八幡「後輩」 いろは「先輩」   作:鴉子

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八幡「後輩」 いろは「先輩」

???「せんぱーい!」

   

誰かがそう呼んでいる

ここで自分のことかと勘違いして振り返って恥をかく。そんなことをするのは二流のボッチがすることだ

そして俺は一流のボッチであるがため勘違いなどしない

 

???「せんぱいでばー、聞こえてるんでょー」

 

まったくその先輩とやらも反応してやれよ

 

???「うぅー、おりゃ!」

ドンっ!

 

八幡「何すんだよ」

 

いろは「先輩が無視するから悪いんですよー」

 

八幡「いや、俺じゃないと思ったし」

 

いろは「私が先輩って呼ぶのは先輩だけですよー」ウワメヅカイ

 

八幡「はいはい、あざといあざとい」

 

いろは「むー、なんなんですか、せっかく可愛い後輩が話しかけてるのにー」

 

(可愛いって自分で言っちゃってるよこの子。まぁ実際可愛いけどよ」

 

いろは「ちょ、なに言ってるんですか。///告白してるんですか。ごめんなさいまだちょっと無理です。」

 

八幡「はぁ?お前こそ何言ってんだ。俺の中でのお前はあざといだからな。」

八幡「てかまた振られたのかよ、告白もしてないのにさ」

 

てゆーかすげーなあいつ、噛まずによく言えるよな

 

いろは「あざといって、先輩のほうがあざといじゃないですか」ボソッ

 

八幡「ん、なんか言ったか」

 

いろは「先輩のほうがあざといっていったんです!」

 

八幡「なに言ってんだお前、俺のどこがあざといんだよ。お前の方があざといだろ。」

 

いろは「なんでもありません!おバカな先輩には一生わからないです!」

 

なに怒ってんだよ…

これ以上この話を続けるのはめんどそうだな…

 

八幡「そんなことより何か用事があったんじゃないのか」

 

いろは「そ、そうでした!先輩っ生徒会のお手伝いを…」

 

八幡「わりー、俺用事あるんだった。

じゃあな一色」

 

いろは「ちょっ、先輩どこ行くんですか」

 

八幡「どこって部活だが」

 

こいつのお願いはどうせ生徒会活動だろうとは思っていた

まぁだからこそはやくここから立ち去らなければ面倒くさいことになりそうだと本能が告げて…

 

いろは「本物…」ボソッ

 

八幡「はい今すぐ行かせて頂きます」

 

俺の本能よわっ!

 

いろは「ホントですかっ!さすが先輩です!ありがとうございますっ!」

 

八幡「あざとい、あざとい」

 

こうして俺たちは生徒会室に向かった

 

 

 

 

ー生徒会室ー

 

いろは「せんぱーい」

 

八幡「おい一色、口じゃなく手を動かせ手を」

 

いろは「だってー、仕事あきましたー」

 

八幡「そんなのは理由になってない」

 

 

俺は今一色と二人で生徒会室にいる

他の役員はとうしたかって?

それは……

 

 

 

 

 

 

 

ー1時間前 生徒会室ー

 

八幡「おい一色」

 

いろは「なんですか先輩?」

 

八幡「なんで誰もいないんだ?」

 

いろは「他の役員は家の用事があったり学校を休んだりと誰もいません。

はっ、もしかして二人きりなのをいいことに告白でもするつもりですか。

ごめんなさいまだちょっと無理です。」

 

八幡「何言ってんだ。お前に告白なんてするわけねぇだろ。」

 

まったくこっちははやく帰りたいってのに

これは時間がかかりそうだな

 

八幡「はぁ、まぁいいはやく仕事始めるぞ」

 

いろは「ちょ、先輩はやくないですか」

 

八幡「こっちははやく帰りたいんだよ」

 

………………

 

 

 

 

 

 

ーそして現在 生徒会室ー

 

てなわけで今ここには俺と一色の二人しかいない

 

いろは「先輩も疲れましたよねー?

なら休憩しましょうよー」

 

まあ疲れたか疲れてないかで言ったら疲れている

1時間ずっとデスクワークだったからな

 

八幡「はぁ、分かったよ。

少し休憩するか。」

 

いろは「さすがです先輩っ!」ンー

 

そう言って一色はわざとらしく背筋を伸ばした

 

八幡「あざとい」

 

いろは「あざといってなんですか、もー」プクッ(頬を)

 

八幡「そういう仕草のことだ。」

八幡「てゆうか他の役員かいないことくらい初めから言えよな。

こんなのとてもじゃないが一人で出来る量じゃないぞ。」

 

いろは「だって、私一人って言ったら先輩手伝ってくれなさそうじゃないですかー」

 

八幡「はぁ、何言ってんだお前。

一人だからこそ手伝うだろ普通。」

 

てかっ、俺ってそんなに信用されてなかったのか

 

いろは「そ、そうですか。

あ、ありがとうございます。」///

 

一色の顔がなぜか赤くなっている

見ていてなんだか恥ずかしい

俺は柄にもなくそんなことを思った

 

八幡「そ、そんなことより休憩はもういいだろ。

作業を続けるぞ」

 

なんだかいたたまれなくなって俺は無理やり作業を再開させた

 

 

 

ー作業再開から1時間ー

 

八幡「一色、お前どれくらいすすん……」

 

一色にどれくらい仕事が進んだか聞こうと顔を向けたところ、

一色はすでに夢の中だった

 

八幡「ったく、人に頼んどいて寝るか普通。」

 

妙に一色がしずかだと思っていたが寝ていたからだったのか

 

八幡「はぁ、しゃあねぇなぁ。」

 

そう言っておれは一色の分の書類を取り進めていく

 

なんで一色の分までやっているのかは自分でもよく分からない

 

ただ、一色も1年生にして生徒会長をやっているだけあって疲れているのかもしれない

だったらここは眠らせておいた方がいいだろう

 

まぁ、夢くらいは楽なことがみられればいいなと思い俺は仕事を続けていく

 


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