

あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です。その名も・・・、

 

嘘(U)の災害(S)や事故(J)ルーム!!」

 

スペースヒーロー13号のネーミングセンスって秀逸だよね。

 

13号と相澤さんが話し始めた時にさり気なく13号の指を見る。

原作通り立てている指は3本で変化がないことに安心ではないがホッとする。

 

 

「えー始める前にお小言を1つ2つ・・・3つ・・・、4つ・・・」

 

話す内容定めとけと思ってしまった私は悪くない。

 

「皆さんご存知だとは思いますが僕の“個性”は“ブラックホール”、どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます。」

 

「その“個性”でどんな災害からも人を救い上げるんですよね。」

 

出久くんが相づちを打ち、お茶子ちゃんはヘッドバンしている。

 

「ええ・・・、しかし簡単に人を殺せる力です。皆の中にもそういう“個性”がいるでしょう。

 

超人社会は“個性”の使用を資格制にし厳しく規制することで一見成り立っているように見えます。

しかし一歩間違えれば容易に人を殺せる“いきすぎた個性”を個々が持っている事を忘れないでください。

 

相澤さんの体力テストで自信の秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。

 

この授業では・・・心機一転!人名の為に“個性”をどう活用するかを学んでいきましょう。

 

君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。救ける為にあるのだと心得て帰って下さいな。

以上!ご静聴ありがとうございました。」

 

「ステキ-!」

 

「ブラボー!!ブラーボー!!」

 

素直にその通りだなと思った。

私の粘着糸も口と鼻に着ければ取るのはとても困難になり容易に窒息死させられる。首にかけて絞めれば絞殺も出来てしまう。

個性の危険性を改めて感じた。

 

 

「そんじゃあまずは・・・」

 

 

ズズ・・・ズ・・・

 

 

「一かたまりになって動くな!!!13号!!生徒を守れ!!」

 

 

普段からは考えられない相澤さんの大きな声に瞬時に身構える。

 

 

・・・来た!

 

 

現れた敵の姿に背中にぞくりと悪寒が走る。

 

 

「何だアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」

 

「動くな!あれは、敵だ!!!!」

 

 

状況を把握出来たみんなにも緊張が走る。

 

 

「どこだよ・・・、せっかくこんなに大衆引きつれてきたのにさ・・・。

オールマイト・・・平和の象徴・・・いないなんて・・・、

 

子どもを殺せば来るのかな?」

 

 

それは、途方もない悪意の塊だった。

 

 

「先生侵入者用センサーは?」

 

「もちろんありますが・・・!」

 

みんなの声を聞きつつも視線は敵を見る。一際大きい黒い敵を・・・。

 

「13号避難開始!学校に連絡試せ!センサーの対策も頭にある敵だ!電波系の“個性”が妨害している可能性もある。上鳴おまえも“個性”で連絡試せ。」

 

「っス!」

 

相澤さんの様子に思わずという風に出久くんが口を開く。

 

「先生は!?1人で戦うんですか!?あの数じゃいくら“個性”を消すっていっても!!

イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの「出久くん大丈夫だから。」っえ?石さん?」

 

つい出久くんの言葉を遮ってしまった。

でも、これ以上聞いていられなかった。これ以上聞いていたら、私が耐えられないから。わがままを言ってしいそうだったから口を出さずにはいられなかった。

 

「石の言うとおり問題ない。

一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号!任せたぞ。」

 

 

そのまま飛び出す背中は大きくて、とても遠く感じた。

 

 

13号に続いて避難しようとした時前方に敵が現れた。

 

「させませんよ。」

 

「初めまして、我々は敵連合。

せんえつながら・・・この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは・・・

 

平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして、

 

本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ・・・ですが、何か変更あったのでしょうか?まぁ・・・それとは関係なく・・・私の役目はこれ。」

 

瞬間、敵に向かって攻撃したのは斬島くんとかっちゃんだった。

 

「その前に俺たちに、ってうおぉぉ!!」

 

糸を貼り付けて急いで2人を引っ張る。文句ありげに睨まれたが無視だ。

 

 

「危ない危ない・・・。そう・・・生徒といえど優秀な金の卵。

 

散らして

 

嬲り

 

殺す」

 

 

そして広がった闇に私は視界を埋め尽くされた。

 

 

 

闇が消えるとそこは廃墟だった。

斬島くんとかっちゃんもいた。

糸でつながっていた為一緒に飛ばされた様だ。

 

「来た来た!」「獲物はガキ3人か。」「ちゃっちゃっと終わらそうぜ!」

 

周囲の敵に身構える。数が多いことに舌打ちしたくなる。たくっ、ちゃっちゃっと終わらすとか、

 

「こっちの台詞だっつうの!」

 

糸で敵を引っ張りそのままがら空きの顎を殴り気絶させる。

 

「まず1人。」

 

「てめぇこのガキがぁあ!!」

 

私の言葉に逆上して突っ込んで来た2人目の攻撃を避け、そのまま腕を掴み背後からの敵に向かってぶん投げる。

 

「3人。」

 

冷静に呟く。

 

敵は警戒したのか突っ込んで来ない。ちらりと2人の様子を見るが問題はなさそうだ。

 

「さっさと終わらせる・・・!」

 

呟いてから私は敵に向かって突っ込んだ。

 

 

 

「これで全部か、弱ぇな。」

 

周りにいた全ての敵を倒し終わりかっちゃんが呟く。

 

「っし!早く皆を助けに行こうぜ!俺らがここにいることからして皆USJ内にいるだろうし!攻撃手段少ねぇ奴等が心配だ!」

 

斬島くんとかっちゃんの会話を余所に窓枠に足をかける。

 

「勝手で悪いけど私は広場の方に行くから!」

 

「え!?おい!石!!」

 

斬島くんの声をバックに廃墟を出る。

 

 

どうか!間に合って!!

 

 

 

noside

 

 

イレイザーヘッドの戦っていた広場には絶望が広がっていた。

 

 

さっきまでならば敵を1人1人確実に倒していきむしろ押していたと言えた。

だが突然背後から襲ってきた1人の敵“脳無”の存在が状況を逆転させた。

 

 

脳無の攻撃でイレイザーヘッドの右腕はまるで小枝でも折るかの様にバキバキに折られた。

 

 

水難ゾーンから敵を戦闘不能にし広場へと来ていた緑谷、蛙吹、峰田の3人もそのあまりに凄惨な光景に息をのみ動けないでいた。

 

 

そしてその光景から気づかされた。

 

 

自らの“力”では到底太刀打ち出来るはずがない“敵”であるということに。

 

 

脳無は折れた右腕にさらに力を込めて骨を粉砕させる。

 

「~~っ!!!!!」

 

イレイザーヘッドは声なき悲鳴を上げて苦痛に耐える。

そんなイレイザーヘッドにもう1人の敵“死柄木弔”が無感情に平坦な声色で話す。

 

 

「“個性”を消せる。素敵だけどなんてことないね。

 

圧倒的な力の前では、つまり、ただの“無個性”だもの。」

 

 

 

腕を掴んでいる脳無のもう片方の腕がイレイザーヘッドの左腕へと伸ばされた。

 

 

 

「っ!!」

 

 

 

瞬間、脳無の右腕の指が不自然に曲がりイレイザーヘッドの腕から離れる。

 

 

一瞬腕が離れた間にイレイザーヘッドの体は引っ張られ脳無から離される。

 

 

引っ張られたイレイザーヘッドを受け止めたのは彼のよく知る1人の少女だった。

イレイザーヘッドは驚き目を見開いた。

 

 

「おまえ・・・なんで来た!?」

 

 

少女、石弦はその問いに緩く笑って答えた。

 

 

「ピンチに現れてこそのヒーローですよ。」

 

 

 

そう言うと弦は打って変わって強く、それでいて冷たい瞳で敵を睨み付けた。

 

 

 





次回!!「遅れてごめん、必ず守るから・・・!!」

弦は圧倒的悪意を前にどう戦うのか!?守りきることは出来るのか!?

乞うご期待!!


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今話も読んでいただきありがとうございました!

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